JPH0578388B2 - - Google Patents

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JPH0578388B2
JPH0578388B2 JP14882385A JP14882385A JPH0578388B2 JP H0578388 B2 JPH0578388 B2 JP H0578388B2 JP 14882385 A JP14882385 A JP 14882385A JP 14882385 A JP14882385 A JP 14882385A JP H0578388 B2 JPH0578388 B2 JP H0578388B2
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Koji Oonishi
Katsumi Maeda
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Nikkato Corp
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  • Crushing And Grinding (AREA)
  • Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
産業上の利用分野 本発明は粉砕機用部材に関し、更に詳しくは、
乾式又は湿式の粉砕機における粉砕媒体、内張材
等の部材に関する。 従来の技術及びその問題点 従来、粉砕媒体を用いる粉砕機としては、ボー
ルミル、サンドミル、振動ミル、アトリツシヨン
ミル、ロツドミル等が知られている。これらの粉
砕機では、ボール、ビーズ、ロールなどと称され
る粉砕媒体に運動を与えて、その衝撃、圧壊、摩
擦などの応力を利用して被砕物の粉砕、分散を行
なつている。このような粉砕機では、内張材や粉
砕媒体等の摩耗し易い部材には、一般に天然石、
アルミナ、ジルコニア、ガラス、ゴム、プラスチ
ツク、合金などが使用されているが、これらの内
張材や粉砕媒体は、粉砕工程において摩耗するこ
とは阻けられず、このため摩耗粉が被砕物中へ混
入するという問題が生ずる。特に、フアインセラ
ミツクス、電子材料、半導体工業、コーテイング
材、粉体等の各分野においては、この摩耗粉が被
砕物の純度を低下させ、また電気的、磁気的、化
学的性質等に影響を及ぼし、被砕物粉体の品質管
理上大きな問題となつている。 そこで、粉砕機用部材として、被砕物と同材料
からなる焼結体を用いて、摩耗粉の混入の影響を
減少させる試みがなされているが、耐摩耗性が悪
い材料の場合には、部材の損傷が大きく、また混
入する摩耗粉の粉形が被砕物と異なつたものとな
り被砕物の品質の均一性が低下するという欠点が
ある。 このため、一般に粉砕機用部材としては、アル
ミナ、ジルコニア、窒化ケイ素、炭化ケイ素等の
耐摩耗性に優れた材料が使用されることが多い。
しかしながら、これらの材料のうち窒化ケイ素や
炭化ケイ素は、耐摩耗性に優れ、被砕物がこれら
の部材と同じ材料の場合の粉砕には適するもの
の、色調が灰黒色であるために、白色粉体を被砕
物とする際には摩耗粉の混入による着色が生じ、
また、被砕物を粉砕後大気下で焼成するセラミツ
クス成形体の場合には混入した摩耗粉の影響で発
泡が生じ、焼成物に欠陥部が形成されるという欠
点がある。また、アルミナも耐摩耗性に優れた材
料であるが、摩耗粉が大きいために被砕物の均一
性を害し易く、更に電子材料用の粉体を粉砕する
場合には、摩耗粉の混入により電気的、磁気体性
質への影響が大きいという欠点がある。また、窒
化ケイ素、炭化ケイ素、アルミナ等は、高硬度で
