JPH0574820B2 - - Google Patents

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JPH0574820B2
JPH0574820B2 JP59227834A JP22783484A JPH0574820B2 JP H0574820 B2 JPH0574820 B2 JP H0574820B2 JP 59227834 A JP59227834 A JP 59227834A JP 22783484 A JP22783484 A JP 22783484A JP H0574820 B2 JPH0574820 B2 JP H0574820B2
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toner
image
carrier
ferrite
resistance
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Kazuo Yamamoto
Yasushi Yano
Nobuhiro Myagawa
Teruaki Azumaguchi
Yoshinobu Kawakami
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Kyocera Mita Industrial Co Ltd
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Mita Industrial Co Ltd
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Publication of JPH0574820B2 publication Critical patent/JPH0574820B2/ja
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    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G9/00Developers
    • G03G9/08Developers with toner particles
    • G03G9/10Developers with toner particles characterised by carrier particles
    • G03G9/107Developers with toner particles characterised by carrier particles having magnetic components
    • G03G9/108Ferrite carrier, e.g. magnetite
    • G03G9/1085Ferrite carrier, e.g. magnetite with non-ferrous metal oxide, e.g. MgO-Fe2O3

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Description

【発明の詳細な説明】
発明の分野 本発明は、電子写真用二成分現像剤に関するも
ので、より詳細には、低電気抵抗のフエライトキ
ヤリヤと、高誘電率で高電気抵抗のトナーとの組
合せから成り、低電位の電荷潜像を現像するに適
した電子写真用二成分現像剤に関する。 従来の技術及び発明の技術的課題 二成分系磁性現像剤を用いる電子写真法におい
ては、顕電性トナーと磁性キヤリヤとを混合し、
この二成分系組成物を、内部に磁石を備えた現像
スリーブ上に供給して、この組成物から成る磁気
ブラシを形成させ、静電潜像を有する電子写真感
光板にこの磁気ブラシを摺擦せしめることによ
り、顕電性トナー像を感光板上に形成させる。顕
電性トナーは磁性キヤリヤとの摩擦により、感光
板上の静電潜像の電荷とは逆極性の電荷に帯電さ
れ、磁気ブラシ上の顕電性トナー粒子がクーロン
力により静電潜像上に付着して、静電潜像の現像
