JPH0577814U - 照明器具の取付構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】仕上げ作業を手間取ることなく容易に行う。壁
仕上げ面の寸法バラツキを吸収して取付けを行う。 【構成】壁下地１の表裏外面にわたって貫通するように
設けられた取付用開口２に照明器具本体３を挿合する。
照明器具本体３の前端開口縁より内方に向けて鍔片４を
突設する。取付用開口２の内周面と照明器具本体３の外
周面との間に仕上げモルタル５を充填する。壁下地１の
外面に仕上げモルタル５を塗布して壁仕上げ面６を形成
する。取付枠７にて照明器具本体３の外方に設置される
パッキン８を鍔片４の外面に当接する。鍔片４よりも外
側方に突出するパッキン８及び取付枠７の周端縁の内面
側に段部９を設ける。段部９にて壁仕上げ面６とパッキ
ン８及び取付枠７の周端縁の内面側との間に段差吸収用
の隙間１０を形成する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、屋外の壁面に埋め込むようにして設置される照明器具の取付構造に 関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、屋外の壁面に埋め込むように設置されて常夜灯として使用される照明器 具としては、図６に示されるように照明器具本体３と、照明器具本体３の前端開 口にパッキン８を介して取着される取付枠７と、パッキン８にて保持されるガラ スパネル１１とで形成されている。ここで、照明器具本体３は内部にランプ１２ 、安定器１４、グロー等の点灯部品を有し、前端外周部には外側方に突出した平 面部を有する鍔片４を備えている。鍔片４にはカシメナット１６が設けられてお り、パッキン８及び取付枠７は固定ネジ２０によって鍔片４に固定されるように なっている。そして、上記照明器具は、壁下地１の表裏外面にわたって貫通する ように設けられた取付用開口２に照明器具本体３を挿合するようにして壁下地１ への取付けが行われるものであり、仕上げとして図５、図７に示されるように壁 下地１の外面には仕上げモルタル５が塗布されて壁仕上げ面６が形成されると共 に取付用開口２の内周面と照明器具本体３の外周面との間にも仕上げモルタル５ が充填されるというものであった。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、上述のような従来例にあっては、仕上げモルタル５により仕上げを行 う際に鍔片４と壁下地１との間に仕上げモルタル５を入れる作業が困難であり、 つまり、照明器具本体３の前端外周部より外側方に突出した鍔片４の存在によっ て仕上げモルタル５の充填塗布作業を行い難いものであり、無理に行おうとすれ ば、鍔片４に仕上げモルタル５が付着したり、鍔片４が変形するようなことがあ り、作業が面倒なものとなっており、このため、取付用開口２の内周面と照明器 具本体３の外周面との間への仕上げモルタル５の充填は図５中ロ方向の片側から しか行うことができないという問題があった。

【０００４】 本考案は上記問題点の解決を目的とするものであり、仕上げ作業を手間取るこ となく容易に行うことができると共に、壁仕上げ面の寸法バラツキを吸収して取 付けを行うことができる照明器具の取付構造を提供しようとするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案では、上記目的を達成するために、壁下地１の表裏外面にわたって貫通 するように設けられた取付用開口２に照明器具本体３を挿合し、照明器具本体３ の前端開口縁より内方に向けて鍔片４を突設し、取付用開口２の内周面と照明器 具本体３の外周面との間に仕上げモルタル５を充填し、壁下地１の外面に仕上げ モルタル５を塗布して壁仕上げ面６を形成し、取付枠７にて照明器具本体３の外 方に設置されるパッキン８を上記鍔片４の外面に当接し、鍔片４よりも外側方に 突出するパッキン８及び取付枠７の周端縁の内面側に段部９を設け、この段部９ にて壁仕上げ面６とパッキン８及び取付枠７の周端縁の内面側との間に段差吸収 用の隙間１０を形成したものである。

