JPH0575249U - ロール紙伸長装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 簡単な構造のロール紙伸長装置により、ロー
ル紙の巻き癖を容易に除去できるようにする。 【構成】 プリンタ１に左右１対のフレーム６を設け、
フレーム６に上下１対のローラ８、１１を平行に回転自
在に支持し、ローラ８、１１間にロール紙８をＳ字状に
挿通して、巻き癖とは逆方向にテンションをかける。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、例えば銀行などに設けられたロール紙を用いる整理券発行装置にお いて、引き出されたロール紙の巻き癖を除去するロール紙伸長装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

銀行などに設けられた整理券発行装置では、一般にロール紙を使用しており、 利用者が整理番号が印字されたロール紙を引き出すたびに切断されるようになっ ている。このときロール紙には必ず巻き癖がついており、発行装置の発行口につ まったり、利用者に対して不快感を与えたりするという問題があった。

【０００３】 この問題を解決するための提案としては、実開平３−４４１５２号公報に記載 されたように、ＣＰＵ制御によって回転速度可変可能なローラと、このローラに 圧接するローラとの間にロール紙を挿通し、発券によって変化していくロール紙 の径を検出し、この径の変化に合わせてローラの回転速度を変化させ、ロール紙 の湾曲方向と逆の方向にロール紙を曲げて発行するようにしたカーリング防止機 構が知られている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら上記公報に記載されたカーリング防止機構によると、完全なカー リング防止を行うためにはロール紙の径を無段階で検出する必要があり、このた めには機構が複雑となりコスト高になる欠点があった。またロール紙が薄い場合 には巻き癖が十分に除去できない問題もあった。

【０００５】 本考案はこのような点に鑑みてなされたもので、、ロール紙の巻き癖を容易に 除去することができる、簡単な構造のロール紙伸長装置を提供することを目的と する。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために、請求項１に記載のロール紙伸長装置は、巻回され たロール紙を引き出して、前記ロール紙の巻き癖を除去するロール紙伸長装置に おいて、前記装置本体に回転自在に支持された第１のローラと、前記第１のロー ラ上に当接して平行に配設され、前記装置本体に回転及び昇降自在に支持された 第２のローラとを具備し、前記１対のローラ間に前記ロール紙を巻き癖とは反対 方向に排出するＳ字状に挿通したことを特徴としている。

【０００７】 また請求項２に記載のロール紙伸長装置は、第１のローラの直径は第２のロー ラの直径より小さいことを特徴としている。

【０００８】

【作用】

請求項１に記載のロール紙伸長装置によると、ロール紙が１対のローラを通過 するときに、ロール紙の巻き癖とは逆方向のテンションをかけられて駆動される ため、ロール紙はほぼ直平面状となって、巻き癖が除去された状態となって引き 出される。

【０００９】 請求項２に記載のロール紙伸長装置によると、上部の第２のローラの径が大き いので重量が重く、ロール紙を第１のローラ上に圧接できる。また第１のロール の径を小さくすることにより、ロール紙は小さい曲率半径でテンションをかけら れるので、巻き癖を十分に除去することができる。

【００１０】

【実施例】

以下、本考案のロール紙伸長装置の一実施例を図面を参照して説明する。 図１に本考案の一実施例の構成を示す。図１において、整理券発行装置は、プ リンタ１とロール紙２を回転自在に支持する支持台３とから構成されている。プ リンタ１には引き出されたロール紙２を内部に導入する導入口４が設けられてお り、プリンタ１内にはロール紙２に整理番号を印刷する図示しない印刷機構と、 印刷されたロール紙２を番号ごとに切断する図示しない切断機構とが内蔵されて いる。

【００１１】 プリンタ１の導入口４の上部にはロール紙伸長装置５が設けられている。ロー ル紙伸長装置５の左右１対のフレーム６には、それぞれ上部が開口されたＵ字状 の案内溝７が形成されており、案内溝７にはそれぞれ第２のローラ８の支軸９の 両端が送入され、回転自在に支持されている。また左右１対のフレーム６の案内 溝７の下部には、支軸９に平行な支軸１０を介して第１のローラ１１が回転自在 に支持されている。そして第２のローラ８は自重で第１のローラ１１に当接して おり、第１のローラ１１の直径は第２のローラ８の直径より小さくなっている。