が行われる。一方磁性キヤリヤはスリーブ内の磁
石により吸引されており、しかもその帯電電荷が
静電潜像の電荷と同極性であり、そのため、磁性
キヤリヤはスリーブ上にそのまま残ることにな
る。鮮明で且つ濃度の高い画像を形成させるため
には、感光板と磁気ブラシとの間に十分に相対的
な速度差を与えて、感光板が磁気ブラシで十分に
摺擦されるようにすることが重要である。 磁性キヤリヤとしては一般に、鉄粉キヤリヤが
広く使用されているが、この鉄粉キヤリヤには未
だ多くの欠点が認められる。即ち、この鉄粉キヤ
リヤを用いた二成分系現像剤では、現像感度曲線
(静電像と現像スリーブ間の電位差対画像濃度の
曲線)の立上りが急で、階調性に劣り、中間調の
再現性に乏しいという欠点がある。また、この鉄
粉キヤリヤを含む現像剤は硬い磁気ブラシを形成
することがあり、感光層を傷つける可能性がある
と共に、ベタ黒部の複写に際しては、形成される
画像に、ブラシマーク、即ちブラシの摺擦方向に
延びている細くて短い白線の多数の列が入るとい
う欠点が認められる。更に、鉄粉キヤリヤは湿度
に敏感であり、湿度の影響により現像特性が変化
したり、或いはそれ自体錆を発生する傾向があ
り、更にまた磁気ブラシの駆動に大きなトルクを
必要とするという問題もある。 近年、二成分系現像剤の磁性キヤリヤとして、
フエライト、特にソフトフエライトを用いること
が提案されている。フエライトキヤリヤは残留磁
化が小さく、磁気ブラシの駆動に必要なトルクが
比較的小さく、しかも環境条件下における諸特性
の劣化傾向も小さいという利点を有しているが、
その反面として、フエライトキヤリヤは鉄粉キヤ
リヤよりも高電気抵抗であることにも関連して、
現像に際してキヤリヤ引き、即ちキヤリヤが感光
層側へ移行するというトラブルや、形成される画
像にエツジ効果が生じるという問題がある。 近年、非晶質シリコン系光導電体層は、表面硬
度が高く、長波長側の光に感度を有し、しかも感
度そのものも良好であるので、電子写真用の感光
体として着目されている。 しかしながら、非晶質シリコンは上述した優れ
た特性を有するものの、上記光導電層を十分に厚
い層に設けることが製造技術の面でも、製造コス
トの面でも困難であり、その層厚は、セレン感光
層のそれよりもかなり薄い10乃至35μの比較的小
さい範囲に制限されているのが実情である。非晶
質シリコン層の厚みが小さいことに関連して、光
導電層上に形成させ得る帯電時の表面電位も、セ
レン感光板のそれよりもかなり小さい200乃至400
ボルトの範囲に制限され、強いて帯電電位を上げ
ると感光層の絶縁破壊を生じることから、形成さ
れる電荷像の電位コントラストが低いという問題
がある。かくして、通常の二成分系現像剤で現像
を行う場合には、トナー像の画像濃度が低下し、
また画像濃度を強いて向上させようとすると、ト
ナー飛散を生じたり、或いはカブリ濃度が高くな
るという欠点を生じる。 更に非晶質シリコン感光体を、市販の二成分系
現像剤で現像する場合には、非画像部にトナーが
付着して所謂カブリを生じやすく、これを防止す
るためには現像バイアス電圧をかなり高くしなけ
ればならず、これにより電荷像の電位コントラス
トが低下するという欠点を生ずる。 発明の目的 従つて、本発明の目的は、キヤリヤ引きやエツ
ジ効果がなく、高濃度でしかもカブリのない画像
を形成させ得る二成分系現像剤を提供するにあ
る。 本発明の更に他の目的は、電位コントラストの
低い電荷像からも濃度と鮮明さとに優れたトナー
像を形成させ得る二成分系現像剤を提供するにあ
る。 本発明の更に他の目的は、非晶質シリコン系感
光体から、濃度、コントラスト及びその他の画質
に優れたトナー像を形成させ得る二成分系現像剤
を提供するにある。 発明の構成 本発明によれば、磁気ブラシとしての動的抵抗
が1.5×104Ω乃至2.5×106Ωの範囲にあるフエライ
ト焼結還元粒子から成る磁性キヤリヤと、体積固
有抵抗が1×1013Ω−cm以上で且つ誘電率が4乃
至6の範囲にある顕電性トナー粒子との組成物か
ら成ることを特徴とする電子写真用二成分系現像
