JPH0578899A - 薄膜およびカラーフイルタの製造方法 - Google Patents

薄膜およびカラーフイルタの製造方法

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JPH0578899A
JPH0578899A JP24230191A JP24230191A JPH0578899A JP H0578899 A JPH0578899 A JP H0578899A JP 24230191 A JP24230191 A JP 24230191A JP 24230191 A JP24230191 A JP 24230191A JP H0578899 A JPH0578899 A JP H0578899A
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JP
Japan
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film
thin film
dispersion
range
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JP24230191A
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English (en)
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Hiroshi Komon
宏 小門
Katsuyoshi Hoshino
勝義 星野
Seiichiro Yokoyama
清一郎 横山
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Idemitsu Kosan Co Ltd
Original Assignee
Idemitsu Kosan Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 各種の製膜物質のミセル溶液あるいは分散液
に光照射を行うだけで、所望する被製膜物質上に自在に
薄膜を形成することのできる薄膜の製造方法を開発する
ことである。 【構成】 各種の色素や顔料等を水性媒体中でフェロセ
ン誘導体の界面活性剤を用いて分散あるいは可溶化する
とともに、特定濃度の光酸化触媒と光酸化触媒再生物質
とを一定の混合比で添加して得られるミセル溶液あるい
は分散液に、そのpHを5以下に調整したのち、金属板
やガラス板等の被製膜物質を挿入し、前記液と被製膜物
質との接触面に光照射を行うことにより、被製膜物質上
に薄膜を形成する方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は薄膜およびカラーフィル
タの製造方法に関し、詳しくは各種の製膜物質のミセル
溶液あるいは分散液に光照射を行うだけで、所望する被
製膜物質上に自在に薄膜を形成することのできる薄膜の
製造方法、およびその手法を応用した電子写真感光体,
カラーフィルタならびに光メモリディスクの製造方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
薄膜の製造法としては、蒸着法,スピンコート法,CV
D法,スパッタ法,LB膜法,ディップ法,電着法,ミ
セル電解法,印刷法,分散法,染色法等が知られてい
る。その中でも、ミセル電解法による薄膜の製造につい
ては、その精度も良く、工業的利用が期待されている。
しかし、ミセル電解法や電着法では、電気を用いて製膜
するため、被製膜物質が導電体である必要があった。ま
た、カラーフィルタの場合、ITO(Indium Tin Oxid
e)をフォトリソグラフィー法でパターニングするた
め、露光工程やエッチング工程が必要であるとともに、
エッチング条件の制限のため、ギャップ5μm以下のパ