あるため内張材を大きく損傷し、また高硬度を有
する摩耗粉が混入すると、被砕物を成形する場合
には成形工程において型を摩耗するという問題も
生じる。ジルコニアは、適度な硬度を有するもの
であり、粉砕機の内張材の損傷や高硬度の摩耗粉
の混入による弊害は少ないものの、窒化ケイ素、
炭化ケイ素、アルミナ等に比して耐摩耗性が劣
り、被砕物中への摩耗粉の混入量が多くなるとい
う欠点がある。 問題点を解決するための手段 本発明者は、上記した如き、従来技術の問題点
に鑑みて、優れた耐摩耗性を有し、かつ粉砕機の
内張材等の損傷が少ないような適度な硬度を有
し、更にそれ自体の摩耗粉が微細となる様な粉砕
機用部材を見出すべく鋭意研究を重ねてきた。そ
の過程において従来耐摩耗性が悪く、靱性等も劣
るとして粉砕機用部材として使用されることがな
かつたムライト焼結体は、粉砕媒体として使用す
る場合には粉砕機の内張材等の損傷が少ないよう
な適当な硬度を有するものであり、またその摩耗
は、ムライト結晶粒の粒内破壊による摩耗よりも
結晶粒離脱による摩耗が多く、この結晶粒離脱摩
耗を減少させることによつて耐摩耗性を向上させ
ることが可能であることを見出すに至つた。そこ
でムライト焼結体において、結晶粒離脱摩耗を減
少すべく種々研究を行なつた結果、特定の条件を
満足するムライト焼結体は、極めて耐摩耗性に優
れたものであり、例えば液状の原料から調製した
焼結性の優れた粉体を用いることによりこのよう
な条件を満足し、耐摩耗性に優れたムライト質焼
結体を得ることができることを見出し、ここに本
発明を完成した。 即ち、本発明は、以下に示す粉砕機用部材を提
供するものである。 (i) 結晶相がムライト結晶単相からなり、 (ii) アルカリ金属酸化物の含有量が0.01〜0.2
重量%であり、 (iii) 結晶の平均粒径が5μm以下、焼結体のか
さ密度が3.0g/cm3以上である ムライト質焼結体からなる粉砕機用部材。 (i) 結晶相がムライト結晶100容積部と20容積
部以下のアルミナ結晶との混合相からなり、 (ii) アルカリ金属酸化物の含有量が0.01〜0.2
重量%であり、 (iii) 結晶の平均粒径が5μm以下、結晶体のか
さ密度が3.0g/cm3以上である ムライト質焼結体からなる粉砕機用部材。 (i) ムライト結晶、及び焼結体の35重老%以下
ZrO2結晶により結晶相が構成され、 (ii) アルカリ金属酸化物の含有量が0.01〜0.2
重量%であり、 (iii) 結晶の平均粒径が5μm以下、焼結体のか
さ密度が3.0g/cm3以上である ムライト質焼結体からなる粉砕機用部材。 (i) (a)ムライト結晶100容積部と20容積部以下
のアルミナ結晶との混合晶、及び(b)焼結体の
35重量%以下のZrO2結晶により結晶相が構
成され、 (ii) アルカリ金属酸化物の含有量が0.01〜0.2
重量%であり、 (iii) 結晶の平均粒径が5μm以下、焼結体のか
さ密度が3.0g/cm3以上である ムライト質焼結体からなる粉砕機用部材。 本発明粉砕機用部材を構成するムライト焼結体
は以下の条件を満足することが必要である。 (a) 結晶相は、ムライト結晶単相、或いは、ムラ
イト結晶100容積部と20容積部以下のアルミナ
結晶とからなる混合相である。 本発明粉砕機用部材の結晶相は、ムライト結
晶単相に限定されず、ムライト結晶100容積部
に対してアルミナ結晶が20容積部までは存在し
てもよい。尚本発明では、ムライト結晶とは、
化学式3Al2O3・2SiO2で表わされるムライト結
晶だけでなく、ムライト固溶体も含むものとす
る。ムライト結晶は、針状であり、かつ網目状
に発達した状態、則ち、ムライト結晶の長径/