剤が提供される。 発明の好適態様 本発明の二成分系現像剤が好適に適用される電
子写真法を説明するための第1図において、駆動
回転される金属ドラム1の表面には、非晶質シリ
コン系光導電体層2が設けられている。このドラ
ムの周囲には、主帯電用コロナチヤージヤ3;ラ
ンプ4、原稿支持透明板5及び光学系6から成る
画像露光機構;トナー7を有する現像機構8;ト
ナー転写用コロナチヤージヤ9;紙分離用コロナ
チヤージヤ10;除電ランプ11;及びクリーニ
ング機構12がこの順序に設けられている。 先ず、光導電体層2をコロナチヤージヤ3で一
定極性の電荷で帯電させる。次いで、ランプ4で
複写すべき原稿13を照明し、光学系6を経て原
稿の光線像で光導電体層2を露光し、原稿画像に
対応する静電潜像を形成させる。この静電潜像
を、現像機構8によりトナー7で現像する。転写
紙14を、トナー転写用チヤージヤ9の位置でド
ラム表面と接触するように供給し、転写紙14の
背面から静電像と同極性のコロナチヤージを行つ
て、トナー像を転写紙14に転写させる。トナー
像が転写された転写紙14は、分離用コロナチヤ
ージヤ10の除電によつてドラムから静電的に剥
離され、定着域(図示せず)等の処理域に送られ
る。 トナー転写後の光導電体層2は、除電ランプ1
1による全面露光で残留電荷が消去され、次いで
クリーニング機構12によつて残留トナーの除去
が行われる。 本発明の重要な特徴は、上述した静電潜像の現
像に、低電気抵抗の焼結還元フエライト粒子と、
高誘電率及び高電気抵抗のトナー粒子との組合せ
から成る二成分系磁性現像剤を用いることに存す
る。 磁性キヤリヤ 本発明においては、先ず、種々の磁性キヤリヤ
の内でもフエライトキヤリヤを使用する。フエラ
イトキヤリヤは、通常の鉄粉キヤリヤに比して、
比重が小さくしかも飽和磁束密度も小さいため、
形成される穂が柔かく、その結果として現像に際
して、現像用スリーブ乃至はスリーブ内磁石の回
転に要するトルクが小さいという利点を有するこ
とが知られている。 更に、フエライトキヤリヤを用いると、現像剤
磁気ブラシの電気特性が長期間にわたつて安定し
ており、しかもスペント・トナーの発生が少ない
という利点がもたらされる。 しかしながら、既に述べた通り、フエライトキ
ヤリヤ粒子は、鉄粉キヤリヤに比して約2乃至3
桁高い体積固有抵抗を有する。しかして、通常の
フエライトキヤリヤと顕電性トナーとの組合せか
ら成る二成分系磁性現像剤は、セレン系感光体上
の静電像の現像には高濃度のトナー像を与えると
しても、非晶質シリコン系感光体上の静電像の現
像に用いると、著しく濃度の低い画像濃度しか与
えないことがわかつた。 本発明に用いるフエライトキヤリヤは、磁気ブ
ラシとしての動的電気抵抗が1.5×104乃至2.5×
106好しくは1.5×104乃至1×106Ω特に1.8×104
至4.6×105Ωの範囲にあるフエライト焼結還元粒
子から成ることが顕著な特徴である。即ち、通常
のフエライトキヤリヤは、一般に体積固有抵抗が
1×1010Ω−cm以上の高い値を有する。最近に至
つて、特開昭59−48774号公報には、Fe2O3当り
の2価金属酸化物成分のモル比を0.85以下とした
フエライト造粒物を電子写真現像用キヤリヤーと
して用いることが開示されているが、このキヤリ
ヤーの体積固有抵抗は、通常のフエライトに比し
て低いとしても、未だ8.5×106乃至2×109Ω−cm
のオーダーであり、非晶質シリコン系光導電体上
の静電潜像を高濃度に現像するという目的には不
満足なものである。 本発明は、フエライト焼結粒子を水素還元する
ことにより動的電気抵抗が1.5×104Ω−cm乃至2.5
×106Ω−cmの範囲内にあるフエライトキヤリヤ
の製造に成功し、このキヤリヤを体積固有抵抗が
1×1013Ω−cmで、しかも比誘電率が4乃至6の
範囲内にある顕電性トナー粒子と組合せて、非晶
質シリコン光導電体上の電荷像の現像に用いるこ
とにより、鮮明さ及び濃度に優れたトナー像の形
成が可能となつたものである。 本明細書において、磁気ブラシとしての動的電
気抵抗とは、磁気ブラシによる現像条件下に動的
