JPH0573900U - インバータ式ｘ線高電圧装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】電源において電力の小さなものを用いることが
できる。 【構成】インバータおよび変圧器を介して昇圧された電
源をＸ線管球に供給するインバータ式Ｘ線高電圧装置に
おいて、前記インバータに供給される電源として別個に
内部抵抗の小さいバッテリを設け、撮影時にのみ該バッ
テリからの電源を用いるようにした。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、インバータ式Ｘ線高電圧装置に係り、特に、その電源部の改良に関 するものである。

【０００２】

【従来の技術】

インバータ式Ｘ線高電圧装置は、まず、単相もしくは３相電源を整流して平滑 し、出力管電圧に応じて電圧調整した後、インバータにより交流に変換するよう になっている。そして、変換された交流を高電圧変圧器により昇圧し、整流して Ｘ線管に印加するようになっている。

【０００３】 このようなＸ線高電圧装置は、フィードバック制御をすることにより、Ｘ線出 力制御を精度よくかつ正確に行うことができるという特徴を有する。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、Ｘ線診断装置は、透視を行う場合と撮影を行う場合とがあり、それぞ れの場合において、Ｘ線管に流す電流値が異なっている。 すなわち、Ｘ線管に印加する電圧値は、透視および撮影のいずれにおいても、 ８０ｋＶ〜１００ｋＶであるが、流れる電流値は透視の場合が約１ｍＡ程度であ るのに対して撮影の場合が３００ｍＡ〜８００ｍＡと大きく異なる。

【０００５】 このことから撮影に要する電力が大きく、たとえば電源として商用電源を用い るにしても、該電源の側に備えられる変圧器において容量の大きなものを用意し なければならないといった問題点を残していた。

【０００６】 本考案は、このような事情に基づいてなされたものであり、その目的とすると ころのものは、電力の小さな電源で済むインバータ式Ｘ線高電圧装置を提供する ことにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

このような目的を達成するために、本考案は、基本的には、インバータおよび 変圧器を介して昇圧された電源をＸ線管球に供給するＸ線高電圧装置において、 前記インバータに供給される電源として別個に内部抵抗の小さいバッテリを設け 、撮影時にのみ該バッテリからの電源を用いるようにしたことを特徴とするもの である。

【０００８】

【作用】

このように構成したインバータ式Ｘ線高電圧装置は、撮影時にのみ内部抵抗の 小さいバッテリからの電源でＸ線管球を駆動させようとするものである。 内部抵抗の小さいバッテリは、瞬時に大電流を取り出せる性質を有しているこ とから、透視時に比べて大電流を要する撮影時において有効にＸ線管球を駆動さ せることができる。なお、このように直流電源であるバッテリを電源として用い ることができるのは、交流に変換するインバータを備えているからである。

【０００９】 したがって、該バッテリ以外の電源にあっては透視時において用いられ、この 透視時の電力は小さくて済むことから、該電源は電力の小さいもので足りること になる。

【００１０】

【実施例】

図１は、本考案によるインバータ式Ｘ線高電圧装置の一実施例を示すブロック 図である。

【００１１】 同図において、まず、商用電源からの電源は充電回路１に供給されるようにな っている。この充電回路１は次段において本実施例で特に接続されるバッテリ２ を充電するための制御された直流電圧を供給するための回路となっている。そし て、具体的には、図２に示すように、４個のダイオードをブリッジ接続した整流 回路１１、この整流回路１１によって整流された電圧を常時一定電圧にして取り 出すための電圧制御回路１２、およびこの電圧制御回路１２からの一定電圧を充 電するためのコンデンサ１３とから構成されている。

【００１２】 そして、このような構成からなる充電回路１からの電圧は透視時におけるスイ ッチ２９のＯＮによりインバータ３に印加されるようになっている。このインバ ータ３は、充電回路１からの直流電圧を交流電圧に変換するととともに、共振現 象を利用して電力を制御するようになっている。

【００１３】 なお、透視時におけるスイッチ２９は、透視撮影切替回路２０によってＯＮさ れるものであり、前記充電回路１からの電圧がそのままインバータ３に印加され るようになっている。 インバータ３からの出力である交流電圧は変圧器４に印加され、この変圧器４ によって該交流電圧が昇圧されるようになっている。

【００１４】 そして、変圧器４によって昇圧された交流電圧は整流回路５によって整流され 、この結果直流電圧に変換されるようになってＸ線管装置６に印加されるように なっている。