ターン精度を得ることは難しかった。そこで本発明者ら
は、電気を用いることなく、またエッチング工程を行う
ことなく、自在に薄膜を形成することのできる全く新た
な薄膜の製造法を開発すべく鋭意研究を重ねた。
【0003】
【課題を解決するための手段】その結果、各種の製膜物
質を含みかつ特定濃度の光酸化触媒と光酸化触媒再生物
質とを一定範囲の混合比で添加してなるミセル溶液ある
いは分散液に、液のpHを5以下に調整した後、被製膜
物質を挿入し、液と被製膜物質との接触面に光照射を行
うことにより、目的を達成できることを見出した。本発
明はかかる知見に基いて完成したものである。
【0004】すなわち、本発明は無機物質あるいは疎水
性有機物質を水性媒体中でフェロセン誘導体からなる界
面活性剤を用いて分散あるいは可溶化するとともに、1
〜100mMの範囲の光酸化触媒と1〜100mMの範
囲の光酸化触媒再生物質とを1:5〜5:1の範囲で添
加して得られるミセル溶液あるいは分散液に、そのpH
を5以下に調整したのち、被製膜物質を挿入し、前記ミ
セル溶液あるいは分散液と前記被製膜物質との接触面に
光照射を行うことにより、該被製膜物質上に前記無機物
質あるいは疎水性有機物質の薄膜を形成することを特徴
とする薄膜の製造方法を提供するものである。
【0005】また、本発明は上記方法において、疎水性
有機物質として電荷発生物質を用いて形成した薄膜を電
荷発生層とすることを特徴とする電子写真感光体の製造
方法ならびに疎水性有機物質として光メモリ材料を用い
て形成した薄膜を光メモリ薄膜とすることを特徴とする
光メモリディスクの製造方法をも提供する。
【0006】さらに、本発明は赤色,緑色,青色三原色
の分光特性を有する顔料あるいは染料を、それぞれ水性
媒体中でフェロセン誘導体からなる界面活性剤を用いて
各々分散あるいは可溶化するとともに、1〜100mM
の範囲の光酸化触媒と1〜100mMの範囲の光酸化触
媒再生物質とを1:5〜5:1の範囲で添加して得られ
る各色のミセル溶液あるいは分散液に、そのpHを5以
下に調整したのち、被製膜物質を挿入し、前記各色のミ
セル溶液あるいは分散液と前記被製膜物質との接触面に
所定パターンの光照射を各色ごとに行うことにより、該
被製膜物質上に各色素膜を形成することを特徴とするカ
ラーフィルタの製造方法をも提供するものである。
【0007】本発明において使用される製膜物質(薄膜
素材)は、様々なものがあり、大きく無機物質および疎
水性有機物質に分けることができる。ここで疎水性有機
物質としては、各種のものがあるが、例えばフタロシア
ニン,フタロシアニンの金属錯体およびこれらの誘導
体、ナフタロシアニン,ナフタロシアニンの金属錯体お
よびこれらの誘導体、ポルフィリン,ポルフィリンの金
属錯体およびこれらの誘導体、ペリレン,ペリレンの誘
導体、キナクリドン,イソインドリノン,ジスアゾ,ジ
オキサジン,ビオロゲン,スーダンおよびこれらの誘導
体などのカラーフィルタ顔料や有機色素をはじめ1,
1’−ジヘプチル−4,4’−ビピリジニウムジブロマ
イド,1,1’−ジドデシル−4,4’−ビピリジニウ
ムジブロマイドなどのエレクトロクロミック材料,6−
ニトロ−1,3,3−トリメチルスピロ−(2’H−
1’−ベンゾピラン−2,2’−インドリン)(通称ス
ピロピラン)などの感光材料(フォトクロミック材料)
や光センサー材料,p−アゾキシアニソールなどの液晶
表示用色素、更に「カラーケミカル事典」株式会社シー
エムシー,1988年3月28日発行の第542〜71
7頁に列挙されているエレクトロニクス用色素,記録用
色素,環境クロミズム用色素,写真用色素,エネルギー
用色素,バイオメディカル用色素,食品・化粧用色素,
染料,顔料,特殊着色用色素のうちの疎水性の化合物な
どがあげられる。また、7,7,8,8−テトラシアノ
キノンジメタン(TCNQ)とテトラチアフルバレン
(TTF)との1:1錯体などの有機導電材料やガスセ
