JPH0578147A - 赤外線紫外線吸収ガラス - Google Patents

赤外線紫外線吸収ガラス

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JPH0578147A
JPH0578147A JP14492791A JP14492791A JPH0578147A JP H0578147 A JPH0578147 A JP H0578147A JP 14492791 A JP14492791 A JP 14492791A JP 14492791 A JP14492791 A JP 14492791A JP H0578147 A JPH0578147 A JP H0578147A
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繁樹 森本
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正 野口
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泰史 田口
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Abstract

(57)【要約】 【構成】重量%表示で、SiO268〜72、Al2O3 1.6 〜3.0
、CaO 8.5 〜11.0、MgO2.0 〜4.2 、Na2O12.0〜16.0、
K2O 0.5 〜3.0 、SO3 0.08〜0.30、Fe2O3 0.58〜0.65、
CeO20.1 〜0.5 、TiO20.1 〜0.4 、ならびにMnO 10〜35
0ppm、該成分総和が98%以上、かつSiO2+Al2O3 +TiO2
70.0〜74.0;CaO +MgO 12.0〜15.0;Na2O+K2O 13.5〜
17.0を含有するガラス組成物。 【効果】高透視性で、赤外線ならびに紫外線を吸収し、
所期のどちらかと言えば淡いグリーン系色調を呈し、か
つ易強化性に優れており、ギラつきもなく、高居住性、
高安全性、高環境性を有し軽量化も可能と成り、ことに
自動車用窓ガラスとして好適である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は比較的高い透視性をもち
赤外線紫外線を吸収して高居住性、高安全性となって軽
量化ができ得る、どちらかと言えば淡いグリーン系色調
の赤外線紫外線吸収ガラスに関し、建築用窓ガラスや各
種ガラス物品はもちろん、ことに車両用窓ガラスに有用
な前記赤外線紫外線吸収ガラスを提供するものである。
【0002】
【従来技術】近年富みに、冷房負荷の低減等省エネルギ
ー化あるいは有機物における劣化ならびに退色等から、
赤外線や紫外線の反射吸収等多機能化をガラス自体また
はガラス表面に付加することにより、人的にも物的にも
より高居住性に繋がる板ガラス物品のニーズが急激に高
まってきている。
【0003】そこで、従来の赤外線吸収ガラスに加えて
紫外線吸収を意識したガラスがさらに提案されつつあ
り、例えば特開昭64ー18938 号公報にはFe2O3 として表
して少なくとも0.45重量%の鉄を有する溶融ガラスの連
続流を送り、溶融操作中の酸化還元条件をFeO として表
される第一鉄状態の鉄を少なくとも35%与えるように制
御し、そしてガラスを成形操作で平板ガラス製品へ成形
することを含み、しかも前記平板ガラスが少なくとも65
%の光透過率及び15%以下の赤外線透過率を有する、連
続的方法でソーダ・石灰・シリカ平板ガラスを製造する
方法が開示され、ガラス中でFe2O3 として表して0.65%
より少ない全鉄含有量が与えられていることあるいは製
品ガラスの硫黄含有量がSO3 として表して0.02%より少
ないこと等にすることが好ましいものであると記載さ
れ、またFe2O3 として表して少なくとも0.45重量%の全
鉄で、そのうち少なくとも50%がFeO として表した第一
鉄状態にある鉄、及びSO3 として表して0.02重量%より
少ない硫黄を有し、少なくとも65%の光透過率及び15%
以下の全太陽赤外線透過率を示すソーダ・石灰・シリカ
