JPH0572757B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、静電誘電及び電磁誘導の影響を防
ぐための電源用トランスのシールド装置に関す
る。周知の通り、電源用トランスは負荷回路など
から静電的または電磁的な干渉を受けると、発振
を起したり、動作が不安定となつたりするなどの
弊害を被るため、ほとんどの電源用トランスがシ
ールド装置を備えている。

第１図及び第２図は小型の電源用トランスを示
した従来例であり、第１図は当該トランスの縦断
面図、第２図は当該トランスを第１図上のＡ−Ａ
線に沿つて切断した断面図である。

これらの図において、１，２はフエライト材か
らなる同形状のＥ型鉄心であり、周知の如く、こ
れら鉄心１，２は中央脚をボビン筒状部に挿入
し、各中央脚端面を接合させ、両鉄心１，２が向
き合うようにして固定されている。

３は絶縁材からなるボビンで、この筒状部３ａ
の上部両端には鍔３ｂが、また、下部両端には端
子ピン４ａ〜４ｆを植設させるピン固定部３ｃが
設けられている。

５はコイル間に巻き付けられた第１シールド板
で、これは、下層コイル６ａと上層コイル６ｂと
の間に設けられた銅または真鍮などの導電性薄板
である。また、第１シールド板５は下層コイル６
ａの全周に巻き付けることなく、周囲一部５ａが
開放されており、さらに、この第１シールド板５
にはアース用の端子ピン４ａに接続するアースリ
ード線７が固定されている。

８は第１シールド板５と同様の導電性薄板から
なる第２シールド板で、この第２シールド板８は
上層コイル６ｂと鉄心１，２の左右脚とを含む表
面に一連に巻き付けられたほぼリング状のもので
ある。上記した従来例の電源用トランスでは、第
１シールド板５及び第２シールド板８により静電
遮蔽または電磁遮蔽がなされて効果的である。

なお、従来の電源用トランスには、第１シール
ド板５のみを、また、第２シールド板８のみを備
えたものもある。

さて、上記したような電源用トランジスタは量
産に適さないという難点がある。

すなわち、第１シールド板５がコイル間に位置
しているため、コイルをボビン３に巻き付ける作
業、第１シールド板５を装備させる作業、またア
ースリード線７を第１シールド板５に固定させる
作業などがすべて手作業となるため、生産能率が
低く、トランスコストが高くなるなどの欠点があ
る。

この発明は、上記の実情にかんがみ開発したも
のであり、端子ピンと少なくとも２つ以上のトラ
ンスコイルとを備えた電源用トランスにおいて、
トランスコイルの間に位置させ少なくとも一端側
をアース用端子ピンに固着させて巻線されたコイ
ルからなるシールド装置を提案する。

このように構成すれば、シールド装置が巻線さ
れたコイルとなるので、トランスコイルと同様に
巻線して形成することが可能であり、これより、
トランスコイルの機械巻きの過程でシールド装置
としての巻線を共に機械巻きすることができる。

以下、本発明の一実施例について説明する。

第３図は本発明に係るシールド装置を備えた小
型の電源用トランスの縦断面図であり、第４図は
上記電源用トランスを第３図上のＢ−Ｂ線に沿つ
て切断した断面図である。なお、これらの図面に
示した構成部材のうち第１図及び第２図に示した
ものと同一の部材については同じ参照符号が付し
てある。

この実施例では、下層コイル６開の周囲にシー
ルド装置をなすコイル９を巻き付け、このシール
ドコイル９の周囲に上層コイル６ｂを設けること
によつて、シールドコイル９がコイル間に位置す
るように形成してある。そして、シールドコイル
９の一端はアース用の端子ピン４ａに固着すると
共にそのコイル９の他端はそのまま遊びのコイル
端とする。

このように構成しても、静電誘導または電磁誘
導を充分に遮蔽することができ、負荷回路などか
らの静電的または電磁的干渉を回避することがで
き、また、電源用トランスから他の回路に及ぼす
同様な干渉についても充分に防ぐことができる。

一方、本発明を実施するに際しては、シールド
コイル９の巻始端と巻終端とを共にアース用の端
子ピンに接続させても同様の効果を得る。そし
て、このように構成すればシールドコイル９を機
械巻きするに当つてコイルの止着部ができるか
ら、巻線が容易となる。

また、シールドコイル９はボビン３の鍔３ｂ，
３ｂの間全域に設けてもよく、或いは、少しずつ
間隔をおいて部分巻きしたピツチ巻きとすること
もできる。

さらに、コイル間に上記シールドコイル９を設
けると共に上層コイル６ｂ及び鉄心１，２の左右
脚の表面を囲むようにした上記第２シールド板８
を設るか、また、この第２シールド板８に換えて
上層コイル６ｂの周囲にシールド用のコイルを巻
き付けるようにしてもよい。

上記した通り、本発明によれば、シールド装置
がトランスコイル間に位置させて巻き付けたコイ
ルからなるので、トランスコイルの機械巻きと共
にシールド装置としてとコイルを同様に機械巻き
することができ、したがつて、この種の電源用ト
ランスについてもコイルの自動巻きが可能にな
り、量産に適する電源用トランスを提供し得る。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例を示す小型の電源用トランスの
縦断面図、第２図は当該電源用トランスを第１図
上のＡ−Ａ線に沿つて切断したコイル簡略の断面
図、第３図は本発明の一実施例を示す小型の電源
用トランスの縦断面図、第４図は当該電源用トラ
ンスを第３図上のＢ−Ｂ線に沿つて切断したコイ
ル簡略の断面図である。 １，２……鉄心、３……ボビン、５……第１シ
ールド板、６ａ……下層コイル、６ｂ……上層コ
イル、７……アースリード線、８……第２シール
ド板、９……シールドコイル。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 端子ピンと少なくとも２つ以上のトランスコ
   イルとを備えた電源用トランスにおいて、トラン
   スコイルの間に位置させ少なくとも一端側をアー
   ス用端子ピンに固着させて巻線されたコイルから
   なるシールド装置。