ンサー材料,ペンタエリスリトールジアクリレートなど
の光硬化性塗料,ステアリン酸などの絶縁材料,1−フ
ェニルアゾ−2−ナフトールなどのジアゾタイプの感光
材料や塗料等をあげることができる。さらには、水に不
溶性のポリマー、例えばポリカーボネート,ポリスチレ
ン,ポリエチレン,ポリプロピレン,ポリアミド,ポリ
フェニレンサルファイド(PPS),ポリフェニレンオ
キサイド(PPO),ポリアクリロニトリル(PAN)
などの汎用ポリマー、またポリフェニレン,ポリピロー
ル,ポリアニリン,ポリチオフェン,アセチルセルロー
ス,ポリビニルアセテート,ポリビニルブチラールをは
じめ、各種各様のポリマー(ポリビニルピリジンなど)
あるいはコポリマー(メタクリル酸メチルとメタクリル
酸とのコポリマーなど)をあげることができる。
【0008】一方、無機物質としては、無機酸化物,無
機硫化物など各種のものがあるが、例えばTiO2
C,CdS,FeO3 ,Y2 3 −ZrO2 ,Zr
2 ,Al23 ,CuS,ZnS,TeO2 ,LiNb
3 ,Si34 ,SrCeO3 ,WO3 ,PLZTさら
には各種の超電導酸化物などをあげることができる。
【0009】また、カラーフィルタを製造する際には、
これらの各種無機物質または疎水性有機物質の内、RG
B三原色の分光特性を有する顔料あるいは染料、すなわ
ち、赤色,緑色及び青色の疎水性色素を使用する。赤色
色素としては、ペリレン系顔料,レーキ顔料,アゾ系顔
料,キナクリドン系顔料,アントラキノン系顔料あるい
はアントラセン系顔料等があり、例えばペリレン顔料,
レーキ顔料(Ca,Ba,Sr,Mn),キナクリドン,ナフト
ールAS,シコミン顔料,アントラキノン(Sudan I,
II,III,R),ジスアゾ,ベンゾピラン,硫化カドミウ
ム系顔料,Fe(III)酸化物系顔料などがあり、そのう
ちペリレン顔料やレーキ顔料が好ましい。また、緑色色
素としては、ハロゲン多置換フタロシアニン系顔料,ハ
ロゲン多置換銅フタロシアニン系顔料あるいはトリフェ
ニルメタン系塩基性染料等があり、例えばクロロ多置換
フタロシアニン,その銅錯体あるいはバリウム−トリフ
ェニルメタン染料などがあり、青色色素としては、銅フ
タロシアニン系顔料,インダンスロン系顔料,インドフ
ェノール系顔料あるいはシアニン系顔料などがあり、例
えばクロロ銅フタロシアニン,クロロアルミニウムフタ
ロシアニン,バナジン酸フタロシアニン,マグネシウム
フタロシアニン,亜鉛フタロシアニン,鉄フタロシアニ
ン,コバルトフタロシアニンなどのフタロシアニン金属
錯体,フタロシアニン,メロシアニンあるいはインドフ
ェノールブルーなどがある。また、色度調整用の黄色顔
料として、ジスアゾ顔料,イソインドリノン顔料が挙げ
られ、紫色顔料として、ジオキサジン顔料が挙げられ
る。
【0010】なお、上記各物質のうち、特にフタロシア
ニン金属錯体(銅錯体,クロロアルミニウム錯体,バナ
ジン酸クロロインジウム錯体,インジウム錯体など),
ペリレン顔料,ジアゾ顔料,硫化カドミウム系顔料等
は、電荷発生物質として作用するので、電子写真感光体
を製造する際の素材として有効である。また、これらの
無機物質または疎水性有機物質は、その形状や大きさ等
に関しては特に制限はないが、好ましくは粒径10μm
以下の粉末が用いられる。
【0011】次に、本発明において、薄膜形成の際に用
いる水性媒体としては、水をはじめ、水とアルコールの
混合液,水とアセトンの混合液など様々な媒体をあげる
ことができる。
【0012】また、本発明の方法で用いる界面活性剤
は、フェロセン誘導体を有効成分として含有する界面活
性剤であり、非イオン性,カチオン性,アニオン性等各
種のものがある。具体的には、特開昭63−24329
8号公報に示されるようなアンモニウム型のフェロセン
誘導体、国際公開WO89/01939号明細書に示さ
れるようなエーテル型のフェロセン誘導体やエステル型
