JPH0578242A - アルドースレダクターゼ阻害剤 - Google Patents

アルドースレダクターゼ阻害剤

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JPH0578242A
JPH0578242A JP31025991A JP31025991A JPH0578242A JP H0578242 A JPH0578242 A JP H0578242A JP 31025991 A JP31025991 A JP 31025991A JP 31025991 A JP31025991 A JP 31025991A JP H0578242 A JPH0578242 A JP H0578242A
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JP
Japan
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aldose reductase
phenyl
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reductase inhibitor
butyl
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Application number
JP31025991A
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English (en)
Inventor
Chihiro Ito
千尋 伊藤
Shinichi Morishita
信一 森下
Masamitsu Shoji
政満 庄司
Tomoshio Sugimoto
智潮 杉本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyushin Seiyaku KK
Original Assignee
Kyushin Seiyaku KK
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Publication date
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  • Acyclic And Carbocyclic Compounds In Medicinal Compositions (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】 式、 【化1】 (式中、AはC、C10、C16又はC
1020で表される直鎖状のアルキレン基)で表され
るイソ酪酸誘導体又はその薬理学的に許容される塩を有
効成分とするアルドースレダクターゼ阻害剤。 【効果】 低毒性で高いアルドースレダクターゼ阻害作
用を有するアルドースレダクターゼ阻害剤として糖尿病
の治療に有効である。また、上記のイソ酪酸誘導体は、
血清脂質低下作用を併せ有するため、特に高脂血症を伴
う糖尿病の合併症に対し効果が期待される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、医薬として有用に使用
し得るアルドースレダクターゼ阻害剤に関するものであ
り、詳しくは、イソ酪酸誘導体又はその薬理学的に許容
できる塩を有効成分とするアルドースレダクターゼ阻害
剤に関するものである。
【0002】
【発明の背景】世界的に増加傾向を示している糖尿病
は、その治療の進歩により、患者の生命の維持ないし予
後については改善されているが、その罹病期間の長期化
によって、糖尿病性合併症が問題になっている。糖尿病
性合併症の中で、神経障害、白内障、腎症等は不可逆的
な症状であり、血糖を調節するだけでは治療することが
困難であるのが現状である。その合併症の発症機序に関
する因子は多種多様であるが、最近、律速酵素にアルド
ースレダクターゼをもつポリオール代謝の活性亢進が合
