JPH0573470B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、多孔板により閉鎖された鐘状の終端
部を有するケーシングと、選択的に強水流使用と
弱水流使用に切換える切換装置と、弱水流使用で
流水に空気を添加する装置とを備えたシヤワーヘ
ツドに関するものである。

〔従来の技術及び発明が解決しようとする問題点〕

多孔板の多数の水流出口から選択的に強水流あ
るいは気泡の混入した弱水流が流出するハンデイ
シヤワーヘツドが知られている。強水流と弱水流
の切換は、水の流れ方向において多孔板の前に取
り付けた板を回動させることによつて行われる。
この回動を行うときに、ふるい状のもので覆われ
それによつて弱水流を生じさせる１セツトの孔
か、あるいはふるい状のもので覆われていない１
セツトの通過孔かを選択的にヘツドプレートの水
流出孔の前へ取り付けることができる。この種の
構造の場合には、水路は強水流でも弱水流でも弱
水流でも同じである。流水に空気を添加する装置
は、実際に多孔板の面積と同じ面積を有する。し
たがつて比較的大型であり、無駄が多かつた。強
水流用も弱水流用も多孔板の流出口は同じであ
り、したがつて数も同じであるので、どちらの水
流使用の場合にも単純に切り換えだけ（量の再調
節なし）では流出する水量はほぼ同じである。し
たがつて利用者に快適な強水流用に量を調節する
と、弱水流に切り換えた後は水流がうまくしずく
状になつて出ないという結果になつてしまう。逆
に、弱水流使用で水量を空気と水流が良好に混合
されるように調節した場合には、強水流使用の強
水流は、利用者には強すぎてしまう。

以前の未公開の西独国特許出願P33 35756.0に
おいては、弱水流を形成するために市販の空気噴
射器を多数挿入することが提案されている。この
種の構造は値段は比較的手頃であるが、次のよう
な欠点を有する。すなわち弱水流の数が限定さ
れ、また利用者にとつて使い慣れたシヤワーヘツ
ドの形状が具合の悪いものとなつてしまう。

本発明の課題は、冒頭に述べた種類のシヤワー
ヘツドを、弱水流使用において水に空気を添加す
る装置をさらに単純化しかつ安価にすることがで
きるように改良することである。

〔問題点を解決するための手段〕

上記の課題は本発明によれば次のような構成に
より解決される。すなわち、 (a) 切換装置が流水を２つの完全に分離された水
路に選択的に導き、 (b) それぞれの水路が分水室を有し、該分水室は
多孔板とほぼ平行に延びており、 (c) それぞれの分水室が多孔板内で別のセツトの
流出口と連通しており、 (d) 水に空気を添加する装置が弱水流使用に供さ
れる水路のほぼ中央で、対応する分水室の前に
配置されていて、多孔板の水流出の水流出面よ
りも少面積である、 ような構成としてある。

〔作用〕

本発明の基礎をなすものは、次のような考え方
である。すなわち、従来広く採用されていた、弱
水流は水に空気を添加する装置から直線的に流出
しなければならないという考えに対して、シヤワ
ーの内部で水の方向をもう１回あるいはそれ以上
変化させても弱水流使用における水と空気の分離
は生じない、ということである。したがつて本発
明では、弱水流使用について、水に空気を添加す
るために、比較的小面積面で、したがつて適切な
価格の中心的な装置を設け、そこから弱水流使用
において水を分水室を介して多孔板に対応する流
出面に“広げる”。ここで、「中心的」という意味
は、一般的にこの幾何学的配置が好都合であつて
も、必ずしも“中央”である必要はない。“中心”
というのは、まずシヤワーの内部で空気の添加が
ある程度“集中化されている”、したがつて比較
的小さい装置にまとめられているということを示
しているだけである。

切換装置に、二重バルブコーンが設けられてい
ることが好ましい。

２個の分水室の一方が直接多孔板に隣接してい
る場合、他方の分水室が仕切材によつて第１の分
水室と分離されていて多孔板から離れている場
合、及び多数の貫流ケースが設けられていてこの
貫流ケースが第１の分水室を通過し第２の分水室
と多孔板の外側との間を連通させている場合に、
シヤワーヘツドは幾何学的に極めて好ましく形成
される。

この場合に、貫流ケースは仕切材と一体に形成
してもよい。

本発明の特に重要な特徴によれば、貫流ケース
の自由端部はそれぞれの多孔板の孔中に突出して
おり、自由端部の直径は多孔板の孔の内側に環状
の間隙が形成されるように多孔板の孔の直径より
も小さくなつていて、この環状の間隙を介して水
が第１の分水室から流出することができる。この
ようにして、上述の意味で第１の“セツト”に属
する水流出口が、第２の“セツト”に属する水流
出口を同心状に包囲する。したがつて両方の“セ
ツト”には幾何学的に非常に類似した型で同数の
水流出口が含まれているので、強水流使用と弱水
流使用に切り換えても個々の水流の位置は見た目
にはほとんど変化がない。

