JPH0578601U - 手押し可搬車 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 平行移動の際にハンドル操作が不要でまたモ
ーメントをかける必要もないよう装置をスピーディに動
かせる、手押し可搬車の提供。 【構成】 ころ８の可動部９にスプロケット２を連結
し、スプロケット間にチェーン３、ベルトなどを掛けて
１対２つのキャスターをつなぎ、それぞれのころ８の向
きを常に互いに平行にする。

Description

【考案の詳細な説明】 【産業上の利用分野】

本考案は手押し車及びキャスターの分野で利用される。 本考案は手押し可搬車に関し、詳しくは前、後輪にフリーキャスターが用いら れ、台板に取り付けられた手押し可搬車に関し、とくに改良されたフリーキャス ターの構造に関する。

【０００１】

【従来の技術】

従来のキャスターが取り付けられた可搬装置を押し手が押し移動する際、押し 手に対して前後方向の場合及び旋回する場合は比較的楽に動かすことができるが 、押し手に対して左右方向に押す場合、つまり平行移動する場合には装置に力と モーメントを加えねばならない。

【０００２】 図６の従来例では、４輪または３輪ともにフリーキャスターが用いられ、方形 枠の台板に取り付けられている。

【０００３】 図７の従来例では、前輪または後輪はフリーキャスターを、後輪または前輪が 方向規制（直進ロック）付キャスタ−を取り付けられており、この場合には、押 し手はキャスターの直進ロックを解除し、フリー状態にした後、結果として図６ の場合と同様に、装置に力とモーメントを加えねばならない。

【０００４】 図８の従来では、前輪または後輪は押し手に操作されるハンドルによって向き が変わる機構を有し、後輪または前輪はフリーキャスターまたは方向規制付きキ ャスターからなり、押し手はキャスターの向きを移動したい方向へ向けるための ハンドルを操作してその後に装置に力のみ加えることになる。

【０００５】 さらに、図９の従来例では、前、後輪とも押し手によって操作されるハンドル によって向きが変わるような機構を持っている。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

図６及び図７に示す従来例の問題点としては、装置に力とモーメントを共に加 えねばならず、特にモーメントを加えることは、操作感が悪いことにつながる。

【０００７】 図８の従来例では、装置に力のみ加えればよいので、操作感はよい反面、移動 したい方向へのハンドルを操作する必要があるので、ハンドル操作のわずらわし さが残ることになる。

【０００８】 また、図９の従来例は、図８の従来例と同様に、ハンドル操作のわずらわしさ が挙げられる。

【０００９】 このような従来例に共通して言えることは、とくに装置をスピーディに動かし たい時に、これらの問題点は押し手に対し大きな障害となっている。

【００１０】 本考案の目的は、平行移動の際に、ハンドル操作のわずらわしさと共に装置に 加ねばならないモーメントをなくすことができる、手押し可搬車を提供すること である。

【００１１】

【課題を解決するための手段】

前記した目的は、前、後輪にキャスターを用いて、台板に取り付けた手押し可 搬車において、前、後輪の一方が２つ１対のキャスターを具備し、それぞれのこ ろの可動部にスプロケットを連結し、このスプロケット間にチェーン、ベルトな どを掛け、ころの向きを常に互いに平行にすることにより、達成される。

【００１２】

【作用】

２つ１対のフリーキャスターがスプロケットを介してチェーン、ベルト等の動 力伝達機構により連結され、それぞれのころが常に互いに平行を向くようにして いるので、モーメントを加える必要がなく、押す力のみで平行移動が行なわれる 。また、平行移移動を行なう最初の向きの設定にのみ、モーメントと力を用い、 向きが設定された後には押す力のみで平行移動が行なわれる。

【００１３】

【実施例】

本考案の好適な実施例は図面に基づいて説明される。 図１はその１実施例を示したキャスターの要部破断面図、図２はこの実施例に よる前後移動の場合の動作例示図、図３は平行移動の場合の動作例示図である。

【００１４】 キャスターにスプロケット２を取り付け、チェーン３により他方キャスターと の連動を行う。この実施例によるキャスターはコントロールシャフト４により、 ブレーキａ、直進規制ｂ、オールフリーｃの３モードを持っており、市販されて いるものである。