【００１２】 次にロール紙伸長装置５にロール紙２を挿通する手順について説明する。まず 第２のローラ８をフレーム６の案内溝７から取り外し、ロール紙２をロールから 引き出して第１のローラ１１の下部に挿入し、導入口４を介してプリンタ１内に 引き込む。次に第２のローラ８をロール紙２の下部に挿入し、ロール紙２を持ち 上げるようにして第２のローラ８を上昇させ、第２のローラ８の支軸９をフレー ム６の案内溝７に装着する。そして第２のローラ８をロール紙２を介して第１の ローラ１１に当接させることにより、ロール紙２はＳ字状となって１対のローラ ８、１１間に挾持される。

【００１３】 次に本実施例の作用を図１を参照して説明する。プリンタ１内に引き込まれた ロール紙２は、プリンタ１の所定の動作により図１の右方向に繰り出される。こ のときロール紙２にはローラ８、１１間を通過するときに、巻き癖とは逆方向に テンションをかけられて駆動されるため、ほぼ直平面状となり巻き癖が除去され る。

【００１４】 図２に本実施例による実験結果を説明する。この実験ではロール紙２の厚さが 約０．０６ｍｍ、ロール最大径が７５ｍｍ、第１のロール１１の直径が４ｍｍ、 第２のローラ８の直径が１２ｍｍとした。ロール紙２の使い初めた当初でロール 径が７５ｍｍの場合は、ローラ８、１１を通ったロール紙２は（ａ）に示すよう にやや過剰に巻き癖が修正され、反りが２ｍｍ乃至４ｍｍの上反り状態となる。 ロール紙２が巻心近くまで使用されたときは、（ｂ）に示すように長さ７１ｍｍ について１５ｍｍの反りとなる。これに対してローラ８、１１を通らない場合は 、（ｃ）に示すように直径が２７ｍｍ、両端間の間隔が７ｍｍのほぼ円形の反り となる。すなわちローラなしの場合の反り２７ｍｍが１５ｍｍにまで修正できる 。

【００１５】 本実施例によれば、簡単な構成でロール紙２の巻き癖を容易に除去することが できる。

【００１６】 なお、ロール紙２の条件により巻き癖の除去の必要が特に必要でない場合には 、第２のローラ８をフレーム６の案内溝８から取り外した状態で使用してもよい 。また上記実施例で示した各部の寸法は一例を示したものであり、これらに限定 されない。さらに上記実施例では整理券発行装置に設けられたロール紙伸長装置 について説明したが、他の装置についても応用することができる。

【００１７】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案のロール紙伸長装置は、ロール紙を２本のローラ 間にＳ字状に挿通して、巻き癖とは逆方向にテンションをかけるようにしたので 、簡単な構造の装置によりロール紙の巻き癖を容易に除去することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案のロール紙伸長装置の一実施例の構成を
示す正面図である。

【図２】本実施例の作用を示す説明図である。

【符号の説明】

１ プリンタ ２ ロール紙 ３ 支持台 ４ 導入口 ５ ロール紙伸長装置 ６ フレーム ７ 案内溝 ８ 第２のローラ ９ 支軸 １０ 支軸 １１ 第１のローラ

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 巻回されたロール紙を引き出して、前記
   ロール紙の巻き癖を除去するロール紙伸長装置におい
   て、前記装置本体に回転自在に装着された第１のローラ
   と、前記第１のローラ上に当接して平行に配設され、前
   記装置本体に回転及び昇降自在に支持された第２のロー
   ラとを具備し、前記一対のローラ間に前記ロール紙を巻
   き癖とは反対方向に排出するＳ字状に挿通したことを特
   徴とするロール紙伸長装置。
2. 【請求項２】 第１のローラの直径は第２のローラの直
   径より小さいことを特徴とする請求項１記載のロール紙
   伸長装置。