短径比を示すアスペクト比が大きいことが好ま
しい。アスペクト比が大きいムライト結晶で
は、結晶粒が脱離し難くなつて、粒内摩耗が優
先され、その結果、摩耗量が減少し、また摩耗
粉が微細化されることになる。ムライト結晶の
アスペクト比(長径/短径比)は2以上である
ことが好ましい。 アルミナ結晶は、硬度や比重が高く、粉砕効
率の向上に有効であるが、20容積部を上回ると
アルミナ結晶粒の離脱摩耗が生じ易くなり、ま
た、ムライト結晶の針状化を阻害することにな
つて焼結体の耐摩耗性が低下するので好ましく
ない。より好ましくは、アルミナ結晶は10容積
部以下とする。 尚、本発明において、アルミナ結晶の容積割
合は以下の方法により得られる値である。 則ち、まず試料の任意の位置から切り出した
小片を粉砕し、得られた粉末についてX線回折
分析を行なう。その結果得られるムライト結晶
の(210)面の回折強度(IM(210)及びα−
Al2O3結晶の(113)面の回折強度IA(113))か
ら次式により、結晶相におけるムライト結晶と
α−Al2O3結晶の容積比率を求める。 α−Al2O3結晶(容積%) =IA(113)/IM(210)+IA(113)×100 ムライト結晶(容積%) =IA(113)/IM(210)+IA(113)×100 上記した方法によつて得られるα−Al2O3
晶とムライト結晶との比率からムライト結晶
100容積部に対するアルミナ結晶の容積部が得
られる。 (b) 焼結体中にアルカリ金属酸化物を0.01〜0.2
重量%含有する。 ムライト焼結体原料中にアルカリ金属酸化物
が存在すると、焼成過程においてAl2O3、SiO2
及びアルカリ金属酸化物が反応して、これらか
らなるガラスマトリツクス相がムライト結晶の
粒界に形成される。このガラスマトリツクス相
は、粉砕時に受ける衝撃や応力を弾性変形によ
つて緩和し、その結果ムライト結晶粒の離脱摩
耗を抑制する。従つて、ガラスマトリツクス相
の存在により焼結体の耐摩耗性が向上し、また
摩耗する場合にも結晶粒の粒内摩耗が生じて、
摩耗粉が微細なものとなる。また、アルカリ金
属酸化物の存在は、ムライト結晶のアスペクト
比を大きくする効果もある。 アルカリ金属酸化物の存在量が少な過ぎる場
合には、ガラスマトリツクス相が粒界に分布さ
れ難くなり、又アルカリ金属酸化物が多過ぎる
場合には、ガラスマトリツクス相が厚くなり、
この部分が優先的に摩耗してムライト結晶の離
脱摩耗が増加し、耐摩耗性に劣るものとなる。
従つてアルカリ金属酸化物は、焼結体中に0.01
〜0.2重量%存在させることが必要であり、好
ましくは、0.02〜0.1重量%存在させる。アル
カリ金属としてはNa、K等が好ましい。 (c) 結晶の平均粒径は5μm以下とする。 ムライト焼結体の結晶相における結晶粒径
は、焼結体の耐摩耗性に大きく影響し、結晶粒
径が大きくなるに従つて摩耗量が増大する。こ
れは、粒径が大きくなるに従つて焼結体中に存
在する粒界などの欠陥のサイズが大きくなり、
ムライト焼結体の靱性が低いことから、この欠
陥を起点として応力による摩耗が助長されるか
らであると考えられる。依つて結晶の平均粒径
は5μm以下であることが必要であり、好まし
くはムライト結晶は3μm以下、アルミナ結晶
は2μm以下とする。より好ましくは、ムライ
ト結晶及びアルミナ結晶ともに2μm以下とす
る。 尚、結晶粒径は、電子顕微鏡観察によつて測
定するものとし、またムライト結晶粒が針状を
呈する場合には、その短軸方向の寸法をもつて
結晶粒径とする。 (d) かさ密度は3.0g/cm3以上とする。 ムライト焼結体の耐摩耗性は、そのかさ密度
によつて大きく影響を受け、かさ密度が低い程
