JPH0573298U

JPH0573298U - ポンプ凍結防止用ヒーターユニット

Info

Publication number: JPH0573298U
Application number: JP1139892U
Authority: JP
Inventors: 捨治竹内
Original assignee: 菱有工業株式会社
Priority date: 1992-03-06
Filing date: 1992-03-06
Publication date: 1993-10-08

Abstract

(57)【要約】【目的】冬季におけるポンプの凍結を防止するためのヒ
ーターユニットとして、ポンプへの装着が容易で、か
つ、電力消費が少なく、安全性の高いヒーターユニット
を得る。【構成】保温性の良い有底円筒状などの断熱カバーの内
面に免状発熱体を取り付ける。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案はポンプ凍結防止用ヒーターユニットに関し、さらに詳細にはポンプのケーシング部への着脱が容易で、ポンプを効率よく保温しうるポンプ凍結防止用ヒーターユニットに関する。冬季におけるポンプの凍結防止は古くからの課題であり、また最近では、家庭用の泡発生装置付浴槽や地下水汲み上げ用などに使用するポンプの普及がめざましく、これらのポンプの凍結防止対策が必要とされている。

【０００２】

【従来の技術】

従来、これらのポンプの凍結防止の対策としては、冬期の間中ポンプを停止することなく連続運転させてポンプ内に水を常に循環させておく、ポンプのケーシングにワット数の高いコードヒーターを巻き付けて加熱しておく、ポンプ使用後、内部の水を抜き去っておく、などの方法が用いられている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、ポンプを常に動かして水を循環させておくことはランニングコストが高くなるばかりでなく、ポンプの寿命にも悪影響を与える。また、コードヒーターを用いる場合には、ヒーターを巻き付けて固定するのに複雑な作業と時間を要するとともにコードヒーターを巻き付けただけでは熱効率が悪く、消費電力が大きくなる。さらに、ポンプ使用後にその都度水を抜くには手間を要するだけでなく、ともすれば水抜きを怠り、そのときには内部で凍結してしまうという欠点があった。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案者は、これらの課題を解決するべく鋭意研究した結果、ポンプのケーシング部にヒーター付の断熱カバーを取付けることに着目し、その形態についてさらに検討を加えて本考案を完成した。すなわち本考案は、ポンプ内部に滞留する水の凍結防止用ヒーターユニットであって、ポンプのケーシング部に装着可能な形状の断熱カバーと、該断熱カバーの内面に固定された面状発熱体とを備えてなることを特徴とするポンプ凍結防止用ヒーターユニットである。本考案のポンプ凍結防止用ヒーターユニットは、各種のポンプの凍結防止に用いることができるが、特に泡発生装置付浴槽用のポンプや地下水汲み上げ用のポンプの保温用として好適である。

【０００５】本考案において、断熱カバーの内面に取り付けられる面状発熱体としては、通電することにより所定の発熱を生じるものであればその種類には特に制限はないが、通常は面発熱素子および発熱線を面状に配列せしめたものなどである。面発熱素子としては例えばカーボンブラックとビニル系などの合成樹脂モノマーを重合させ、これにエポキシ系の架橋剤、必要に応じ、金属粉などを加えて塗料としたものを含浸法によりガラスクロスなどの織物に含浸させて加熱処理した面発熱素子、同様なカーボンフラックグラフトポリマー系の塗料や印刷インキを用いて印刷法により合成樹脂製フィルム上に印刷後熱処理した面発熱素子、または、合成樹脂製基板上に固着されたステンレス箔、ニクロム箔、銅ニッケル箔などの金属箔をエッチング法によりパターン化配線した面発熱素子などである。また、面状に配列せしめられる発熱線としては、例えば、ニクロム線、銅ニッケル線および鉄クロム線などの金属発熱線があり、これらをそのまま一定のパターンで配線した後、両側から合成樹脂製絶縁物を重ね合わせて絶縁被覆した形態の面状発熱体、あるいは金属発熱線をガラス芯にスパイラル状に巻き付け、その表面をシリコンゴムなどの耐熱性材料で絶縁被覆したコードヒーターを一定のパターンで配線した形態の面状発熱体などがある。これらのうちでも面発熱体が好ましく、さらに局部的に温度が高くなりすぎることがなく、発熱が均一で、かつ、断線の恐れがないことなどからカーボンブラックグラフトポリマーを使用した面発熱体が特に好ましい。面状発熱体の形状および大きさはポンプ、断熱カバーの形状などによって異なり一概に特定はできないが、例えば、長方形、正方形、多角刑、円形、楕円形などであり、通常は長方形、正方形などである。また、大きさは断熱カバー内に設置できる大きさであり１００ｃｍ²〜５００ｃｍ²程度である。断熱カバーの内面に設置される面状発熱体の固定手段としては例えば、面状発熱体に耐熱性の接着剤、アルミ粘着テープまたは金具などを使用して固定する方法、断熱カバーの内面に凹部を設け、その凹部に面状発熱体をはめ込み、必要に応じてアルミ粘着テープなどで固定する方法などがある。これらのうちでも交換時の着脱が自在におこなえることなどから後者の方法が好ましい。この場合の凹部の寸法は取り付けられる面状発熱体の形状、大きさに応じて定められる。

