JPH0574231A - 薄肉高強度ノンハロゲン絶縁電線 - Google Patents

薄肉高強度ノンハロゲン絶縁電線

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JPH0574231A
JPH0574231A JP4025912A JP2591292A JPH0574231A JP H0574231 A JPH0574231 A JP H0574231A JP 4025912 A JP4025912 A JP 4025912A JP 2591292 A JP2591292 A JP 2591292A JP H0574231 A JPH0574231 A JP H0574231A
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halogen
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 着火時に有害ガスの発生がなく、UL規格を
満たす温度定格105℃以上の耐熱老化性を有する薄肉
高強度ノンハロゲン絶縁電線を提供する。 【構成】 導体上にノンハロゲンポリオレフィン系樹脂
組成物が被覆されている絶縁電線において、(1)絶縁
厚さが0.1mm以上1.0mm以下で、(2)初期破
断抗張力が1.06kg/mm2 以上で、(3)垂直難
燃性(VW−1)に合格するもので、(4)105℃グ
レード以上の耐熱老化性を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、着火時に有害ガスの発
生がなく、且つ安全規格であるUL(Underwriters La
boratories)規格を満たす温度定格105℃以上の耐熱
老化性を有する薄肉高強度ノンハロゲン絶縁電線を提供
するものである。
【0002】
【従来の技術】電子計算機、OA機器、車両などの産業
機器用電線、オーディオ、ビデオ、パーソナルコンピュ
ータなどの民生用電子機器類、屋内配線などにおいて
は、燃焼時に有害ガスを発生させずに高い難燃性を有す
ることが求められるようになっている。それに伴い、こ
れらの電線に対しても燃焼時に有害ガスを発生させずに
高い難燃性を有することが求められるようになってい
る。このような要求に応える難燃化の方法としては、ポ
リオレフィン等の熱可塑性樹脂に非ハロゲン系の難燃剤
である水酸化マグネシウムを多量に添加する方法が知ら
れている(特公昭62−181号公報、特公昭57−1
0898号公報)。
【0003】しかしながら、ポリオレフィン等の熱可塑
性樹脂に非ハロゲン系の難燃剤である水酸化マグネシウ
ムを多量に添加して難燃化した樹脂組成物は、絶縁電線
に応用した場合、初期抗張力が小さく、しかも熱老化後
の物性が著しく低下するなどの問題があった。例えば、
UL規格におけるポリオレフィン系絶縁電線の場合、初
期破断抗張力は1.06kg/mm2 以上、また、熱老
化試験後の試料の破断抗張力残率は70%以上、伸び残
率は65%以上と定められている。
【0004】ところが、上記ポリオレフィン系樹脂に水
酸化マグネシウムを多量に添加して難燃化した樹脂組成
物を使用して絶縁電線にした場合、初期抗張力が1.0
6kg/mm2 以上を満足せず、それに加え、UL10
5℃定格(136℃、7日熱老化試験後の破断抗張力残
率≧70%、伸び残率≧65%且つ、113℃、60日
熱老化試験後の破断抗張力残率≧70%、伸び残率≧6
5%)やUL125℃定格(158℃、7日熱老化試験
後の破断抗張力残率≧70%、伸び残率≧65%且つ、
136℃、60日熱老化試験後の破断抗張力残率≧70
%、伸び残率≧65%)といった耐熱老化性までをも満
足させるものは知られていない。
【0005】また、難燃性に関しては、Subject 758 に
記載される垂直燃焼試験( VW−1試験) に合格するも
のであることが規定されている。VW−1試験とは、垂
直に立てた電線に下部よりバーナーの炎を当てた時、6
0秒以内に消火し、燃焼物の落下によって電線の下に敷
いた脱脂綿が燃えたり、電線の上部に取り付けたクラフ
ト紙が燃えたり焦げたりしてはならない試験であり、こ
のバーナーによる着火を同一試料について5回繰り返す
ものである。
【0006】垂直燃焼試験には、樹脂組成物のシート状
成形物についての燃焼性を調べるUL44試験がある
が、UL44試験の垂直燃焼性に適合する組成物であっ
