JPH0576614U - 巻取機における長尺体のガイド装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 メンテナンスが容易で、かつ、他の巻取機に
共用できて巻取機を安価とすることができるガイド装置
を提供することを目的とする。 【構成】 巻取機１の長尺体供給部２に対して移動可能
に設けられた基台３と、この基台３に取り付けられ、長
尺体Ａを巻取ドラム４に向かって案内しかつこの長尺体
Ａの長手方向と交差する方向に移動可能なガイド部材５
と、前記基台３に取り付けられ、前記ガイド部材５によ
り案内された長尺体Ａを前記巻取ドラム４に押圧する押
圧部材６と、前記ガイド部材５の移動速度を前記巻取ド
ラム４の回転速度に応じて変化させる制御手段とを備え
た。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、長尺体（例えば被覆銅管）を巻取ドラムに巻き取る巻取機に設置さ れ、長尺体を巻取ドラムに対して案内する巻取機における長尺体のガイド装置（ 以下、ガイド装置という。）に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、被覆銅管や電線等のような長尺体は、巻取機により円筒状に巻き取って 保管や運搬を行なうようにしている。したがって、円筒状に整列して巻き取るた めに、長尺体を案内するガイド装置が必要である。かかるガイド装置は、一般的 に巻取機の基台に一体に取り付けられている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、従来のガイド装置は巻取機に一体に取り付けられているので、 ガイド装置をメンテナンスする際に、巻取機が邪魔になってメンテナンスがやり 難くくなるとともに、各巻取機のおのおのにガイド装置を設けなければならず、 巻取機の価格が高くなってしまうといった問題がある。

【０００４】 本考案は、上記事情に鑑みてなされたもので、メンテナンスが容易で、かつ、 他の巻取機に共用できて巻取機を安価とすることができるガイド装置を提供する ことを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案のガイド装置は、巻取機の長尺体供給部に対して移動可能に設けられた 基台と、この基台に取り付けられ、長尺体を巻取ドラムに向かって案内しかつこ の長尺体の長手方向と交差する方向に移動可能なガイド部材と、前記基台に取り 付けられ、前記ガイド部材により案内された長尺体を前記巻取ドラムに押圧する 押圧部材と、前記ガイド部材の移動速度を前記巻取ドラムの回転速度に応じて変 化させる制御手段とを備えたことを特徴とする。

【０００６】

【作用】

巻取機の巻取ドラムに長尺体を巻き取る際に、基台を長尺体供給部に近接させ 、この基台に取り付けられたガイド部材により、長尺体を巻取ドラムに向かって 案内し、前記基台に取り付けられた押圧部材により前記長尺体を前記巻取ドラム に押圧する。ここで、前記長尺体の巻取中には、前記ガイド部材が前記長尺体の 長手方向と交差する方向に、その移動速度が前記巻取ドラムの回転速度に応じて 変化させられて移動させられ、前記長尺体が前記巻取ドラムの軸線方向に移動さ せられ、前記長尺体が巻取ドラムに緊密に巻き付けられる。

【０００７】 そして、長尺体の巻取が終了して、ガイド装置が不要となったときには、前記 基台を前記長尺体供給部から離間させて、メンテナンス等を行なう。ガイド装置 が巻取機から離間できるので、広いメンテナンス空間を確保でき、メンテナンス を容易に行なうことが可能となる。

【０００８】

【実施例】

以下に、図面を参照して、本考案の一実施例のガイド装置について説明する。

【０００９】 本実施例のガイド装置は、図１に示すように、巻取機１の長尺体供給部２に対 して接離可能に設けられた基台３と、この基台３に取り付けられ、長尺体Ａを前 記巻取機１の巻取ドラム４に向かって案内しかつこの長尺体Ａの長手方向と交差 する方向に移動可能なガイド部材５と、前記基台３に取り付けられ、前記ガイド 部材５により案内された長尺体Ａを前記巻取ドラム４に押圧する押圧部材６とを 備えている。また、前記ガイド部材５の移動速度は、図示しない制御手段により 、前記巻取ドラム４の回転速度に応じて変化させられるようになっている。