摩耗量が増大する。これは、かさ密度が低くな
るに従つて粒界に空孔の存在が多くなり、この
空孔が摩耗の起点となつて結晶粒離脱摩耗が促
進されるからであると考えられる。また、かさ
密度が低くなると硬度が低下し、高密度を有す
る材料の粉砕に適さなくなるという問題点もあ
る。依つてかさ密度は、3.0g/cm3以上である
ことが必要であり、好ましくは3.05g/cm3以上
とする。また結晶相がムライト結晶とアルミナ
結晶とからなる場合には、ムライト結晶100容
積部に対して、アルミナ結晶が10容積部存在す
る毎に、焼結体の密度は、ムライト結晶のみか
らなる場合よりも0.06g/cm3程度高くなること
が好ましい。 本発明粉砕機用部材では、上記(a)〜(d)の条件を
満足する焼結体中に更にZrO2結晶が35重量%以
下存在する場合に耐摩耗性がより向上したものと
なる。これは、ZrO2の存在によりムライト焼結
体が高靭性化されて耐摩耗性が向上することが原
因であると考えられる。また、ZrO2の存在によ
り焼結体の比重が高くなり、粉砕効率が向上する
という効果も得られる。ZrO2の存在量が35重量
%を上回ると、結晶過程でジルコニア粒の凝集が
おこり、粒形が大きくなると共に、その周辺に欠
陥が生じてZrO2が存在しない場合よりも耐摩耗
性が低下するので好ましくない。ZrO2の添加に
よる効果の発現は、添加量が10重量%までは小さ
く、10重量%以上になると非常に大きくなる。
ZrO2結晶は正方晶として焼結体中に存在するこ
とが好ましく、結晶粒径は5μm以下であること
が必要であり、好ましくは2μm以下である。ま
た、ZrO2が焼結体中に正方晶として存在し易く
するためには、原料中にZr1モルに対して、Y、
希土類元素、Ca及びMgの少なくとも1種を0.1
モル以下加えることが好ましい。また、焼結体の
かさ密度は、ZrO2が焼結体中に10重量%存在す
る毎に、ZrO2が存在しない場合に比して0.17g/
cm3程度高くなることが好ましい。 本発明の前記(a)〜(d)の条件を満足するムライト
焼結体、又は(a)〜(d)の条件を満足し更にこれに
ZrO2を加えたムライト焼結体からなる粉砕機用
部材は、通常、荷重5Kgにおけるビツカース硬度
Hv5kgが1200Kg/mm2程度以下である。これは、従
来の粉砕機用部材がH〓5kg=1500〜2500Kg/mm2
度であつたことと比較して非常に低い値であり、
このため、本発明粉砕機用部材を粉砕媒体として
用いる場合には、粉砕機の内張材等を摩耗するこ
とが少なく、また、該部材自体の摩耗粉も軟らか
いものとなる。特にH〓5kg=850〜1150Kg/mm2であ
る場合には、耐摩耗性が低くなりすぎることな
く、かつ適当な硬度を有するものとなり、粉砕機
の内張材等を摩耗することが少なく、また、被砕
物中に該部材の摩耗粉が混入する場合にも以後の
被砕物の成形工程等で型の摩耗などの弊害の発生
が少なくなるので好ましい。硬度が850Kg/mm2
下回ると耐摩耗性の低下が大きくなる傾向とな
る。 また、電子部品に使用される材料を粉砕する場
合には、粉砕機用部材中にウランが含まれると、
粉砕工程に於いて摩耗粉として被砕物中に混入し
て電子部品の品質を低下させることになる。従つ
て電子部品の材料を粉砕する場合にはウランの含
有量は100ppb以下とすることが好ましく、より
好ましくは50pppb下とする。本発明粉砕機用部
材では、以下に示す溶液状態の原料から作製する
方法によれば従来の固体原料から作製する方法に
比べて非常に容易に100ppb以下のウラン含有量
とすることができる。 本発明粉砕機用部材は、例えば以下に示す方法
により作製することができる。 則ち、まずアルミナゾル、アルミニウムの塩化