ても、絶縁電線とし、VW−1試験を行うと必ずしも合
格になるとは限らない。また、材料自体の燃焼性を調べ
る指標としては、OI値(限界酸素指数;材料を酸素と
窒素との混合気体中で燃焼させた場合、燃焼を持続する
に必要な最低の酸素濃度)があり、OI値が大きい材料
ほど燃えにくく、一般的には、OI値で25以上の材料
は難燃性の材料とされている。
【0007】しかし、OI値が25以上の材料を絶縁被
覆とした絶縁電線も、必ずしもVW−1試験に合格する
とは限らない。VW−1試験においては、絶縁材自体の
難燃性に加え、絶縁電線の外径や、絶縁被覆の厚みと導
体外径のバランス等によって合否が左右される場合が多
く、絶縁電線の外径が大きく、しかも、導体外径が大き
く、絶縁被覆厚みが薄いものほど合格率が向上する傾向
がある。
【0008】UL規格に準拠する機器内配線用の絶縁電
線は、通常、30V定格で絶縁厚みは0.15mm以
上、300V定格で0.4mm以上、600V定格で
0.8mm以上と最小被覆厚みが定められており、ま
た、機器内配線用の絶縁電線は、配線の引き廻しを容易
にするため、絶縁電線の外径はできるだけ細いことが好
ましく、導体も特殊な場合を除いて、凡そ1.0mmφ
以下の細いものが使用される(住友電工(株)発行「住
友電工の電子ワイヤー製品要覧」13頁参照)。
【0009】ところが、導体外径が1.0mmφ以下
で、しかも絶縁被覆の厚みが0.1mm以上1.0mm
以下でVW−1試験に合格し、しかも初期破断抗張力等
の機械的強度や熱老化特性まで満足するハロゲンを含ま
ないポリオレフィン絶縁電線は、これまで知られていな
かった。そのため、火災防止等の安全面を重視する分野
においては、ハロゲン含有の難燃絶縁電線を使用せざる
を得ず、無公害化へのネックとなっていた。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の初期抗
張力などの機械的物性、耐熱老化性、難燃性等につい
て、UL規格等の安全規格の要求に満足する薄肉で高強
度のノンハロゲン絶縁電線を提供するこを特徴とし、火
災防止等の安全性を確保しながら、無公害を達成しよう
とするものである。その発明の要旨は:
【0011】導体上にはハロゲンを含まないポリオレフ
ィン系樹脂組成物が被覆されている絶縁電線において、
(1)絶縁厚さが0.1mm以上1.0mm以下で、
(2)初期破断抗張力が1.06kg/mm2 以上で、
(3)垂直難燃性(VW−1)に合格するもので、
(4)105℃グレード以上の耐熱老化性を有する、薄
肉高強度ノンハロゲン絶縁電線に関する。
【0012】そして、その具体的手段としては、 熱可塑性樹脂100重量部に対し、水酸化マグネシ
ウムを100重量部以上250重量部以下、一般式
〔I〕:
【0013】
【化1】 ( ただし、Rはメタクリル基もしくはアクリル基を含
有するアルキル基であり、Y1 、Y2 、Y3 はアルキル
基、アルコキシ基、ハロゲン基からなる群より選ばれた
原子団を表す。)で示される有機ケイ素化合物を1重量
部以上10重量部以下の割合で添加して混合してなる樹
脂組成物を作製し、これを導体上に被覆してなる絶縁電
線に関し、また、
【0014】 上記樹脂被覆層に電離性放射線が照射
されてなる絶縁電線に関するし、さらに、 上記樹脂組成物の製造に際し、一般式〔I〕で示さ
れる有機ケイ素化合物をポリオレフィン系樹脂と、表面
処理を施していない水酸化マグネシウムを熱溶融混練す
る際に、添加することを特徴とする、絶縁電線に関する
ものである。
【0015】以下に本発明を詳細に説明する。本発明に
使用するポリオレフィン系樹脂としては、ポリエチレ
ン、エチレン−αオレフィン共重合体、エチレン−プロ
ピレン系熱可塑性エラストマー、エチレン−酢酸ビニル
共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチ
レン−メチルメタクリレート共重合体、エチレン−メタ
クリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合
体などを例示でき、単一または混合物を使用できる。
【0016】また、一般式〔I〕で示される有機ケイ素
化合物としては、γ−メタクリロキシプロピルトリメト
キシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシ
シラン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−メタクリロキシプロピルジメトキシメチルシラ
ンなどを例示できる。
【0017】また、水酸化マグネシウムとしては、表面
処理を施しておらず、平均粒子径が凡そ0.1〜3μm
の範囲にあるものが好ましくは使用でき、シラン類など
のカップリング剤や脂肪酸、脂肪酸塩類等で表面処理し
たものは適当でない。本発明において、一般式〔I〕で
示されるケイ素化合物の添加量は、ポリオレフィン系樹
脂100重量部に対し、1重量部以上10重量部以下
が、UL規格値の初期破断抗張力の1.06kg/mm
2 以上を満足するのに好ましい範囲であり、1重量部未
満では初期破断抗張力の改善効果が得られ難く、10重
量部以上では難燃性に悪影響を与える。
【0018】本発明において、電離性放射線の照射線量
は、例えば電子線の場合、3〜50Mrad、好ましく
は5〜25Mradの照射線量に設定すれば良い。この
照射線量が3Mrad以下では初期破断抗張力の改善効
果が小さく、50Mrad以上では初期破断抗張力が却
って低下する。
【0019】本発明においては、電離放射線の照射時の
架橋効率を高めるために、必要に応じて、架橋助剤をポ
リオレフィン系樹脂に添加しても良い。該架橋助剤とし
ては、例えばトリメチロールプロパントリメタクリレー
ト、ペンタエリスリトールトリアクリレート、エチング
リコールジメタクリレート、トリアリルシアヌレート、
トリアリルイソシアヌレートなどを挙げることができ
る。
【0020】さらに、本発明に用いる組成物には、従来
から使用されている各種の熱安定剤、紫外線吸収剤、滑
剤、酸化防止剤、着色剤、発泡剤、加工安定剤、有機
性、無機性の各種充填剤などの添加剤を添加することが
できる。
【0021】本発明の組成物の製造には 、単軸押出
機、多軸押出機、バンバリーミキサー、ロール、ニーダ
ー、加熱可能なヘンシェルミキサータイプの高速流動混
合機等が使用可能であり、一般式〔I〕の有機ケイ素化
合物を、ポリオレフィン樹脂と表面処理を施していない
水酸化マグネシウムの溶融混練時に添加することが好ま
しい。
【0022】本発明でいう薄肉の絶縁電線とは、UL規
格に準拠する機器配線用絶縁電線において、薄肉絶縁電
線として通常知られている範囲の厚みの絶縁電線を指
し、この厚みは通常0.1mm以上1.0mm以下程度
であるのが普通である。導体上への樹脂組成物の被覆に
関しては、溶融押出被覆などの技術を適用可能であり、
0.1mm以上1.0mm以下の厚みで押出被覆の後、
電子線等の電離性放射線を照射すれば、本発明の薄肉高
強度ノンハロゲン絶縁電線が得られる。0.1mm未満
の厚みでは薄すぎて通常耐電圧が実用に耐えず、また厚
みが厚すぎると導体径の細い機器配線用電線の場合に、
難燃性に問題を生じるようになる。
【0023】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明するが、こ
れらは本発明の範囲を制限しない。なお、実施例及び比
較例に用いたポリオレフィン系樹脂の略称は以下のもの
である。 EVA:エチレン−酢酸ビニル共重合体 EEA:エチレン−アクリル酸エチル共重合体
【0024】(実施例1〜7)表1〜2の実施例1〜7
に示した配合比の材料を混合し、導体(0.8φ軟銅
線)上に肉厚が0.40mmになるように押出被覆し、
加速電圧1MeVの電子線を照射して試料を作製した。
材料の混合は120℃に加熱した8インチオープンロー
ルミキサーを使用し、ポリオレフィン系樹脂、フィラー
類、有機ケイ素化合物、酸化防止剤などを同時に添加
し、混練した。
【0025】押出被覆材料の初期破断抗張力、初期破断
伸び、体積固有抵抗、難燃性(垂直燃焼試験:VW−1
試験:n=5)、ギアオーブン中で158℃、7日間熱
老化を行った試料と、136℃で60日間熱老化した試
料の抗張力残率と伸び残率を測定した。
【0026】
【表1】
【0027】
【表2】
【0028】実施例1〜7では、表1〜2の結果から、
初期破断抗張力は1.06kg/mm2 以上を満たし、
VW−1試験にも合格し、158℃で7日及び136℃
で60日の熱老化試験後の試料の抗張力残率、伸び残率
もそれぞれ70%以上、65%以上を満たしていること
が分かる。
【0029】(実施例8)表3に示した配合比の材料を
実施例1〜7の場合と同様の方法で混合し、導体(0.