ガラス物品が開示されており、ガラス物品が、重量に基
づいて、66〜75%のSiO2、12〜20%のNa2O、7 〜12%の
CaO 、0 〜5 %のMgO 、0 〜4 %のAl2O3 、0 〜3 %の
K2O 、0 〜1 %のFe2O3 、及びCeO2、TiO2、V2O5又はMo
O3の合計0 〜1.5%から本質的になる組成を有するもの
が好ましいことが記載されている。さらに米国特許第47
01425 号には重量%で表して、60〜80%のSiO2、10〜20
%のNa2O、0 〜10%のK2O 、5 〜16%のCaO 、0 〜10%
のMgO 、0〜5 %のAl2O3 、0 〜0.5 %のSO3 、0.29〜
0.6 %のFe2O3 、0.1 〜1.5 %のSnO2、0.1 〜1.6 %の
TiO2から実質的になる赤外線と紫外線を吸収するガラス
組成物が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする問題点】前述したような例え
ば特開昭64ー18938 号公報に記載のものは、SO3 成分を
0.02重量%より少なくし、通常のフロート法による板ガ
ラス製造での溶融操作手段では到底所期の赤外線紫外線
吸収ガラスを得ることが困難であって、種々の複雑な手
段工程、例えば液化段階、溶解段階、清澄段階、攪拌室
ならびに攪拌器等が必要となるようなものであり、また
米国特許第4701425 号に記載のものは必ずしも充分易強
化のガラス組成物であるとは言い難く、しかも赤外線の
吸収においても必ずしも充分優れるものとは言い難いも
のである。
【0005】
【問題点を解決するための手段】本発明は、従来のかか
る欠点に鑑みてなしたものであって、熱膨張係数、ヤン
グ率およびポアソン比を大きい方にかつ熱伝導率を小さ
い方になるようにするとともに、赤外線と紫外線を充分
所期の吸収を有するものであって、比較的透視性がある
比較的淡い緑系の色調を発現し、しかも耐候性、成形性
も充分に有する易強化性の赤外線紫外線吸収ガラスを提
供するものである。
【0006】すなわち、本発明は、重量%で表示して、
実質的に下記酸化物であり、68〜72%SiO2、1.6 〜3.0
%Al2O3 、8.5 〜11.0%CaO 、2.0 〜4.2 %MgO 、12.0
〜16.0%Na2O、0.5 〜3.0 %K2O 、0.08〜0.30%SO3
0.58〜0.65%Fe2O3 (0.65%を含まず)、0.1 〜0.5 %
CeO2、0.1 〜0.4 %TiO2、ならびに微量成分としてMnO
10〜350ppmを少なくとも含み、これら成分の総和が98%
以上であって、かつ70〜74%SiO2+Al2O3 +TiO2、12〜
15%CaO +MgO 、13〜17%Na2O+K2O であることを特徴
とする赤外線紫外線吸収ガラス。ならびに5mm 厚換算
で、A 光源による可視光線透過率が69%以上、日射透過
率が35〜47%、紫外線透過率が8〜15%、主波長が505
〜518 nm、波長1000〜1150nmの間の平均透過率が7〜15
%、刺激純度が5以下であることを特徴とする前述した
赤外線紫外線吸収ガラスを提供するものである。
【0007】ここで、SiO2成分を重量%で68〜72%とし
たのは、68%未満では表面にやけ等が発生しやすく耐候
性が下がり実用上の問題が生じてくるものであり、72%
を超えるとその易強化性が下がり、溶融も難しくなるも
のであり、Al2O3 成分を重量%で1.6 〜3.0 %としたの
は、1.6 %未満では耐候性が下がり表面にやけ等が発生
しやすく実用上の問題が生じてくるものであり、3%を
超えると失透が生じやすくなり成形温度範囲が狭くなり
製造が難しくなるものであり、CaO 成分を重量%で8.5
〜11.0%としたのは、8.5 %未満では易強化性が下が
り、また融剤として不足気味となり溶融温度も高くなり
また流動温度を低くしないので製造しにくくなり、11%
を超えると失透し易くなり、成形作業範囲が狭くなり製
造が難しくなるものであり、MgO 成分を重量%で2.0 〜
4.2 %としたのは、2.0 %未満では溶融温度が上がり操
