JPH0577752A - 自動車用四輪操舵装置 - Google Patents
自動車用四輪操舵装置Info
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- JPH0577752A JPH0577752A JP33233491A JP33233491A JPH0577752A JP H0577752 A JPH0577752 A JP H0577752A JP 33233491 A JP33233491 A JP 33233491A JP 33233491 A JP33233491 A JP 33233491A JP H0577752 A JPH0577752 A JP H0577752A
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- Japan
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- steering
- wheel steering
- steering system
- gradient
- phase
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- Steering Control In Accordance With Driving Conditions (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 本発明は、前輪操舵系と後輪操舵系とを制御
して車両の操舵を行なう自動車用四輪操舵装置に関し、
平坦路以外の走行時においても適切な四輪操舵制御を行
なえるようにすることを目的とする。 【構成】 前輪操舵系と、後輪操舵系と、これらの前輪
操舵系および後輪操舵系を制御するコントローラ15と
をそなえた自動車用四輪操舵装置において、上記自動車
が走行する走行路の勾配を検出する勾配検出手段15B
と、上記自動車が走行する走行路の屈曲状態を検出する
屈曲状態検出手段15Aとが設けられて、上記コントロ
ーラ15を、上記勾配検出手段15Bの検出信号と上記
屈曲状態検出手段15Aの検出信号とに基づき上記後輪
の操舵特性を調整する走行路状態対応調整手段15Cを
そなえるように構成する。
して車両の操舵を行なう自動車用四輪操舵装置に関し、
平坦路以外の走行時においても適切な四輪操舵制御を行
なえるようにすることを目的とする。 【構成】 前輪操舵系と、後輪操舵系と、これらの前輪
操舵系および後輪操舵系を制御するコントローラ15と
をそなえた自動車用四輪操舵装置において、上記自動車
が走行する走行路の勾配を検出する勾配検出手段15B
と、上記自動車が走行する走行路の屈曲状態を検出する
屈曲状態検出手段15Aとが設けられて、上記コントロ
ーラ15を、上記勾配検出手段15Bの検出信号と上記
屈曲状態検出手段15Aの検出信号とに基づき上記後輪
の操舵特性を調整する走行路状態対応調整手段15Cを
そなえるように構成する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、前輪操舵系と後輪操舵
系とをそなえてこれらを制御しながら車両の操舵を行な
う、自動車用四輪操舵装置に関する。
系とをそなえてこれらを制御しながら車両の操舵を行な
う、自動車用四輪操舵装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図10は従来の四輪操舵装置をそなえた
自動車における操舵系の摸式図であり、図10に示すよ
うに、四輪操舵装置には、前輪1L,1R用の前輪操舵
系Fと、前輪操舵系Fに連係された後輪13L,13R
用の後輪操舵系Rとがそなえられている。
自動車における操舵系の摸式図であり、図10に示すよ
うに、四輪操舵装置には、前輪1L,1R用の前輪操舵
系Fと、前輪操舵系Fに連係された後輪13L,13R
用の後輪操舵系Rとがそなえられている。
【0003】そして、前輪操舵系Fは、前輪1L,1R
に付設され各前輪の操舵用揺動を可能に取り付けられた
タイロッド3,3と、タイロッド3,3の内端間に連結
されたパワーステアリング装置2とをそなえている。パ
ワーステアリング装置2は、ステアリングハンドル4に
よって作動するラック・ピニオン機構と、このラック・
ピニオン機構に連結された前輪操舵アクチュエータとし
ての油圧シリンダとで構成されている。
に付設され各前輪の操舵用揺動を可能に取り付けられた
タイロッド3,3と、タイロッド3,3の内端間に連結
されたパワーステアリング装置2とをそなえている。パ
ワーステアリング装置2は、ステアリングハンドル4に
よって作動するラック・ピニオン機構と、このラック・
ピニオン機構に連結された前輪操舵アクチュエータとし
ての油圧シリンダとで構成されている。
【0004】油圧シリンダは、ステアリングハンドル4
によって駆動される進相機能付き前輪操舵バルブ5を介
して、ポンプユニット6の一方の油圧ポンプ7に接続さ
れている。ポンプユニット6は、タンデム式に結合され
てエンジン8により駆動される二連ポンプ7,9で構成
されており、他方の油圧ポンプ9は、後輪操舵バルブ1
0を介して後輪操舵アクチュエータ11に接続されてい
る。
によって駆動される進相機能付き前輪操舵バルブ5を介
して、ポンプユニット6の一方の油圧ポンプ7に接続さ
れている。ポンプユニット6は、タンデム式に結合され
てエンジン8により駆動される二連ポンプ7,9で構成
されており、他方の油圧ポンプ9は、後輪操舵バルブ1
0を介して後輪操舵アクチュエータ11に接続されてい
る。
【0005】後輪操舵アクチュエータ11は、液圧シリ
ンダとしての油圧シリンダで構成されており、そのピス
トンロッド11Aがタイロッド12、12を介して左右
の後輪に連結されている。すなわち、後輪操舵系Rが、
左右の後輪13L,13Rに付設され各後輪13L,1
3Rの操舵用揺動を可能に取り付けられたタイロッド1
2,12と、同タイロッド12,12の内端に両端を連
結されてその往復動により上記タイロッドを駆動するロ
ッド11Aと、このロッド11Aを駆動する後輪操舵ア
クチュエータとしての油圧シリンダ(広くいうと流体圧
シリンダ)11をそなえて構成されている。
ンダとしての油圧シリンダで構成されており、そのピス
トンロッド11Aがタイロッド12、12を介して左右
の後輪に連結されている。すなわち、後輪操舵系Rが、
左右の後輪13L,13Rに付設され各後輪13L,1
3Rの操舵用揺動を可能に取り付けられたタイロッド1
2,12と、同タイロッド12,12の内端に両端を連
結されてその往復動により上記タイロッドを駆動するロ