仕切板はその中央部分において、多数の通過孔
を有する環状壁を介して多孔板に支えられてい
る。

水に空気を添加する装置は、好ましくはトレイ
の孔内に配置され、半径方向の吸気溝を介してト
レイとケーシングの間の環状の間と連通してお
り、この環状の間隙自体は外気と連通している。

水に空気を添加する装置は、市販の空気噴射器
であつてもよい。この種の空気噴射器は極めて大
量に製造されており、比較的安価である。さらに
交換が随時簡単にできる。

この空気噴射器は、トレイの孔中に突出してい
る仕切板の円筒状のカラーによつて支持すること
もできる。

しかしまた、水に空気を添加する装置は、トレ
イの孔を仕切る多孔板であつてもよい。この種の
多孔板（トレイと一体に形成することもできる）
は、所望の弱水流効果を得るのに十分であること
は驚くほど明白になつている。水に空気を添加す
る装置をこのように形成することが特にコスト的
に好ましいことは、もちろんである。

仕切材の円筒状のカラーがトレイの孔中に多孔
板から少し離れた位置まで突出している場合に
は、噴射弁効果が生じ、これによつて流水への空
気の添加が増大される。

〔実施例〕

次に、図面を参照して本発明の実施例を詳細に
説明する。

図に示すハンデイシヤワーヘツドにはプラスチ
ツクケーシング１が公知の方法で設けられてお
り、このケーシング１は一部のみ図示されている
グリツプ２から鐘形の終端部３へ続いている。そ
してグリツプ２は導水室４を包囲している。

鐘状終端部３の内部空間には、後段で詳述する
ようなトレイ５が挿入されており、このトレイは
２個のＯリング６，７によつてケーシング１の壁
に密着されている。トレイ５は、多数の孔９を有
する多孔板８によつてケーシング１内に保持され
ている。さらに多孔板８とトレイ５との間には仕
切材１０が挾持されている。この仕切材について
も後段で詳述する。多孔板８、仕切材１０、及び
トレイ５は３個のねじ１１によつてケーシング１
に固定されており、これらのねじはＯリングで密
封され、仕切材１０とトレイ５を貫通して延びて
いる。

トレイ５の中央部分（第１図）には、下方へ向
かつて拡幅する段付孔１２が設けられており、こ
の段付孔中に市販の空気噴射器１３が下方から導
入されている。この空気噴射器１３の上部は段付
孔１２の環状肩部に、そして下部は仕切材１０の
円筒状カラー１４に接しており、このカラーは段
付孔の幅広の領域へ嵌入され、Ｏリングによつて
壁に密着されている。

半径方向に延びるの吸気溝２１によつて段付孔
１２の空気噴射器１３の領域がトレイ５の周面と
半径方向に連通されており、さらにそこからトレ
イ５の周面および多孔板８の周面とケーシング１
との間に位置する環状の隙間２２を介して外気と
連通されている。

段付孔１２に対して軸平行に、そしてグリツプ
２の方向へ位置をずらせて、第２の段付孔１５が
トレイ５内に設けられており、この段付孔の幅広
領域は半径方向の溝１６を介して導水室４と連通
している。この段付孔１５の環状肩部は、二重バ
ルブコーン１７の第１の弁座を形成している。二
重バルブコーン１７と協働する第２の弁座は、弁
座部分１８によつて形成されており、この弁座部
分は上方から段付孔１５の幅広部中に挿入され、
Ｏリングによつて幅広部に対して径方向に密着さ
れており、トレイ５によつてケーシング１の肩部
に押圧されている。弁座部分１８を貫通する孔１
９は、段付孔１５に対して同軸状に延びており、
その直径は段付孔１５の狭幅部の直径と同じであ
る。

鐘状のケーシング終端部３の内側空間は、弁座
部分１８の孔１９の上端部とトレイ５の段付孔１
２の上端部とを連通するオーバーフロー室２０が
形成されるように切り欠かれている。

トレイ５の下方の端面は、この端面と仕切材１
０との間に第１の分水室２３が形成されるように
切り欠かれている。

二重バルブコーン１７は弁棒２４を介して操作
され、この弁棒はケーシング１の孔２５を貫通し
て密封導入されており、端部は丸いヘツド２６に
なつている。弁棒２４のヘツド２６は操作部材２
７の下側に設けられた対応する収容開口部中に嵌
入される。この操作部材２７は、ケーシング１の
一体成形されたカラー２８の上へかぶせられてお
り、カラー２８の上方へ突出した領域29を支点に
シーソー反転を行うことができる。