作範囲を狭めるので製造がしにくくなり、4.2 %を超え
ると易強化性が下がるものであり、Na2O成分を重量%で
12.0〜16.0%としたのは、12.0未満では易強化性が下が
り、成形性が難しくなり、失透も生じ易くなるので操作
範囲が狭まり製造しにくくなり、16%を超えると耐候性
が下がり、表面にやけ等が発生しやすくなり実用上の問
題が生じてくるものであり、K2O 成分を重量%で0.5 〜
3.0 %としたのは、0.5 %未満では易強化性が下がり、
3.0 %を超えると耐候性が下がりかつコストも高くなる
ものであり、SO3 成分を重量%で0.08〜0.30%としたの
は、0.08%未満では例えば通常の溶融において脱泡ある
いは均質性上不充分となり易い程度にしかできなくな
り、0.30%を超えると特にガラスの着色状態に影響を与
え、例えば黄色やアンバー色がかった色調に移行し易く
なる等が発現し所期のどちらかと言えば淡い目の緑系色
調が得られなくなるためであり、好ましくは0.15%前後
とどちらかと言えば範囲内でも低いところがよいもので
ある。
【0008】また、Fe2O3 成分を重量%で0.58〜0.65%
としたのは、赤外線を吸収するFeO成分量と紫外線を吸
収し所期のどちらかと言えば淡いグリーン系色調を確保
するFe2O3 成分量との総量として、前述した各種光学特
性を安定して得るために、他のCeO2、TiO2等の各成分量
とともにことに必要であり、0.58%未満では上述に対す
る作用が劣り、0.65%を超えると前記比較的濃いグリー
ン系色調となり易く、特に可視光線透過率が劣ることと
なる等好ましくないからであり、好ましくはFe 2O3 成分
換算総量として0.6 〜0.64%程度である。またCeO2とTi
O2成分は紫外線の吸収作用を有し、CeO2成分を0.1 〜0.
5 %とし、TiO2成分を0.1 〜0.4 %としたのは、ガラス
における還元率をほとんど変化させないでしかも紫外線
吸収能がCeO2成分より小さいTiO2成分と、ガラスにおけ
る還元率を比較的大きく変化させしかも紫外線吸収能を
充分与えるCeO2成分とを上述の特定範囲内に限定して組
み合わすことで、僅かの含有量で所期の特性を効率的に
得ることでき、従来の還元率をほとんど変化させないよ
うにしつつ、Ceのガラス中での価数をCe4+、Ce3+のう
ち、ほぼ無色のCe3+が主になるようにし、前述した全鉄
におけるFe2O3 とFeOとの割合を制御して、可視光領域
の透過率を全体的に低下させないようにしかつ紫外線吸
収や赤外線吸収等所期の光学特性を達成し得るようにす
るためであり、好ましくはCeO2成分を0.2 〜0.4 %、Ti
O2成分を0.15〜0.25%程度である。さらにMnO 成分を10
〜350ppmとしたのは、FeとMnとの関係ではFeが酸化され
る方向でかつ微量ながら還元率が低い方向になる傾向が
あり、CeとMnとの関係ではMnが酸化される方向であって
還元率には影響が殆どないものである等によって、Mnが
FeとCeらとあいまって中性的に相互作用させながら、約
500nm 付近にあるMnO の吸収波長でもって前記色調調整
を、大きな影響を与えないで微力ながら調整できるよう
にしたものであり、またMnO 成分を多量に用いれば例え
ばソラリゼーション等の現象を発現するように成り易く
なるなどから350ppmを超えないようにしたものである。
【0009】また、SiO2、Al2O3 、CaO 、MgO 、Na2O、
K2O 、Fe2O3 、SO3 、CeO2、TiO2、MnO の成分の総和を
重量百分率で98%以上としたのは、例えばZnO 、SnO2
CoO、Se、NiO 等微量成分を2 %を超えない量に制御す
るためである。なかでもV2O5成分を任意成分として0 〜
0.25%程度添加することがあり、該V2O5は還元率をほと
んど変化させることがなくしかも紫外線吸収能がCeO2
分より小さく影響が少ないからで微調整に添加用いるも
のであり、V のガラス中での価数を黄色を呈するV5+
極力少なくし緑色を呈するV3+ に主になるようにする必
要がある等のためである。
【0010】さらに、SiO2+Al2O3 +TiO2を重量百分率