ッド11Aと、このロッド11Aを駆動する後輪操舵ア
クチュエータとしての油圧シリンダ(広くいうと流体圧
シリンダ)11をそなえて構成されている。
【0006】なお、図5において、14はリザバタンク
を示している。ところで、後輪操舵アクチュエータ11
は、コントローラ15により制御されるようになってお
り、ステアリングハンドル4の操作に対し、走行状態に
応じて、後輪操舵バルブ10に作動制御信号が出力さ
れ、油圧ポンプ9から後輪操舵バルブ10へ供給される
作動油が制御されるようになっている。
を示している。ところで、後輪操舵アクチュエータ11
は、コントローラ15により制御されるようになってお
り、ステアリングハンドル4の操作に対し、走行状態に
応じて、後輪操舵バルブ10に作動制御信号が出力さ
れ、油圧ポンプ9から後輪操舵バルブ10へ供給される
作動油が制御されるようになっている。
【0007】また、コントローラ15は、前輪操舵バル
ブ5へも作動制御信号を出力するようになっており、ス
テアリングハンドル4の操舵に対し左右の前輪1L,1
Rを進相させた制御を行なえるようになっている。そし
て、コントローラ15には、車速Vを検出する車速セン
サ26、ステアリングハンドル4のハンドル角θH を検
出するハンドル角センサ16、後輪操舵角θRを検出す
る後輪操舵角センサ17、およびパワーステアリング装
置2の作動圧を検出する圧力センサ18,19が接続さ
れ、各出力信号がコントローラ15へ供給されるように
なっている。
ブ5へも作動制御信号を出力するようになっており、ス
テアリングハンドル4の操舵に対し左右の前輪1L,1
Rを進相させた制御を行なえるようになっている。そし
て、コントローラ15には、車速Vを検出する車速セン
サ26、ステアリングハンドル4のハンドル角θH を検
出するハンドル角センサ16、後輪操舵角θRを検出す
る後輪操舵角センサ17、およびパワーステアリング装
置2の作動圧を検出する圧力センサ18,19が接続さ
れ、各出力信号がコントローラ15へ供給されるように
なっている。
【0008】このような構成により、各センサの出力信
号がコントローラ15に入力され、コントローラ15か
らの制御信号により前輪1L,1Rおよび後輪13L,
13Rの操舵制御が行なわれる。
号がコントローラ15に入力され、コントローラ15か
らの制御信号により前輪1L,1Rおよび後輪13L,
13Rの操舵制御が行なわれる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
従来の自動車用四輪操舵装置においては、制御の対象と
して、おおむね平坦路における走行が考慮されており、
走行路の勾配状態について、特に考慮されていていな
い。このため、平坦路以外の走行時における四輪操舵制
御は理想的な状況に達していないという課題がある。
従来の自動車用四輪操舵装置においては、制御の対象と
して、おおむね平坦路における走行が考慮されており、
走行路の勾配状態について、特に考慮されていていな
い。このため、平坦路以外の走行時における四輪操舵制
御は理想的な状況に達していないという課題がある。
【0010】すなわち、自動車の上り勾配走行時には、
後輪グリップ力の増加によりアンダーステア傾向にな
り、下り勾配時には後輪グリップ力の低下によりオーバ
ーステア傾向になるため、これを考慮した四輪操舵制御
を行なうことが望ましいが、現状では行なわれていな
い。また、車両が屈曲路を走行するときには、走行路の
屈曲状態(屈曲度)に応じて車両に要求される操舵特性
は変化する。このため、走行路の勾配状態と併せて走行
路の屈曲状態も考慮した四輪操舵制御を行なうことが望
ましい。
後輪グリップ力の増加によりアンダーステア傾向にな
り、下り勾配時には後輪グリップ力の低下によりオーバ
ーステア傾向になるため、これを考慮した四輪操舵制御
を行なうことが望ましいが、現状では行なわれていな
い。また、車両が屈曲路を走行するときには、走行路の
屈曲状態(屈曲度)に応じて車両に要求される操舵特性
は変化する。このため、走行路の勾配状態と併せて走行
路の屈曲状態も考慮した四輪操舵制御を行なうことが望
ましい。
【0011】本発明は、このような課題に鑑み創案され
たもので、平坦路以外の走行時においても適切な四輪操
舵制御を行なえるようにした、自動車用四輪操舵装置を
提供することを目的とする。
たもので、平坦路以外の走行時においても適切な四輪操
舵制御を行なえるようにした、自動車用四輪操舵装置を
提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】このため、本発明の自動
車用四輪操舵装置は、前輪操舵系と、後輪操舵系と、こ
れらの前輪操舵系および後輪操舵系を制御するコントロ
ーラとをそなえた自動車用四輪操舵装置において、上記
自動車が走行する走行路の屈曲状態を検出する屈曲状態
検出手段と、上記自動車が走行する走行路の勾配を検出
する勾配検出手段とが設けられて、上記コントローラ
が、上記屈曲状態検出手段の検出信号と上記勾配検出手
段の検出信号とに基づき上記後輪の操舵特性を調整する
走行路状態対応調整手段をそなえていることを特徴とし
ている。
車用四輪操舵装置は、前輪操舵系と、後輪操舵系と、こ
れらの前輪操舵系および後輪操舵系を制御するコントロ
ーラとをそなえた自動車用四輪操舵装置において、上記
自動車が走行する走行路の屈曲状態を検出する屈曲状態
検出手段と、上記自動車が走行する走行路の勾配を検出
する勾配検出手段とが設けられて、上記コントローラ
が、上記屈曲状態検出手段の検出信号と上記勾配検出手
段の検出信号とに基づき上記後輪の操舵特性を調整する
走行路状態対応調整手段をそなえていることを特徴とし
ている。
【0013】
【作用】上述の本発明の自動車用四輪操舵装置では、自
動車が走行する走行路の屈曲状態が屈曲状態検出手段に
より検出されるとともに、自動車が走行する走行路の勾
配が勾配検出手段により検出されて、コントローラによ
り、これらの検出手段の検出信号に基づき後輪の操舵特
性が調整される。
動車が走行する走行路の屈曲状態が屈曲状態検出手段に
より検出されるとともに、自動車が走行する走行路の勾
配が勾配検出手段により検出されて、コントローラによ
り、これらの検出手段の検出信号に基づき後輪の操舵特
性が調整される。
【0014】
【実施例】以下、図面により、本発明の一実施例として
の自動車用四輪操舵装置について説明すると、図1はそ
の要部構成を示すブロック図、図2はその屈曲状態検出
手段の構成を示すブロック図、図3はその勾配検出手段
の構成を示すブロック図、図4はその調整手段の動作を
示すフローチャート、図5は本装置を付設しうるシフト
制御装置における通常走行時(平坦路走行時)のシフト