仕切材１０に，、前述のカラー１４の他に、一
体成形された多数の貫流ケース３０が設けられて
おり、これら貫流ケースの狭い円筒状の首部３１
ａが多孔板８の孔９中に延びている。貫流ケース
３０の首部３１ａの直径は多孔板８の孔９の直径
よりもやや小さいので、各孔とそこに設けられた
対応する貫流ケース３０の首部３１ａとの間に環
状の間隙３２が形成される。

仕切材１０は縁だけでなく中央領域でも環状壁
３３によつて多孔板８に支えられており、この環
状壁中において多数の通過孔３４により、段付孔
１２の空気噴射器１３の下方の領域と、仕切材１
０と多孔板８の間にあつて貫流ケース３０が貫通
する分水室３５とが連通されている。

上記のハンデイシヤワーヘツド内部の水の流れ
と動作態様は次の如くである。

二重バルブコーン１７が第１図に示す位置にあ
るときには、ハンデイシヤワーヘツドは弱水流使
用に調整されている。この場合に水は導水室４か
ら半径方向の溝１６を介して段付孔１５の幅広部
へ流れ、そこから弁座部分１８の孔１９、オーバ
ーフロー室２０及び段付孔１２の幅狭部を介して
空気噴射器１３へ流れる。ここで、吸気溝２１と
隙間２２を介して外気から空気噴射器１３へ導か
れた空気が添加される。

空気を添加されたしずく状の水は仕切材１０の
カラー１４中へ流入し、そこから環状壁３３の通
過孔３４を介して分水室３５へ流入する。そして
ここから、空気と水に分離することなく、多孔板
８の孔９中の多数の環状間隙３２を介して弱水流
となつて流出する。

ハンデイシヤワーヘツドを強水流使用にしたい
場合には、操作部材２７をシーソー反転させて二
重バルブコーン１７を上方へ移動させ、弁座部分
１８のところに形成される弁座へ着座させる。す
ると水は導水室４から半径方向溝１６を通つて段
付孔１５の広幅部へ流れ、そこから段付孔１５の
狭幅部を介して上方の分水室２３へ流れる。そこ
から水は貫流ケース３０の内孔３１を介して、空
気を添加しない強い水流になつて多孔板９から流
出する。

第４図に示すハンデイシヤワーヘツドのもう１
つの実施例は、第１図〜第３図を用いて上述した
実施例とほとんど同じものである。従つて以下に
おいては２つの実施例で相異なる特徴だけを説明
する。第４図に示す実施例の部材が第１図〜第３
図に示す実施例と同じ場合には同じ符号に１００
を加えて示す。

第１図において水に空気を添加する装置は段付
孔１２中に導入されている中央の市販の空気噴射
器１３であつたが、第４図においてはトレイ１０
５の中央の孔１１２が下方へ向かつて開いたブラ
インド孔として形成されている。このブラインド
孔１１２の上部は、トレイ１０５の多孔板１４０
として形成されている一体部分によつて覆われて
いる。仕切材１１０のカラー１１４は円筒状の首
部として上方へ、そしてブラインド孔１１２中へ
深く、多孔板１４０の直前まで延びている。

