JPH0571361B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明はプレキヤストコンクリート板の製造ラ
イン等において、定盤上の型枠内に打設されたコ
ンクリートを一次仕上する装置に関する。

（従来の技術） 従来、この種のプレキヤストコンクリート板の
製造等において型枠内に打設されたコンクリート
の表面を仕上げる場合には、主に作業者による手
作業にて行なわれているのが現状である。

（発明が解決しようとする課題） しかしながら、上記した従来の仕上げ手段にあ
つては作業者による手作業であるため、その作業
には相当の熟練と時間とを要するものであり、当
然のこと作業性並びに生産性の悪化等種々の問題
点を惹起していた。

そこで、本発明は上記した従来の問題点に鑑み
て、打設されたコンクリートの表面を平滑にする
とともに、該コンクリートの表面層の水分を多量
に含む細かい粒子部分を表面に浮上がらせた均一
な一次仕上げをなし得、もつて次行程の表面仕上
げをきわめて良好に遂行し、その作業性並びに生
産性の向上を図ることができる一次仕上げ装置を
提供することを目的としたものである。

（課題を解決するための手段） 上記した目的を達成するために、本発明は定盤
上に製造すべきプレキヤストコンクリート板に対
応する型枠を乗載し、この型枠内にコンクリート
を打設して該定盤を順次移送するように構成され
た製造ライン等において、前記定盤上方に配設さ
れたフレームに対し、該定盤の一辺に沿つてバイ
ブレータ手段とスクリード手段とを並例状に上下
動可能に吊設し、このバイブレータ手段は前記打
設されたコンクリートの表面層に対して上下方向
の振動を付与するとともに、スクリード手段は水
片方向の波動を付与しながら表面を仕上げるよう
に構成されていることを要旨とするものである。

（作用） 上記の装置にあつては、型枠内にコンクリート
を打設した定盤の上面に対し、バイブレータ手段
は前記打設されたコンクリートの表面層に上下方
向の振動を付与するとともに、スクリード手段に
より水平方向の波動を付与して該表面層における
比較的荒い小石等を沈下させて水分を多量に含む
細かい粒子部分を表面浮上がらせ、この表面を平
滑にかつ均一に仕上げるものである。

（実施例） 以下、本発明の一実施例を図にしたがつて詳述
すると、図において、本例のプレキヤストコンク
リート板の製造ラインにあつては、多数個の平板
状の定盤Ｔが所定の速度で順次連続して移送され
るように構成され、この定盤Ｔ上には製造すべき
プレキヤストコンクリート板に対応するように枠
組みされた型枠Ｗが乗載固止されており、この型
枠Ｗ内に鉄筋等を位置決めして所望のコンクリー
トが打設されるものである。

この製造ラインにおける一次仕上げ工程部位に
は該製造ライン上の定盤Ｔを跨いて方形に枠組み
されたフレーム１が配設され、このフレーム１に
はレール上を転動する車輪を備えた台車部２が該
定盤Ｔの移送方向と直交する方向に移動可能に装
設されている。

そして、台車部２にはイブレータ手段３とスク
リード手段４とが並列状に垂下状態で装設されて
いる。

すなわち、前記台車部２の基台５にはほぼ中央
部一方側寄りにバイブレータ手段３用の断面矩形
の筒状の外マスト６，６が対向状に２本垂設さ
れ、この両外マスト６，６内には同じく断面矩形
の筒状の内マスト７がそれぞれ昇降可能に装設さ
れており、この外マスト６内のほぼ上部に軸受部
８には内マスト７内に垂下状に配設されはボール
ねじ軸９の上端部が回転可能に支承され、このボ
ールねじ軸９は該外マスト６上端に装設された減
速機付きの駆動モータ１０の出力軸１０ａとカツ
プリング１０ｂを介して連結されている。そし
て、内マスト７内のほぼ上部にはボールねじ軸９
に螺合されたボールねじ筒１１が装設されてい
る。しかして、内マスト７はボールねじ軸９の回
転によりボールねじ筒１１の螺合によつて所定の
範囲昇降動されるように構成されている。なお、
前記外マスト６内において軸受部８とボールねじ
筒１１の間に装設されて該ボールねじ筒１１の上
端面側が当該可能に対向するゴム等の第１の緩衝
部材１２ａと、内マスト７内においてボールねじ
軸９の下端部にブラケツトを介して装設された該
ボールねじ筒１１の下端面側が当接可能に対向す
るゴム等の第２の緩衝部材１２ｂとにより上昇端
および下降端の衝撃を緩衝するとともに、後述す
る振動モータによる振動が前記したボールねじ軸
９や駆動モータ１０等の昇降手段に伝達されない
ように吸収する構成となつている。