のフェロセン誘導体、特開平1−226894号公報に
示されるようなピリジニウム型のフェロセン誘導体、さ
らには特開平2−88387号公報,同1−45370
号公報,同2−96585号公報,同2−250892
号公報に示されるような各種のフェロセン誘導体を挙げ
ることができる。
【0013】本発明の方法では、光酸化触媒と光酸化触
媒再生物質を併用することが必要である。また、ミセル
溶液あるいは分散液中における光酸化触媒とその再生物
質の濃度は、ともに1〜100mMの範囲に選定し、か
つ両者の混合比を1:5〜5:1の範囲で定めることが
必要である。ここで、濃度が1mM未満では、光酸化反
応や触媒の再生が充分に進行せず、逆に100mMを超
えると、これらの触媒や再生物質が、形成される薄膜に
混入して、薄膜の性能低下を引き起こすおそれがある。
この光酸化触媒としては、様々なものを使用することが
できるが、通常はルテニウム錯体等が好適に使用され
る。また、光酸化触媒再生物質は、劣化した前記光酸化
触媒を再生できるものであれば、各種のものが使用可能
であるが、通常はコバルト錯体が好適に使用される。
【0014】本発明の方法では、まず水性媒体中に上記
の界面活性剤および無機物質及び/又は疎水性有機物質
を入れて、メカニカルホモジナイザー,超音波ホモジナ
イザー,パールミル,サンドミル,スターラー,三本ロ
ールミル等により充分攪拌する。この操作で無機物質や
疎水性有機物質は、界面活性剤の作用で、水性媒体中に
均一に分散あるいは可溶化して、分散液あるいは水溶液
(ミセル溶液)となる。なお、上述の光酸化触媒とその
再生物質は、予め水性媒体に添加して、上記無機物質や
疎水性有機物質とともに攪拌してもよく、また攪拌して
分散液あるいはミセル溶液を調製した後に、添加しても
よい。この際の界面活性剤の濃度は、特に制限はない
が、通常は上記フェロセン誘導体をはじめとする界面活
性剤を限界ミセル濃度以上、好ましくは10μM〜0.1
Mの範囲で選定する。また、無機物質や疎水性有機物質
の濃度についても、特に制限はないが、通常は1〜10
mMの範囲で定めればよい。本発明のおいては、さら
に、必要に応じてLiBr,Na2 SO4 等の支持塩を
適量加えることもできる。
【0015】本発明の方法では、このようにして得たミ
セル溶液あるいは分散液を、塩酸等の鉱酸や有機酸を用
いてpH5以下に調節することが必要である。ミセル溶
液や分散液のpHが5を超えると、光酸化反応は円滑に
進行せず、本発明の目的を達成することができない。な
お、本発明においては、鉱酸や有機酸を、予め水性媒体
に添加してpHを5以下に調整しておいてもよく、また
ミセル溶液や分散液を調製した後に、添加してもよい。
【0016】本発明の方法では、上記の如くpHを5以
下に調整したミセル溶液あるいは分散液に、被製膜物質
を挿入し、前記ミセル溶液あるいは分散液と前記被製膜
物質との接触面に光照射を行う。ここで用いる被製膜物
質は、各種のものが充当でき、導電性,絶縁性のいずれ
のものであってもよい。例えば、各種の金属,合金,無
機物質,プラスチック類の成形品をはじめ、青板ガラ
ス,白板ガラス,無アルカリガラス(コーニング社製:
7059,HOYA社製:NA45),低膨張ガラス,
石英ガラス等のガラスなどを挙げることができる。本発
明では、これらの被製膜物質を、研磨,洗浄,乾燥等の
処理を行って、表面を清浄化してから使用に供すること
が望ましい。
【0017】本発明の方法によれば、被製膜物質を挿入
したミセル溶液あるいは分散液、特に該被製膜物質とミ
セル溶液あるいは分散液との接触面に光照射を行う。照
射光は、ミセル溶液あるいは分散液中の無機物質あるい
は疎水性有機物質が吸収できる波長を有するもの、ある
いは添加した光酸化触媒を励起できるものであれば、特
に制限はなく、赤外線,可視光線,紫外線等様々な光が
適用できる。具体的には、2kWの高圧水銀灯20〜5
000mJ/cm2 を照射することができる。なお、こ