で70〜74%としたのは、70%未満では耐候性が下がり、
74%を超えると易強化性が下がる問題が生じるものであ
り、CaO +MgO を重量百分率で12〜15%としたのは、Ca
O およびMgO 成分は溶融温度を下げるために用いられる
とともに、12%未満では易強化性が下がり、15%を超え
ると失透しやすくなり製造上難しくなるものであり、Na
2O+K2O を百分率で13〜17%としたのは、13%未満では
易強化性が下がり、失透も生じやすくなって成形におい
て作業温度範囲が狭くなり、製造が難しくなり、17%を
超えると耐候性が下がり実用上の問題を生じるものであ
るとともにコスト的にも高くなるものである。
【0011】さらにまた、5mm 厚換算で、A 光源による
可視光線透過率が69%以上、日射透過率が35〜47%、紫
外線透過率が8〜15%、主波長が505 〜518 nm、波長10
00〜1150nmの間の平均透過率が7〜15%、刺激純度が5
以下であることが好ましいとしたのは、前記可視光線透
過率が69%未満では特に自動車のフロント窓ガラスにお
いてガラスの透視性、ことに日暮れ、夜間あるいは雨降
りなどに際し、物体の識別性の低下が発現しやすく好ま
しくなく、より好ましくは70%前後、さらに好ましくは
75%前後であり、日射透過率が47%を超えると冷房負荷
の増大あるいは車内・室内での居住性を向上することが
できないこととなり、35%未満では透視性ことに前述し
た識別性の低下あるいは色調にも影響を与え兼ねないこ
ととなるので好ましくなく、より好ましくは38〜45%程
度である。ことに波長1000〜1150nmの間の平均透過率が
15%を越えると上述した熱負荷等に対する影響が大き
く、熱的吸収等の効果が薄く、7%未満までにしょうと
すると可視域での透過率が低下して車両用窓ガラスとし
ての性能を確保し難くなるからであり、より好ましくは
11〜14%程度である。
【0012】さらにまた紫外線透過率が15%を超えると
車内・室内での物品の脱色・劣化あるいは肌焼け等人的
影響により居住性の悪化に結び付き易く、8%未満では
例えば前記日射透過率が得られなくなる等の弊害が発生
し易くなり、より好ましくは10〜14%程度である。さら
にまた主波長が518nm を超えると黄色あるいはアンバー
色が影響して所期の緑色調系に成らず、505nm 未満では
ブルー色が勝ち過ぎて所期の緑色調系と成らないためで
あり、好ましい主波長は507 〜515 nmであり、刺激純度
が5を超えると物体の識別性が低下するようになって例
えば日暮れやどんよりした雨降り等で乗員の透視性に支
障を来し、安全性の確保等が困難となるためであり、よ
り好ましくは3.5 程度以下である。なお紫外線域は290
〜390nmとし、可視域等は従来通りとした。
【0013】さらにまた、前記赤外線紫外線吸収ガラス
を製造するに当っては、Fe2O3 とFeO のバランスが重要
であって、FeO のガラス中への取り込みの調整が少しで
も容易となるようにするため、実窯の操業条件等をほぼ
不変とし、ガラスの酸化還元状態を従来と出来るだけ変
えないように、すなわち通常の実窯で還元率が約0.45〜
0.70程度と変化するなかで、本発明の赤外線紫外線吸収
ガラスの製造に当たってはCeO2等種々の作用を加味し、
できるだけ変動しないように、例えば0.47〜0.65程度、
より好ましくは0.48〜0.6程度とするのに少しでも役立
つためであり、微量原料として炭素、Zn、Sn等の金属粉
または酸化物のうち少なくともその一つ等を用いると好
ましいとしたのは、例えば時として芒硝(Na2SO4)等清
澄剤の作用効果を助ける必要があり、一方では前記所期
の色調の確保に悪い影響を与えることともなり易く、Zn
あるいはSn等還元剤などもFe2O3 とFeO とのバランスを
調整するために必要な場合もあるためである。
【0014】なお、本発明の赤外線紫外線吸収ガラスは
易強化ガラス組成物であって、板厚1mm 前後の薄板ガラ
スから10mm前後の厚板ガラスで、例えば平板または曲げ
板として生板から強度アップしたもの、半強化したも
の、強化したもの等で、単板ガラス、合せガラス、積層