併症発症の因子として注目されている。糖尿病のような
高血糖状態においては、グルコースの細胞膜の透過が亢
進するのみならず、ヘキソキナーゼによるグルコースの
利用が限界に達し、アルドースレダクターゼが活性化さ
れてポリオール代謝を介したグルコースの利用が正常時
の4倍にもなり、細胞膜を透過しにくいソルビトールや
フルクトースの産生が亢進する。これらの代謝産物が細
胞内に過剰に蓄積し、細胞内浸透圧を亢進することによ
り細胞障害を惹起させる。例えば、それら代謝産物が神
経細胞に蓄積した場合は神経障害を、また水晶体に蓄積
した場合は白内障を引き起こす。このような点から、こ
の代謝経路の律速酵素であるアルドースレダクターゼの
活性を抑制し、その結果としてソルビトールやフルクト
ースの細胞内蓄積を抑えることにより、糖尿病性神経障
害や白内障などの合併症の発症および進展を阻止するこ
とが十分に期待できることとなる。したがって、アルド
ースレダクターゼの活性を抑制することができれば、前
記した合併症の発症および進展を阻止することが可能で
ある。
【0003】糖尿病性合併症に対するアルドースレダク
ターゼ阻害活性を有する薬剤の効果について最も多く報
告されているのは神経障害についてである。例えば、神
経障害を伴う糖尿病患者を対象とした1年間にわたる長
期の二重盲検試験において、アルドースレダクターゼ阻
害活性を有する薬剤を用いた場合に、神経伝導速度の改
善のみならず、末梢神経組織の顕著な改善が観察された
という臨床成績が報告されている。〔エー・エー・エフ
・シマ(A.A.F.Sima)他、 ザ・ニュー・イ
ングランド・ジャーナル・オブ・メディシン(N.En
gl.J.Med.)319、548〜555(198
8)参照〕。また、イタリアとアイルランドにおいて
は、アルドースレダクターゼ阻害活性を有する薬剤が糖
尿病性合併症の治療剤の1つとして臨床応用の承認をう
けている。
【0004】
【発明の開示】本発明者らは、薬理実験において、後記
の一般式(I)の化合物がアルドースレダクターゼ阻害
作用を有することを見出した。
【0005】一般式(I)の化合物は、エス・モリシタ
(S.Morishita)他のジャーナル・メディシ
ナル・ケミストリー(J.Med.Chem.)31、
1205〜1209(1988)により、血清脂質低下
作用を有することが、動物実験により証明されており、
抗高脂血症薬として期待されている物質であるが、この
物質がアルドースレダクターゼ阻害作用を有するという
事実は、本発明者らによって初めて見出されたものであ
る。
【0006】本発明はかかる知見に基づいてなされたも
のであって、本発明により一般式
【化2】 (式中AはC、C10、C16およびC
1020から選ばれた直鎖状のアルキレンを表す)で
表されるイソ酪酸誘導体又はその薬理学的に許容できる
塩を有効成分とするアルドースレダクターゼ阻害剤が提
供される。
【0007】複合型高脂血症またはある種の高脂血症は
糖代謝異常が伴って誘発される。また、複合型高脂血症
は糖尿病あるいは軽度の耐糖能低下に伴って増悪、発展
するケースがある。本発明化合物が抗高脂血症作用を併
せ持つアルドースレダクターゼ阻害剤であることは、従
来のアルドースレダクターゼ阻害剤に比べて、特に高脂
血症を伴う糖尿病の合併症に効力を発揮するものと期待
される。
【0008】本発明に係るアルドースレダクターゼ阻害
剤における有効成分は、一般式(I)で表されるイソ酪
酸誘導体又はその薬理学的に許容できる塩である。
【0009】一般式(I)の化合物の製造法としては、
次の反応式に示されるような方法を例示することができ
る。
【0010】
【化3】 (式中AはC、C10、C16およびC
1020から選ばれた直鎖状のアルキレンを表し、A
lkはCH,C、C又はCなどの
アルキル基を表し、XおよびX′は、それぞれ、Cl、
Br、I等のハロゲンを表し、MはLi、Na、K等の
アルカリ金属を表す)。
【0011】以下に、この製造法について、詳細に説明
する。
【0012】上記式(II)のフェノール化合物を非プ