の光照射は、適当な露光マスクを介して被製膜物質に行
えば、該被製膜物質上の露光部分あるいは遮光部分に、
ミセル溶液あるいは分散液中の無機物質あるいは疎水性
有機物質が薄膜状に堆積し、その結果、マスクパターン
に対応したパターニングされた薄膜が形成される。この
ような光照射によって形成した薄膜には、必要に応じて
焼付け(ベーク),純水洗浄,電解洗浄等を行うことが
好ましい。
【0018】なお、電子写真感光体を製造するにあたっ
ては、無機物質あるいは疎水性有機物質として電荷発生
物質を用い、上記の薄膜の形成と同様の手法を行って電
荷発生層を形成すればよい。また、光メモリディスクを
製造するにあたっては、無機物質あるいは疎水性有機物
質として光メモリ材料を用い、上記の薄膜の形成と同様
の手法を行って光メモリ薄膜を形成すればよい。さら
に、カラーフィルタを構成する三原色の疎水性色素薄膜
を形成するには、赤色,緑色及び青色の疎水性色素のい
ずれか一つを水性媒体に加えて、上述の操作で所望色調
の薄膜を所望のパターンで形成し、次いで疎水性色素の
種類を変えて上述の操作を繰返し行えばよい。さらに、
上記操作を三原色(赤,緑,青色)の疎水性色素の他
に、一種以上の他の色の疎水性色素についても繰返すこ
とにより、他の色の疎水性色素薄膜を各被製膜物質上に
形成することができる。なお、赤色,緑色又は青色の疎
水性色素を同時に水性媒体中に存在させて、これに上述
した薄膜の形成法を適用することによっても、所望する
カラーフィルタを製造することができる。
【0019】
【実施例】次に、本発明を実施例によりさらに詳しく説
明する。 実施例1 1リットルの純水に、下記式(I)で表されるフェロセ
ン誘導体ミセル化剤FPEG(同仁化学(株)製)2m
Mおよびフタロシアニンを3mMを加え、Ru(bp
y)3 2+(ここでbpyは、ビピリジル基を示す)を1
0mM,Co(NH3 5 Cl2+を10mMおよび1規
定HClを100cc添加し、超音波ホモジナイザーで1
0分間分散させてミセル分散液を調製した後、図1に示
したセルにこのミセル分散液を入れ、ITO膜として2
0Ω/cm2 の面抵抗を持つITO基板(青板ガラス:
肉厚1.1mm)を気泡が入らないようにセルに固定し
た。予め、ITO基板には取り出し電極を設置し、前記
ITO基板の裏面(上面)をプロキシミティギャップ7
0μm開け、ITO面の反対の裏面(上部)から紫外線
を30分間、マスク露光した。マスクは図2に示すもの
を用いた。その後、セルから取り外した基板を洗浄し、
スピンドライヤーで水切りし、オーブンにて180℃で
1時間ベークして薄膜を得た。
【0020】
【化1】
【0021】実施例2 1リットルの純水に、フェロセン誘導体ミセル化剤FP
EG2mMおよびジアントラキノンを10g/リットル
加え、さらにRu(bpy)3 2+を1mMおよびCo
(NH3 5 Cl2+を1mM添加し、超音波ホモジナイ
ザーで10分間分散させてミセル分散液を調製した後、
図1に示したセルにこのミセル分散液を入れ、青板ガラ
ス基板(肉厚1.1mm)を気泡が入らないようにセルに
固定し、このセルを露光機にセットした。基板の裏面
(上面)をプロキシミティギャップ70μm開け、表面
の反対の裏面(上部)から紫外線を30分間、マスク露
光した。ここでマスクは、図3のように、画素サイズ1
10μm×330μmのドットパターンのものを用い
た。光源は2kWの高圧水銀灯(露光能力:0.1mW)
を用いた。プロキシミティギャップ70μmをとり、3
0分間露光した後、セルから取り外した基板を洗浄し、
スピンドライヤーで水切りし、オーブンにて180℃で
1時間ベークして、Rの製膜を行った。次に、ジアント
ラキノンの代わりに、ブロモクロロ銅フタロシアニンを
用いた他は、Rの製膜と同じ条件でGの溶液を調製し、
マスクを1画素ずらして製膜した。同様に、ジアントラ
キノンの代わりに、クロロ銅フタロシアニンを用いた他