ガラスあるいは複層ガラス等で用いることが、ことに車
両用窓ガラスで用いることが有用である。
【0015】
【作用】前述したとおり、本発明の赤外線紫外線吸収ガ
ラスは、特定酸化物成分を特定組成範囲で組み合わせた
ガラスとして、易強化性を持たせしかも還元率の低下を
抑制するような上述したガラスを製造することによっ
て、例えば溶融性、清澄性、耐候性、成形性、失透性、
コスト等を考慮し、従来のフロートガラスの製造条件な
らびにそのガラスの性質等をほとんど変化させず、加え
て易強化性を持ち合わせかつ赤外線ならびに紫外線を吸
収して人的物的に高居住性であって、物体の識別も優れ
た透視性を充分持つものとなってギラつきもなく高安全
性を確保でき、どちらかと言えば淡いグリーン系色調で
例えば車・室内外と充分調和のあるものとなって環境的
にも優しく優れたものとなり、さらに、従来の熱強化方
法では得られなかった薄板ガラス等でも、充分な強化度
あるいは充分強度アップが得られ易くなるようになり、
建築用窓ガラスはもちろん家具用ガラス、調理用ガラ
ス、ことに自動車用等車両用窓ガラス等に有用な赤外線
紫外線吸収ガラスを提供できるものである。
【0016】
【実施例】以下本発明の実施例について説明する。実施例1 通常方法によって、ガラス原料としては例えば珪砂、長
石、ソーダ灰、ドロマイト、石灰石、芒硝、ベンガラ、
酸化チタン、炭酸セリウムあるいはイルメナイト、場合
によってはカーボン等を用い、例えば粘性温度が109
イズで650 〜685 ℃程度、1012ポイズで555 〜585 ℃程
度、かつ両者の温度差が96〜103 ℃程度になるようにな
るガラス組成を目標組成として秤量調合し、板ガラス溶
融窯で還元率をできるだけ確保しつつ溶融、均質化およ
び清澄し、フロート法で板ガラスとし、大きさ100mm ×
100mm で厚み約5mmのガラス板に切り出し、赤外線紫外
線吸収ガラスの各試料とした。
【0017】この試料について、ガラス成分組成(重量
%)についてはJISR-3101に基づく湿式分析法等で行
い、粘性温度(℃)についてはベンディングアーム法に
より粘度曲線を測定して109 および1012ポイズの温度を
求めるとともに、リリー法によって歪点、リトルトン法
によって軟化点を測定し、光学特性(5mm厚みにおけ
る)としての可視光線透過率(A光源にて、%)、紫外
線透過率(%)、および日射透過率(%)、主波長(n
m)、刺激純度については340 型自記分光光度計(日立
製作所製)とJIS Z-8722、JIS R-3106、ISO/DIS-9050に
て測定計算して求める等を行った。
【0018】その結果、赤外線紫外線吸収ガラスのガラ
ス成分組成は重量表示でSiO270.0%、Al2O31.8%、CaO
9.1%、MgO3.6%、Na2O13.4%、K2O0.7%、Fe2O30.620
%、TiO20.2 %、CeO20.31%、SO30.14 %、MnO 270ppm
前後程度と成り、成分の総和が99.9%であってかつSiO2
+Al2O3+TiO272.1%、CaO+MgO12.7 %、Na2O+K2O14.1
%であり、還元率(Fe2+/Fe3+)は0.47〜0.53程度と
なった。
【0019】また光学特性は、可視光線透過率が71.1%
程度、日射透過率が42〜43%程度、主波長が508 〜511
nm程度、波長1000〜1150nmの間の平均透過率が13.7%程
度、刺激純度が3.2 〜3.5 程度であり、所期のどちらか
と言えば淡いグリーン系色調であった。
【0020】さらに易強化性については、上述したガラ
スが前述した粘性温度が所期の特定範囲をクリヤーして
いることならびに軟化点と歪点との温度差が大体200 〜
240℃程度の範囲にあることを確認した上、前記試料を
雰囲気温度約650 〜730 ℃の炉内で約5分間前後加熱し
た後、エア圧約1300Ap程度で通常の風冷強化し、同時に
製板したガラス板を切り出した大きさ120mm ×100mm で
板厚約3.5mm 程度の強化ガラス板を得、該強化ガラス板
のコーナー部の角端面から約30mmの位置で衝撃を与えて
破砕し、全面に破砕された該ガラス板をJIS R-3211に従