【００１０】 前記基台３は鉛直に立設された柱部１３を備え、この柱部１３の下部には、車 輪１２が回転自在に取り付けられており、この車輪１２は床面１０に設けられた ガイドレール１１に載置されている。前記柱部１３の上部には、水平方向に延び る梁部１４が連設されている。

【００１１】 前記ガイド部材５は、図１及び図２に示すように、同軸状に周溝５ａが形成さ れたローラからなり、ガイド部材５はブラケット１８にピン１７を介して回転自 在に取り付けられている。このブラケット１８は、前記基台３の梁部１４の延設 方向と直交する方向に固定された２本のガイドロッド１９に、このガイドロッド １９の軸線方向に移動可能に連結されている。前記ブラケット１９の上部には、 ボールナット２０が固定されており、このボールナット２０は、前記基台３の梁 部１４に前記ガイドロッド１９と平行に軸受２１を介して回転自在に支持された ボールネジ２２に螺合している。このボールネジ２２の端部には、このボールネ ジ２２を回転させるモータ２３が接続されている。

【００１２】 前記押圧部材６は、図１及び図３に示すように、円板状のローラからなり、こ の押圧部材６はピン２５を介してブラケット２６に回転自在に取り付けられてい る。このブラケット２６はピン２７を介して前記基台３の梁部１４に揺動自在に 取り付けられている。また、前記ブラケット２６の上部には凸片２８が連設され ており、この凸片２８は、前記基台３の梁部１４の上部に揺動自在に取り付けら れたシリンダ３０のシリンダロッド３０ａと連結されている。このシリンダ３０ により前記押圧部材６が前記巻取ドラム４に対して近接付勢されている。

【００１３】 また、図３に示すように、前記押圧部材６の厚さ寸法Ｗは、巻取ドラム４の一 対のフランジ４ａ間の離間寸法より少し小さくなるように設定されており、前記 したように前記押圧部材６を揺動させたときに、この押圧部材６が前記巻取ドラ ム４のフランジ４ａ間に侵入できるようになっている。

【００１４】 次に、本実施例のガイド装置の使用方法及び作用について説明する。

【００１５】 まず、巻取機１から離れた所に位置している基台３を人力で押して、この基台 ３の下部に設けられた車輪１２をガイドレール１１内を転動させて、前記基台３ を前記巻取機１の長尺体供給部２に近接させて停止する。

【００１６】 次に、前記巻取機１の巻取ドラム４に巻き取るべき長尺体Ａをガイド部材５の 周溝５ａ内に導き、さらに押圧部材６に接触させて巻取ドラム４に巻き付け、当 該長尺体Ａの一端を巻取ドラム４に係止する。この状態で、巻取機１の巻取ドラ ム４を回転駆動する。すると、前記長尺体Ａが前記巻取ドラム４に巻き付けらて いく。

【００１７】 ここで、本実施例では、モータ２３に制御手段からの信号を入力して、該モー タ３を巻取ドラム４の回転速度にほぼ比例した回転速度により回転することによ り、ボールネジ２２を回転させてブラケット１８に回転自在に取り付けられたガ イド部材５を、前記長尺体Ａの長手方向とほぼ直交する方向に前記巻取ドラム４ の回転速度に応じた速度で移動させる。これにより、前記長尺体Ａは巻取ドラム ４の軸線方向に漸次移動させられ、前記長尺体Ａは巻取ドラム４の軸線方向に案 内されて前記巻取ドラム４に隣接する長尺体Ａどうしに隙間が生じないように、 かつ、重なり合わないように緊密に巻き付けることができる。しかも、ガイド部 材５の移動速度を前記巻取ドラム４の回転速度に応じて変化させるようにしてい るので、前記巻取ドラム４の回転開始直後や停止直後のように回転速度が不安定 なときでも、巻取ドラム４の回転すなわち前記長尺体Ａの巻取速度に応じた移動 速度を得ることができ、長尺体Ａを緊密に巻き取ることができる。