は、Rの製膜と同じ条件でBの溶液を調製し、マスクを
1画素ずらして製膜した。さらに感光性のアクリル系樹
脂ブラックマトリックス(BM)によりブラックマトリ
ックス付きRGBカラーフィルタを得た。その上にアク
リル系の紫外線感光体のトップコート材をスピンコート
で塗布し、マスクを用いて画素部のみ露光し、パターニ
ング現像し、ベークした。さらにトップコート面を研磨
し、平坦性±0.1μmのカラーフィルタを得た。
【0022】実施例3 実施例2と同様の操作を行い、ブラックマトリックス付
きRGBカラーフィルタを得た。さらに、アクリル系の
熱硬化性トップコート材をスピンコートで塗布し、研磨
し、平坦性±0.1μmのカラーフィルタを得た。
【0023】実施例4 実施例3と同様の操作を行い、ブラックマトリックス付
きRGBカラーフィルタを得た。さらに、アクリル系の
トップコート材をスピンコートで塗布し、研磨し、平坦
性±0.1μmのカラーフィルタを得た。
【0024】実施例5 実施例3において、ブラックマトリックスとしてクロム
スパッタ膜を用い、他は実施例3と同様の操作を行い、
ブラックマトリックス付きRGBカラーフィルタを得
た。さらに、アクリル系のトップコート材をスピンコー
トで塗布し、研磨し、平坦性±0.1μmのカラーフィル
タを得た。
【0025】実施例6 フェロセン誘導体ミセル化剤として、下記式(II) で表
されるFESTを用いた他は、すべて実施例3と同様の
操作を行い、ブラックマトリックス付きRGBカラーフ
ィルタを得た。
【0026】
【化2】
【0027】実施例7 フェロセン誘導体ミセル化剤として、下記式(III)で表
されるFTMAを10mM用いた他は、すべて実施例4
と同様の操作を行い、ブラックマトリックス付きRGB
カラーフィルタを得た。
【0028】
【化3】
【0029】実施例8 実施例1において、基板としてアルミニウム基板を用
い、フタロシアニンを銅フタロシアニンに代えた他は、
実施例1と同様の方法(製膜温度:40℃)で形成した
薄膜(電荷発生層:CGL)(結晶系:β+α)を、エ
タノールで十分洗浄した後に乾燥し、その上に、ポリビ
ニルカルバゾールのクロロベンゼン溶液(濃度11重量
%)をスピンコートし、厚さ6〜8μmの電荷移動層
(CTL)を形成した。このようにして、ポリビニルカ
ルバゾールCTL/銅フタロシアニンCGL/アルミニ
ウム電極からなる感光体を得た。この感光体の性能評価
を、川口電機製,SP428型試験機を用いて、下記の
如く行った。即ち、上記感光体に−7kVでコロナ放電
を30秒間行って、感光体表面を負に帯電させた。この
ときの表面電位(Vd)は−680Vであり、このVd
が波長610nmまたは630nmの光(出力5μW)
を照射して、半分の値(1/2Vd)になるまでの時間
(秒)を求めたところ、その間の光量(光強度×時間)
は5.0μJ/cm2 であった。
【0030】実施例9 実施例1において、基板としてアルミニウム基板を用
い、フタロシアニンをスピロピランに代えた他は、実施
例1と同様の方法で形成した薄膜をエタノールで十分洗
浄した後に、紫外線を照射したところ発色した。その
後、He−Neレーザーを照射したところ消色した。
【0031】
【発明の効果】本発明によれば、パターニングや導電性
基板の制限のない薄膜の製造法が確立され、より性能の
優れた薄膜を簡単な工程で得ることができる。本発明の
方法により、カラーフィルタの製造の場合、従来、スト
ライプをはじめとして電解法や電着法では難しいとされ
ていたモザイクパターンのカラーフィルタデザインも、
ITOなしで形成することができる。従って、ITOパ
ターニングガラス基板を用いず、カラーフィルタを自由
なデザインで作製することができる。すなわち、ITO
パターニングの必要がないために、エッチング工程を省
くことができる上、隣同士のITOがリークしたり、断
線したりして不良となる危険性がなくなり、また画素同
