JPH0578471U - ショットピーニング装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ひとつの装置で粒径の異なるショットを順次
投射し、金属強度を効果的に改善する。 【構成】 被加工物２を収納載置するチヤンバ１に臨ま
せたエアノズル５と、粒径の異なるショットを充填した
少なくとも２種のホッパ６Ａ、６Ｂと、ホッパ６Ａ、６
Ｂのショットをエアノズル５から噴出させるように加圧
エアを送り込むエアライン９Ａ、９Ｂと、ホッパ６Ａ、
６Ｂを前記エアノズル５に対して選択的に接続する切換
弁８Ａ、８Ｂとを備える。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は歯車など被加工物の表面にショット（鋼球）を投射して材料強度を 高めるショットピーニング装置に関する。

【０００２】

【従来技術】

金属材料の疲労強度を改善するために、特開平２−１８５３６９号公報には、 ショットの噴射圧力を段階的に増減してショットピーニングを行う装置が開示さ れている。しかし、この場合には同一粒径のショットを投射しているため、思う ほど効果が上がらない。

【０００３】 これに対して特開平２−１８５３７０号公報には、粒径の異なる２種のショッ トを段階的に投射することにより、疲労強度を効果的に高める提案がなされてい る。これによると、最初に粒径の大きいショットを投射して、被加工物の表面か ら深いところまで圧縮残留応力を働かし、次いで粒径の小さなショットを投射し 、被加工物の表面近くの圧縮残留応力をさらに高めるとともに、前回の粒径の大 きなショットの投射により荒れた表面を平滑化している。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、この装置によると、粒径の異なるショット毎に、それぞれ別々のショ ットピーニング装置を用意する必要があり、要求設置スペースが大きく、装置も 複雑となり、また作業工程も増大するという問題があった。

【０００５】 本考案はこのような問題を解決することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案は、被加工物を収納載置するチヤンバに臨ませたエアノズルと、ショッ トを充填したホッパと、ホッパのショットをエアノズルから噴出させるように加 圧エアを送り込むエアラインとを備えたショットピーニング装置において、粒径 の異なるショットを充填した複数のホッパと、これらホッパを前記エアノズルに 対してエアラインを介して選択的に接続する切換弁とを備える。

【０００７】

【作用】

したがって、ショットピーニング加工を施すにあたり、まず粒径の大きいショ ットを充填したホッパがエアノズルと接続するように切換弁を切り換え、加圧エ アを介してエアノズルから粒径の大きなショットを被加工物に投射する。次いで 、切換弁を切り換えて、こんどは粒径の小さなショットを投射する。

【０００８】 このようにして、一つのショットピーニング装置により、異なった粒径のショ ットを投射し、被加工物の金属強度を効果的に高められる。

【０００９】

【実施例】

図１に本考案の実施例を示す。１は被加工物２を載置する回転テーブル３を備 えるチャンバで、その側面には被加工物２に向けてショットを投射するエアノズ ル５が臨ませてある。６Ａと６Ｂはそれぞれ粒径の異なるショットを充填した第 １、第２のホッパ６Ａ、６Ｂで、下方の出口に設けた切換弁８Ａ８Ｂを介して選 択的にエアノズル５と接続される。

【００１０】 エアライン９Ａ、９Ｂがそれぞれホッパ６Ａ、６Ｂの側面に連通するともに、 切換弁８Ａ８Ｂを経由した後に互いに合流してエアノズル５と接続する。

【００１１】 前記チャンバ１の下方に開口した排出ライン１０は、途中でホッパ６Ａ、６Ｂ に接続する分岐ライン１１Ａ、１１Ｂが設けられ、三方切換弁１２の切り換えに より選択的にホッパ６Ａ、６Ｂと接続される。１３は排気切換弁である。

【００１２】 前記切換弁８Ａ、８Ｂと、切換弁１２、１３とはそれぞれのサーボモータＭに より切り換え作動されるが、これらの作動を制御装置１５が制御する。また制御 装置１５は前記回転テーブル３を回転させるモータＮの回転も制御する。

【００１３】 以上のように構成され、次に作用について制御装置１５で実行される制御動作 のフローチャート（図２）を参照しながら説明する。

【００１４】 第１ホッパ６Ａには粒径の大きなショット、第２ホッパ６Ｂには粒径の小さな ショットが充填され、まず粒径の大きなショットを被加工物２に投射する。

【００１５】 このため、切換弁８Ａを開き、切換弁８Ｂを閉じる。エアライン９Ａからの加 圧エアがホッパ６Ａのショットを押し出しつつエアノズル５にショットを圧送し 、回転テーブル３に載置された被加工物２にエアノズル５から粒径の大きなショ ットを投射する。

【００１６】 回転テーブル３は所定の速度で回転し、被加工物２の全周にわたりショットが 投射される。

【００１７】 規定の強さ（あるいは所定時間）のショットの投射が終了したら、次にチャン バ１の投射ショットを回収するため、切換弁８Ａを閉じ、排出側の切換弁１２を 第１ホッパ６Ａに切り換える。この状態において、第１ホッパ６Ａにショットの 回収を行う。

【００１８】 次に粒径の小さいショットを投射するため、切換弁８Ｂを開いて加圧エアによ りホッパ６Ｂからの粒径の小さいショットをエアノズル５を介して被加工物２に 投射する。

【００１９】 規定のショットを投射したらショットを終了する。次いで切換弁８Ｂを閉じ、 排出側の切換弁１２を第２のホッパ６Ｂに切り換え、この状態でチャンバ１のシ ョットを第２のホッパ６Ｂに回収する。なお、この回収はエア圧力によらず、排 出ライン１０を構成するコンベア等による移送方法が取られる。

【００２０】 このようにして粒径の異なるショットを段階的に被加工物２に投射することに より、加工表面から深いところまで残留応力を働かせ、かつ最終表面を円滑にす ることができる。

【００２１】 そして、ショットの切り換えは制御装置１５により自動的に行い、また異なる 粒径のショットは、それぞれ所定のホッパ６Ａと６Ｂに回収できるので、ショッ トの投射と回収操作が簡単に行える。

【００２２】

【考案の効果】

以上のように本考案によれば、一つの装置によって、粒径の大きいショットを 充填したホッパと粒径の小さいショットを充填したホッパから、順次粒径の異な るショットを選択的に投射することにより、被加工物の金属強度を効果的に高め ることができ、また設置スペースの削減、コストの低減、作業性の改善等が図れ る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例を示す構成図である。

【図２】同じく制御動作を示すフローチャートである。

【符号の説明】

１ チャンバ ２ 被加工物 ５ エアノズル ６Ａ ホッパ ６Ｂ ホッパ ８Ａ 切換弁 ８Ｂ 切換弁 ９Ａ エアライン ９Ｂ エアライン

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 被加工物を収納載置するチヤンバに臨ま
   せたエアノズルと、ショットを充填したホッパと、ホッ
   パのショットをエアノズルから噴出させるように加圧エ
   アを送り込むエアラインとを備えたショットピーニング
   装置において、粒径の異なるショットを充填した複数の
   ホッパと、これらホッパを前記エアノズルに対してエア
   ラインを介して選択的に接続する切換弁とを備えたこと
   を特徴とするショットピーニング装置。