に測定される電気抵抗値であり、下記の方法によ
り求められる値を意味する。即ち、電子写真感光
体ドラムと同寸法のアルミ製電極ドラムを感光体
ドラムに置換えて設置し、現像スリーブ上に現像
剤を供給して磁気ブラシを形成させ、この磁気ブ
ラシを電極ドラムと摺擦させ、このスリーブとド
ラムとの間に電圧を印加して両者間に流れる電流
を測定することにより、算出された抵抗値を意味
する。測定に当つては、トナーとキヤリヤとから
成る現像剤の場合には50Vの電圧を印加し、キヤ
リヤ単独で磁気ブラシを形成させて測定する場合
には20Vの電圧を印加して、使用する複写機に備
つている現像装置の現像条件(例えばドラム−ス
リーブ間距離や磁気ブラシの移動速度など)に従
つて測定する。即ちD−S抵抗は使用する複写機
中の現像装置に即した抵抗値であることが理解さ
れる。以下、この測定法による電気抵抗をD−S
抵抗と呼ぶ。 一般に、帯電電位をE、現像電流をi、現像剤
磁気ブラシの電気抵抗をRとすれば、下記式 E=iR ……(1) の関係が成立つと考えられる。現像電流iにトナ
ー像の濃度が比例するとすれば、帯電電位(E)の小
さい感光体に対しては、磁気ブラシの抵抗(R)を下
げて現像電流(i)を可及的に大きく取り出すことが
考えられるかもしれない。また、現像剤磁気ブラ
シの電気抵抗Rを小さくするために、磁性キヤリ
ヤの電気抵抗、即ちD−S抵抗を下げることが考
えられるかもしれない。 しかしながら、本発明者等は、磁気ブラシの動
的及び現像条件下での電気抵抗とトナー像の濃度
との関係は、上記式(1)の双曲線的関係にあるので
はなく、一定の電気抵抗値の所に屈曲点があり、
この屈曲点以下では画像濃度が飛躍的に向上する
ことを見出したものである。第2図は、本発明者
等が先に出願した(特願昭59−84000)の現像剤
磁気ブラシの動的及び現像条件下での抵抗とトナ
ー像の濃度との関係を示すプロツトであり、非晶
質シリコン感光体とフエライトキヤリヤ現像剤と
の組合せでは前述した臨界点を生じることが明白
であろう。 第2図からも明らかな通り、高濃度でしかもブ
ラシマークが無い高画質のトナー像を、非晶質シ
リコン系感光体上に形成させるという見地から
は、現像剤磁気ブラシの動的且つ現像条件下での
電気抵抗(D−S抵抗)を、4×106Ω乃至5×
107Ω、特に8×106Ω乃至4×107Ωの範囲とする
ことが必要となる。 現像剤磁気ブラシ全体の抵抗は当然のことなが
らキヤリヤ粒子の抵抗と、トナー粒子の抵抗とに
依存するが、トナー粒子の電気抵抗は、感光層表
面から転写紙へのトナー像の転写に重大の影響を
及ぼし、トナー粒子の体積抵抗が1×1013Ω−cm
よりも低い場合には、転写に際して、トナー粒子
の転写効率の低下及びトナー像の飛散乃至は輪郭
のブロードニング等を生じるために、前記基準値
よりも下げることはできない。この意味では、キ
ヤリヤとして電気抵抗の比較的小さいものを用い
ることが有効になる。 本発明において、画像濃度を飛躍的向上させる
という見地から、フエライトキヤリヤのD−S抵
抗は前述した上限値に制限される。また、トナー
像の濃度は、キヤリヤ磁気ブラシの抵抗が或る値
よりも小さくなるとかえつて減少するようにな
り、しかも電気抵抗が小さくなり過ぎると、磁気
ブラシを介して静電像の電荷のリーク等が生じ
て、ベタ黒の画像部に微細な白地抜けの模様(ブ
ラシマーク)等が生じるようになる。かかる見地
から、本発明においては、キヤリヤのD−S抵抗
は、前述した下限値以上に制限される。 本発明に用いる低D−S抵抗のフエライトキヤ
リヤーは、焼結フエライト粒子をD−S抵抗が上
記範囲となるように還元、好適には水素還元する
ことにより得られる。原料のフエライト焼結粒子
はそれ自体公知のものであり、公知の焼結フエラ
イト粒子、特に球状の焼結フエライト粒子が有利
に使用される。フエライトの組成も公知のもので
あり、一般にソフトフエライトと呼ばれるもの、
例えばこれに限定されるものでないが、Zn系フ
エライト、Ni系フエライト、Cu系フエライト、
Mn系フエライト、Mn−Zn系フエライト、Mn−