切替マップ、図6はそのシフト制御装置の動作特性を説
明するタイムチャート、図7,図8はいずれもそのシフ
ト制御装置の屈曲登坂路走行時のシフト切替マップ、図
9はそのコントローラの後輪制御部の構成を示すブロッ
ク図である。
の自動車用四輪操舵装置について説明すると、図1はそ
の要部構成を示すブロック図、図2はその屈曲状態検出
手段の構成を示すブロック図、図3はその勾配検出手段
の構成を示すブロック図、図4はその調整手段の動作を
示すフローチャート、図5は本装置を付設しうるシフト
制御装置における通常走行時(平坦路走行時)のシフト
切替マップ、図6はそのシフト制御装置の動作特性を説
明するタイムチャート、図7,図8はいずれもそのシフ
ト制御装置の屈曲登坂路走行時のシフト切替マップ、図
9はそのコントローラの後輪制御部の構成を示すブロッ
ク図である。
【0015】本実施例の自動車用四輪操舵装置は、その
全体構成を図10に示す従来例とほぼ同様に構成されて
いるが、後輪操舵系Rの制御にかかる部分が異なってい
る。図1,図9はこの後輪操舵系制御に関する部分を示
し、図1中における図10と同一の符号はほぼ同様のも
のを示している。つまり、本装置の全体構成は、図10
に示すように、ロッド11Aが油圧シリンダで形成され
た後輪操舵アクチュエータ(例えば油圧シリンダ)11
により駆動され、後輪操舵アクチュエータ11がバルブ
10により制御されるようになっており、バルブ10は
コントローラ15に接続されている。
全体構成を図10に示す従来例とほぼ同様に構成されて
いるが、後輪操舵系Rの制御にかかる部分が異なってい
る。図1,図9はこの後輪操舵系制御に関する部分を示
し、図1中における図10と同一の符号はほぼ同様のも
のを示している。つまり、本装置の全体構成は、図10
に示すように、ロッド11Aが油圧シリンダで形成され
た後輪操舵アクチュエータ(例えば油圧シリンダ)11
により駆動され、後輪操舵アクチュエータ11がバルブ
10により制御されるようになっており、バルブ10は
コントローラ15に接続されている。
【0016】コントローラ15は、図9に示すような信
号処理を行ない後輪の操舵を行なう後輪制御部30をそ
なえているほか、図1に示すように、走行路の屈曲状態
(屈曲度)および走行路の路面勾配に対応して操舵特性
を所要時に調整する調整手段Sをそなえている。このう
ち、まず、後輪制御部30について説明すると、この後
輪制御部30には、ハンドル角センサ16,車速センサ
26からのハンドル角θH ,車速Vに基づいて後輪の同
相舵角θr1を決定する同相舵角設定部30Aと、ハンド
ル角センサ16からのハンドル角θH を微分してハンド
ル角速度θH ′を算出するハンドル角速度算出部30B
と、ハンドル角速度算出部30Bからのハンドル角速度
θ H ′及び車速センサ26からの車速Vに基づいて後輪
の一瞬逆相舵角θr2を決定する一瞬逆相舵角設定部30
Cと、同相舵角設定部30Aで設定された同相舵角θr1
と一瞬逆相舵角設定部30Cで設定された一瞬逆相舵角
θr2とを加算して後輪舵角θr を決定する後輪舵角決定
部30Dとが設けられている。
号処理を行ない後輪の操舵を行なう後輪制御部30をそ
なえているほか、図1に示すように、走行路の屈曲状態
(屈曲度)および走行路の路面勾配に対応して操舵特性
を所要時に調整する調整手段Sをそなえている。このう
ち、まず、後輪制御部30について説明すると、この後
輪制御部30には、ハンドル角センサ16,車速センサ
26からのハンドル角θH ,車速Vに基づいて後輪の同
相舵角θr1を決定する同相舵角設定部30Aと、ハンド
ル角センサ16からのハンドル角θH を微分してハンド
ル角速度θH ′を算出するハンドル角速度算出部30B
と、ハンドル角速度算出部30Bからのハンドル角速度
θ H ′及び車速センサ26からの車速Vに基づいて後輪
の一瞬逆相舵角θr2を決定する一瞬逆相舵角設定部30
Cと、同相舵角設定部30Aで設定された同相舵角θr1
と一瞬逆相舵角設定部30Cで設定された一瞬逆相舵角
θr2とを加算して後輪舵角θr を決定する後輪舵角決定
部30Dとが設けられている。
【0017】同相舵角設定部30Aでは、ハンドル角θ
H に同相係数K1 を掛けて同相舵角θr1(=K1 ×
θH )を決定するが、同相係数K1 は、図9中の同相舵
角設定部10Aのブロック内に示すマップのように、車
速が所定速度に達したところから立ち上がって、車速の
増加とともに増加していくが、次第に車速増加に対する
増加量が少なくなって、高速時にはほぼ一定に近い状態
になっている。
H に同相係数K1 を掛けて同相舵角θr1(=K1 ×
θH )を決定するが、同相係数K1 は、図9中の同相舵
角設定部10Aのブロック内に示すマップのように、車
速が所定速度に達したところから立ち上がって、車速の
増加とともに増加していくが、次第に車速増加に対する
増加量が少なくなって、高速時にはほぼ一定に近い状態
になっている。
【0018】なお、この同相係数K1 は、調整手段Sに
より補正されるものとなっているが、この調整手段Sの
詳細については後述する。一方、一瞬逆相舵角設定部3
0Cでは、ハンドル角速度θH ′に一瞬逆相係数K2 を
掛けて一瞬逆相舵角θr2(=K2 ×θH ′)を決定する
が、一瞬逆相係数K2 は、図9中の一瞬逆相舵角設定部
30Cのブロック内に示すマップのように、車速の中速
域を中心として一瞬逆相制御を行なうようになってお
り、中速域に入ったところで0から立ち上がって増加し
て中速域で一定値となって中速域から高速域にはいった
ら適当な速度で減少して0となるように設定されてい
る。
より補正されるものとなっているが、この調整手段Sの
詳細については後述する。一方、一瞬逆相舵角設定部3
0Cでは、ハンドル角速度θH ′に一瞬逆相係数K2 を
掛けて一瞬逆相舵角θr2(=K2 ×θH ′)を決定する
が、一瞬逆相係数K2 は、図9中の一瞬逆相舵角設定部
30Cのブロック内に示すマップのように、車速の中速
域を中心として一瞬逆相制御を行なうようになってお
り、中速域に入ったところで0から立ち上がって増加し
て中速域で一定値となって中速域から高速域にはいった
ら適当な速度で減少して0となるように設定されてい
る。
【0019】このように、低速域で一瞬逆相制御を行な
わないのは、低速域では同相制御は行なわず前輪のコー
ナリングフォースのみで十分な回頭性が得られるという
判断からであり、ある程度の高さの高速域で一瞬逆相制
御を行なわないのは、高速域では車両の挙動の安定の方
を優先しているからである。なお、この一瞬逆相係数K
2 についても、調整手段Sにより補正されるものとなっ