シヤワーヘツドが弱水流使用状態の場合、水は
オーバーフロー室１２０を介して多孔板１４０を
通つて流れ、ふるいの場合と同じように多数の分
水流に分割される。この分水流に、カラー１１４
の噴射弁作用により吸気溝１２１と環状隙間１２
２を介して導入される空気が添加される。第１の
実施例の場合と同様に“しずく状”の水は仕切材
１１０の下方に位置する分水室１３５へ導かれ、
多孔板１０８内の環状間隙１３２を介して流出す
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は第２図の−線に沿つた断面図、第
２図はハンデイシヤワーヘツドの水の出口側の下
面図（グリツプ部分は一部破断）、第３図は第１
図の部分拡大図、第４図は本発明の第２の実施例
の第１図と同様の断面図である。 １……ケーシング、２……グリツプ、３……終
端部、４……導水室、５……トレイ、６，７……
Ｏリング、８……多孔板、９……孔、１０……仕
切材、１１……ねじ、１２……段付孔、１３……
空気噴射器、１４……カラー、１５……段付孔、
１６……半径方向溝、１７……二重バルブコー
ン、１８……弁座部分、１９……孔、２０……オ
ーバーフロー室、２１……吸気溝、２２……環状
隙間、２３……分水室、２４……弁棒、２７……
操作部材、３０……貫流ケース、３１……内孔、
３１ａ……首部、３２……環状間隙、３３……環
状壁、３４……通過孔、３５……分水室、１０５
……トレイ、１１０……仕切材、１１２……孔、
１１４……カラー、１２１……吸気溝、１２２…
…環状間隙、１２３……分水室、１３２……環状
隙間、１３５……分水室、１４０……多孔板。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 多孔板によつて閉鎖されている鐘状の終端部
   を有するケーシングと、選択的に強水流使用と弱
   水流使用とを切り換える切換装置と、弱水流使用
   において流水に空気を添加する装置とを備えたシ
   ヤワーヘツドにおいて、 (a) 切換装置１７；１１７が流水を完全に分離さ
   れた２つの水路へ選択的に導くこと、 (b) それぞれの水路が分水室２３，３５；１２
   ３，１３５を有し、該分水室は多孔板８；１０
   ８とほぼ平行に延びていること、 (c) それぞれの分水室２３，３５；１２３，１３
   ５が多孔板８；１０８内で別のセツトの流出口
   ３１，３２；１３１，１３２と連通しているこ
   と、 (d) 水に空気を添加する装置１３；１４０が、弱
   水流使用に供される水路のほぼ中央に集中して
   設けられ、かつ対応する分水室３５；１３５の
   前に配置されていて、多孔板８；１０８の水流
   出面よりも小面積であること、 を特徴とするシヤワーヘツド。 ２ 切換装置１７；１１７は二重バルブコーンを
   備えていることを特徴とする特許請求の範囲第１
   項に記載のシヤワーヘツド。 ３ ２つの分水室の一方３５，１３５が直接多孔
   板８；１０８に隣接していること、他方の分水室
   ２３；１２３が仕切材１０；１１０によつて第１
   の分水室３５；１３５と分離されていて多孔板
   ８；１０８から離れていること、及び多数の貫流
   ケース３０；１３０が設けられていてこれら貫流
   ケースが第１の分水室を貫通して第２の分水室２
   ３；１２３と多孔板８；１０８の外側との間を連
   通させることを特徴とする特許請求の範囲第１項
   あるいは第２項に記載のシヤワーヘツド。 ４ 貫流ケース３０；１３０が仕切材１０；１１
   ０と一体的に形成されていることを特徴とする特
   許請求の範囲第３項に記載のシヤワーヘツド。 ５ 貫流ケース３０；１３０の自由端部がそれぞ
   れ多孔板８；１０８の孔９；１０９中に突出して
   おり、該自由端部３１ａの直径が多孔板８；１０
   ８の孔９；１０９の直径よりも小さく、これによ
   り多孔板８；１０８の孔９；１０９の内側に環状
   間〓３２；１３２が形成され、該環状間〓を介し
   て水が第１の分水室３５；１３５から流出できる
   ことを特徴とする特許請求の範囲第３項あるいは
   第４項に記載のシヤワーヘツド。 ６ 仕切材１０の中央部分が、多数の通過孔３４
   を有する環状壁３３を介して多孔板８に支持され
   ていることを特徴とする特許請求の範囲第３項〜
   第５項のいずれか１項に記載のシヤワーヘツド。 ７ 水に空気を添加する装置１３；１４０がトレ
   イ５；１０５の孔１２；１１２内に配置されてい
   て半径方向の吸気溝２１；１２１を介してトレイ
   ５；１０５とケーシング１；１０１の間の環状〓
   間２２；１２２と連通しており、この環状〓間自
   体は外気と連通していることを特徴とする特許請
   求の範囲第１項〜第６項のいずれか１項に記載の
   シヤワーヘツド。 ８ 水に空気を添加する装置が市販の空気噴射器
   １３であることを特徴とする特許請求の範囲第７
   項に記載のシヤワーヘツド。 ９ 空気噴射器１３が、トレイ５の孔１２中に突
   出する、仕切材１０の円筒状のカラー１４によつ
   て支えられていることを特徴とする特許請求の範
   囲第８項に記載のシヤワーヘツド。 １０ 水に空気を添加する装置が、トレイ１０５
   の孔１１２を仕切る多孔板１４０であることを特
   徴とする特許請求の範囲第１項〜第６項のいずれ
   か１項に記載のシヤワーヘツド。 １１ 多孔板１４０がトレイ１０５と一体である
   ことを特徴とする特許請求の範囲第１０項に記載
   のシヤワーヘツド。 １２ 仕切材１１０の円筒状のカラー１１４がト
   レイ１０５の孔１１２中に、多孔板１４０の直前
   まで突出していることを特徴とする特許請求の範
   囲第１０項あるいは第１１項に記載のシヤワーヘ
   ツド。