JPH05723B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は蒸気や圧縮空気等の配管系に取り付け
て、二次側の流体圧力を一定の設定圧力に保つ減
圧弁に関し、特に調節ねじの進退移動をアクチユ
エーターによつて行うようにした自動設定減圧弁
に関する。

従来技術 従来の減圧弁は第２図に示す通りであり、減圧
弁部１と気水分離器部２と排水弁部３とから成
る。本体１０で入口１２、弁口１４、出口１６を
形成する。入口１２は一次側の高圧流体源に出口
１６は二次側低圧域に接続する。弁口１４は弁座
部材で形成する。主弁体１８を弁口１４の入口側
に配置し、コイルばねで弁口１４側へ弾性的に付
勢する。

ピストン２０をシリンダ２２内に摺動自在に配
置し、ピストン棒１７を弁口１４を通して主弁体
１８の中央突起棒１３に当接せしめる。ピストン
２０の下面とピストン棒１７とをほぼ半球面で接
続する。入口１２とピストン２０の上部空間、即
ちピストン室を連通する一次圧通路２４にパイロ
ツト弁２６を配置する。ダイヤフラム２８をその
外周縁をフランジ３０，３２の間に挟んで取り付
ける。ダイヤフラム２８の下方空間は二次圧通路
３４を通して出口１６に連通する。パイロツト弁
２６の弁棒３６の頭部端面はダイヤフラム２８の
中央下面に当接する。

ダイヤフラム２８の上面にばね座３８を介し
て、圧力設定用のコイルばね４０を当接せしめ
る。調節ねじ４４をスプリングケース７０にねじ
結合して取り付ける。

調節ねじ４４を左右に回すと、圧力設定ばね４
０のダイヤフラム２８を押し下げる弾性力が変
る。この圧力設定ばね４０の弾性力を基準値とし
て、ダイヤフラム２８はその下面に作用する二次
測圧力に応じて湾曲し、弁棒３６を変位せしめて
パイロツト弁２６を開閉せしめる。この結果、一
次側流体圧力がピストン室に導入され、ピストン
２０が駆動され、主弁体１８が変位せしめられ、
入口１２の流体が弁口１４を通つて出口１６に流
れる。これは二次側の流体圧力が低下すると弁口
１４が開き、上昇すると閉じる様に自動的に作動
する。

弁口１４の下方に円筒形状の隔壁部材４６を取
り付け、これを囲む本体１０との間に環状空間４
８を形成し、その上部はコーン形状のスクリーン
５０を通して入口１２に連通し、下部は排水弁室
５２の上部に連通する。また、排水弁室５２の上
部は隔壁部材４６の中央開口を通して弁口１４に
連通する。環状空間４８には傾斜壁から成る旋回
羽根５４を配置する。

従つて、入口１２の流体は、弁口１４が開いて
環状空間４８を通過するときに、旋回羽根５４で
方向を曲げられて旋回せしめられる。液体は外側
に振り出されて周囲の本体内壁に当たつて排水弁
室５２に流下し、軽い気体は中央部を旋回して、
隔壁部材４６の中央開口から弁口１４に向い、そ
こを通過して出口１６に流れ去る。

排水弁室５２の底部には、排水口５６に通じる
排水弁口５８を形成する。フロートカバー６２で
覆つて、球形の弁フロート６０を変位自在に収容
する。フロートカバー６２の上部には通気孔６４
を開ける。

従つて、弁フロート６０は排水弁室５２の水位
と共に浮上降下して排水弁口５８を開閉し、排水
弁室５２に溜る水を自動的に排除する。

本発明が解決しようとする問題点 前述した減圧弁を含め現存する全ての減圧弁に
於て、どうしても解消できない問題点として、著
しい振動と騒音を出すハンチング及びチヤタリン
グ現象等の作動不安定現象がある。これは適性流
量の圧力設定時には正常な動作をしていても、二
次側の負荷が少なくなつて流量が減少した場合に
発生する。又は一次圧に対して設定圧（二次圧）
が小さい時、つまり減圧比が大きい時にも発生す
る。

この様に減圧弁がチヤタリングを起こしても、
そばにいなければわからず、そのまま放置してい
るのが実状であり、その結果主弁体と弁座、パイ
ロツト式減圧弁ならピストン部の衝撃的な接触に
よる損傷につながる。至つては設定不能になつた
り寿命が短くなる。

そこで、実開昭58−19312号公報に示されてい
る脈動防止用の絞りを二次圧通路に設ければ、チ
ヤタリングを低減できるが、この場合は、チヤタ
リングが起こらない正常時の応答性が悪くなる問
題がある。

従つて、本発明の技術的課題は、正常時の応答
性を低下せしめずに、チヤタリングを解消できる
ようにすることである。

問題点を解決するための技術的手段 上記問題点を解決する為に講じた本発明の技術
手段は、調節ねじに回転を与えこれを進退移動さ
せて圧力設定ばねの付勢状態を変更することによ
り弁の設定圧を調節するように構成され、上記調
節ねじの進退移動をアクチユエーターによつて行
うようにした自動設定減圧弁に於て、チヤタリン
グ発生時の固有の振動数に共振する振動センサー
を自動設定減圧弁に取り付け、振動センサーから
の信号が入力され基準値を越えたときに信号を発
生する共振検知回路を振動センサーに接続し、共
振検知回路で発生した信号が入力され、調節ねじ
を退移動せしめる信号をアクチユエーターへ出力
する制御回路を共振検知回路とアクチユエーター
の間に接続したものである。

