JPH0574660B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 本発明は小便器に使用する薬剤容器に関する。

(ロ) 従来技術 従来、小便器は悪臭を発するので、球状の水溶
性防臭剤を使用し、水洗式であつても使用中、配
管に尿石が付着して悪臭を発するので、これを防
止するため球状の尿石防止剤又は尿石除去剤等を
使用し、それらの薬剤の使用方法は小便器の受部
に直接載せていた。

(ハ) 発明が解決しようとする問題点 通常、前記薬剤を小便器に使用する場合はその
最も低部にあるサナ等の上に載つているため、利
用者に不快感を与えた。また通常、薬剤は球状を
なしていて便器の表面に点接触していないため、
洗浄水の流出終期に水量が少なくなると薬剤が僅
かしか溶解せず、それにより便器の流出口の直下
にあるトラツプに溜まる水の薬剤濃度が低くな
り、この部分に尿石が堆積すると共に悪臭を発し
た。

また、前記薬剤は夏期のような高温時に溶解し
易いので溶解抑制剤を混合して洗浄水等が薬剤の
全面に接触する状態で適度の薬効が得られるよう
にしており、固形体中の薬剤自体の含有量が少な
く、かつ使用期間が短かつた。

前述の問題点を解決すべくサナを中空体とし、
これに多数の孔を設けたところ、固形薬剤に洗浄
水が良く接触するようになつたが、薬剤が短期間
のうちに溶解してしまうという問題点を解決する
ことはできなかつた。

(ニ) 問題点を解決するための手段 本発明は、防臭剤、尿石防止剤又は尿石除去剤
等の水溶性固形薬剤を収納して小便器に装着する
容器において、前記容器を、水溶性薬剤を収容し
た状態で流水間隙を隔てて前記小便器の排水口に
嵌合する受体と、それに装着する蓋とからなるサ
ナで構成し、前記受体の周壁には、多数の排水孔
を穿設し、上部外周には複数の導水体を、周方向
に間隔をおいて平面視で放射状に突設すると共に
該導水体をその外端が小便器の底面上に載るよう
に延出させ、前記蓋の外周を前記導水体上まで覆
うように形成すると共に多数の流入孔を設けるこ
とにより前述の問題点を解決した。

(ホ) 作用 前述の固形薬剤を中空のサナに入れた状態で小
便器の排出口にセツトする。

使用後、洗浄水は小便器の内壁面を伝つて流下
し、排出口に流入せんとする。

その際、受体の外周と排出口の内周との間の導
水体が架設される部分を除いて流水間隙として開
口しているので、一部の洗浄水は、導水体上を経
るか、若くは直接受体内に流入するが、他の大部
分の洗浄水は上記流入間隙からサナ内に流入する
ことなく、直接トラツプに流下するので薬剤溶解
量が少なく、流下の終期になつて洗浄水量が少な
くなつた時、小便器の内周面を伝つて流下する洗
浄水の一部は導水体上に受け止められて受体内に
流入し、それが薬剤を溶解するので、トラツプ内
の薬剤濃度が濃くなる。

(ヘ) 実施例 本発明の一実施例を図面について説明すると、
小便器１は上部に給水口２を有し、下部にはトラ
ツプ３に通ずる排水口５を設けてある。

そして、薬剤６は水溶性の防臭剤、消臭剤、尿
石防止剤又は尿石除去剤であつて、球状又はその
他の適宜の形状に成型してある。

また、合成樹脂製のサナ７は受体８とその上部
に重合する蓋１０とからなり、受体８は上部が開
口した半球状をなし、下部には重りとなる鋼球１
１等を入れる筒状体１２を連設し、周壁には上下
方向の多数のスリツト１３……を設け、上端には
放射状に突出した複数の樋状をなす導水体１５…
…を付設し、これらの導水体１５……の外端部は
円弧状の連結体１６で全体が円形になるように連
結してあり、直径上で対向する連結体１６，１６
の内側縁から外向きのフツク状係合片１７，１７
を立設してあり、前記受体８は、それを便器１の
排水口に嵌合した状態で、それらの間に流水間隙
２５を隔てるように小径に形成してある。

更に、蓋１０の外周は前記受体８の外周と略同
一直径の円形になつており、頂部と、外周寄りの
弯曲部とには多数のスリツト１８……，１９……
をそれぞれ放射状に設けてあり、外周寄りの前記
スリツト１９……の下端間は、前記導水体１５…
…に対応する部位を除いて円弧状の連結体２０で
連結してあり、前記フツク状係合片１７，１７と
対応する部位のスリツト１９の下端は略水平な受
片２１，２１で連結してある。

更にまた、前記蓋１０の外周寄りのスリツト１
９……間の隔杆２２……は横断面を第３図に示す
如く外側が尖つていて左右の円弧面からなるテー
パー状に形成して、放尿時に尿が跳返えることな
くスムーズにサナ７内に侵入するようにしてあ
る。