Mg系フエライト、Cu−Zn系フエライト、Ni−
Zn系フエライト、Mn−Cu−Zn系フエライト等
が挙げられる。好適なフエライトは、原子重量%
で、Fe35乃至65%、Cu5乃至15%、Zn5乃至15%
及びMn0乃至0.5%から成るCu−Zn系又はCu−
Zn−Mn系フエライトである。 この焼結フエライト粒子を、例えば水素気流中
300乃至500℃、特に340乃至420℃の温度で還元す
る。必要な処理時間は、温度や水素通気量によつ
ても相違するが、一般的に言つて、30分乃至1時
間の内から、生成物のD−S抵抗が前述した範囲
となる時間を選ぶ。この還元により焼結フエライ
ト粒子の少なくとも表面部分の金属成分が酸化状
態の低い酸化物、即ち原子価の低い状態に移行
し、これにより電気抵抗の低下を生じるものと認
められる。還元処理は、水素雰囲気中で行うこと
が望ましいが、一酸化炭素を用いて行うことも可
能である。 用いる焼結還元フエライト粒子は、一般に平均
粒径が30乃至100ミクロン、特に35乃至45ミクロ
ンにあるものが望ましい。前述したD−S抵抗、
即ち磁気ブラシとしての動的抵抗は、キヤリヤ粒
子の粒径によつても左右され、フエライトキヤリ
ヤの粒径を小さくすることにより、磁気ブラシの
抵抗を任意の低い値に調節し得ることが明らかで
ある。これは、フエライトキヤリヤの粒径を小さ
くすることにより、磁気ブラシ中或いは磁気ブラ
シとスリーブ乃至は感光層表面との接触点の数が
増大するためと思われる。 トナー 本発明においては、トナー粒子として、後に詳
述する測定法で測定して、比誘電率(ε)が4乃
至6、特に4.2乃至5.9の範囲にあるトナーを用い
ることが、高濃度で、しかもカブリのない画像を
形成する上でやはり重要である。即ち、高誘電率
のトナーを用いることにより、現像剤磁気ブラシ
と、トナー付着感光層との空隙の電界強度が高く
なり、これにより高濃度のトナー像形成が可能と
なる。これについて説明すると、電荷像に対する
トナー付着量は、トナー密度、トナー層における
トナー充填率及び付着トナー層の厚みの3者の積
に等しいが、このトナー層の厚みは、トナーの比
誘電率(ε)が高い程大きな厚みとなり、結果と
して、高濃度のトナー像形成が可能となる。 しかも、本発明によれば、上述した高誘電率ト
ナーを用いることにより、カブリを防止しつつ、
画像のコントラストを向上させることが可能とな
る。市販の二成分系現像剤用のトナーの比誘電率
(ε)は、一般に2.5乃至3.5の低いレベルにあり、
一方、非晶質シリコン系感光体の比誘電率(ε)
は11.5乃至12.5の高いレベルにある。このよう
に、感光体の比誘電率(ε)とトナーの比誘電率
(ε)との間の差が大きいと、トナーと感光体と
の間に摩擦電荷が発生し易く、この摩擦電荷によ
つて、感光体の非画像部にもトナー付着を生ずる
ようになる。このように、非画像部へのトナー付
着は、感光体と現像スリーブとの間に現像バイア
ス電圧を印加することにより、或る程度解消し得
るとしても、両者の比誘電率の差が上記のように
大きい場合には、このバイアス電圧を相当大きく
とらなければならない。しかも、非晶質シリコン
系感光体では、既に述べた通り、電荷像の電位コ
ントラストがもともと低いことから、バイアス電
圧を大きくすると、電位コントラストが著しく小
さくなつて、画像の濃度やコントラストが小さく
なるのを免れない。本発明においては、トナーの
比誘電率を高い範囲とすることにより、非晶質シ
リコン感光体との間の摩擦帯電を抑制し、印加す
るバイアス電圧を低く設定でき、カブリを防止し
つつ、コントラストの高い画像の形成が可能とな
る。 また、前述した通り、磁気ブラシとトナー付着
感光層との空隙の電界強度が高くなることから、
トナーの移動に要する時間が短かくなり、即ち現
像時間がかなり短縮され、高速現像も可能となる
という利点も奏される。 用いるトナーは、前述した転写性の見地から1
×1013Ω−cm、特に少なくとも5×1013Ω−cmの
電気抵抗を有するものでなければならない。更
に、当然のことながら、このトナー粒子は顕電性