士をITOで接続するという複雑なデザインを採用しな
くてもよいため、カラーフィルタ各色間のギャップも必
要となくなるという利点がある。さらに、薄膜の性質と
して従来法に比べて感度の高い感光体(OPC)や印刷
製版,光メモリディスクの記録薄膜の作製も、通電処理
が不要となったために製造可能となった。したがって、
本発明の方法によって製造される薄膜,電子写真感光
体,カラーフィルタならびに光メモリディスクは、ラッ
プトップパソコン,ワープロ,ワークステーション,オ
ーロラビジョン,液晶プロジェクター,液晶テレビ,オ
ーバーヘッドプロジェクター(OHP),車搭載インパ
ネ,機器モニター用のLCDパネルのカラーフィルタ,
電子写真感光体を用いる機器(複写機,レーザープリン
タ),アルミニウムを電極として応用する電子デバイス
素子(EL,センサ,太陽電池,EC,LCDディスプ
レイ,PDPディスプレイ表示電極),機能性薄膜を利
用する素子(光メモリディスク,PHB素子,超伝導素
子,2次非線型光学素子,3次非線型光学素子)などに
幅広くかつ有効に利用される。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の方法を実施するセルの構成の一
例を示す断面図である。
【図2】図2はマスクの一例を示す正面図である。
【図3】図3はカラーフィルタ作製時に使用するマスク
の一例を示す正面図である。
【符号の説明】
1:セル 2:ミセル溶液あるいは分散液 3:被製膜物質 4:ガラス基板 5:透明導電性薄膜 6:バイトンリング 7:マスク 7a:石英ガラス基板 7b:ドットパターン
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成3年9月24日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】変更
【補正内容】
【0019】
【実施例】次に、本発明を実施例によりさらに詳しく説
明する。 実施例1 1リットルの純水に、下記式(I)で表されるフェロセ
ン誘導体ミセル化剤FPEG(同仁化学(株)製)2m
Mおよびフタロシアニンを3mMを加え、Ru(bp
y)3 2+(ここでbpyは、ビピリジル基を示す)を1
0mM,Co(NH3 5 Cl2+を10mMおよび1規
定HClを100cc添加し、超音波ホモジナイザーで1
0分間分散させてミセル分散液を調製した後、図1に示
したセルにこのミセル分散液を入れ、ITO膜として2
0Ω/cm2 の面抵抗を持つITO基板(青板ガラス:
肉厚1.1mm)を気泡が入らないようにセルに固定し
た。予め、ITO基板には取り出し電極を設置し、前記
ITO基板の裏面(上面)をプロキシミティギャップ7
0μm開け、ITO面の反対の裏面(上部)からキセノ
ンランプで30分間、マスク露光した。マスクは図2に
示すものを用いた。その後、セルから取り外した基板を
洗浄し、スピンドライヤーで水切りし、オーブンにて1
80℃で1時間ベークして薄膜を得た。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正内容】
【0021】実施例2 1リットルの純水に、フェロセン誘導体ミセル化剤FP
EG2mMおよびジアントラキノンを10g/リットル
加え、さらにRu(bpy)3 2+を1mMおよびCo
(NH3 5 Cl2+を1mM添加し、超音波ホモジナイ
ザーで10分間分散させてミセル分散液を調製した後、
図1に示したセルにこのミセル分散液を入れ、青板ガラ
ス基板(肉厚1.1mm)を気泡が入らないようにセルに
固定し、このセルを露光機にセットした。基板の裏面
(上面)をプロキシミティギャップ70μm開け、表面
の反対の裏面(上部)からキセノンランプで30分間、
マスク露光した。ここでマスクは、図3のように、画素
サイズ110μm×330μmのドットパターンのもの