ここで減圧弁は直動型でも、パイロツト式減圧
弁にも適用できるものである。

作 用 上記の技術的手段の作用は下記の通りである。

この発明によれば、減圧弁にチヤタリングが発
生した時の通常と違う著しい振動を振動センサー
で検知し、アクチユエーターを退移動させるもの
であり、圧力設定ばねのダイヤフラムへの弾性力
が減少して二次側の設定圧が低くなり閉弁するこ
とでチヤタリングを解消する。

発明の効果 本発明は下記の特有の効果を生じる。

チヤタリング等の異常信号を早期発見すること
により、弁・弁体を著しい衝撃から守り長寿命で
耐久性は向上する。又減圧弁の使用範囲外の圧力
設定時のチヤタリングも未然に防ぐことができ
る。更にチヤタリングにより誘発されるウオータ
ーハンマも防止することができ機器の破損を防止
できる。

実施例 上記の技術的手段の具体例を示す実施例を説明
する（第１図及び第２図参照）。

本実施例は第２図で示した従来の減圧弁にアク
チユエーターを取付けた構造であり、対応する部
材には同一参照番号を付して説明する。

ばね収容ケース８０の上部８１にナツト８２を
嵌合し、調節ねじ８３の下部の雄ねじ部８５がナ
ツト８２に螺合している。調節ねじ８３の雄ねじ
部８５の下端部が鋼球８４に当接し、雄ねじ部８
５の上側にはスプライン軸嵌合部８６が雄ねじ部
８５と一体に設けられている。

スプライン軸嵌合部８６は、上方に開口した筒
状に形成され、その中に軸方向に溝８７を施した
スプライン軸８８と、溝８７にボール８９を収容
するリテーナ９０を同時に嵌入し、止めねじ９１
でリテーナ９０をスプライン軸嵌合部８６内に固
定する。これらの部材によりボールスプライン部
９２を形成する。

アクチユエーター９３は出力軸９４を有する減
速器９５と、この減速器の入力側に結合されたス
テツピングモータ９６から成るもので、台９７に
固定されている。台９７はばね収容ケース８０の
上部に取付けられたフレーム９８に固定され、ス
プライン軸８８と出力軸９４を結合する。

アクチユエーター９３の出力軸９４が右又は左
へ回転し、減圧弁の調節ねじ８３が進退し、圧力
設定ばね４０の付勢力を変化させる。

この時、スプライン軸８８の定位置に於ける回
転に対し、調節ねじ８３はスプライン溝８７から
ボール８９を介して回転力を受けながら、ボール
８９が溝に沿つて移動できることで軸方向に移動
することができる。

ダイヤフラムを挟みこんでいる下方のフランジ
３２に振動センサー１００を取り付け、共振検知
回路１０１、制御回路１０２を通してアクチユエ
ーター９３へ結線する。

作用は以下の通りである。

調節ねじ８３の回転度合、つまり軸方向の変位
と二次側の設定圧力には比例関係があり、この関
係をコンピユーターに記憶しておく。従つてコン
ピユーターへ所望の設定圧力を入力すればそれに
相当する調節ねじの位置を演算し、ステツピング
モーター９６へ出力電源を供給する。ステツピン
グモーターは１パルスで何度回転するかが判つて
いるモーターである為、パルス数を制御すること
によりモーターの制御ができ、至つては出力軸９
４の回転量を決定することができる。制御回路１
０２内には上記のコンピユーター、圧力設定手段
等の制御機器が含まれるものである。

一方、チヤタリング発生時の振動数には減圧弁
の各サイズによつて固有の振動数を持つており、
その振動数に共振する振動センサーを選択して減
圧弁に直接取り付ける。チヤタリング発生時共振
した振動センサー１００からはその振動の度合に
よる電圧を信号として出力し共振検知回路１０１
へ送る。中ではコンパレーターにより常に基準値
と比較しており、振動が大なれば制御回路１０２
へ信号を発し演算処理した後モーターを回転せし
める出力電源をアクチユエーターに供給し、調節
ねじを変位せしめて設定圧力を下げる方向へもつ
ていく。

従つてチヤタリングが発生しても設定圧を下げ
て、至つてはパイロツト弁を完全に閉弁して主弁
を閉弁することにより大事に至る前に未然に著し
い振動を停止せしめることができる。

振動センサーの取り付け位置については、本実
施例はダイヤフラム部分のフランジに取り付けた
が、チヤタリング時に最も振動する場所は主弁部
分なのでここに取り付けてもよい。いずれにして
も減圧弁本体を通じて振動が伝わるので本体のど
の部分に取り付けても問題ない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の実施例のアクチユエーター部
の断面図、第２図は従来の減圧弁の断面図であ
る。 １：減圧弁部、２：気水分離器部、３：排水弁
部、１０：本体、１２：入口、１４：弁口、１
６：出口、２０：ピストン、２６：パイロツト
弁、２８：ダイヤフラム、９３：アクチユエータ
ー、１００：振動センサー、１０１：共振検知回
路、１０２：制御回路。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 調節ねじに回転を与えこれを進退移動させて
   圧力設定ばねの付勢状態を変更することにより弁
   の設定圧を調節するように構成され、上記調節ね
   じの進退移動をアクチユエーターによつて行うよ
   うにした自動設定減圧弁に於て、チヤタリング発
   生時の固有の振動数に共振する振動センサーを自
   動設定減圧弁に取り付け、振動センサーからの信
   号が入力され基準値を越えたときに信号を発生す
   る共振検知回路を振動センサーに接続し、共振検
   知回路で発生した信号が入力され、調節ねじを退
   移動せしめる信号をアクチユエーターへ出力する
   制御回路を共振検知回路とアクチユエーターの間
   に接続した自動設定減圧弁のチヤタリング解消装
   置。