って調べたところ、薄いガラス板でも高効率かつ高歩留
りで、決められた規格を充分満足する高易強化性の赤外
線紫外線吸収ガラスであった。
【0021】なお、本発明の約2.5mm 板厚の曲げ赤外線
紫外線吸収ガラスを外側に用い、内側に約2mm板厚の熱
線反射膜被覆曲げガラス板を配し、該膜側を内側にして
PVB中間膜を介して積層した合せガラスを試作し、自動
車の窓ガラスに用いたところ、本発明の作用効果を高め
るとともにさらに多機能化され、車内外の居住性ならび
に安全性がより優れたものと成るものであった。
【0022】実施例2 前記実施例1と同様なガラス原料を用い、秤量調合し、
溶融操作をし、得たガラスを同様に試料化した。
【0023】得られた試料について前記実施例1と同様
に分析、測定、評価した結果、ガラス成分組成は重量表
示でSiO270.2%、Al2O31.8%、CaO9.1%、MgO3.5%、Na
2O13.5%、K2O0.6%、Fe2O30.623%、TiO20.19%、CeO2
0.31%、SO30.13 %、MnO290ppm 前後程度と成り、成分
の総和が99.983%であって、SiO2+Al2O3+TiO272.19
%、CaO +MgO 12.6%、Na2O+K2O 14.1%であり、還元
率は前記と同様に0.48〜0.53程度となった。光学特性は
可視光線透過率が70.9%程度、日射透過率が42〜42.5%
程度、主波長が509 〜510.5 nm程度、波長1000〜1150nm
の間の平均透過率が13.5%程度、刺激純度が3.4 〜3.5
程度であり、所期のどちらかと言えば淡いグリーン系色
調であった。
【0024】さらに易強化性についても、前記実施例1
と同様に実施したところ、前記実施例1と同様にJIS で
決められた規格を充分満足するものであって、薄いガラ
ス板でも高効率、高歩留りで前記規格に合格するものが
得れるようになるものであった。なお、上述した各実施
例は本発明の一例を示すものであって、これら実施例に
限られるものではない。
【0025】
【発明の効果】本発明によれば、特定酸化物成分を特定
組成範囲で組み合わせた赤外線紫外線吸収ガラスとした
ことで、還元率の低下を抑制し、赤外線の吸収と紫外線
の吸収とをバランス良く、充分透視性を持ち、易強化性
を保持させ、所期のどちらかと言えば淡いグリーン系色
調を呈するガラスを、実窯の操業条件を大幅に変更する
ことなく製造することができ、人的物的両面で高居住
性、高安全性、高環境性を有し軽量化も可能であるもの
とすることができるものと成り、建築用窓ガラス等はも
ちろん、ことに自動車用窓ガラスに適用して有用なもの
と成る赤外線紫外線吸収ガラスを提供するものである。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%で表示して、実質的に下記酸化物
    であり、SiO268〜72%、Al2O3 1.6 〜3.0 %、CaO 8.5
    〜11.0%、MgO 2.0 〜4.2 %、Na2O12.0〜16.0%、K2O
    0.5 〜3.0 %、SO3 0.08〜0.30%、Fe2O3 0.58〜0.65%
    (0.65%を含まず)、CeO20.1 〜0.5 %、TiO20.1 〜0.
    4 %、ならびに微量酸化物としてMnO10〜350ppmを少な
    くとも含み、これら成分の総和が98%以上であって、か
    つSiO2+Al2O3 +TiO270〜74%、CaO +Mg0 12〜15%、
    Na2O+K2O13〜17%であることを特徴とする赤外線紫外
    線吸収ガラス。
  2. 【請求項2】 前記ガラスが、5mm 厚換算で、A 光源に
    よる可視光線透過率が69%以上、日射透過率が35〜47
    %、紫外線透過率が8〜15%、主波長が505 〜518 nm、
    波長1000〜1150nmの間の平均透過率が7〜15%、刺激純
    度が5以下であることを特徴とする請求項1記載の赤外
    線紫外線吸収ガラス。
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