と定着性とを有する着色トナーでなければならな
い。 本発明において、トナーの比誘電率(ε)を高
いレベルに維持するには、種々の手段が採用され
るが、最も簡便には、トナー粒子中に高誘電体や
導電性物質を微粒子の形で分散含有させる方法が
採用される。 高誘電体としては、耐湿性、耐水性のある高誘
電体が適当であり、例えば、TiO2、BaTiO3
他、BaTiO3−SrTiO3系、BaTiO3−PbTiO3系、
BaTiO3−CaTiO3系、BaTiO3−YTiO3系などの
チタン酸塩どうしの固溶体;BaTiO3−BaSnO3
系、BaTiO3−BaZrO3系、PbTiO3−PbZrO3
などのチタン酸塩と他の塩との固溶体等が好適に
使用される。 これらの高誘電体は、微粉末の形でトナー粒子
中に、1乃至20重量%、特に1.5乃至10重量%の
量で含有させるのがよい。高誘電体の含有量が上
記範囲よりも少ない場合には、比誘電率を本発明
で規定した範囲とすることが困難であり、一方上
記範囲を越えると、トナーの色調が好ましくなる
場合がある。この理由は前述した高誘電体である
TiO2、BaTiO3等が白色顔料であるため、添加量
が多い場合にはトナーの黒調が弱められるためで
ある。このことから黒色の誘電物質を用いるのが
より一層好ましく、この意味において、黒色の酸
化チタンを使用するのが特に好ましい。この黒色
の酸化チタンの例としては三菱金属(株)からチタ
ン・ブラツク20M、チタン・ブラツク12Sの商品
名で販売されている酸化チタンを挙げることがで
きる。このチタン・ブラツクは一般式が
TinO2o-1で示されn=1に近いためTiとOのス
トイキオメトリー(原子数比)が1:1に近いと
いう構造を有するものである。 上述した高誘電体との組合せで、或いは単独
で、カーボンブラツク等の導電性微粒子をトナー
粒子中に含有させることも、トナー粒子の比誘電
率を高める上で有利である。只、カーボンブラツ
ク等の導電性粉末をトナー粒子中に配合すると、
その配合量に伴なつて、トナー粒子の電気抵抗が
低下する傾向がある。カーボンブラツクは、樹脂
媒質中に配合したとき、チエン構造をとりやす
く、この場合には、電気抵抗の低下が特に顕著と
なる。この意味において、通常のカーボンブラツ
クの場合、電気抵抗を前述した範囲にするために
は、トナー粒子への配合量を10重量%以下に抑え
なければならない。しかしながら、カーボンブラ
ツクの表面を界面活性剤、金属石鹸等で処理した
所謂表面処理カーボンや、カーボンブラツクの表
面を、エチレン系不飽和単量体でグラフト処理し
た、所謂グラフトカーボンでは、樹脂媒質への分
散性が向上し、チエン構造の形成が妨げられるの
で、15重量%迄の量で用いることができる。 樹脂としては、熱可塑性樹脂や、未硬化乃至は
初期縮合物の熱硬化性樹脂が使用される。その適
当な例は、重要なものの順序に、ポリスチレン等
のビニール芳香族樹脂、アクリル系樹脂、ポリビ
ニルアセタール樹脂、ポリエステル樹脂、エポキ
シ樹脂、フエノール樹脂、石油樹脂、オレフイン
樹脂等である。着色顔料としては例えば前述した
カーボンブラツク、カドミウムエロー、モリブデ
ンオレンジ、ピロゾロンレツド、フアストバイオ
レツトB、フタロシアニンブルー等の1種又は2
種以上が使用され、荷電制御剤としては、例えば
ニグロシンベース(CI50415)、オイルブラツク
(CI26150)、スピロンブラツク等の油溶性染料
や、ナフテン酸金属塩、脂肪酸金属石鹸、樹脂酸
石鹸等が必要により使用される。 トナー粒子の粒径は一般に5乃至20μmの範囲
にあるのがよい。 二成分系現像剤 フエライトキヤリヤと顕電性トナーとは、一般
に100:6乃至100:11の重量比で使用するのがよ
い。この量比も現像剤の磁気ブラシの電気抵抗に
影響を及ぼす。即ち、フエライトキヤリヤの量比
が大きくなると、現像剤の磁気ブラシの電気抵抗
が小さくなる傾向を示す。両者の最適化率は、フ
エライトキヤリヤ及び顕電性トナーの比表面積に
も密接に関連する。本発明の好適態様では、磁気
ブラシを形成する混合物のトナー濃度(Ct%)