ロトン性溶媒、例えばジメチルエーテル、ジエチルエー
テル、ジプロピルエーテル、THF、ジオキサン、ベン
ゼン、トルエン、キシレン、ペンタン、ヘキサン、ヘプ
タン、石油エーテル、ジメチルスルフォキシド、等に溶
解した溶液に塩基、例えば水素化ナトリウム、水素化リ
チウム、水素化アルミニウム、エチルリチウム、n−プ
ロピルリチウム、イソプロピルリチウム、n−ブチルリ
チウム、イソブチルリチウム、n−ペンチルリチウム、
フェニルリチウム、ナトリウムエトキシド、ナトリウム
プロポキシド、ナトリウムブトキシド、リチウムエトキ
シド、リチウムプロポキシド、リチウムブトキシド、カ
リウムプロポキシド、カリウムブトキシド、水酸化ナト
リウム、水酸化カリウム、等を−10〜20℃にて加え
る。この場合、上記塩基対式(II)の化合物の比率
は、塩基/(II)、1〜3、望ましくは1〜1.2で
ある。この際の反応温度は、10〜40℃好ましくは2
0〜25℃であり、反応時間は10〜150分好ましく
は30〜120分である。反応終了後、反応混合物に、
ジハロゲノ−n−アルカン、例えば、1,4−ジクロロ
−n−ブタン,1,4−ジブロモ−n−ブタン、1,4
−ジヨード−n−ブタン、1−ブロモ−4−クロロ−n
−ブタン、1−クロロ−4−ヨード−n−ブタン、1,
5−ジクロロ−n−ペンタン、1,5−ジブロモ−n−
ペンタン、1,5−ジヨード−n−ペンタン、1−ブロ
モ−5−クロロ−n−ペンタン、1−クロロ−5−ヨー
ド−n−ペンタン、1,8−ジクロロ−n−オクタン、
1,8−ジブロモ−n−オクタン、1,8−ジヨード−
n−オクタン、1−ブロモ−8−クロロ−n−オクタ
ン、1−クロロ−8−ヨード−n−オクタン、1,10
−ジクロロ−n−デカン、1,10−ジブロモ−n−デ
カン、1,10−ジヨード−n−デカン、1−ブロモ−
10−クロロ−n−デカン、1−クロロ−10−ヨード
−n−デカン、等を加え、2〜30時間、好ましくは5
〜25時間加熱還流を行う。次いで、常法に従い、反応
物を処理すると、上記式(III)で表される1−フェ
ニル−4−〔4′−(4−ハロゲノブトキシ)フェニ
ル〕−ブタン、1−フェニル−4−〔4′−(5−ハロ
ゲノペントキシ)フェニル〕−ブタン、1−フェニル−
4−〔4′−(8−ハロゲノオクトキシ)フェニル〕−
ブタン又は1−フェニル−4−〔4′−(10−ハロゲ
ノデソキシ)フェニル〕−ブタンが得られる。
【0013】上記とは、別に、イソ酪酸のアルカリ金属
塩、例えばリチウム、カリウム、ナトリウム、ルビジウ
ム、等の各塩を非プロトン溶媒、例えばジメチルエーテ
ル、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、THF、
ベンゼン、トルエン、キシレン、ペンタン、ヘキサン、
ヘプタン、石油エーテル、ジメチルスルフォキシド、等
に懸濁し、ジアルキルアミン、例えばジエチルアミン、
ジ−n−プロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジー
n−ブチルアミン、ジイソブチルアミン、等を加える。
この際の、アミン/イソ酪酸の比率は0.5〜2.0、
好ましくは0.9〜1.2である。得られた混合物に、
−10〜15℃、好ましくは−10〜5℃、にてアルキ
ルリチウム、例えばエチルリチウム、n−プロピルリチ
ウム、イソプロピルリチウム、n−ブチルリチウム、イ
ソブチルリチウム、n−ペンチルリチウム、イソペンチ
ルリチウム、n−ヘキシルリチウム、イソヘキシルリチ
ウム、等の非プロトン性溶媒溶液、例えばTHF、n−
ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、石油エーテ
ル、等の溶液を加え、−10〜40℃、好ましくは−1
0〜30℃、にて0.5〜4時間、好ましくは1〜3時
間撹拌した後、10〜40℃、好ましくは20〜30
℃、にて0.5〜4時間、好ましくは0.5〜1時間反
応させる。この反応混合物に対し、上記で得られた式
(III)の化合物の非プロトン性溶媒溶液を−10〜