80φ軟銅線)上に0.15mmの肉厚で押出被覆し、
加速電圧1MeVの電子線を照射して試料を作製した。
この試料は、初期破断抗張力は1.06kg/mm2
上を満たし、VW−1試験にも合格し、熱老化試験後の
試料の抗張力残率、伸び残率もそれぞれ70%以上、6
5%以上を満たしていることが分かる。
【0030】(実施例9)表3に示した配合比の材料を
実施例1〜7の場合と同様の方法で混合し、導体(0.
80φ軟銅線)上に0.80mmの肉厚で押出被覆し、
加速電圧1MeVの電子線を照射して試料を作製した。
この試料は、初期破断抗張力は1.06kg/mm2
上を満たし、VW−1試験にも合格し、熱老化試験後の
試料の抗張力残率、伸び残率もそれぞれ70%以上、6
5%以上を満たしていることが分かる。
【0031】(実施例10)表3に示した配合比の材料
を実施例1〜7の場合と同様の方法で混合し、導体
(0.80φ軟銅線)上に0.40mmの肉厚で押出被
覆した後、さらにその外周に同一の材料を0.40mm
肉厚で押出被覆した後、加速電圧1MeVの電子線を照
射して試料を作製した。この試料の如く、所定厚みを一
度で被覆しなくても結果として所定の厚みに被覆したも
のであれば、初期破断抗張力は1.06kg/mm2
上を満たし、VW−1試験にも合格し、熱老化試験後の
試料の抗張力残率、伸び残率もそれぞれ70%以上、6
5%以上を満たしていることが分かる。それらの結果を
表3に示した。
【0032】
【比較例】実施例と同様にして表4〜7の比較例1〜1
4に示した配合比で材料を混合し、導体(0.8φの軟
銅線)上に肉厚が0.40mmになるように押出被覆
し、電子線を照射して試料を作製した。押出被覆材料の
初期抗張力、初期伸び、体積固有抵抗、難燃性(垂直燃
焼試験:VW−1試験、n=5)、ギアオーブン中で1
58℃で7日間熱老化を行った試料と、136℃で60
日間熱老化した試料の抗張力残率と伸び残率を測定し
た。それらの結果を表4〜7に示した。
【0033】(比較例1)比較例1は、一般式〔I〕の
有機ケイ素化合物を配合しないものであり、VW−1試
験には合格するが、初期破断抗張力が0.69kg/m
2 とUL規格値を下廻っており、熱老化後の伸び残率
もUL規格値の65%を下廻っている。
【0034】(比較例2)比較例2は、比較例1と同一
の材料で電子線照射を施していないものである。VW−
1試験には合格するが、初期破断抗張力が0.64kg
/mm2 とUL規格値を下廻っており、熱老化後の伸び
残率もUL規格値の65%を下廻っている。
【0035】(比較例3)比較例3は、予めビニル系シ
ランで表面処理した水酸化マグネシウムを使用し、かつ
一般式〔I〕の有機ケイ素化合物であるγ−メタクリロ
キシプロピルトリメトキシシランを混合時に添加した組
成物を使用し、電子線を照射したものである。VW−1
試験には合格するが、初期破断抗張力が0.75kg/
mm2 とUL規格値を下廻っており、熱老化後の伸び残
率もUL規格値の65%を下廻っている。
【0036】(比較例4)比較例4は、予めステアリン
酸で表面処理した水酸化マグネシウムを使用し、かつ比
較例3と同様にγ−メタクリロキシプロピルトリメトキ
シシランを混合時に添加した組成物を使用して電子線を
照射したものである。VW−1試験には合格するが、初
期破断抗張力が0.52kg/mm2 とUL規格値を下
廻っており、熱老化後の伸び残率もUL規格値の65%
を下廻っている。
【0037】(比較例5)比較例5は、予めビニル系シ
ランで表面処理した水酸化マグネシウムを使用し、さら