而して、前記サナ７の受体８に鋼球１１と薬剤
６を入れてから上部に蓋１０を重合圧接すると、
前記フツク状係合片１７が受片２１に係合するか
ら、このまゝ、又は更に接着テープで上下の連結
体１６，２０を結合するか、若くは前記フツク状
係合片１７及び受片２１を省略して上記接着テー
プその他の結合部材又は接着剤で上下の連結体１
６，２０を連結し、このサナ７の受体８を小便器
１の排水口５に挿入すると、第２図に示す如く導
水体１５……が排水口５に掛け渡され、その先端
部及び連結体１６が小便器１の底面に重合し、受
体８の上端外周と、相隣る導水体１５，１５と、
連結体１６とで囲まれた扇形状の開口部２３……
の内周寄りは、上下に連通する。

この状態で放尿後、流出させた洗浄水は、導水
体１５……を経て受体８内に流入するもの及び水
量の多い時は一部直接受体８に流入するものと、
前記開口部２３に流入して受体８の外側の流水間
隙２５を通りトラツプ３に流下するものとに分流
し、受体８内に流入した洗浄水は薬剤６を溶解さ
せる。

即ち、水量の多い間は受体８に洗浄水の流入量
が少なくなるので薬剤６の溶解を抑制することが
でき、前記洗浄水が流出し終る頃、水量が少なく
なつても、小便器１の内周面に沿つて流れた洗浄
水は前記導水体１５，１５の外端で受止められて
受体８内に流入することとなり、それが受体８に
収納した薬剤を溶解させるので、トラツプ３に残
る洗浄水の薬剤濃度が大になり、尿石や悪臭が発
生するのを防止することができる。

また、前述の実施例では受体８の上端外周と、
相隣る導水体１５，１５と、連結体１６とで囲ま
れた扇形状の部分全体を開口部２３……とした
が、該開口部２３の受体８側のその全周に亘り導
水体１５の底板と同じ高さでかつ扇形状で覆うと
開口部の幅が狭くなつてトラツプ３へ直接流下す
る洗浄水の量を適宜少なくして薬剤６の溶解を多
くすることができ、気温の高低又は薬剤の溶解性
の難易度等に応じて適宜選択する。

(ト) 発明の効果 本発明は、防臭剤、尿石防止剤又は尿石除去剤
等の水溶性固形薬剤６を収納して小便器１に装着
する容器において、前記容器を、水溶性薬剤を収
容した状態で流水間隙２５を隔てて前記小便器１
の排水口に嵌合する受体８と、それに装着する蓋
１０とからなるサナ７で構成し、前記受体８の周
壁には、多数の排水孔を穿設し、上部外周には複
数の導水体１５を、周方向に間隔をおいて平面視
で放射状に突設すると共に該導水体１５をその外
端が小便器１の底面上に載るように延出させ、前
記蓋１０の外周を前記導水体１５上まで覆うよう
に形成すると共に多数の流入孔を設けたので、洗
浄水等が便器内に滞留することなく、大部分の洗
浄水を受体８と排水口との間の流水間隙２５から
急速に流出させて薬剤が無駄に溶解するのを防止
することができ、しかも、洗浄終期に洗浄水量が
少なくなつた時、導水体１５……は小便器１の周
面を伝つて流下する洗浄水を受止めて受体８内に
前記流水間隙２５を越えて流入させ、この残り水
により溶解した薬剤はトラツプ３内に高濃度とし
て残留することとなり、それによりトラツプ３内
に尿石や悪臭が発生するのを確実に防止すること
ができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の一実施例を示すものであつて、
第１図はサナの分解斜視図、第２図は第１図のＡ
−Ａ断面図、第３図は同上Ｂ−Ｂ断面図、第４図
は小便器の縦断面図、第５図は連結部の分解断面
図である。 １……小便器、３……トラツプ、６……薬剤、
７……サナ、８……受体、１３，１８，１９……
スリツト、２３……開口部。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 防臭剤、尿石防止剤又は尿石除去剤等の水溶
   性固形薬剤６を収納して小便器１に装着する容器
   において、前記容器を、水溶性薬剤を収容した状
   態で流水間隙２５を隔てて前記小便器１の排水口
   に嵌合する受体８と、それに装着する蓋１０とか
   らなるサナ７で構成し、前記受体８の周壁には、
   多数の排水孔を穿設し、上部外周には複数の導水
   体１５を、周方向に間隔をおいて平面視で放射状
   に突設すると共に該導水体１５をその外端が小便
   器１の底面上に載るように延出させ、前記蓋１０
   の外周を前記導水体１５上まで覆うように形成す
   ると共に多数の流入孔を設けたことを特徴とする
   小便器用薬剤容器。 ２ 受体８と蓋１０の重合部に係止部を設けた特
   許請求の範囲第１項記載の小便器用薬剤容器。 ３ 蓋１０の相隣る流入孔の隔杆２２をその横断
   面の外側がＶ字状になるように形成した特許請求
   の範囲第１項記載の小便器用薬剤容器。