を用いた。光源は2kWの高圧水銀灯(露光能力:0.1
mW)を用いた。プロキシミティギャップ70μmをと
り、30分間露光した後、セルから取り外した基板を洗
浄し、スピンドライヤーで水切りし、オーブンにて18
0℃で1時間ベークして、Rの製膜を行った。次に、ジ
アントラキノンの代わりに、ブロモクロロ銅フタロシア
ニンを用いた他は、Rの製膜と同じ条件でGの溶液を調
製し、マスクを1画素ずらして製膜した。同様に、ジア
ントラキノンの代わりに、クロロ銅フタロシアニンを用
いた他は、Rの製膜と同じ条件でBの溶液を調製し、マ
スクを1画素ずらして製膜した。さらに感光性のアクリ
ル系樹脂ブラックマトリックス(BM)によりブラック
マトリックス付きRGBカラーフィルタを得た。その上
にアクリル系の紫外線感光体のトップコート材をスピン
コートで塗布し、マスクを用いて画素部のみ露光し、パ
ターニング現像し、ベークした。さらにトップコート面
を研磨し、平坦性±0.1μmのカラーフィルタを得た。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無機物質あるいは疎水性有機物質を水性
    媒体中でフェロセン誘導体からなる界面活性剤を用いて
    分散あるいは可溶化するとともに、1〜100mMの範
    囲の光酸化触媒と1〜100mMの範囲の光酸化触媒再
    生物質とを1:5〜5:1の範囲で添加して得られるミ
    セル溶液あるいは分散液に、そのpHを5以下に調整し
    たのち、被製膜物質を挿入し、前記ミセル溶液あるいは
    分散液と前記被製膜物質との接触面に光照射を行うこと
    により、該被製膜物質上に前記無機物質あるいは疎水性
    有機物質の薄膜を形成することを特徴とする薄膜の製造
    方法。
  2. 【請求項2】 光酸化触媒がルテニウム錯体であり、光
    酸化触媒再生物質がコバルト錯体である請求項1記載の
    薄膜の製造方法。
  3. 【請求項3】 無機物質あるいは疎水性有機物質として
    電荷発生物質を用い、請求項1記載の製造方法で形成し
    た薄膜を電荷発生層とすることを特徴とする電子写真感
    光体の製造方法。
  4. 【請求項4】 赤色,緑色,青色三原色の分光特性を有
    する顔料あるいは染料を、それぞれ水性媒体中でフェロ
    セン誘導体からなる界面活性剤を用いて各々分散あるい
    は可溶化するとともに、1〜100mMの範囲の光酸化
    触媒と1〜100mMの範囲の光酸化触媒再生物質とを
    1:5〜5:1の範囲で添加して得られる各色のミセル
    溶液あるいは分散液に、そのpHを5以下に調整したの
    ち、被製膜物質を挿入し、前記各色のミセル溶液あるい
    は分散液と前記被製膜物質との接触面に所定パターンの
    光照射を各色ごとに行うことにより、該被製膜物質上に
    各色素膜を形成することを特徴とするカラーフィルタの
    製造方法。
  5. 【請求項5】 無機物質あるいは疎水性有機物質として
    光メモリ材料を用い、請求項1記載の製造方法で形成し
    た薄膜を光メモリ薄膜とすることを特徴とする光メモリ
    ディスクの製造方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR19990053997A (ko) * 1997-12-24 1999-07-15 이구택 전착도장성 및 용접성이 우수한 유기피복강판의 제조방법

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR19990053997A (ko) * 1997-12-24 1999-07-15 이구택 전착도장성 및 용접성이 우수한 유기피복강판의 제조방법

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