ている。
わないのは、低速域では同相制御は行なわず前輪のコー
ナリングフォースのみで十分な回頭性が得られるという
判断からであり、ある程度の高さの高速域で一瞬逆相制
御を行なわないのは、高速域では車両の挙動の安定の方
を優先しているからである。なお、この一瞬逆相係数K
2 についても、調整手段Sにより補正されるものとなっ
ている。
【0020】後輪舵角決定部30Dでは、同相舵角設定
部30Aからの同相舵角θr1と一瞬逆相舵角設定部30
Cからの一瞬逆相舵角θr2とが加算され最終的な後輪舵
角θ r が決定される。この場合、一瞬逆相舵角θr2はハ
ンドル角速度θH ′に対応していることから、ハンドル
角θH に対応する同相舵角θr1よりも先行して発生する
ことになる。つまり、直進走行状態から操舵を行なう
と、操舵の初期に後輪が逆相に操舵されたあと、ハンド
ル角θH が大きくなって同相操舵量が増大して、後輪は
同相操舵に移行することになる。
部30Aからの同相舵角θr1と一瞬逆相舵角設定部30
Cからの一瞬逆相舵角θr2とが加算され最終的な後輪舵
角θ r が決定される。この場合、一瞬逆相舵角θr2はハ
ンドル角速度θH ′に対応していることから、ハンドル
角θH に対応する同相舵角θr1よりも先行して発生する
ことになる。つまり、直進走行状態から操舵を行なう
と、操舵の初期に後輪が逆相に操舵されたあと、ハンド
ル角θH が大きくなって同相操舵量が増大して、後輪は
同相操舵に移行することになる。
【0021】前述の調整手段Sは、所要の作動(図4の
フローチャート参照)を行なうマイクロコンピュータ
(マイコン)から構成されており、図1〜図3に示すよ
うに、調整手段Sのマイコン内には、走行路の屈曲状態
を検出する屈曲状態検出手段15Aと、走行路の勾配を
検出する勾配検出手段15Bと、屈曲状態検出手段15
Aの検出信号と勾配検出手段15Bの検出信号とに基づ
き後輪の操舵特性を調整する走行路状態対応調整手段1
5Cとが設けられている。
フローチャート参照)を行なうマイクロコンピュータ
(マイコン)から構成されており、図1〜図3に示すよ
うに、調整手段Sのマイコン内には、走行路の屈曲状態
を検出する屈曲状態検出手段15Aと、走行路の勾配を
検出する勾配検出手段15Bと、屈曲状態検出手段15
Aの検出信号と勾配検出手段15Bの検出信号とに基づ
き後輪の操舵特性を調整する走行路状態対応調整手段1
5Cとが設けられている。
【0022】そして、屈曲状態検出手段15Aには、図
2に示すように、車幅方向の加速度(横加速度=横G)
Gyを推定する横加速度推定部A1と、推定部された横
加速度Gyにハンドル角θH を積算する積算部A2と、
屈曲状態(屈曲度)を算出する屈曲状態算出部A3とが
設けられている。横加速度推定部A1には、ハンドル角
センサ16により検出されたハンドル角θH と、車速セ
ンサ26により検出された車速Vとが入力されるように
なっており、ハンドル角θH と車速Vとから次式(1)
により横加速度(横G)Gyが推定される。
2に示すように、車幅方向の加速度(横加速度=横G)
Gyを推定する横加速度推定部A1と、推定部された横
加速度Gyにハンドル角θH を積算する積算部A2と、
屈曲状態(屈曲度)を算出する屈曲状態算出部A3とが
設けられている。横加速度推定部A1には、ハンドル角
センサ16により検出されたハンドル角θH と、車速セ
ンサ26により検出された車速Vとが入力されるように
なっており、ハンドル角θH と車速Vとから次式(1)
により横加速度(横G)Gyが推定される。
【0023】 Gy=〔V/L(1+AV2 )〕×θH ・・・(1) ただし、L,A1:定数 屈曲状態算出部A3では、積算部A2からのデータに基
づいて所要時間(例えば過去20秒)における算出値の
積分を行なって、屈曲状態(屈曲度)を信号として出力
する。
づいて所要時間(例えば過去20秒)における算出値の
積分を行なって、屈曲状態(屈曲度)を信号として出力
する。
【0024】一方、勾配検出手段15Bには、図3に示
すように、エンジン出力Fを算出するエンジン出力算出
部B1と、車速Vを微分する微分演算部B2と、勾配特
性αを算出する勾配特性算出部B3とが設けられてい
る。エンジン出力算出部B1には、スロットルポジショ
ンセンサ8Aにより検出されたスロットルポジションθ
Tと、エンジン回転数センサ8Bにより検出されたエン
ジン回転数Neとが入力されるようになっており、スロ
ットルポジションθTとエンジン回転数Neとからエン
ジン出力Fを算出するようになっている。、車速センサ
26により検出された車速Vとが入力されるようになっ
ており、スロットルポジションθTとエンジン回転数N
eとによりエンジン出力FがブロックB1において算出
されるようになっている。
すように、エンジン出力Fを算出するエンジン出力算出
部B1と、車速Vを微分する微分演算部B2と、勾配特
性αを算出する勾配特性算出部B3とが設けられてい
る。エンジン出力算出部B1には、スロットルポジショ
ンセンサ8Aにより検出されたスロットルポジションθ
Tと、エンジン回転数センサ8Bにより検出されたエン
ジン回転数Neとが入力されるようになっており、スロ
ットルポジションθTとエンジン回転数Neとからエン
ジン出力Fを算出するようになっている。、車速センサ
26により検出された車速Vとが入力されるようになっ
ており、スロットルポジションθTとエンジン回転数N
eとによりエンジン出力FがブロックB1において算出
されるようになっている。
【0025】また、微分演算部B2では、車速Vを時間
微分することで、車両の加速度aを算出して出力するよ
うになっている。勾配特性算出部B3には、車体モデル
が記憶されており、エンジン出力算出部B1から出力さ
れたエンジン出力Fと、微分演算部B2から出力された
加速度aとから、次式(2)により、その時点における
車体質量(動的質量)mを算出するようになっている。
微分することで、車両の加速度aを算出して出力するよ
うになっている。勾配特性算出部B3には、車体モデル
が記憶されており、エンジン出力算出部B1から出力さ
れたエンジン出力Fと、微分演算部B2から出力された
加速度aとから、次式(2)により、その時点における
車体質量(動的質量)mを算出するようになっている。
【0026】 F=m・a ・・・(2) この車体質量mは、予め記憶された車体モデルの静質量
m0 に対して次式(3)の関係を満たしているものとし
て、式(3)のαが勾配特性を示すものとして算出さ
れ、出力されるようになっている。 m=m0 (1+α) ・・・(3) 走行路状態対応調整手段15Cは、前述の屈曲状態検出
手段15Aと勾配検出手段15Bとから検出される屈曲