20℃、好ましくは−5〜5℃にて加え、15〜25℃
にて1〜10時間、好ましくは2〜10時間反応させ
る。この場合、アルキルリチウム/上記式(III)の
化合物の比率は1〜5、好ましくは1〜3である。反応
生成物を常法にて処理すると、イソ酪酸誘導体(I)、
例えば、6−〔4′−(4−フェニル−nブチル)フェ
ノキシ〕−2,2ジメチルヘキサン酸、7−〔4′−
(4−フェニル−nブチル)フェノキシ〕−2,2ジメ
チルヘプタン酸、10−〔4′−(4−フェニル−nブ
チル)フェノキシ〕−2,2ジメチルデカン酸、12−
〔4′−(4−フェニル−nブチル)フェノキシ〕−
2,2ジメチルドデカン酸が得られる。
【0014】また、本発明において使用される上記式
(I)の化合物の薬理学的に許容できる塩の例として
は、無機塩としてナトリウム塩、カリウム塩等があげら
れまた有機塩の例としてトリエチルアミン、トリス(ヒ
ドロキシメチル)アミノメタンの各塩等があげられる。
【0015】以下に式(I)の化合物の合成例を掲げ
る。
【0016】〔合成例1〕 6−〔4′−(4−フェニル−nブチル)フェノキシ〕
−2,2ジメチルヘキサン酸の合成 55%水素化ナトリウム0.96g(0.02mol)
を無水THF10mlに懸濁し、氷冷下に無水THF2
0mlに溶解した4−(4−フェニル−nブチル)フェ
ノール4.5g(0.02mol)を加え、30分室温
にて撹拌した。これに1−ブロモ−4−クロロブタン
5.1g(0.03mol)を加え、10時間加熱還流
を行った後、反応液を水で分解した後、鉱酸を用いて酸
性にしエーテルにて抽出し、このエーテル相を苛性アル
カリ水にて抽出した。得られた生成物をシリカゲルカラ
ムクロマトグラフィーにて精製することにより無色油状
の4−〔4′−(4−フェニル−nブチル)−フェノキ
シ〕ブチルクロリド5.3gを得た(収率84%)。別
に、イソ酪酸ナトリウム2.8g(0.025mol)
を無水THF20ml中に懸濁し、ジイソプロピルアミ
ン2.5g(0.025mol)を加えた後、氷冷下に
10%n−ブチルリチウム−ヘキサン溶液16.0ml
(0.025mol)を加え、室温にて1時間撹拌した
後、30℃にて30分間加温した。これに、氷冷下に上
記で得られた4−〔4′−(4−フェニル−nブチル)
−フェノキシ〕ブチルクロリド5.3g(0.017m
ol)を加え、室温にて4時間撹拌した。反応後水10
0ml中に注ぎ、鉱酸にて酸性にした後、エーテルを用
いて目的物を抽出した。このエーテル相の溶媒を留去し
た後、減圧下にイソ酪酸を留去した。生成物を石油エー
テル−ヘキサン溶液より再結晶すると、m.p.87〜
89℃の白色結晶4.7gが得られた(収率76%)。
【0017】1) TLC(酢酸エチル1:ヘキサン
2)Rf=0.44 2) H−NMR(CDCl) δ=10.6 (s:1H,OH) δ=7.4〜6.7(m:9H,arom−H) δ=4.2〜3.8(t:2H,−CH−) δ=2.9〜1.5(m:14H,−CH−×7) δ=1.25 (s:6H,CH×2)
【0018】〔合成例2〕 7−〔4′−(4−フェニル−nブチル)フェノキシ〕
−2,2ジメチルヘプタン酸の合成 55%水素化ナトリウム2.10g(48.6mmo
l)を無水THF50mlに懸濁し、氷冷下に無水TH
F30mlに溶解した4−(4−フェニル−nブチル)
フェノール10.0g(44.2mmol)を加え、2
時間還流した。これに1−ブロモ−5−クロロペンタン
17.5ml(132.6mmol)を加え、12時間
加熱還流を行った後、反応液に水を加え、エーテルにて
抽出した。得られた生成物をシリカゲルカラムクロマト
グラフィーにて精製することにより無色油状の5−
〔4′−(4−フェニル−nブチル)−フェノキシ〕ペ
ンチルクロリド13.8gを得た(収率94%)。別
に、イソ酪酸ナトリウム11.6g(0.105mo
l)を、無水THF30ml中に懸濁し、氷冷下にてT
HF30mlに溶解したジイソプロピルアミン14.7
ml(0.105mol)を加えた後、氷冷下に10.