【０００６】

【作用】

しかして、照明器具は照明器具本体３を壁下地１に設けられた取付用開口２内 に挿合し、取付用開口２の内周面と照明器具本体３の外周面との間に仕上げモル タル５を充填すると共に壁下地１の外面に仕上げモルタル５を塗布して壁仕上げ 面６を形成することで壁に取付けられる。そして、照明器具本体３に設けられる 鍔片４は前端開口縁より内方に向けて突設されているために仕上げモルタル５の 充填作業の邪魔になるようなことがなく、仕上げモルタル５の充填作業は壁下地 の表面側または裏面側の両方向から行うことができるものであり、仕上げモルタ ル５の充填を手間取ることなく確実に行うことができる。また、鍔片４よりも外 側方に突出するパッキン８及び取付枠７の周端縁の内面側に段部９を設け、この 段部９にて壁仕上げ面６とパッキン８及び取付枠７の周端縁の内面側との間に段 差吸収用の隙間１０を形成されているために壁仕上げ面６の表面精度にバラツキ があっても隙間１０によって吸収することができる。

【０００７】

【実施例】

以下、本考案を図示された実施例に基づいて詳述する。 照明器具は図２、図３に示されるように照明器具本体３と、照明器具本体３の 前端開口にパッキン８を介して取着される取付枠７と、パッキン８にて保持され るガラスパネル１１とで主体が形成されている。

【０００８】 照明器具本体３は前面が開口する受け箱状のボックス３ａによって構成されて おり、内部にはランプ１２、安定器１３、電子スタータ１４等の点灯部品が収納 配置されている。１５は端子台である。照明器具本体３の前端開口縁からは内方 に向けて鍔片４が突設されており、鍔片４にはカシメナット１６が設けられてい る。ガラスパネル１１の周縁に取着されるパッキン８は係合凹部８ａにガラスパ ネル１１の周縁を係合することでガラスパネル１１を保持するようになっており 、内面の一部を鍔片４に当接するようにして照明器具本体３の前端開口に配置さ れている。パッキンの外面側には取付枠７が配置されており、取付枠７の外面よ り挿入される固着具２０を鍔片４に設けられたカシメナット１６に螺合すること で取付枠７と共にパッキン８及びガラスパネル１１が固定されている。鍔片４よ りも外側方に突出するパッキン８及び取付枠７の周端縁の内面側には段部９が設 けられており、この段部９にて壁下地１の外面に仕上げモルタル５を塗布して形 成される壁仕上げ面６とパッキン８及び取付枠７の周端縁の内面側との間に段差 吸収用の隙間１０が形成されている。取付用開口２内に挿合される照明器具本体 ３の外周面と取付用開口２の内周面との間には図１に示されるように仕上げモル タル５が充填されるようになっており、また、壁下地１の外面には仕上げモルタ ル５が塗布されて壁仕上げ面６が形成されるようになっている。ガラスパネル１ １を保持すると共に水密性を確保するためのパッキン８は略ロ字状に形成されて おり、各辺の中央部はコーナー部よりも外側方に突出した状態とされて各辺の中 央部に突部１７が形成されている。この突部１７の存在によって壁面上方から降 りてくる雨水は突部１７の存在によって形成される傾斜面１８にて下方に排水さ れることとなり、パッキン８の上面に溜まるのを防止してパッキン８が部分的に 劣化するのを防止すると共に壁面が局部的に汚れるのを防止できるようになって いる。