状態と勾配とに基づき同相係数K1 と一瞬逆相係数K2
とを適宜補正して、後輪の操舵特性を調整するようにな
っている。
m0 に対して次式(3)の関係を満たしているものとし
て、式(3)のαが勾配特性を示すものとして算出さ
れ、出力されるようになっている。 m=m0 (1+α) ・・・(3) 走行路状態対応調整手段15Cは、前述の屈曲状態検出
手段15Aと勾配検出手段15Bとから検出される屈曲
状態と勾配とに基づき同相係数K1 と一瞬逆相係数K2
とを適宜補正して、後輪の操舵特性を調整するようにな
っている。
【0027】一般に、アンダーステア傾向の時には、車
体が回頭しにくいので旋回開始時等に車体の回頭を促進
するために後輪の前輪に対する一瞬逆相を大きくしたい
が、オーバーステア傾向の時には車体が回頭しやすいの
で旋回開始時等に車体の回頭をあまり促進しないように
後輪の前輪に対する一瞬逆相を小さくしたい。また、そ
の後の定常旋回時などでは、車体の走行安定性を保ちな
がら旋回するには、後輪を前輪と同相に転舵しながら旋
回を行なうのがいいが、後輪のグリップ力が大きいと後
輪転舵の影響が大きいのでこの時には後輪の前輪に対す
る同相転舵を小さくしたい。逆に、後輪のグリップ力が
小さいと後輪転舵の影響が小さいのでこの時には後輪の
前輪に対する同相転舵を大きくしたい。
体が回頭しにくいので旋回開始時等に車体の回頭を促進
するために後輪の前輪に対する一瞬逆相を大きくしたい
が、オーバーステア傾向の時には車体が回頭しやすいの
で旋回開始時等に車体の回頭をあまり促進しないように
後輪の前輪に対する一瞬逆相を小さくしたい。また、そ
の後の定常旋回時などでは、車体の走行安定性を保ちな
がら旋回するには、後輪を前輪と同相に転舵しながら旋
回を行なうのがいいが、後輪のグリップ力が大きいと後
輪転舵の影響が大きいのでこの時には後輪の前輪に対す
る同相転舵を小さくしたい。逆に、後輪のグリップ力が
小さいと後輪転舵の影響が小さいのでこの時には後輪の
前輪に対する同相転舵を大きくしたい。
【0028】したがって、上り勾配を登坂走行する場合
には、後輪のグリップ力が大きくアンダーステア傾向の
ため、一瞬逆相転舵を大きくして同相転舵を小さくした
い。また、下り勾配を走行する場合には、後輪のグリッ
プ力が小さくオーバーステア傾向のため、一瞬逆相転舵
を小さくして同相転舵を大きくしたい。そこで、上り勾
配走行時には、一瞬逆相係数K2 を大きくして同相係数
K1 を小さくし、下り勾配走行時には、一瞬逆相係数K
2 を小さくして同相係数K1 を大きくするように設定さ
れている。
には、後輪のグリップ力が大きくアンダーステア傾向の
ため、一瞬逆相転舵を大きくして同相転舵を小さくした
い。また、下り勾配を走行する場合には、後輪のグリッ
プ力が小さくオーバーステア傾向のため、一瞬逆相転舵
を小さくして同相転舵を大きくしたい。そこで、上り勾
配走行時には、一瞬逆相係数K2 を大きくして同相係数
K1 を小さくし、下り勾配走行時には、一瞬逆相係数K
2 を小さくして同相係数K1 を大きくするように設定さ
れている。
【0029】一方、急なカーブ(つまり、屈曲度の大き
い走行路)の旋回するには、車体の回頭を促進するため
に後輪の前輪に対する一瞬逆相を大きくしたい。そこ
で、屈曲度の大きい走行路の旋回時には、一瞬逆相係数
K2 を大きくするように設定されている。つまり、下り
勾配(勾配下り)では、同相係数K1 を大に設定(又は
同相係数K1 を増加)して一瞬逆相係数K2 を小に設定
(又は一瞬逆相係数K2 を減少)する。また、上り勾配
(勾配上り)では、同相係数K1 を小に設定(又は同相
係数K1 を減少)して一瞬逆相係数K2 を大に設定(又
は一瞬逆相係数K2 を増加)する。そして、屈曲度が所
定の大きさよりも大きくなったら、一瞬逆相係数K 2 を
大に設定(又は一瞬逆相係数K2 を増加)する。
い走行路)の旋回するには、車体の回頭を促進するため
に後輪の前輪に対する一瞬逆相を大きくしたい。そこ
で、屈曲度の大きい走行路の旋回時には、一瞬逆相係数
K2 を大きくするように設定されている。つまり、下り
勾配(勾配下り)では、同相係数K1 を大に設定(又は
同相係数K1 を増加)して一瞬逆相係数K2 を小に設定
(又は一瞬逆相係数K2 を減少)する。また、上り勾配
(勾配上り)では、同相係数K1 を小に設定(又は同相
係数K1 を減少)して一瞬逆相係数K2 を大に設定(又
は一瞬逆相係数K2 を増加)する。そして、屈曲度が所
定の大きさよりも大きくなったら、一瞬逆相係数K 2 を
大に設定(又は一瞬逆相係数K2 を増加)する。
【0030】上述の構成により、本実施例の自動車用四
輪操舵装置では、図10の従来の四輪操舵装置をそなえ
た自動車と同様に、ステアリングハンドル4の操作によ
ってラック・ピニオン機構が作動し、ラック・ピニオン
機構に連結されたパワーステアリング装置2が作動し
て、前輪操舵アクチュエータとしての油圧シリンダが伸
縮する。この伸縮により、タイロッド3,3が所要の揺
動を行ない前輪操舵系Fにおける、前輪1L,1Rの操
舵用揺動が行なわれる。
輪操舵装置では、図10の従来の四輪操舵装置をそなえ
た自動車と同様に、ステアリングハンドル4の操作によ
ってラック・ピニオン機構が作動し、ラック・ピニオン
機構に連結されたパワーステアリング装置2が作動し
て、前輪操舵アクチュエータとしての油圧シリンダが伸
縮する。この伸縮により、タイロッド3,3が所要の揺
動を行ない前輪操舵系Fにおける、前輪1L,1Rの操
舵用揺動が行なわれる。
【0031】この揺動に際し油圧シリンダはコントロー
ラ15を介し進相機能付き前輪操舵バルブ5により制御
され、後輪操舵系Rに対し所要量進相した操舵が行なわ
れる。すなわち、コントローラ15には、車速センサ2
6から車速Vが入力され、ハンドル角センサ16からス
テアリングハンドル4のハンドル角θH が入力され、後
輪操舵角センサ17から後輪操舵角θRが入力され、さ
らに圧力センサ18,19からパワーステアリング装置
2の作動圧が入力されて、所要の演算の後、制御信号が
前輪操舵系Fおよび後輪操舵系Rへ供給される。
ラ15を介し進相機能付き前輪操舵バルブ5により制御
され、後輪操舵系Rに対し所要量進相した操舵が行なわ
れる。すなわち、コントローラ15には、車速センサ2
6から車速Vが入力され、ハンドル角センサ16からス
テアリングハンドル4のハンドル角θH が入力され、後
輪操舵角センサ17から後輪操舵角θRが入力され、さ
らに圧力センサ18,19からパワーステアリング装置
2の作動圧が入力されて、所要の演算の後、制御信号が
前輪操舵系Fおよび後輪操舵系Rへ供給される。