5%n−ブチルリチウム−THF溶液54.3ml
(0.105mol)を加え1時間撹拌した後、30℃
にて30分間加温した。これに、氷冷下に上記で得られ
た5−〔4′−(4−フェニル−nブチル)−フェノキ
シ〕ペンチルクロリド11.6g(0.035mol)
を加え、室温にて2時間撹拌した。反応後、水50ml
中に注ぎ、鉱酸を用いて酸性にした後、エーテルを用い
て目的物を抽出した。このエーテル相の溶媒を留去した
後、減圧下にイソ酪酸を留去した。生成物をヘキサンよ
り再結晶すると、m.p.77〜78℃の白色結晶1
1.3gが得られた(収率84%)。
【0019】1) TLC(酢酸エチル1:ヘキサン
3)Rf=0.33 2) H−NMR(CDCl) δ=12.1〜12.3 (s:1H,COOH) δ=6.7〜7.4 (s,q:9H,arom−
H) δ=3.7〜4.1 (t:2H,−CH−) δ=2.3〜2.8 (m:4H,−CH−) δ=1.3〜2.0 (m:12H,−CH−) δ=1.2 (s:6H,CH
【0020】〔合成例3〕 10−〔4′−(4−フェニル−nブチル)フェノキ
シ〕−2,2ジメチルデカン酸の合成 55%水素化ナトリウム2.50g(0.057mo
l)を無水THF20mlに懸濁し、氷冷下に無水TH
F50mlに溶解した4−(4−フェニル−nブチル)
フェノール11.3g(0.05mol)を加え、1時
間室温にて撹拌した。これに1,8−ジブロモオクタン
24.5g(0.09mol)を加え、22時間加熱還
流を行った後、反応液を水で分解した後、鉱酸を用いて
酸性にしエーテルにて抽出した。得られた生成物をシリ
カゲルカラムクロマトグラフィーにて精製することによ
り無色油状の8−〔4′−(4−フェニル−nブチル)
−フェノキシ〕オクチルブロミド19.1gを得た(収
率91%)。別に、イソ酪酸ナトリウム7.8g(0.
07mol)、ジイソプロピルアミン10ml(0.0
7mol)、無水THF40mlを混合し、氷冷下に1
0%n−ブチルリチウム−ヘキサン溶液45ml(0.
07mol)を加え3時間撹拌した後、30℃にて30
分間加温した。これに、氷冷下に上記で得られた8−
〔4′−(4−フェニル−nブチル)−フェノキシ〕オ
クチルブロミド14.6g(0.035mol)を加
え、室温にて10時間撹拌した。反応後、反応混合物を
水100ml中に注ぎ、鉱酸にて酸性にした後エーテル
を用いて目的物を抽出した。このエーテル相の溶媒を留
去した後、減圧下にイソ酪酸を留去した。生成物をシリ
カゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、m.p.
60〜61℃の白色結晶10.4gが得られた(収率7
0%)。
【0021】1) TLC(酢酸エチル1:ヘキサン
2)Rf=0.50 2) H−NMR(CDCl) δ=11.1 (s:1H,COOH) δ=7.2〜6.6(m:9H,arom−H) δ=4.0〜3.7(t:2H,O−CH−) δ=2.7〜2.4(m:4H,−CH−) δ=1.8〜1.1(m:26H,−CH−,C
【0022】〔合成例4〕 12−〔4′−(4−フェニル−nブチル)フェノキ
シ〕−2,2ジメチルドデカン酸の合成 55%水素化ナトリウム2.50g(0.057mo
l)を無水THF20mlに懸濁し、氷冷下にこの懸濁
液に対し無水THF50mlに溶解した4−(4−フェ
ニル−nブチル)フェノール11.3g(0.05mo
l)を加え、1時間室温にて撹拌した。これに1,10
−ジブロモデカン27.0g(0.09mol)を加
え、25時間加熱還流を行った後、反応液を水で分解し
た後、鉱酸を用いて酸性にしエーテルにて抽出した。得
られた生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに
て精製することにより無色油状の10−〔4′−(4−
フェニル−nブチル)−フェノキシ〕デシルブロミド1
8.5gを得た(収率83%)。別に、イソ酪酸ナトリ
ウム7.8g(0.07mol)、ジイソプロピルアミ
ン10ml(0.07mol)、無水THF40mlを
混合し、氷冷下に10%n−ブチルリチウム−ヘキサン
溶液45ml(0.07mol)を加え3時間撹拌した
後、30℃にて30分間加温した。これに、氷冷下に上
記で得られた10−〔4′−(4−フェニル−nブチ
ル)−フェノキシ〕デシルブロミド15.6g(0.0
35mol)を加え、室温にて10時間撹拌した。反応
後、水100ml中に注ぎ、鉱酸にて酸性にした後エー
テルを用いて目的物を抽出した。このエーテル相の溶媒
を留去した後、減圧下にイソ酪酸を留去した。生成物を
シリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、m.