【００１８】 前記ガイド部材５を通った長尺体Ａは、巻取ドラム４に巻き取られる直前にお いて、シリンダ３０により突出付勢された押圧部材６により巻取ドラム４に向け て押圧されるので、前記長尺体Ａを前記巻取ドラム４に緊密に沿った状態で巻き 取ることができる。しかも、押圧部材６の厚さ寸法が巻取ドラム４のフランジ４ ａ間より少しだけ小さくなっているので、前記ガイド部材５により長尺体Ａが長 手方向とほぼ直交する方向に移動されて複数巻き同一円弧面に巻き取られたとき であっても、長尺体Ａを緊密に巻き取ることができる。さらに、押圧部材６がシ リンダ３０により突出付勢されているので、長尺体Ａが複数層に積み重ねて巻き 取られたときにおいても、前記押圧部材６に前記長尺体Ａが当接した状態でほぼ 鉛直方向上方に移動し、前記長尺体Ａを緊密に巻き取ることができる。

【００１９】 長尺体Ａの巻き取りが終了して、ガイド装置が不要となったときは、基台３を 人力で押して巻取機１の長尺体供給部２から移動させる。このように、本実施例 では、巻取機１とは独立にガイド装置を移動させることができるので、ガイド装 置のメンテナンスをする際に、巻取機１から切り離すことができ、広いメンテナ ンス空間を得ることができ、メンテナンス性を著しく向上させることができる。 しかも、巻取機１とは独立に構成されているので、複数の巻取機１に対して１台 のガイド装置を製作して、このガイド装置を移動させて各巻取機１に対して選択 的に使用することができ、従来のように各巻取機１のそれそれにガイド装置を設 けた場合に比べて、コストを軽減することができ、極めて経済的である。

【００２０】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案のガイド装置によれば、巻取機の長尺体供給部に 対して移動可能に設けられた基台と、この基台に取り付けられ、長尺体を巻取ド ラムに向かって案内しかつこの長尺体の長手方向と交差する方向に移動可能なガ イド部材と、前記基台に取り付けられ、前記ガイド部材により案内された長尺体 を前記巻取ドラムに押圧する押圧部材と、前記ガイド部材の移動速度を前記巻取 ドラムの回転速度に応じて変化させる制御手段とを備えたので、長尺体を巻き取 る際に基台を巻取機に近接させ、ガイド部材と押圧部材とにより長尺体を案内し て巻取ドラムに巻き取り、ガイド装置を必要としないときには基台を巻取機に対 して離間させることができ、広いメンテナンス空間が確保できメンテナンスが容 易になるとともに、１つのガイド装置を複数の巻取機に共用でき巻取機を安価と することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例のガイド装置を示す側面図で
ある。

【図２】図１の左側面図である。

【図３】図１の右側面図である。

【符号の説明】

１ 巻取機 ２ 長尺体供給部 ３ 基台 ４ 巻取ドラム ５ ガイド部材 ６ 押圧部材 １８ ブラケット ２０ ボールナット ２２ ボールネジ ２３ モータ ２６ ブラケット ３０ シリンダ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 巻取機の長尺体供給部に対して移動可能
   に設けられた基台と、この基台に取り付けられ、長尺体
   を巻取ドラムに向かって案内しかつこの長尺体の長手方
   向と交差する方向に移動可能なガイド部材と、前記基台
   に取り付けられ、前記ガイド部材により案内された長尺
   体を前記巻取ドラムに押圧する押圧部材と、前記ガイド
   部材の移動速度を前記巻取ドラムの回転速度に応じて変
   化させる制御手段とを備えたことを特徴とする巻取機に
   おける長尺体のガイド装置。