【０００９】 しかして、照明器具は照明器具本体３を壁下地１に設けられた取付用開口２内 に挿合し、取付用開口２の内周面と照明器具本体３の外周面との間に仕上げモル タル５を充填し、次いで壁下地１の外面に仕上げモルタル５を塗布して壁仕上げ 面６を形成し、照明器具本体３の前端開口に取付枠７を介してパッキン８と共に ガラスパネル１１を取着することで取付けが行われるものであり、取付用開口２ の内周面と照明器具本体３の外周面との間への仕上げモルタル５の充填は、照明 器具本体３の前端開口に設けられる鍔片４が内方に向けて突設されているために 鍔片４が邪魔になるようなことがなく、図１中イ方向またはロ方向のいずれ側か らであっても仕上げモルタル５の充填作業を行うことができるものであり、仕上 げモルタル５の充填作業を確実に行うことができると共に手間取ることなく手早 く行うことができるようになっている。さらに、鍔片４よりも外側方に突出する パッキン８及び取付枠７の周端縁の内面側に段部９を設け、この段部９にて壁仕 上げ面６とパッキン８及び取付枠７の周端縁の内面側との間に段差吸収用の隙間 １０が形成されているために仕上げモルタル５を塗布して形成される壁仕上げ面 ６の表面精度にバラツキがあっても隙間１０によって吸収しながら取付枠７にて パッキン８及びガラスパネル１１の取付けを行うことができるようになっている 。

【００１０】

【考案の効果】

本考案は上述のように、壁下地の表裏外面にわたって貫通するように設けられ た取付用開口に照明器具本体を挿合し、照明器具本体の前端開口縁より内方に向 けて鍔片を突設し、取付用開口の内周面と照明器具本体の外周面との間に仕上げ モルタルを充填し、壁下地の外面に仕上げモルタルを塗布して壁仕上げ面を形成 し、取付枠にて照明器具本体の外方に設置されるパッキンを上記鍔片の外面に当 接し、鍔片よりも外側方に突出するパッキン及び取付枠の周端縁の内面側に段部 を設け、この段部にて壁仕上げ面とパッキン及び取付枠の周端縁の内面側との間 に段差吸収用の隙間を形成してあるので、取付けの仕上げ作業として取付用開口 の内周面と照明器具本体の外周面との間に充填される仕上げモルタルの充填作業 は鍔片が前端開口縁より内方に向けて突設されているために壁下地の表面側また は裏面側の両方向から行うことができるものであり、仕上げモルタルの充填を手 間取ることなく確実に行うことができるものである。また、壁仕上げ面とパッキ ン及び取付枠の周端縁の内面側との間に段差吸収用の隙間を形成してあるので、 壁仕上げ面の表面精度にバラツキがあっても隙間によって吸収することができ、 取付枠及びパッキンの取付けを手間取ることなく確実に行うことができるもので ある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示す部分断面図である。

【図２】同上の正面図である。

【図３】同上の一部破断した側面図である。

【図４】同上のパッキンの配置状態を示す正面図であ
る。

【図５】従来例を示す部分断面図である。

【図６】同上の設置状態を示すものであり、（ａ）は一
部破断した正面図、（ｂ）は側断面図、（ｃ）は一部破
断した平面図である。

【図７】図６（ｂ）におけるＡ部の部分拡大断面図であ
る。

【符号の説明】

１ 壁下地 ２ 取付用開口 ３ 照明器具本体 ４ 鍔片 ５ 仕上げモルタル ６ 壁仕上げ面 ７ 取付枠 ８ パッキン ９ 段部 １０ 隙間

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 壁下地の表裏外面にわたって貫通するよ
   うに設けられた取付用開口に照明器具本体を挿合し、照
   明器具本体の前端開口縁より内方に向けて鍔片を突設
   し、取付用開口の内周面と照明器具本体の外周面との間
   に仕上げモルタルを充填し、壁下地の外面に仕上げモル
   タルを塗布して壁仕上げ面を形成し、取付枠にて照明器
   具本体の外方に設置されるパッキンを上記鍔片の外面に
   当接し、鍔片よりも外側方に突出するパッキン及び取付
   枠の周端縁の内面側に段部を設け、この段部にて壁仕上
   げ面とパッキン及び取付枠の周端縁の内面側との間に段
   差吸収用の隙間を形成して成る照明器具の取付構造。