にクレー及びγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシ
シランを混合時に添加した組成物を使用して電子線を照
射したものである。VW−1試験には合格するが、初期
破断抗張力が0.74kg/mm2とUL規格値を下廻
っており、熱老化後の伸び残率もUL規格値の65%を
下廻っている。
【0038】(比較例6)比較例6は、予めステアリン
酸で表面処理した水酸化マグネシウムを使用し、さらに
クレー及びγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシ
ランを混合時に添加した組成物を使用して電子線を照射
したものである。VW−1試験には合格するが、初期破
断抗張力が0.43kg/mm2 とUL規格値を下廻っ
ており、熱老化後の伸び残率もUL規格値の65%を下
廻っている。
【0039】(比較例7)比較例7は、表面処理してい
ない水酸化マグネシウムを使用し、かつ混合時にγ−メ
タクリロキシプロピルトリメトキシシランを添加した組
成物で電子線の照射を施していないものである。VW−
1試験には合格するが、初期破断抗張力が0.76kg
/mm2 とUL規格値を下廻っており、熱老化後の伸び
残率もUL規格値の65%を下廻っている。
【0040】(比較例8)比較例8は、水酸化マグネシ
ウムの代わりに水酸化マグネシウムと同様にハロゲンを
含まない難燃剤として知られている水酸化アルミニウム
(表面処理なし)を添加した組成物を使用し、電子線を
照射したものである。VW−1試験には合格するが、初
期破断抗張力が0.53kg/mm2 とUL規格値を下
廻っており、熱老化後の伸び残率もUL規格値の65%
を下廻っている。
【0041】(比較例9)比較例9は、水酸化アルミニ
ウム(表面処理なし)を使用し、かつ混合時にγ−メタ
クリロキシプロピルトリメトキシシランを添加した組成
物を使用したものである。VW−1試験には合格する
が、初期破断抗張力が0.58kg/mm2 とUL規格
値を下廻っており、熱老化後の伸び残率もUL規格値の
65%を下廻っている。
【0042】(比較例10)比較例10は、表面処理し
ていない水酸化マグネシウムを使用し、かつ混合時にビ
ニルエトキシシラン(一般式〔I〕の有機ケイ素化合物
には該当しない)を添加した組成物を使用し、電子線を
照射したものである。VW−1試験には合格するが、初
期破断抗張力が0.66kg/mm2 とUL規格値を下
廻っており、熱老化後の伸び残率もUL規格値の65%
を下廻っている。
【0043】(比較例11)比較例11は、表面処理し
ていない水酸化マグネシウムを使用し、かつ混合時にγ
−アミノプロピルトリメトキシシラン(一般式〔I〕の
有機ケイ素化合物には該当しない)を添加した組成物を
使用し、電子線を照射したものである。VW−1試験に
は合格するが、初期破断抗張力が0.48kg/mm2
とUL規格値を下廻っており、熱老化後の伸び残率もU
L規格値の65%を下廻っている。
【0044】(比較例12)比較例12は、表面処理し
ていない水酸化マグネシウムを使用し、かつ混合時にγ
−グリシジルトリメトキシシラン(一般式〔I〕の有機
ケイ素化合物には該当しない)を添加した組成物を使用
し、電子線を照射したものである。VW−1試験には合
格するが、初期破断抗張力が0.67kg/mm2 とU
L規格値を下廻っており、熱老化後の伸び残率もUL規
格値の65%を下廻っている。
【0045】(比較例13)比較例13は、表面処理し
ていない水酸化マグネシウムを使用し、かつ架橋の効率
を高める添加剤として知られているトリメチロールプロ