【0032】なお、前輪操舵系Fに対して行なわれる進
相制御は、一瞬逆相制御と類似した特性で車速Vとハン
ドル角θH とに応じて前輪の操舵量を付加することによ
り車両の回頭性を向上させるものである。このようにし
て、前輪操舵系Fの進相制御が行なわれ、後輪操舵系R
も、ステアリングハンドル4の操作に対し、走行状態に
応じてコントローラ15から出力される制御信号により
作動する。
相制御は、一瞬逆相制御と類似した特性で車速Vとハン
ドル角θH とに応じて前輪の操舵量を付加することによ
り車両の回頭性を向上させるものである。このようにし
て、前輪操舵系Fの進相制御が行なわれ、後輪操舵系R
も、ステアリングハンドル4の操作に対し、走行状態に
応じてコントローラ15から出力される制御信号により
作動する。
【0033】すなわち、コントローラ15から後輪操舵
バルブ10に作動制御信号が出力され、油圧ポンプ9か
ら後輪操舵バルブ10へ供給される作動油が制御され
て、後輪操舵アクチュエータ11が所要量駆動される。
これにより、ピストンロッド11Aおよびタイロッド1
2、12を介して左右の後輪13L,13Rの操舵制御
が行なわれる。
バルブ10に作動制御信号が出力され、油圧ポンプ9か
ら後輪操舵バルブ10へ供給される作動油が制御され
て、後輪操舵アクチュエータ11が所要量駆動される。
これにより、ピストンロッド11Aおよびタイロッド1
2、12を介して左右の後輪13L,13Rの操舵制御
が行なわれる。
【0034】ところで、コントローラ15から後輪操舵
バルブ10へ出力される制御信号は、前述したように、
車速V及びハンドル角θH に応じた同相舵角θr1と車速
V及びハンドル角速度θH ′に応じた一瞬逆相舵角θr2
との和に応じたものとなるが、コントローラ15内に装
備された調整手段Sによりその操舵特性を調整される。
バルブ10へ出力される制御信号は、前述したように、
車速V及びハンドル角θH に応じた同相舵角θr1と車速
V及びハンドル角速度θH ′に応じた一瞬逆相舵角θr2
との和に応じたものとなるが、コントローラ15内に装
備された調整手段Sによりその操舵特性を調整される。
【0035】すなわち、調整手段S内の走行路状態対応
調整手段15Cは、例えば図4のフローチャートに示す
ように、操舵特性の同相係数K1 および一瞬逆相係数K
2 を調整するが、この調整の判断に用いられる勾配およ
び屈曲度は、屈曲状態検出手段15Aと勾配検出手段1
5Bとで前述のようにして検出(算出)される。つま
り、屈曲状態検出手段15Aでは、横加速度推定部A1
で、ハンドル角センサ16により検出されたハンドル角
θH と車速センサ26により検出された車速Vとから式
(1)により横加速度(横G)Gyが推定され、積算部
A2を経て屈曲状態算出部A3で屈曲状態(屈曲度)を
算出する。
調整手段15Cは、例えば図4のフローチャートに示す
ように、操舵特性の同相係数K1 および一瞬逆相係数K
2 を調整するが、この調整の判断に用いられる勾配およ
び屈曲度は、屈曲状態検出手段15Aと勾配検出手段1
5Bとで前述のようにして検出(算出)される。つま
り、屈曲状態検出手段15Aでは、横加速度推定部A1
で、ハンドル角センサ16により検出されたハンドル角
θH と車速センサ26により検出された車速Vとから式
(1)により横加速度(横G)Gyが推定され、積算部
A2を経て屈曲状態算出部A3で屈曲状態(屈曲度)を
算出する。
【0036】一方、勾配検出手段15Bでは、エンジン
出力算出部B1でスロットル開度とエンジン回転数とか
らエンジン出力Fを算出して、微分演算部B2で車速V
から車両の加速度を算出して、これらの算出値から、勾
配特性算出部B3で勾配特性αを算出する。このように
して検出された屈曲度および勾配に基づいて、走行路状
態対応調整手段15Cで、同相係数K1 および一瞬逆相
係数K2 を調整するが、この調整は、例えば図4のフロ
ーチャートに示すような動作を周期的に実行することで
行なわれる。
出力算出部B1でスロットル開度とエンジン回転数とか
らエンジン出力Fを算出して、微分演算部B2で車速V
から車両の加速度を算出して、これらの算出値から、勾
配特性算出部B3で勾配特性αを算出する。このように
して検出された屈曲度および勾配に基づいて、走行路状
態対応調整手段15Cで、同相係数K1 および一瞬逆相
係数K2 を調整するが、この調整は、例えば図4のフロ
ーチャートに示すような動作を周期的に実行することで
行なわれる。
【0037】つまり、まず、ステップS1で、車両が勾
配下り状態かどうかが判断され、車両が勾配下り状態で
なければ、ステップS2へ進んで、車両が勾配上り状態
かどうかが判断される。このステップS1,S2の判断
は、勾配特性αが正(α>0)ならば上り勾配、勾配特
性αが負(α<0)ならば下り勾配というようにして行
なえる。
配下り状態かどうかが判断され、車両が勾配下り状態で
なければ、ステップS2へ進んで、車両が勾配上り状態
かどうかが判断される。このステップS1,S2の判断
は、勾配特性αが正(α>0)ならば上り勾配、勾配特
性αが負(α<0)ならば下り勾配というようにして行
なえる。
【0038】そして、車両が勾配下り状態であれば、ス
テップS3へ進み、同相係数K1 を増大させるとともに
一瞬逆相係数K2 を縮小させる調整が行なわれる。これ
により、下り勾配走行におけるオーバーステア傾向が補
正される。また、車両が勾配上り状態であれば、ステッ
プS4へ進み、同相係数K1 を縮小させるとともに一瞬
逆相係数K2 を増大させる調整が行なわれる。これによ
り、上り勾配走行におけるアンダーステア傾向が補正さ
れる。
テップS3へ進み、同相係数K1 を増大させるとともに
一瞬逆相係数K2 を縮小させる調整が行なわれる。これ
により、下り勾配走行におけるオーバーステア傾向が補
正される。また、車両が勾配上り状態であれば、ステッ
プS4へ進み、同相係数K1 を縮小させるとともに一瞬
逆相係数K2 を増大させる調整が行なわれる。これによ
り、上り勾配走行におけるアンダーステア傾向が補正さ
れる。
【0039】さらに、下り勾配走行,上り勾配走行,平
坦路走行のいかんに関わらず、ステップS5において、
屈曲度が所要量より大きいかが判断され、屈曲度が大き
い場合には、ステップS6に実行され、一瞬逆相係数K
2 を増大させる調整が行なわれる。このような後輪13
L,13Rの一瞬逆相転舵により、屈曲度の大きい走行
路に応じた旋回も比較的容易に行なるようになる。
坦路走行のいかんに関わらず、ステップS5において、
屈曲度が所要量より大きいかが判断され、屈曲度が大き
い場合には、ステップS6に実行され、一瞬逆相係数K
2 を増大させる調整が行なわれる。このような後輪13