物、硫酸塩、消酸塩等のアルミニウム化合物とシ
リカゾル、エチルシリケート等のケイ素化合物と
を所定のAl/Siの比率になるように配合した液
状の原料を調製する。次いで、この液状原料に所
定のアルカリ金属酸化物量となるようにアルカリ
金属塩を加える。液状原料におけるAl/Siの比
率は、Al2O3が65〜80重量%、SiO2が20〜35重量
%となるようにすればよく、好ましくは、
Al2O368〜77重量%、SiO223〜32重量%とする。 液状原料を調製した後、Al分及びSi分が均一
に分散されるように液状原料を充分に混合し、こ
の液状原料からアルミニウム化合物、ケイ素化合
物及びアルカリ金属塩が均一に混合した粉体を形
成させる。液状原料から粉体試料を得る方法とし
ては、各成分を均一に共沈させた後乾燥させる方
法、液状原料から水分を蒸発させて粉体試料を得
る方法、液状原料を噴霧させて熱分解する方法な
どを例示できる。このようにして液体状態の原料
から得られた粉体試料は、微小部分まで各成分が
均一に分散した焼結性に優れたものであり、依つ
て前記(a)〜(d)の条件を満足する耐摩耗性に優れた
焼結体とすることができる。 次いで得られた粉体試料を形成後の焼成工程で
の寸法変化を少なくするために900〜1350℃、好
ましくは980〜1280℃で焙焼する。焙焼後の粉体
試料に未反応のSiO2やAl2O3、或いは非晶質相等
が多量に存在する場合には、以後の工程で粉体試
料の凝集や分離が生じ易くなるので好ましくな
い。このため焙焼条件は、粉体試料のムライト化
が進むような条件とすることが適切であり、具体
的には、焙焼後の粉体試料にムライトのX線回折
ピークが生じるような条件で焙焼することが好ま
しい。 ZrO2を加える場合には、この焙焼工程後の粉
体試料に添加することが好ましい。また、焼結体
中にアルミナ結晶を存在させる場合には、液状原
料中には、ケイ素化合物とケイ素化合物をムライ
ト化させるために必要な量のアルミニウム化合物
とを存在させ、不足分のアルミニウム分は、この
焙焼工程後の粉末にアルミナ粉末として添加して
もよい。 また、ウラン等の不純物は上記焙焼工程におい
て容易に飛散除去されるが、特に焙焼工程におい
て粉体中に塩素、硝酸根等のウラと反応して気化
し易い化合物を作るような成分を存在させ、焙焼
温度を高めに設定することによつてウラン含有量
を著るしく低減させることができる。 次いで得られた粉体試料を粉砕し分散させる。
粉砕により粉体の平均粒度を2μm程度以下、比
表面積を1m3/g程度以上とすることが好まし
い。平均粒度が2μmを上回ると粉体の成形、焼
成時に成形体内部に欠陥が生じ易くなり、また比
表面積が1m3/gを下回ると焼結性が劣るものと
なるので好ましくない。粉体の粉砕及び分散は、
常法に従えばよく、例えばボールミル、振動ミ
ル、アトリツシヨンミル、遠心ミルなどを使用す
ればよい。 次いで、このようにして調製した粉体を用い
て、セラミツクスの製造における常法に従つて、
鋳込み成形、押出し成形、プレス成形などの方法
で所定の形状に成形した後、常圧下で1550〜1750
℃好ましくは1600〜1650℃程度の温度で焼成し、
更に最終加工することによつて本発明粉砕機用部
材が得られる。 焼成温度、焼成時間、成形圧等を適宜設定する
ことによつて焼結体の密度、硬度等を調整するこ
とができ、また結晶の粒子径や形状を調整するこ
とができる。よつて原料組成に応じて、所望の焼
結体が得られるように、成形条件、焼成条件等を
適宜決定すればよい。 発明の効果 本発明粉砕機用部材は、以下に示す如き優れた
性質を有するものであつて、粉砕媒体、粉砕機の
