JPH05752U - 高周波加熱装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ワークを加熱中の加熱コイルに短絡や断線等
の事故が生じたときでも、加熱コイルに給電する高周波
電源に損傷を与えることを防止できる高周波加熱装置を
提供する。 【構成】 高周波加熱装置は、ワークに誘導電流を発生
させる加熱コイル50と、加熱コイル50に高周波電力を供
給する高周波電源10と、１次巻線21、２次巻線22および
３次巻線23を設けたカレントトランス20とを具備し、且
つ、１次巻線21は高周波電源10に、２次巻線22は加熱コ
イル50に、３次巻線23は疑似誘導負荷40に接続されてい
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、高周波加熱装置に関し、特に、高周波加熱コイル（以下単に加熱コ イルともいう) に短絡や断線のような事故が生じたときにおいても高周波電源に 有害な影響を与えることがない高周波加熱装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

ワークを誘導加熱する高周波加熱装置には、ワークに誘導電流を発生させる加 熱コイルと、加熱コイルに高周波電力を供給する高周波電源と、高周波電源と高 周波加熱コイルとの間にあって高周波電源から受けた高周波電力の電圧を加熱コ イルに適した電圧に変換して加熱コイルに大きな高周波電流を供給するカレント トランスとを備えている。そして、高周波電源を構成している回路素子の一部に は、しばしば、半導体素子が用いられている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

高周波電流が通電されてワークを誘導加熱中の加熱コイルに、短絡或いは断線 等の事故が発生すると、加熱コイルに流れている高周波電流の大きさが急変する 。加熱コイルは、インダクタンスを有するので、加熱コイルに流れる電流の大き さが急変すると、過渡的に有害な過電圧が発生し、この過電圧がカレントトラン スを経て高周波電源にまで伝わって過電圧に対する耐力が低い前記半導体素子に 損傷を与えることがある。

【０００４】 本考案は上記事情に鑑みて創案されたものであって、ワークを加熱中の加熱コ イルに短絡や断線等の事故が生じたときでも、加熱コイルに給電する高周波電源 に損傷を与えることを防止できる高周波加熱装置を提供することを目的としてい る。

【０００５】

【課題を解決するための手段】 上記問題を解決するために、本考案の高周波加熱装置は、ワークに誘導電流を 発生させる高周波加熱コイルと、この高周波加熱コイルに高周波電力を供給する 高周波電源と、１次巻線、２次巻線および３次巻線を設けたカレントトランスと を具備し、且つ、前記１次巻線は前記高周波電源に、前記２次巻線は前記高周波 加熱コイルに、前記３次巻線は疑似誘導負荷に接続されている。

【０００６】

【実施例】

以下、図面を参照して本考案の一実施例を説明する。図１はこの実施例の接続 説明図であって、同図に示すように、本実施例の高周波加熱装置は、高周波電源 10と、カレントトランス20と、高周波加熱コイル50とを備えている。

【０００７】 高周波電源10は、高周波電流を発生する高周波発信部11と、高周波電流の大き さを変化させたり、或いは、高周波発信部11をオン・オフさせる発信制御部12と を備えている。

【０００８】 カレントトランス20は、１次巻線21、２次巻線22および３次巻線23を備えてお り、１次巻線21は高周波電源10の高周波発信部11に、２次巻線22は図示しないワ ークを加熱する加熱コイル50に接続されている。また、３次巻線23には、擬似誘 導負荷40が接続されている。そして、疑似誘導負荷40は、擬似誘導負荷40が発生 する磁束がワークに交叉しないように配設される。なお、１次巻線21と、１次巻 線21に並列に接続されたコンデンサ30とで、高周波共振回路を構成している。ま た、カレントトランス20は鉄芯入り（コア入り) のものでも空芯のものでもどち らでもよい。

【０００９】 次に、本実施例の動作を説明する。高周波発信部11が発生した高周波電流は、 カレントトランス20の１次巻線21に供給される。すると、カレントトランス20の ２次巻線22および３次巻線23に高周波電流が発生し、２次巻線22に発生した高周 波電流は加熱コイル50に供給され、加熱コイル50はワークを加熱する。３次巻線 23に発生した高周波電流は疑似誘導負荷40に供給され、擬似誘導負荷40は磁束を 発生するが、ワークには交叉しない。

【００１０】 高周波電流が通電されている加熱コイル50に、もしも、短絡や断線が発生した 場合にも、カレントトランス20の３次巻線23に常に疑似誘導負荷40が接続されて いるので、擬似誘導負荷40が加熱コイル50の役割を果たすことになるから、加熱 コイル50に発生する過電圧を小さい。従って、この過電圧がカレントトランス20 の１次巻線21を経て高周波発信部11に至っても、高周波発信部11に有害な影響を 与えない。

【００１１】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案の高周波加熱装置は、ワークに誘導電流を発生さ せる高周波加熱コイルと、この高周波加熱コイルに高周波電力を供給する高周波 電源と、１次巻線、２次巻線および３次巻線を設けたカレントトランスとを具備 し、且つ、前記１次巻線は前記高周波電源に、前記２次巻線は前記高周波加熱コ イルに、前記３次巻線は擬似誘導負荷に接続されている。

【００１２】 従って、本考案の高周波加熱装置においては、ワークを加熱中の加熱コイルに 短絡や断線等の事故が生じたときには、疑似誘導負荷が加熱コイルの役割をする ので、加熱コイルに給電する高周波電源に有害な過電圧が印加されず、従って、 高周波電源が損傷を受けることを防止できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例の接続説明図である。

【符号の説明】

10 高周波電源 20 カレントトランス 21 １次巻線 22 ２次巻線 23 ３次巻線 40 疑似誘導負荷 50 加熱コイル

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 【請求項１】 ワークに誘導電流を発生させる高周波加
   熱コイルと、この高周波加熱コイルに高周波電力を供給
   する高周波電源と、１次巻線、２次巻線および３次巻線
   を設けたカレントトランスとを具備し、且つ、前記１次
   巻線は前記高周波電源に、前記２次巻線は前記高周波加
   熱コイルに、前記３次巻線は疑似誘導負荷に接続されて
   いることを特徴とする高周波加熱装置。