JPH0576B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明はバレーボールその他各種スポーツにお
いて使用するサポーターの製造方法の改良に関す
るものである。

（従来の技術） 従来、各種スポーツにおいて膝や肘に装着する
サポーターとして各種のものが用いられている。
そしてその製法もその機能を効果的に発揮させる
ためいろいろ提案されているが、その１例として
特公昭56−39910号公報を挙げることができる。
この製法は第６図に示すように、表面を加熱プレ
スにより碗状に形成すると共にと、裏面中央部に
表面側に向いて僅かにへこむ凹部２０を設け、か
つ周縁部が薄くなるよう形成すると共に、表面部
に１本以上の横方向に向う凹条溝２１を設けてな
る適当な厚さでほぼ楕円状をなす弾性体よりなる
芯材２２と、該芯材２２の表面の碗状面及び１本
以上の横方向に向う凹条溝２３を有する面と全体
がほぼ同一形状になるよう加熱プレスにより形成
してなるカバー２４を設け、該カバー２４を前記
芯材２２の表面に重合してこれを被覆すると共
に、両者を周縁部２５で接合してパツト体２６を
得、該パツト体２６の周縁部２５を膝又は肘用サ
ポーター本体２７の外面所定位置に取付けるよう
にしたものである。

（発明が解決しようとする問題点） 上記従来例はその製法において、芯材２２及び
カバー２４は夫々ほぼパツト体２６の最終形状の
ものとして加熱プレスにより形成されるので、こ
れに要する金型は雄雌組が２型要し、更に芯材２
２及びカバー２４を重合接合する金型は雄雌組が
１型要し、仮りにパツト体２６を大小等の形状の
相違するものを生産する場合は、夫々専用の金型
を要し、製造コストが高くつく。しかも該方法に
よれば、芯材２２及びカバー２４を夫々別々にプ
レス金型により形成し、更に重合接合の工程を要
し、工程を多く要するという問題がある。

一方、該方法により製造されたパツト体２６
は、芯材２２の表面とカバー２４面にわたり、１
本以上の横方向に向う凹条溝２１，２３が形成さ
れたものであるので、サポーターを装着して肘等
を屈曲させた時、該凹条溝２１，２３を境にして
その上下部が裏面側に屈曲し易いようになつてい
る点で有利であるが、第６図でも明らかなよう
に、凹条溝２１，２３があるものの芯材２２は内
部において連続一体物であるので、例えば斜め方
向から衝当した場合に芯体２２はずれ変形を起し
て衝当部近傍において衝撃力を充分吸収しないと
いう欠点がある。

（問題点を解決するための手段） 本発明は従来の問題点を解決するために、新規
な改良されたサポーターの製造法を提案しようと
するもので、その特徴とするところは、ウレタン
フオーム等の発泡弾性体の板体をカツト手段によ
り扁平な角錐台形状ブロツクに形成した芯材素材
と、該芯材素材の表面からすつぽりかぶさる大き
さの碗形となるよう加熱プレスにより形成してな
る不織布等のカバー素材を設け、該カバー素材を
接着剤を介し前記芯材素材上に重合させて加熱プ
レス金型に入れてこれを加熱プレスすることによ
り、芯材、接着剤層及びカバーからなる重合一体
物であると共に、中央部分が肉厚で周縁部に至る
に従い肉薄とされ、表裏両面対応位置に各横方向
に向う１本以上の凹条溝及び周縁部で複数個に区
劃された倒碗形パツト体を得、該パツト体の周縁
部を膝又は肘用サポーター本体の外面適宜位置に
取付ける点にある。

（実施例） 本発明の実施例を第１図〜第５図により説明す
る。第１図は本発明方法により製造されたパツト
体の外観斜視図であり、第２図は第１図のＡ−Ａ
線断面図を示す。これら両図において、１はウレ
タンフオーム等の発泡弾性体よりなる芯体、２は
不織布によるカバーで接着剤層３を介して芯材１
の表面全体を被覆している。４は前記芯材１、接
着剤層３及びカバー２が重合された楕円状の倒碗
形パツト体４で、その中央部分の肉厚は最も大き
く、周縁部に至るに肉薄とされており、またその
表裏両面対応位置に各横方向に向う１本以上の凹
条溝５，５が設けられ、この凹条溝５，５と周縁
部６で区劃された独立の図示では３個のパツト区
劃体４ａ，４ｂ，４ｃが形成されている。かゝる
パツト体４は図示省略してあるが、その周縁部６
を従来公知のゴム織り布帛等よりなる伸縮性筒状
体であるサポーター本体２７の外面適宜位置に縫
着等により取付けられるのである。