内張材等として極めて有用である。 耐摩耗性に優れたものであり、被砕物中への
摩耗粉の混入が少ない。 適度な硬度を有し、粉砕機の内張材等を摩耗
することが少なく、また被砕物中に粉砕機用部
材の摩耗粉が混入する場合にも、成形工程等で
型の摩耗などの弊害の発生が少ない。 粉砕機用部材の摩耗粉が微細となり易く、被
砕物中に混入する場合にも被砕物の均一性を害
することが少ない。 ZrO2を含有する場合には、高い靭性を有す
る部材となつて、耐摩耗性が更に向上する。 本発明部材では、容易にウラン含有量を減少
させることができる。また、該部材は、非常に
耐摩耗性に優れたものである。依つて、被砕物
中へのウラン分の混入量を極めて少なくするこ
とが可能であり電子部品用の材料の粉砕に適す
るものとすることができる。 実施例 以下に実施例を示して本発明を更に詳細に説明
する。 実施例 1 0.5モル%の塩化アルミニウム溶液と20%のシ
リカゾル溶液とを第1表に示すAl2O3とSiO2との
比率になるように配合した溶液を調製した。次い
でこの溶液にNa2CO3及び/又はK2CO3を第2表
に示すアルカリ金属酸化物の比率になるように加
えた。この溶液を均質になるように充分混合した
後、アンモニア水で中和共沈させて、その沈殿分
を乾燥し、1250℃で焙焼してムライト化した粉末
を得た。ただし、比較品3は、アルミナとカオリ
ンの粉末を出発原料として試験を調製した。また
比較品4では、焙焼した粉末中にアルミナ晶が存
在していた。
【表】
【表】 次いで上記粉末をボールミルにより湿式で24時
間粉砕し、分散させて原料粉末を得た。この原料
粉末に2%のPVAを加えた後、静水圧成形法に
より成形圧3トン/cm2で直径1cmの球状に成形
し、第2表の各温度で焼成して粉砕機用部材を得
た。この粉砕機用部材の結晶相はムライト結晶の
みからなるものであつた。粉砕機用部材のかさ密
度、結晶相における結晶の平均粒径を第2表に示
す。 これらの粉砕機用のボールを容量2のボール
ミル中に半分まで入れ、更に水を0.8加えた後、
ボールミルを100r.p.m.で24時間運転して、ボー
ルの摩耗量を求めた。粉砕機用ボールの重量に対
する1時間当りのボールの摩耗量の割合を第2表
に示す。なお、99.6%Al2O3からなるボールを使
用した場合には摩耗量は、625ppm/時間であつ
た。
【表】
【表】 第3表に示すAl2O3とSiO2の組成になるように
塩化アルミニウム溶液とシリカゾル溶液とを配合
し、これにNa2CO3及び/又はK2CO3を第4表に
示すアルカリ金属酸化物の比率となるように加え
た溶液を用いて、実施例1と同様に共沈、乾燥及
び焙焼して試料粉末を得た。なお、本発明品9
は、溶液から粉末を調製し、焙焼した後、1.0μm
のアルミナ粉を焙焼粉末の10%量加えることによ
つて第3表の組成となるようにした。また比較品
8は、アルミナとカオリンの粉末を出発原料とし
て試料を調製した。
【表】
【表】 次いで上記粉末を用いて実施例1と同様にして
第4表の各温度で焼成して粉砕機用ボールを得
た。得られたボールの結晶相は、ムライト結晶及
びアルミナ結晶の混合相からなるものであつた。
焼成温度、結晶相におけるムライト結晶とアルミ
ナ結晶との比率、焼結体中のアルカリ金属酸化物
量、結晶の平均粒径、焼結体のかさ密度及びボー
ルの摩耗量を第4表に示す。
【表】
【表】 実施例 3 実施例1及び実施例2における本発明品5、本
発明品7及び比較品1と同様のムライト質焼結体
により、内径75mm、容量400mlのボールミルを作
製した。このボールミルにメノーボール200g、
シリカ粉100g及び水150gを入れて、120r.p.m.