が、下記式 Ct=k・Sc/St+Sc×100 ……(2) 式中、Scはフエライトキヤリヤの比表面積
(cm2/g:透過法による実測値)、Stはトナーの比
表面積(cm2/g:コールターカウンターを用いて
測定した平均粒径を基に、トナーが真球であると
仮定して計算した有効比表面積であり、平均粒径
から得られるトナーの半径をr(cm)とし、トナ
ーの真比重をρ(g/cm3)とした場合、St=3/
r・ρで計算できる)、kは0.80乃至1.07の数で
ある、 を満足する濃度で現像を行う。 先ず、前記式(2)における右辺の項Sc/(St+
Sc)は、キヤリヤ及びトナーの比表面積に関す
る項であり、具体的には、キヤリヤとトナーとを
等重量混合した組成物の全表面積当りのキヤリヤ
の占める表面積の割合い(以下単にキヤリヤ表面
積占有率と呼ぶ)を表わす数値である。 しかして、本発明のこの態様においては、この
キヤリヤ表面積占有率乃至はその近傍値とトナー
濃度とが等しくなるような条件で、二成分系現像
剤による静電像の現像を行うと、画像の濃度の向
上、カブリ濃度の低下、解像度の向上及び階調性
の向上がもたらされるものである。 トナー濃度(Ct%)とキヤリヤ表面積占有率
(Sc/(St+Sc)、%)とのずれは、両者の比率、
即ち k=Ct/〔Sc/(St+Sc)〕 係数kを求めることにより評価することができ
る。 この係数kは使用するフエライトキヤリヤの形
状によつて相違するが本発明においては、この係
数kを前述した0.80乃至1.07の値、特に球状フエ
ライト粒子では0.90乃至1.04の範囲とすることに
より、高い画像濃度、低いカブリ濃度、高い解像
力及び優れた階調性が得られ、しかもこれらの特
性は現像開始初期のみならず、100000枚もの連続
複写後においても殆んど低下しないという効果が
達成される。 本発明の二成分系現像剤は、非晶質シリコン系
光導電体層を用いる電子写真法の現像に特に有用
である。 感光体 非晶質シリコン系光導電体層としては、それ自
体公知の任意のものが使用され、例えばシランガ
スのプラズマ分解等で基板上に析出される非晶質
シリコンが使用され、このものは、水素やハロゲ
ン等でドーピングされ、更にボロンやリン等の周
期律表第族または第族元素でドーピングされ
たものであつてよい。 代表的なアモルフアスシリコン感光体の物性値
は、暗導電率が10-12Ω-1・cm-1、活性化エネル
ギ<0.85eV、光導電率>10-7Ω-1・cm-1、光学的
バンドギヤツプ1.7〜1.9eVであり、また結合水素
量は10〜20原子%の量でその膜の誘電率は11.5〜
12.5の範囲にあるものである。 この非晶質シリコン光導電層は、ドーピング種
に応じてプラス荷電やマイナス荷電も可能であ
り、コロナチヤージヤへの印加電圧は5乃至
8KVの範囲が一般的である。 本発明によれば、非晶質シリコン光導電体層の
膜厚が10乃至35μmのように小さく、その結果と
して帯電電位が著しく小さい場合にも高濃度の画
像形成が可能となるという顕著な利点がある。し
かも、小さい膜厚の感光層が使用可能であること
は、感光体のコストを下げる上で顕著な利点をも
たらすのみならず、感光層中での光拡散等が防止
され、その結果として形成されるトナー像の解像
力も向上するという利点をも生じる。 また、感光層表面に保護層等を必要に応じて設
け、表面電位を高く設定できる場合には、前述し
た範囲よりも幾分D−S抵抗の高いキヤリヤの使
用も可能となつてくる。 本発明の二成分系現像剤は、勿論、非晶質シリ
コン光導電層以外の光導電層、例えばセレン感光
板、CdS感光板、有機感光板(OPC)等に形成さ
れた電荷像を現像するのにも有効であり、この場
合にも、キヤリヤ引きやエツジ効果のないトナー
画像を、電位コントラストの小さい電荷像に対し
ても、高濃度で、カブリなしに形成させ得るとい
う利点がある。 本発明を以下の例で説明する。 実施例 トナーの調整 表1に示す組成の混合物を熱三本ロールミルで
十分に熔融混練分散を行ない、次いで、混練物を
取り出し冷却し、2mm程度の大きさに粗粉砕後、
ジエツトミルを用いて微粉砕を行なつた。この微