p.68〜69℃の白色結晶11.4gが得られた(収
率72%)。
【0023】1) TLC(酢酸エチル1:ヘキサン
2)Rf=0.523 2) H−NMR(CDCl) δ=11.2(s:1H,COOH) δ=7.3〜6.7(m:9H,arom−H) δ=4.1〜3.8(t:2H,O−CH−) δ=2.8〜2.4(m:4H,−CH−) δ=1.8〜1.2(m:28H,−CH−,C
【0024】本発明に係るアルドースレダクターゼ阻害
剤の効果を説明するために、薬理実験例を示す。
【0025】薬理実験例1 ウシの眼球よりレンズを取り出し、3倍量の冷やした蒸
留水で均質化した。10000×gで15分間、3℃で
遠心分離し、その上清を採取した。この上清に、硫酸ア
ンモニウムを40%飽和になるように加えて、15分間
時々撹拌して、沈殿を生じさせた。遠心分離後、得られ
た上清に、硫酸アンモニウムを50%飽和になるように
加えて、15分間、時々撹拌して、沈殿を生じさせた。
遠心分離後、得られた上清に、硫酸アンモニウムを75
%飽和になるように加えて、15分間、時々撹拌して、
沈殿を生じさせた。遠心分離後、得られた沈殿物を、溶
解可能な最小量の0.0675モルのリン酸緩衝液(p
H6.2)に溶解し、これをアルドースレダクターゼ分
画として下記の実験を行った。
【0026】吸光度測定用の各セルに、0.073ミリ
モルのニコチンアミドアデニンジヌクレオチドホスフェ
ート(還元型)、0.3モルの硫酸アンモニウム、4〜
7単位のアルドースレダクターゼ溶液ならびに下記に列
記した各検体化合物を入れ、これに0.0675モルの
リン酸緩衝液(pH6.2)を加えて、各セル中の全量
をそれぞれ2.9mlとした。この各セル中に、基質と
して1ミリモルのDL−グリセルアルデヒドを加え、そ
の後5分間の吸光度を340nmにより、25℃にて分
光光度計で測定し記録した。測定結果に基づき、アルド
ースレダクターゼ阻害率を算出し、50%阻害濃度を求
めた。各検体化合物により得られた結果を表1に示す。
表1中、検体化合物の項に表示されている記号は、下記
一般式で表される各化合物を示すもので、各記号により
表される化合物の構造式における基Aは、下記に示すと
おりの意味を有する。
【0027】
【化4】
【0028】
【表1】
【0029】上記の薬理実験は、本発明において使用さ
れる一般式(I)の化合物が、アルドースレダクターゼ
阻害作用を有することを示すものである。
【0030】次に式(I)の化合物の急性毒性値を上記
の各検体化合物について表2に示す。検体化合物の項に
表示されている記号の意義は、前述の表1における意義
と同一である。
【0031】
【表2】
【0032】上掲表2に示される急性毒性値は、下記試
験法により調べたものである。ICR系マウス、6週
齢、体重(雄)27〜31g、(雌)22〜26gを試
験動物として用いた。検体化合物の投与は、経口投与に
より行った。各検体化合物をそれぞれ、0.5%カルボ
キシメチルセルロースナトリウムに懸濁して投与し、1
4日間にわたり、一般症状、死亡ならびに体重について
観察し、観察終了後に屠殺剖検した。
【0033】表2に示されるように、各検体化合物のL
50は2000mg/kg以上であった。
【0034】この試験により明らかなとおり式(I)の
化合物は急性毒性値も極めて低く、その安全性は、明瞭
に確認される。
【0035】本発明に係るアルドースレダクターゼ阻害
剤は、経口投与もしくは非経口投与(筋肉内、皮下静脈
内、点滴静注など)により投与される。投与量は、症状
の程度、疾患の相違、患者の年齢、体重、健康状態など
に応じ、あるいは同時に他の薬物を使用する場合は、そ
の種類に応じ、あるいは使用目的における所望の効果の
性質、処置頻度などに応じて異なるものであり、特定さ
れないが、成人1日あたり、経口で、約1mg/kg〜
30mg/kg、好ましくは約2mg/kg〜20mg
