JPH0571901U - 分散形制御システム - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】一つのデータ設定により、複数のデータ設定が
同時に行えるようにして、オペレータによるデータ設定
の誤りを少なくすると共に、その負担を軽減する。 【構成】エンジニアリングステーション内に、制御ステ
ーションが実行する制御動作の各種演算式を定義する演
算式定義手段と、これらの各種の演算式群と制御ステー
ションが実行する制御処方とをあらかじめ対応付け、処
方を指定することにより当該処方に関連する各種データ
を前記対応する演算式に基づいて算出し設定するデータ
設定手段と、このデータ設定手段により設定された各種
データを前記制御ステーション側にダウンロードするデ
ータダウンロード手段とを設けて構成される。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、プロセスからの信号を入力し制御演算を担当する制御ステーション と、この制御ステーションに通信回線を介して接続されプロセスの操作や監視を 担当するオペレータステーションと、通信回線に接続され各種のプログラムを構 築するエンジニアリングステーションとで構成される分散形制御システムに関し 、更に詳しくは、バッチ制御を実行するための各種のデータ設定を容易に行える ことができるようにした分散形制御システムに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来より、温度や圧力などの広範囲なプロセスの制御においては、分散形制御 システムが広く用いられている。このような分散形制御システムは、連続プロセ ス制御だけでなく、バッチプロセスの制御等にも用いられるようになってきてい る。

【０００３】 バッチ制御を実行する場合、制御ステーション内に形成される各種の内部計器 データ（ユニット計器固有のデータ）、バッチデータ（単位シーケンスでの設定 値や実績値）、バッチ管理情報（製品の品質やロットなど）、ユニット属性デー タ（ユニット固有の物理データなど）、銘柄データとしての処方管理情報、コモ ンブロックデータ（処方内での共通データ）、ユニット運転処方管理データ（工 程管理シーケンスの管理情報）などの様々なデータを設定する必要がある。

【０００４】 これらの各種のデータは、エンジニアリングステーションにおいて、ビルダー 機能によりシステムを構築する際に、初期値を設定することができるものもある が、バッチ制御運転時に先立って必要なデータを一々オペレータが、バッチ運転 条件や処方に応じて入力していた。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】 このために、従来装置においては、オペレータはバッチ制御運転に先立って、 エンジニアリングステーションにおいて、各種のデータ設定画面を開いて、一つ 一つのデータを製品の銘柄や処方に応じて入力・設定する作業を行わなければ成 らないという不具合があった。

【０００６】 本考案は、この様な点に鑑みてなされたもので、一つの値が決まればそれに関 連して決まる複数のデータをあらかじめ、その演算式を定義しておくことにより 、バッチ運転に先立ってその一つの値を設定することにより、複数のデータ設定 が同時に行えるようにした分散形制御システムを提供することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

この様な目的を達成する本考案は、 プロセスからの信号を入力し制御演算を担当する制御ステーションと、この制 御ステーションに通信回線を介して接続されプロセスの操作や監視を担当するオ ペレータテテーションと、通信回線に接続され各種のプログラムを構築するエン ジニアリングステーションとで構成される分散形制御システムにおいて、 前記エンジニアリングステーション内に、 前記制御ステーションが実行する制御動作の各種演算式を定義する演算式定義 手段と、 これらの各種の演算式群と制御ステーションが実行する制御処方とをあらかじ め対応付け、処方を指定することにより当該処方に関連する各種データを前記対 応する演算式に基づいて算出し設定するデータ設定手段と、 このデータ設定手段により設定された各種データを前記制御ステーション側に ダウンロードするデータダウンロード手段と を設けたことを特徴とする分散形制御システムである。

【０００８】

【作用】

データ設定手段は、エンジニアリングステーションのＣＲＴ画面上にデータ設 定のための画面を表示する機能を備えており、オペレータはこのデータ設定用の 画面を用いて、例えば制御処方としての仕込み量、仕込み温度等のデータを指定 する。

【０００９】 データ設定手段は、データ設定用の画面により指定された処方情報に基づく特 定の演算式を選択し、その演算式に指定されたデータを代入して関連する各種の データを自動的に演算する。

【００１０】 データダウンロード手段は、データ設定手段により作成（演算）された各種の データを、バッチ制御運転に先立ち制御ステーション側にダウンロードする。 これにより、制御運転に先立って設定するデータ数を減らすことが可能となり 、オペレータの負担を軽減することができる。

【００１１】

【実施例】

以下図面を用いて、本考案の実施例を詳細に説明する。 図１は、本考案の一実施例を示す構成ブロック図である。図において、ＯＰＳ は、マンマシンインターフェイスとしてのオペレータステーションで、グラフィ ック表示のためのＣＲＴや、制御の指示やデータの入力などを行うキーボードな どのポインティングディバイスを備えている。ＦＣ０，ＦＣ１はプロセスからの 信号を入力し制御演算を担当する制御ステーションである。これらの制御ステー ションは、通信回線ＢＳを介してプロセスの操作や監視を担当するオペレータス テーションＯＰＳに接続されている。ＥＧＳは通信回線ＢＳに接続され、各種の プログラムの作成（開発）や、データ設定などを行うためのエンジニアリングス テーションで、ＣＲＴやキーボードなどを備えている。

【００１２】 エンジニアリングステーションＥＧＳにおいて、１１は制御ステーションＦＣ が実行する制御動作の各種演算式を定義する演算式定義手段、１２は各種の演算 式群と制御ステーションＦＣが実行する制御処方とをあらかじめ対応付け、処方 を指定することにより、その処方に関連する各種データを対応する演算式に基づ いて算出し設定するデータ設定手段、１３はデータ設定手段１２により設定され た各種データを、通信回線ＢＳを経由して制御ステーションＦＣ側やオペレータ ステーションＯＰＳ側にダウンロードするデータダウンロード手段である。