パントリメタクリレートを併用した組成物を使用し、電
子線を照射したものである。VW−1試験には不合格で
あり、しかも初期破断抗張力が0.73kg/mm2
UL規格値を下廻っており、熱老化後の伸び残率もUL
規格値の65%を下廻っている。
【0046】(比較例14)比較例14は、ビニル系シ
ランで表面処理した水酸化マグネシウムを使用し、かつ
トリメチロールプロパントリメタクリレートを併用した
組成物を使用し、電子線を照射したものである。比較例
13と同様にVW−1試験には不合格であり、しかも初
期破断抗張力が0.68kg/mm2 とUL規格値を下
廻っており、熱老化後の伸び残率もUL規格値の65%
を下廻っている。
【0047】(比較例15)比較例15は、予めγ−メ
タクリロキシプロピルトリメトキシシランで表面処理し
た水酸化マグネシウムを使用し、かつトリメチロールプ
ロパントリメタクリレートを併用した組成物を使用し、
電子線を照射したものである。VW−1試験には合格す
るが、初期破断抗張力が0.83kg/mm2 とUL規
格値を下廻っており、熱老化後の伸び残率もUL規格値
の65%を下廻っている。それらの結果を以下の表4〜
7に示す。
【0048】
【表3】
【0049】
【表4】
【0050】
【表5】
【0051】
【表6】
【0052】
【表7】
【0053】以上のように、EVA樹脂やEEA樹脂な
どのポリオレフィン系樹脂100重量部に対し、表面処
理を施していない水酸化マグネシウムを100重量部以
上250重量部以下、及び一般式〔I〕で示される有機
ケイ素化合物を1重量部以上10重量部以下の割合で添
加して混合してなる樹脂組成物を作製し、これを導体上
に被覆し、電離性放射線を照射することにより、換言す
ると、樹脂組成物の製造方法において、一般式〔I〕で
示される有機ケイ素化合物を、ポリオレフィン系樹脂と
表面処理を施していない水酸化マグネシウムを熱溶融す
る際に、添加して混練した組成物を使用し、電子線等の
電離性放射線を照射することにより、導体径が1.0m
mφ以下であっても、絶縁厚みが0.1mm以上1.0
mm以下の範囲で、初期破断抗張力が1.06kg/m
2 以上で、VW−1試験に合格する垂直難燃性で、1
05℃グレード以上の耐熱老化性を有するノンハロゲン
絶縁電線が得られる。
【0054】
【発明の効果】本発明によると、温度定格105℃グレ
ード維持用の耐熱老化性のUL規格に合格するノンハロ
ゲン絶縁電線を得ることができ、電子計算機、OA機
器、オーディオ、ビデオなどの民生用電子機器類、車
両、船舶などの内部配線に使用し、これらの分野におけ
る火災防止等の安全性を確保しながら、有害ガスの発生
もなくすることができ、無公害化に有用である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導体上にはハロゲンを含まないポリオレ
    フィン系樹脂組成物が被覆されている絶縁電線におい
    て、 (1)絶縁厚さが0.1mm以上1.0mm以下で、 (2)初期破断抗張力が1.06kg/mm2 以上で、 (3)垂直難燃性(VW−1)に合格するもので、 (4)105℃グレード以上の耐熱老化性を有すること
    を特徴とする、薄肉高強度ノンハロゲン絶縁電線。
JP4025912A 1991-04-19 1992-01-17 薄肉高強度ノンハロゲン絶縁電線及びその製造方法 Expired - Lifetime JP2525982B2 (ja)

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