【００１５】 また、該Ｘ線管装置６の各電極間には管電圧検出器７が介在され、その管電圧 Ｖｏに対応する出力はフィードバック制御装置８に入力され、目標管電圧Ｖｒが 出力されるように前記インバータ３が制御されるようになっている。なお、該フ ィードバック制御装置８には、前記目標管電圧Ｖｒに対応する入力を設定できる ようになっている。

【００１６】 そして、さらに、本実施例では、特に前記充電回路１とインバータ３との間に 撮影時にのみ電源が供給される充電型バッテリ２が備えられている。

【００１７】 この充電型バッテリ２は、互いに並列接続された２個の充電型バッテリ（１） ２ａおよび充電型バッテリ（２）２ｂから構成されている。そして、これら各充 電型バッテリ（１）２ａおよび充電型バッテリ（２）２ｂのそれぞれの入出力側 にはスイッチ２１ａ、２２ａ、およびスイッチ２１ｂ、２２ｂがあり、これら各 スイッチ２１ａ、２２ａ、およびスイッチ２１ｂ、２２ｂはバッテリ切替回路２ ５によって切替られるようになっている。

【００１８】 すなわち、バッテリ（１）２ａの電源がインバータ３に供給される際には、そ の出力側のスイッチ２２ａはＯＮとなり、また入力側のスイッチ２１ａはＯＦＦ となっている。一方、バッテリ（２）２ｂは前記充電回路１から充電がなされて おり、このため、その入力側のスイッチ２１ｂはＯＮとなり、出力側のスイッチ ２２ｂはＯＦＦとなっている。

【００１９】 このようにバッテリ２が２個のバッテリ２ａ、２ｂで構成されているのは、一 方のバッテリに電力供給が消失した場合、即、他方のバッテリで電力供給しよう とするものであり、このような判断はインバータ３の入力端子間に設けられた電 圧検出器２６で行うようになっている。電圧検出器２６により検出したバッテリ 値が一定値を下回った際にはバッテリの電力供給が消失したと判断し他方のバッ テリからの電力供給を行うよう前記バッテリ切替回路２５に信号を送出するよう になっており、これによりバッテリ切替回路２５は上述した各スイッチ２１ａ、 ２２ａ、２１ｂ、および２２ｂをそれぞれ切替るようになっている。

【００２０】 なお、該バッテリ（１）２ａおよびバッテリ（２）２ｂのいづれか一方の電力 がインバータ３に供給されるのは透視撮影切替回路２０によって撮影時に切替る スイッチ２８がＯＮしているときである。なお、該スイッチ２８がＯＮしている 際には前記スイッチ２９はＯＦＦになっているという関係にある。

【００２１】 このように構成したインバータ式Ｘ線高電圧装置は、撮影時にのみ内部抵抗の 小さいバッテリ２からの電源でＸ線管装置６を駆動させようとするものである。 内部抵抗の小さいバッテリ２は、瞬時に大電流を取り出せる性質を有している ことから、透視時に比べて大電流を要する撮影時において有効にＸ線管装置６を 駆動させることができる。

【００２２】 したがって、該バッテリ２以外の電源にあっては透視時において用いられ、こ の透視時の電力は小さくて済むことから、該電源は電力の小さいもので足りるこ とになる。

【００２３】 上述した実施例では、電源として商用電源を用いたものとなっているが、これ に限定されることはなく、たとえば、図３に示すように、車両のエンジン３１の 駆動に伴って駆動する発電機３２から整流回路１１、電圧制御回路１２を介して 電源を取り出すようにしてもよいことはいうまでもない。

【００２４】

【考案の効果】

以上説明したことから明らかなように、本考案によるインバータ式Ｘ線高電圧 装置によれば、その電源において電力の小さなもので済ませることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案によるインバータ式Ｘ線高電圧装置の一
実施例を示したブロック構成図である。

【図２】図１に示した充電回路の詳細を示した回路図で
ある。

【図３】本考案によるインバータ式Ｘ線高電圧装置の電
源部における他の実施例を示した説明図である。

【符号の説明】

２ バッテリ ３ インバータ ４ 変圧器 ６ Ｘ線管装置 ２０ 透視撮影切替回路

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】インバータおよび変圧器を介して昇圧され
   た電源をＸ線管球に供給するインバータ式Ｘ線高電圧装
   置において、前記インバータに供給される電源として別
   個に内部抵抗の小さいバッテリを設け、撮影時にのみ該
   バッテリからの電源を用いるようにしたことを特徴とす
   るインバータ式Ｘ線高電圧装置。