L,13Rの一瞬逆相転舵により、屈曲度の大きい走行
路に応じた旋回も比較的容易に行なるようになる。
【0040】なお、上記の各ステップS3,S4,S6
で行なう係数の調整は、勾配や屈曲度の程度のに応じた
調整係数を同相係数K1 や一瞬逆相係数K2 に乗算ある
いは加減算して行なえばよく、調整係数を可変値とする
ことも固定値とすることも可能である。また、屈曲状態
検出手段15A及び勾配検出手段15Bは、例えば直線
登坂路や屈曲登坂路や下り坂等に応じて変速特性を制御
するシフト制御手段(アダプティブシフトコントロー
ル)に設けられた相応する手段を兼用するようにしても
よい。
で行なう係数の調整は、勾配や屈曲度の程度のに応じた
調整係数を同相係数K1 や一瞬逆相係数K2 に乗算ある
いは加減算して行なえばよく、調整係数を可変値とする
ことも固定値とすることも可能である。また、屈曲状態
検出手段15A及び勾配検出手段15Bは、例えば直線
登坂路や屈曲登坂路や下り坂等に応じて変速特性を制御
するシフト制御手段(アダプティブシフトコントロー
ル)に設けられた相応する手段を兼用するようにしても
よい。
【0041】ここで、アダプティブシフトコントロール
について説明すると、このシフト制御手段は自動変速機
を制御するもので、例えば1速から4速までのシフト段
がある場合、アクセル開度及び車速に対応して例えば図
5に示すようなマップによって変速制御を行なう。とこ
ろが、例えば直線登坂路や屈曲登坂路や下り坂等の走行
路の勾配や屈曲度によっては、図5に示すような標準的
なマップによる変速制御では不具合を生じることがあ
る。
について説明すると、このシフト制御手段は自動変速機
を制御するもので、例えば1速から4速までのシフト段
がある場合、アクセル開度及び車速に対応して例えば図
5に示すようなマップによって変速制御を行なう。とこ
ろが、例えば直線登坂路や屈曲登坂路や下り坂等の走行
路の勾配や屈曲度によっては、図5に示すような標準的
なマップによる変速制御では不具合を生じることがあ
る。
【0042】例えば、屈曲登坂路を走行中にシフトハン
チングが生じることがあり、運転フィーリングを損なう
ことがある。つまり、屈曲登坂路を走行中には、図6に
示すように、コーナー部でシフトが3速から4速へシフ
トアップするとアクセル開度が低下して再び4速から3
速へとシフトダウンしてしまうことがある。また、下り
坂でエンジンブレーキの不足を感じたり、直線登坂路で
車両の動的重量増により、アクセル開度に対応した加速
力が得られない感じを持つことがある。
チングが生じることがあり、運転フィーリングを損なう
ことがある。つまり、屈曲登坂路を走行中には、図6に
示すように、コーナー部でシフトが3速から4速へシフ
トアップするとアクセル開度が低下して再び4速から3
速へとシフトダウンしてしまうことがある。また、下り
坂でエンジンブレーキの不足を感じたり、直線登坂路で
車両の動的重量増により、アクセル開度に対応した加速
力が得られない感じを持つことがある。
【0043】これらの場合には、相応の変速制御を行な
うことで、これらの不具合を抑制できる。例えば、屈曲
登坂路を走行中に生じやすいシフトハンチングを回避す
るには、図7,図8に示すように、3速から4速へ(又
は2速から3速へ)のシフトアップ境界と4速から3速
へ(又は3速から2速へ)のシフトダウン境界との車速
方向の間隔を明けて、屈曲登坂路では、矢印A1,A2
で示すように、アクセル開度と車速とが変化して、ハン
チングを生じなくなる。
うことで、これらの不具合を抑制できる。例えば、屈曲
登坂路を走行中に生じやすいシフトハンチングを回避す
るには、図7,図8に示すように、3速から4速へ(又
は2速から3速へ)のシフトアップ境界と4速から3速
へ(又は3速から2速へ)のシフトダウン境界との車速
方向の間隔を明けて、屈曲登坂路では、矢印A1,A2
で示すように、アクセル開度と車速とが変化して、ハン
チングを生じなくなる。
【0044】また、下り坂では、勾配抵抗の大きさや屈
曲度に応じて、強制的に2,3速を指示する。さらに、
直線登坂路では、現変速段から1段だけシフトダウンす
るようにして出力を得る。これらの制御の基準になるの
は、屈曲状態や勾配であり、屈曲状態検出手段15A及
び勾配検出手段15Bから得た情報に基づいて、上述の
制御を行なう。
曲度に応じて、強制的に2,3速を指示する。さらに、
直線登坂路では、現変速段から1段だけシフトダウンす
るようにして出力を得る。これらの制御の基準になるの
は、屈曲状態や勾配であり、屈曲状態検出手段15A及
び勾配検出手段15Bから得た情報に基づいて、上述の
制御を行なう。
【0045】このように、後輪操舵の制御に加えて、シ
フト制御にも路面の屈曲状態や勾配に応じた制御を導入
することにより、車両全体の走行性能を格段に向上させ
ることができる。また、前述の進相制御にも路面の屈曲
状態や勾配に応じた補正を導入することが可能である。
なお、本発明は上述の実施例に何ら限定されるものでは
なく、後輪操舵特性の調整は、同相操舵のみあるいは一
瞬逆相操舵のみに関して行なってもよく、屈曲度が大の
とき同相係数を小さくする補正を行なってもよい。
フト制御にも路面の屈曲状態や勾配に応じた制御を導入
することにより、車両全体の走行性能を格段に向上させ
ることができる。また、前述の進相制御にも路面の屈曲
状態や勾配に応じた補正を導入することが可能である。
なお、本発明は上述の実施例に何ら限定されるものでは
なく、後輪操舵特性の調整は、同相操舵のみあるいは一
瞬逆相操舵のみに関して行なってもよく、屈曲度が大の
とき同相係数を小さくする補正を行なってもよい。
【0046】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の自動車用
四輪操舵装置によれば、前輪操舵系と、後輪操舵系と、
これらの前輪操舵系および後輪操舵系を制御するコント
ローラとをそなえた自動車用四輪操舵装置において、上
記自動車が走行する走行路の勾配を検出する勾配検出手
段と、上記自動車が走行する走行路の屈曲状態を検出す
る屈曲状態検出手段とが設けられて、上記コントローラ
が、上記勾配検出手段の検出信号と上記屈曲状態検出手
段の検出信号とに基づき上記後輪の操舵特性を調整する
走行路状態対応調整手段をそなえるという構成で、走行
路が急勾配である場合や屈曲路である場合にも、操舵特
性が適切に調整されるようになり、車両の走行性能が向
上し、滑らかな走行が確保されて、運転フィーリングを
向上できる効果も得られる。
四輪操舵装置によれば、前輪操舵系と、後輪操舵系と、
これらの前輪操舵系および後輪操舵系を制御するコント