で72時間運転した後、シリカ粉中にミル内張材か
ら混入した摩耗粉量を化学分析によつて求めた。
その結果、本発明品5によるボールミルでは、シ
リカ粉中に摩耗粉が0.03%含まれ、本発明品7で
は0.04%含まれていた。これに対して、比較品1
では摩耗粉は0.15%含まれていた。本発明品が耐
摩耗性に優れたものであることが明らかである。 実施例 4 実施例1と同様の方法で共沈、乾燥及び焙焼し
て得た原料粉末にZrO2を加えて第5表に示す
ZrO2の比率となるような原料粉末を調製し、実
施例1と同様の方法で粉砕機用ボールを作製して
ボールの摩耗量を測定した。尚、ZrO2としては、
Y2O3を3モル%含有するものを用いた。粉砕機
用ボールにおけるムライト晶とアルミナ晶との比
率、焼結体中のZrO2量、焼結体のかさ密度及び
摩耗量を第5表に示す。尚、ムライト結晶及びア
ルミナ結晶の平均粒径は5μm以下であり、ZrO2
結晶の平均粒径は2μm以下であつた。
【表】
【表】 第5表からZrO2を添加することによりZrO2
含まない場合よりも耐摩耗性が向上するが、添加
量が40重量%となるとZrO2を含まない場合より
も耐摩耗性が悪くなることが判る。 実施例 5 実施例1及び2における本発明品2、3及び10
と同様にして直径15mmの粉砕機用ボールを作製し
た。硬度は、本発明品2はHv5kg=1100Kg/mm2
本発明品3はHv5kg=975Kg/mm2、本発明品10は
Hv5kg=1200Kg/mm2であつた。樹脂製の容器に粉
砕機用ボール、シリカ粉末及び水を5:1:1.5
の重量比となるように入れて、振動ミルで8時間
運転する操作を5回繰り返したところ、本発明品
2及び3を用いた場合には、容器の内壁に肉眼で
判別できる摩耗痕は認められなかつたが、本発明
品10を用いた場合には、容器内面の下部の一部に
ボールによると思われる摩耗痕が凹状に観察され
た。依つて、摩耗され易い容器を用いる場合に
は、粉砕機用ボールとしては、Hv5kg=1200Kg/
mm2を下回る硬度を有するものを用いることが好ま
しいことが判る。 実施例 6 実施例1及び2における本発明品1及び8と同
様にして作製した直径5mmの粉砕機用ボールの
各々を試料とし、容量5のボールミルの半分ま
でボールを入れ、更にケイ石を0.5Kg入れて、12
時間乾式粉砕を行ない、ボールの摩耗による被砕
物中へのウラン分の混入量を求めた。また、99.5
%アルミナ製のボール及び95%アルミナ製のボー
ルの各々を用いて、上記した方法と同様にしてケ
イ石の乾式粉砕を行ない、ウラン分の混入量を求
めた。 粉砕機用ボール中に含まれるウラン量、被砕物
中に混入したボールの摩耗粉量、及び被砕物中に
混入したウラン量を第6表に示す。
【表】 第6表から、本発明品は、ウラン含有量が少な
く、かつ耐摩耗性に優れたものであり、被砕物中
へ混入するウラン量が極めて少ないことが判る。
依つて本発明粉砕機用部材は、電子部品の材料の
粉砕用として有用である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 (i)結晶相がムライト結晶単相からなり、 (ii) アルカリ金属酸化物の含有量が0.01〜0.2重
    量%であり、 (iii) 結晶の平均粒径が5μm以下、焼結体のかさ
    密度が3.0g/cm3以上である ムライト質焼結体からなる粉砕機用部材。 2 焼結体のウラン含有量が100ppb以下である
    特許請求の範囲第1項に記載の粉砕機用部材。 3 (i) 結晶相がムライト結晶100容積部と20容
    積部以下のアルミナ結晶との混合相からなり、 (ii) アルカリ金属酸化物の含有量が0.01〜0.2重
    量%であり、 (iii) 結晶の平均粒径が5μm以下、焼結体のかさ
    密度が3.0g/cm3以上である ムライト質焼結体からなる粉砕機用部材。 4 焼結体のウラン含有量が100ppb以下である
    特許請求の範囲第3項に記載の粉砕機用部材。 5 (i) ムライト結晶、及び焼結体の35重量%以
    下のZrO2結晶により結晶相が構成され、 (ii) アルカリ金属酸化物の含有量が0.01〜0.2重
    量%であり、 (iii) 結晶の平均粒径が5μm以下、焼結体のかさ
    密度が3.0g/cm3以上である ムライト質焼結体からなる粉砕機用部材。 6 (i) (a)ムライト結晶100容積部と20容積部以
    下のアルミナ結晶との混合晶、及び(b)焼結体の
    35重量%以下のZrO2結晶により結晶相が構成
    され、 (ii) アルカリ金属酸化物の含有量が0.01〜0.2重
    量%であり、 (iii) 結晶の平均粒径が5μm以下、焼結体のかさ
    密度が3.0g/cm3以上である ムライト質焼結体からなる粉砕機用部材。
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