/kg、更に好ましくは約2mg/kg〜15mg/k
g程度を1日1回若しくはそれ以上の回数により投与さ
れる。
【0036】経口投与の場合、それに適用される各種の
剤形に応じ、例えば、錠剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤
などにおいては、それらの組成物中に製剤上一般に使用
される賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、着色剤、矯味
矯臭剤のような添加物を含有させることができる。本発
明に係るアルドースレダクターゼ阻害剤を経口用液剤製
剤として使用する場合、その剤形は、懸濁液剤、シロッ
プ剤など、いずれの形態であってもよく、又使用直前に
液体に溶解させることのできる乾燥物例えば乾燥粉末の
形態であってもよい。このような液体製剤は、通常慣用
されている添加剤、保存剤などの各種の製剤用材料を含
有していてもよい。
【0037】賦形剤の例としては、例えば乳糖、コーン
スターチ、白糖、ブドウ糖、ソルビット、マンニット、
結晶セルロース、デンプン、二酸化ケイ素、無機塩類な
どが、結合剤としては、例えばポリビニルアルコール、
ポリビニルエーテル、エチルセルロース、メチルセルロ
ース、アラビアゴム、トラガント、ゼラチン、シェラッ
ク、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピ
ルスターチ、ポリビニルピロリドンなどがあげられ、崩
壊剤の例としては、例えば澱粉、寒天、ゼラチン末、結
晶セルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキ
シメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセル
ロースナトリウム、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウ
ム、クエン酸カルシウム、デキストリン、ペクチン、シ
ョ糖脂肪酸エステル、レシチン、ポリソルベート80、
ラウリル硫酸ナトリウムなどがあげられ、滑沢剤として
は、例えばステアリン酸マグネシウム、タルク、ポリエ
チレングリコール、シリカ、硬化植物油などがあげら
れ、着色剤の例としては、医薬品に添加することが許可
されている各種着色料、矯味矯臭剤の例としては、ココ
ア末、ハッカ脳、芳香酸、ハッカ油、竜脳、桂皮末など
があげられる。これらの錠剤、顆粒剤は糖衣、ゼラチン
衣、その他の必要に応じて選択される被覆層により適宜
コーティングされていてもよい。また、これらの錠剤、
顆粒剤、カプセル剤は、徐放剤の形態とすることもでき
る。
【0038】注射用製剤に調製する場合、その組成物
は、安定剤、緩衝剤、保存剤、等張化剤などの添加剤を
含有させることができる。上記組成物は、懸濁液、溶
液、油性など種々の形態とすることができる。非経口投
与用製剤としては、代表的なものとして直腸内投与のた
めの坐剤が挙げられ、常法に従って製造される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 31/20 ABL 8413−4C C12N 9/99 // C07C 59/68 8827−4H (72)発明者 杉本 智潮 東京都杉並区和田1丁目21番7号 救心製 薬株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式 【化1】 (式中AはC、C10,C16およびC
    1020から選ばれた直鎖状のアルキレンを表す)で
    表されるイソ酪酸誘導体又はその薬理学的に許容できる
    塩を有効成分とするアルドースレダクターゼ阻害剤。
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