ローラとをそなえた自動車用四輪操舵装置において、上
記自動車が走行する走行路の勾配を検出する勾配検出手
段と、上記自動車が走行する走行路の屈曲状態を検出す
る屈曲状態検出手段とが設けられて、上記コントローラ
が、上記勾配検出手段の検出信号と上記屈曲状態検出手
段の検出信号とに基づき上記後輪の操舵特性を調整する
走行路状態対応調整手段をそなえるという構成で、走行
路が急勾配である場合や屈曲路である場合にも、操舵特
性が適切に調整されるようになり、車両の走行性能が向
上し、滑らかな走行が確保されて、運転フィーリングを
向上できる効果も得られる。
【図1】本発明の一実施例としての自動車用四輪操舵装
置における要部構成を示すブロック図である。
置における要部構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施例としての自動車用四輪操舵装
置における屈曲状態検出手段の構成を示すブロック図で
ある。
置における屈曲状態検出手段の構成を示すブロック図で
ある。
【図3】本発明の一実施例としての自動車用四輪操舵装
置における勾配検出手段の構成を示すブロック図であ
る。
置における勾配検出手段の構成を示すブロック図であ
る。
【図4】本発明の一実施例としての自動車用四輪操舵装
置における走行路状態対応調整手段の動作を示すフロー
チャートである。
置における走行路状態対応調整手段の動作を示すフロー
チャートである。
【図5】本発明の一実施例としての自動車用四輪操舵装
置を付設しうるシフト制御装置における通常走行時(平
坦路走行時)のシフト切替マップである。
置を付設しうるシフト制御装置における通常走行時(平
坦路走行時)のシフト切替マップである。
【図6】本発明の一実施例としての自動車用四輪操舵装
置を付設しうるシフト制御装置の目的を説明するタイム
チャートである。
置を付設しうるシフト制御装置の目的を説明するタイム
チャートである。
【図7】本発明の一実施例としての自動車用四輪操舵装
置を付設しうるシフト制御装置における屈曲登坂路走行
時のシフト切替マップである。
置を付設しうるシフト制御装置における屈曲登坂路走行
時のシフト切替マップである。
【図8】本発明の一実施例としての自動車用四輪操舵装
置を付設しうるシフト制御装置における屈曲登坂路走行
時のシフト切替マップである。
置を付設しうるシフト制御装置における屈曲登坂路走行
時のシフト切替マップである。
【図9】本発明の一実施例としての自動車用四輪操舵装
置のコントローラの後輪制御部の構成を示すブロック図
である。
置のコントローラの後輪制御部の構成を示すブロック図
である。
【図10】従来の四輪操舵装置をそなえた自動車におけ
る操舵系の摸式図である。
る操舵系の摸式図である。
1L,1R 前輪 2 パワーステアリング装置 3 タイロッド 4 ステアリングハンドル 5 進相機能付き前輪操舵バルブ 6 ポンプユニット 7 油圧ポンプ 8 エンジン 8A スロットルポジションセンサ 8B エンジン回転数センサ 9 油圧ポンプ 10 後輪操舵バルブ 11 後輪操舵アクチュエータ 11A ピストンロッド 12 タイロッド 13L,13R 後輪 14 リザーバタンク 15 コントローラ 15A 屈曲状態検出手段 15B 勾配検出手段 15C 走行路状態対応調整手段 16 ハンドル角センサ 17 後輪操舵角センサ 18,19 パワステ圧センサ 25 圧力センサ 26 車速センサ 30 後輪制御部 30A 同相舵角設定部 30B ハンドル角速度算出部 30C 一瞬逆相舵角設定部 30D 後輪舵角設定部 A1 横加速度推定部 A2 積算部 A3 屈曲状態算出部 B1 エンジン出力算出部 B2 微分演算部 B3 勾配特性算出部 S 調整手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B62D 133:00 137:00
Claims (1)
- 【請求項1】 前輪操舵系と、後輪操舵系と、これらの
前輪操舵系および後輪操舵系を制御するコントローラと
をそなえた自動車用四輪操舵装置において、上記自動車
が走行する走行路の勾配を検出する勾配検出手段と、上
記自動車が走行する走行路の屈曲状態を検出する屈曲状
態検出手段とが設けられて、上記コントローラが、上記
勾配検出手段の検出信号と上記屈曲状態検出手段の検出
信号とに基づき上記後輪の操舵特性を調整する走行路状
態対応調整手段をそなえていることを特徴とする、自動
車用四輪操舵装置。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20468791 | 1991-07-19 | ||
JP3-204687 | 1991-07-19 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0577752A true JPH0577752A (ja) | 1993-03-30 |
Family
ID=16494648
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP33233491A Pending JPH0577752A (ja) | 1991-07-19 | 1991-12-16 | 自動車用四輪操舵装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0577752A (ja) |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS628871A (ja) * | 1985-07-08 | 1987-01-16 | Mazda Motor Corp | 車両の4輪操舵装置 |
JPH01195184A (ja) * | 1988-01-29 | 1989-08-07 | Fuji Heavy Ind Ltd | 4輪操舵車両の後輪制御方法 |
-
1991
- 1991-12-16 JP JP33233491A patent/JPH0577752A/ja active Pending
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS628871A (ja) * | 1985-07-08 | 1987-01-16 | Mazda Motor Corp | 車両の4輪操舵装置 |
JPH01195184A (ja) * | 1988-01-29 | 1989-08-07 | Fuji Heavy Ind Ltd | 4輪操舵車両の後輪制御方法 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 19970408 |