【００１５】 キャスターの固定部分（ハッチング）１は、固定用ブロツク５により、装置の フレーム６に固定される。さらに、固定ブロツク５には回転可能なスプロケット ２がベアリング７を介して取り付けてある。スプロケット２はころ８の可動部分 ９と連結され、キャスターの動きをチェーン３に伝える。他方のキャスターは図 示されていないが、同等の構造をもち、相互の動きは互いに平行になるようにチ ェーン３で連結されている。

【００１６】 次に動作の説明だが、キャスターの持つ機構により、コントロールシャフト４ を操作して直進規制ｂ、すなわち、図２の状態でころ８の向きが固定されると、 この時の装置の動きは前後方向へ移動可能となり、また旋回も可能となる。

【００１７】 次にコントロールシャフト４を操作してオールフリーｃ、すなわち図３の状態 になったとき、ころ８は任意の方向を向くが、チェーン３により互いに平行状態 を保つため、結果として装置は押し手の押す方向へ平行移動することになる。こ の時、押し手はモーメントを加える必要がないので操作感がよいと認識する。ま た、押し手は押したい方向へハンドルを向ける必要がなく、操作はスピーディに なる。

【００１８】 図４は他の実施例を示したキャスターの要部断面図であり、一般のフリーキャ スターに改良が加えられている。 ころ８の可動部分９’にスプロケット２’を取り付け、同等の構造の他方のキ ャスターとチェーン３’により連結している。相互のキャスターは互いに平行と なるような位置関係である。 図４に例示してあるように、キャスターは両方とも直進方向へ角度θだけ傾け てあり、押し手が装置に力を加えないときには、キャスターは直進方向へ向いて いる。この時、装置は前後方向へ移動するが、旋回るすことができる。

【００１９】 次に、もし押し手がキャスター直進方向へ向こうとする力に逆らって、平行移 動させるように力とモーメントを加えれば、キャスターは押し手の加えた力に従 って任意の方向へ向く、この時、装置はキャスターの向いた方向へ平行に移動す ることになる。

【００２０】 これにより、押し手はモーメントを加える必要がなく、操作感がよいと認識し 、同時に一切のハンドル等の操作も不要となり、装置を意のままに前後、左右、 旋回等、操作することが可能となり、操作はスピーディになる。

【００２１】 そして、キャスターの直進方向への傾き角θを大きくすれば、直進安定性がよ くなり、角度θを少なくすれば、平行移動性がよくなるので、押し手の要求に応 じて意のままに操作できる。

【００２２】 図５は他の実施例を示したキャスターの要部断面図であり、ころ可動部９’と スプロケット２’の間にねじりばね１０を介して、同等の構造の他方キャスター とチェーン３’を介して連結している。このねじりばね１０によって装置の平行 移動中、ころ８はその方向を向くが押し手がこの状態でモーメントを加えれば、 装置は旋回できる。

【００２３】

【効果】

可搬装置の直進方向以外の平行移動時に、ころの向きを変えるだけで、ハンド ル操作が不要となり、またモーメントを加える必要もなく、押し手の力操作のみ で任意に調節でき、操作感が改善される。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の１実施例を示したキャスターの要部破
断面図。

【図２】上記実施例による前後方向移動時の動作例示
図。

【図３】同様の平行移動時の動作例示図。

【図４】他の実施例を示したキャスターの要部断面図。

【図５】さらに他の実施例を示したキャスターの要部断
面図。

【図６】従来例の平面図。

【図７】他の従来例の平面図。

【図８】別の従来例を示した平面図。

【図９】さらに別の従来例を示した平面図。

【符号の説明】

１ 固定部 ２ スプロケット ３ チェーン ４ コントロールシャフト ５ 固定用ブロック ６ フレーム ７ ベアリング ８ ころ ９ ころ可動部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 前、後輪にキャスターを用いて、台板に
   取り付けた手押し可搬車において、前、後輪の一方が２
   つ１対のキャスターを具備し、それぞれのころの可動部
   にスプロケットが連結され、このスプロケット間にチェ
   ーン、ベルトなどが掛けられ、ころの向きを常に互いに
   平行にしたことを特徴とする、手押し可搬車。