【００１３】 なお、エンジニアリングステーションＥＧＳに設けたこれらの各手段は、オペ レータステーションＯＰＳ内に設けるようにしてもよい。 各制御ステーションＦＣ０，ＦＣ１内において、２１は各制御ステーション内 に形成された複数のユニット計器で、これらの各ユニット計器は、いくつかのＰ ＩＤ制御演算を行うフィードバック計器や、シーケンス制御を行う計器、その他 スイッチ計器等を制御対象にあわせて接続して構成されている。２２は各ユニッ ト計器が扱うデータで構築されるデータベースを示しており、これらのデータの 中には、各計器で用いる演算式やこれらの演算式データなど、エンジニアリング ステーションＥＧＳ側からダウンロードされたものも含まれている。

【００１４】 オペレータステーションＯＰＳにおいて、３１はデータ収集手段で、各制御ス テーションＦＣが扱っている各種のデータを通信回線ＢＳを経由して、一定周期 で収集している。３２はデータ監視手段で、データ収集手段３１が収集したデー タをオペレータが分かりやすい形（グラフィック画面で）ＣＲＴ上に表示したり 、あらかじめ設定したアラームの範囲を越えていれば、アラーム表示などを行う 機能を総括して示している。３３は制御操作手段で、グラフィック画面を監視し ながら、オペレータがプロセスの制御運転をポインティングディバイスなどを用 いて行うための機能を総括して示している。３４はデータ収集手段３１によって 収集されたデータや、エンジニアリングステーションＥＧＳ側からダウンロード されたデータにより構築されるデータベースである。

【００１５】 図２は、エンジニアリングステーションＥＧＳにおいて、データ設定手段に付 随する、データ設定画面を示す図である。ここでは、ある特定の反応缶を制御す るユニット計器のデータ設定を行うことを想定したものである。この画面を用い て、オペレータは、例えば仕込み量Ａのデータ、外部温度のデータをそれぞれ入 力する。ここで仕込み量や外部温度と例えば反応缶の制御を行う各制御計器に与 える設定温度等とは、互いに相対的な関係になっており、あらかじめ、それらの 関係を示す演算式が定義してある。各制御計器に与える設定温度以外にも、仕込 み量や外部温度が決まれば、それと関連して決定できる各種のデータについて、 あらかじめそれらの関係を示す演算式が定義してあるものとする。

【００１６】 データ設定画面を用いてのデータ設定が行われると、データ設定手段は、画面 に入力されたデータを、あらかじめ定義しておいた各演算式にそれぞれ代入し、 その反応缶を制御するためのユニット計器に設定する必要のある各種の固有デー タや、その他の必要なデータを自動的に演算する。そして、得られたそれらの固 有データは、データダウンロード手段１３によって、制御ステーションＦＣ側に 送られ、各ユニット計器等に設定される。これにより、オペレータは一つ一つの データをいちいち設定する必要がなくなり、データ設定の手間を大巾に軽減させ ることができる。

【００１７】 各制御ステーションにおいて、各ユニット計器２１は、エンジニアリングステ ーションＥＮＧ側からダウンロードされたデータに基づいて、バッチプロセスの 制御を行うこととなる。

【００１８】 各制御ステーション内のユニット計器２１が扱うデータは、オペレータステー ションＯＰＳ側に収集され、ここで、必要に応じてデータの監視や、制御運転操 作が行われる。このオペレータステーションＯＰＳでの各種の管理データなども 、前述したと同様に、エンジニアリングステーションＥＮＧ側からダウンロード されたデータに基づいて行われる。

【００１９】

【考案の効果】

以上詳細に説明したように、本考案によれば、バッチプロセスの制御運転に先 立って、あらかじめ、一つのデータが決まればそれに関連して決まる幾つかのデ ータについて、それぞれのデータ相互間の演算式を定義しておくことにより、一 つのデータ設定により、複数のデータ設定が同時に行えるもので、オペレータに よるデータ設定の誤りを少なくすると共に、その負担を軽減できる分散形制御シ ステムが実現できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示す構成ブロック図であ
る。

【図２】データ設定を行うための画面の一例を示す図で
ある。

【符号の説明】

ＯＰＳ オペレータステーション ＦＣ０，ＦＣ１ 制御ステーション ＥＮＧ エンジニアリングステーション １１ 演算式定義手段 １２ データ設定手段 １３ データダウンロード手段 ２１ 複数のユニット計器 ２２ データベース

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 プロセスからの信号を入力し制御演算を
   担当する制御ステーションと、この制御ステーションに
   通信回線を介して接続されプロセスの操作や監視を担当
   するオペレータステーションと、通信回線に接続され各
   種のプログラムを構築するエンジニアリングステーショ
   ンとで構成される分散形制御システムにおいて、 前記エンジニアリングステーション内に、 前記制御ステーションが実行する制御動作の各種演算式
   を定義する演算式定義手段と、 これらの各種の演算式群と制御ステーションが実行する
   制御処方とをあらかじめ対応付け、処方を指定すること
   により当該処方に関連する各種データを前記対応する演
   算式に基づいて算出し設定するデータ設定手段と、 このデータ設定手段により設定された各種データを前記
   制御ステーション側にダウンロードするデータダウンロ
   ード手段とを設けたことを特徴とする分散形制御システ
   ム。