粉砕物を分級し粒度分布5〜20μの大きさにそろ
え、更に疎水性シリカ(日本アエロジル社製、R
−972)を0.1%加えて混合し表面処理したものを
トナーとして得ることができた。
【表】 尚、得られたトナーの電気物性を表2に示した
が、測定条件は、電極間距離0.65mm、電極断面積
1.43cm2及び電極間荷重105g/cm2の条件で測定し
た。又、同様に黒色酸化チタンに代つて、他の高
誘電体として、チタン酸バリウムを加えても良
く、他の方法としては、カーボンブラツクの量を
増やしても同様にトナーの比誘電率を調整するこ
とができた。
【表】 キヤリヤ キヤリヤとして、200/300メツシユの平均粒子
径約45μmの表3に示すフエライト粒子を用い前
記トナーとの組み合わせ(トナー濃度は1律
8.2wt%)で、表4に示す現像剤を作成した。
【表】
【表】 上記表3のD−S抵抗の測定は、後述する現像
部及び現像領域条件をそのまま使用し、感光体ド
ラムの代わりにドラムと同一径及び長さのAl製
電極ドラムに置き換えて、ドラムとスリーブとの
間に20Vの電圧を印加して両者間に流れる電流を
測定することにより算出した値である。
【表】
【表】 イアス電圧を示す。
作成した現像剤を用いて次なる複写テストを行
なつた。複写装置としては以下の条件に設定し使
用した。 感光体:直径90mmAl製基体上にボロンをドープ
したa−Si:Hをグロー放電分解法により20μ
mの膜厚に堆積させた感光体 画像露光用光源:感光体表面上での光強度
60μw/cm2(ただし600nm以上の分光強度は
10μw/cm2以下)に設定した白色蛍光灯 除電光源:緑色発光の冷陰極放電管 クリーニング部:ブレードクリーニング方式 主帯電:コロナ帯電器(+6.2KV印加) 転写帯電: 〃 (+5.7KV印加) 複写速度:感光体ドラム回転速度 16cm/sec 現像部:スリーブ回転速度 23cm/sec 現像磁石強度 1000ガウス 穂切間隔 1.0mm 現像領域:感光体と現像スリーブとを共に時計方
向に回転させ、D−S間ギヤツプは、1.5mmに
固定した。 表4の組合せ現像剤を用いた複写テスト結果を
表4・図3に示す。この結果キヤリヤのD−S抵
抗が2.5×106〔r〕を超えると高濃度な画像は得
られなかつた。またキヤリヤのD−S抵抗が1.4
×104〔r〕以下ではブラシマークの発生が認めら
れた。以上より、キヤリヤのD−S抵抗が1.8×
104〔r〕〜2.5×105〔r〕の広範囲において、ト
ナーの比誘電率が4〜6のものを用いた場合に
は、トナーの比誘電率が3.4のものを用いた場合
に比べ、高濃度で、ブラシマークが無く、かつか
ぶりを取る為のバイアスを低くできる事が確認さ
れた。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の現像剤を使用するのに好適
な電子写真プロセスを説明するための図であり、
図中2は非晶質シリコン系光導電体層、3は主帯
電用コロナチヤージヤ、4は露光用ランプ、8は
現像機構、9は転写用コロナチヤージヤ、11は
除電ランプ及び12はクリーニング機構を夫々表
わす。第2図は、現像剤のD−S抵抗とI.D(画像
濃度)との関係を示すグラフ図、第3図は、本実
施例で行つた複写テストの結果をプロツトしたプ
ロツト図である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 磁気ブラシとしての動的抵抗が1.5×104Ω乃
    至2.5×106Ωの範囲にあるフエライト焼結還元粒
    子から成る磁性キヤリヤと、体積固有抵抗が1×
    1013Ω−cm以上で且つ比誘電率が4乃至6の範囲
    にある顕電性トナー粒子との組成物から成ること
    を特徴とする電子写真用二成分系現像剤。
JP59227834A 1984-10-31 1984-10-31 電子写真用二成分系現像剤 Granted JPS61107256A (ja)

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