【０００６】本考案において、面状発熱体が取り付けられる断熱カバーは、熱の逸散を防止するものであり、その材質は耐熱性および断熱効果を有するものであればよく、例えば、ガラス繊維、石綿などの無機繊維、あるいはポリ塩化ビニル、ポリスチロール、ポリエチレン、ポリプロピレンおよびポリウレタンなどの合成樹脂板または合成樹脂発泡体が用いられる。これらのうちでもガラス繊維およびポリプロピレン、ポリスチロール、ポリ塩化ビニル、ポリウレタンなどの合成樹脂発泡体が好適である。断熱カバーの大きさ、形状はポンプのケーシングの形状などによって定められるが、一般的には有底円筒状とされる。また、その厚みは環境温度、材質、ポンプの大きさ、面状発熱体の発熱容量などによって適宜定められるが、通常は１ｍｍ〜８０ｍｍ、好ましくは３ｍｍ〜５０ｍｍである。

【０００７】次に、本考案のポンプ凍結防止用ヒーターユニットを図面によって例示し、具体的に説明する。図１は、断熱カバー内側に面状発熱体が設置されている状態の斜視図およびＡ −Ａ’断面図であり、図２は面状発熱体を取り付けた断熱カバーがポンプに装着された状態を示す斜視図である。図１において、有底円筒状の断熱カバー１の内側底面に面状発熱体２とほぼ同寸法の凹部３が設けられ、この凹部３に面状発熱体２がはめ込まれて埋設され、本発明のポンプ凍結防止用ヒーターユニットを構成している。図２において、図１で示したと同様のポンプ凍結防止用ヒーターユニットが泡発生装置付浴槽用のポンプ４のケーシング部５に装着されている。

【０００８】

【実施例】

実施例１直径２２０ｍｍ、高さ１２５ｍｍ、厚さ２０ｍｍの有底円筒状で、ポプロピレン樹脂発泡体製の断熱カバーを用い、その内側底面に縦１３０ｍｍ、横１３０ｍｍ、深さ５ｍｍの凹部を設け、この凹部に面状発熱体として縦１２５ｍｍ、横１２５ｍｍ、厚み１ｍｍ、消費電力１４Ｗのカーボンブラックグラフトポリマー系の面状発熱体をはめ込み、図１に示したと同様のポンプ凍結防止用ヒーターユニットを制作した。このポンプ凍結防止用ヒーターユニットを図２で示したように泡発生装置付浴槽用のモーター付ポンプに装着し、ポンプの凍結防止テストをおこなった。ポンプを−１５℃環境下に設置して運転した後、内部に水が滞留したまま停止した。ポンプ凍結防止用ヒーターユニットに１００Ｖの電圧を印加した状態で１２時間放置した後、ポンプ内の水温を測定したところ８℃であり、ポンプ内の水が凍結していないことが確認された。

【０００９】比較例１実施例１で使用たポンプのケーシングの周りに銅ニッケル素線をシリコンゴムで被覆した直径２．６ｍｍで全長２．５ｍ、消費電力１００Ｗの市販のコードヒーターを巻き付けて固定し、実施例１におけると同様にしてポンプ凍結防止テストをおこなった。その結果、１２時間後にはポンプ内の水温は−２．０℃となつており、ポンプ内の水が凍結していることが確認された。

【００１０】

【考案の効果】

本考案のポンプ凍結防止用ヒーターユニットはポンプへの装着および取り外しが容易であるとともに保温性に優れ、冬季などの寒冷環境下においてポンプ内に滞留する水の凍結を確実に防止することができる。しかも、常に電源を入れたままの状態でも消費電力は少なく、かつ、コードヒーターを巻き付けたときのように局部加熱の恐れもなく、安心して使用することができるなど実用上数多くの優れた特徴を有している。

【００１１】

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案のポンプ凍結防止用ヒーターユニットの
一部切欠斜視図、断面図。

【図２】本考案のポンプ凍結防止用ヒーターユニットに
モーター付ポンプを取り付けた一部切欠斜視図。

【符号の説明】

１断熱カバー２面状発熱体３凹部４泡発生装置付浴槽用ポンプ５ケーシング

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】ポンプ内部に滞留する水の凍結防止用ヒー
ターユニットであって、ポンプのケーシング部に装着可
能な形状の断熱カバーと、該断熱カバーの内面に固定さ
れた面状発熱体とを備えてなることを特徴とするポンプ
凍結防止用ヒーターユニット。
【請求項２】面状発熱体がカーボンブラックグラフトポ
リマーを用いた面発熱素子である請求項目１に記載のポ
ンプ凍結防止用ヒーターユニット。
【請求項３】断熱カバーの内側底面に凹部が設けられ、
該凹部に面状発熱体がはめ込まれ、固定された請求項目
１に記載のポンプ凍結防止用ヒーターユニット。
【請求項４】断熱カバーの材料が合成樹脂発泡体または
ガラス繊維である請求項目１に記載のポンプ凍結防止用
ヒーターユニット。
【請求項５】装着の対象となるポンプが泡発生装置付浴
槽用のポンプまたは地下水汲み上げ用ポンプである請求
項目１に記載のポンプ凍結防止用ヒーターユニット。
【請求項６】断熱カバーが有底円筒状である請求項目５
に記載のポンプ凍結防止用ヒーターユニット。