次に上記パツト本体４の製造法を第３図で説明
する。芯材１となる芯材素材１′はウレタンフオ
ーム等の多孔性発泡弾性体の板体をカツトして扁
平な角錐台形状に形成したブロツクである。また
パツト体４のカバー２となるカバー素材２′は不
織布、織布、メリヤス等の適宜厚さの出来得れば
耐摩性繊維を用いた布帛を用い、これを第４図に
示すような加熱プレス７を用いて前記芯材素材
１′の上からすつぽりかぶさる大きさの楕円状の
碗形に形成したものを用いる。前記加熱プレス７
はリング状雌型８と該雌型８のリング内に突入す
る先端半球状の雄型９と、該雄型９を囲む且つ雄
型９の基体９′に進退自在に取付けた押えリング
１０とからなり、布帛１１を雌型８上に載置し、
雄型９を雌型８に向つて押下することにより、先
ず布帛１１周縁を押えリング１０で固定した後、
雄型９の半球状部で楕円状の碗型カバー素材２′
が得られる。なお前記碗型は円形でもよくその形
状は限定しない。

かくして得られた前述芯材素材１′の表面に後
に接着剤層３となるホツトメルトフイルム３′重
合し、更にその上からカバー素材２′を重合し、
これを第５図に示す加熱プレス金型１２で成形し
て目的とするパツト体４を得るのである。この際
上記の加熱プレス金型１２は雄型１２，と雌型１
２″とからなり、雄型１２′の上面と雌型１２″の
下面の対応位置に、前記パツト体４の表裏両面対
応位置に各横方向に向う凹条溝５を形成する突起
条１３，１３及び周縁部６を形成する凹凸条１
４，１４′を形成したものである。なお図示実施
例では突起条１３，１３は２箇所に設けたので、
この金型によれば３個のパツト区劃体４ａ，４
ｂ，４ｃが形成できる。また加熱プレス金型１２
は適当な温度に加熱されているので、プレスされ
るとホツトメルトフイルム３′は溶融し、カバー
２と芯材１は強固に接着一体化して接着剤層３が
形成される。かくして得られたパツト体４はその
周縁部６に余分の布帛が残存し、バリ状部分を抜
型により打抜くことにより、第１図に示すような
整形されたパツト体４が得られる。

本発明の実施例は上記の如くであるが、接着剤
層３の形成はホツトメルトフイルム３′を使用し
なくても他の接着剤を使用することも可能であ
り、またパツト体４の形状や大きさは図示実施例
のものに限定されないのは勿論であるが、本実施
例のカバー素材２′を形成する図示加熱プレスを
用いることにより、多少大きさ等が変更されても
兼用できるという有利性がある。

（効果） 本発明の製造方法によれば、ウレタンフオーム
等の発泡弾性体の板体をカツト手段により扁平な
角錐台形状ブロツクに形成した芯材素材と、該芯
材素材の表面からすつぽりかぶさる大きさの碗形
となるよう加熱プレスにより形成してなるカバー
素材を設け、該カバー素材を接着剤を介し前記芯
材素材上に重合させて加熱プレス金型に入れてこ
れを加熱することにより、一挙に芯材、接着剤層
及びカバーからなる。かつ表裏両面対応位置に横
方向に向う１本以上の凹条溝及び周縁部で複数個
に区劃された倒碗形パツト体を得ることができる
ので、従来の特公昭56−39910号公報に記載され
た製造法に比し、使用金型の数が少なく、製造工
程も簡単で安価に量産出来る。

本発明により製造されたサポーターは、表裏両
面からつき合わされて形成した凹条溝と周縁部に
よりパツト体は複数個のパツト区劃体からなるた
め、例えば斜め方向から衝当した場合でも、その
衝当した部分に対応するパツト区劃体がこれを吸
収し、他の隣接したパツト区劃体までずれ変形を
起こさないので、吸収能力が極めて良好である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明方法により製造されたパツト体
の外観斜視図、第２図は第１図のＡ−Ａ線断面
図、第３図は本発明パツト体の製造工程１例図、
第４図はカバー素材の加熱プレス金型の側断面
図、第５図は第３図の芯材素材、接着剤及びカバ
ー素材の重合物を加熱加圧する加熱プレス金型で
の成形状態を示す断面図、第６図の従来製法で作
成されたパツト体の断面図を示す。 １……芯材、２……カバー、３……接着材層、
４……パツト体、５……凹条溝、６……周縁部、
７……カバー素材形成用プレス金型、１２……加
熱プレス金型。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ ウレタンフオーム等の発泡弾性体の板体をカ
   ツト手段により扁平な角錐台形状ブロツクに形成
   した芯材素材と、該芯材素材の表面からすつぽり
   かぶさる大きさの碗形となるよう加熱プレスによ
   り形成してなる不織布等のカバー素材を設け、該
   カバー素材を接着剤を介し前記芯材素材上に重合
   させて加熱プレス金型に入れてこれを加熱プレス
   することにより、芯材、接着剤層及びカバーから
   なる重合一体物であると共に、中央部分が肉厚で
   周縁部に至るに従い肉薄とされ、表裏両面対応位
   置に各横方向に向う１本以上の凹条溝及び周縁部
   で複数個に区劃された倒碗形パツト体を得、該パ
   ツト体の周縁部を膝又は肘用サポーター本体の外
   面適宜位置に取付けることを特徴とするサポータ
   ーの製造方法。