前記両内マスト７の下端部にはそれぞれ第１ブ
ラケツト１３が垂下状に固着され、この第１ブラ
ケツト１３には支軸１４を介して箱状の第２ブラ
ケツト１５が揺動可能に垂下され、そのほぼ下部
には平板状の付板１６が一体状に弾出し形成され
ている。

前記台車部２の移動方向と直交する方向、すな
わち前記定盤Ｔ上の型枠Ｗにおける該定盤Ｔの移
送方向に沿つて配置された振動基台１７は前記両
内マスト７の下端間に亘る長さの断面角筒状に形
成され、その下面には長手方向の両側を上向きの
斜状の曲折した当板１８が全域に亘つて取付けら
れており、上面の前記第２ブラケツト１５の取付
板１６に対向した部位には固定板１９が形出さ
れ、この固定板１９の各隅角部には取付板１６を
貫通して上方に延出したロツド２０が取付けら
れ、このロツド２１の上部にはキヤツプ状のばね
受け２２が該ロツド２１の上端部に螺合したナツ
トにより上方への移動を阻止された状態で装着さ
れるとともに、該取付板１６とばね受け２１との
間には圧縮ばね２２が弾装されている。また、固
定板１９の両側のブラケツトには前記振動基台１
７の側面に当接可能なゴム等の緩衝部材２３が取
付けられている。そして、前記振動基台１７の上
部のほぼ中央部には該振動基台１７に上下方向の
振動を付与する振動モータ２４が装設されてお
り、この振動基台１７は内マスト７の第２ブラケ
ツト１５に対して圧縮ばね２３を弾装したロツド
２１により吊設された振動モータ２４より上下方
向の微振動が付与されるとともに、内マスト７の
第１ブラケツト１３に対して支軸１４を支点とし
てその長手方向への揺動可能となしている。この
圧縮ばね２３の圧縮作用及び前記緩衝部材２３の
緩衝作用により、振動基台１７の振動を両マスト
６，７に伝達することなく吸収するようになつて
いる。

また、前記台車部２の基台５のほぼ中央部には
前記バイブレータ手段３用の外マスト６及び内マ
スト７と同様に構成されたスクリード手段４用の
外マスト２５，２５が同外マスト２５と平行状に
垂設され、この両外マスト２５，２５内には内マ
スト２６がそれぞれ昇降可能に装設されている。
しかして、内マスト２６は前述と同様に構成され
た減速機付きの駆動モータ２７と連結されたボー
ルねじ軸２８の回転によつて、該ボールねじ軸２
８に螺合されたボールねじ筒２９を介して昇降動
されるように構成されている。なお、前記バイブ
レータ手段３用のマスト６，７に係る構成におい
て同様の部材には図中同符号を付してその背説明
を省略する。

前記両内マスト２６の下端部内にはそれぞれ断
面矩形のガイド筒３０がブツシユを介して上下動
可能に垂下され、このガイド筒３０には支軸３１
を介して第１取付板３２が一体状に張出し形成さ
れている。そして、両内マスト２６の第１取付板
３２間には長尺の固定板３３が架設され、該固定
板３３下面の前記第１取付板３２に対向する部位
には２本のガイド軸３４を水平状に設けた第１ブ
ラケツト３５が垂下状に装設されている。

前記第１取付板３２の上方に対向する内マスト
２６の下部外周には第２取付板３６が一体状に張
出し形成され、該第１取付板３２の両側には第２
取付板３６を貫通するロツド３７，３７が揺動可
能に立設されて該取付板３６上面側からナツトに
より定置され、前記第１取付板３２と第２取付板
３６との間にはロツド３７に巻回された圧縮ばね
３８が弾装されている。

前記バイブレータ手段３の振動基台１７と同様
に構成されかつ平行に配置されたスクリード基台
３９はその上面に前記第１ブラケツト３５のガイ
ド軸３４，３４に所定の範囲摺動可能に嵌合され
た第２ブラケツト４０が装設され、上面ほぼ中央
部に連結軸４１を立設した第３ブラケツト４２が
装設されており、また、その下面には長手方向の
両側を上向きの斜状の曲折した当板３９ａが全域
に亘つて若干傾斜して取付けられている。そし
て、前記取付板３６にはスクリード用の駆動モー
タ４３がその出力軸４３ａを下向きして装設さ
れ、この出力軸４３ａには偏心円盤４４が設けら
れ、この偏心円盤４４の前記出力軸４３ａと偏心
位置に設けた支ピン４５と前記第３ブラケツト４
２の連結軸４１とを長さ調整可能な連結ロツド４
６により連結されている。しかして、スクリード
基台３９は内マスト２６のガイド筒３０に対して
第１ブラケツト３５、ガイド軸３４及び第２ブラ
ケツト４０を介して吊設された状態で駆動モータ
４３の回転により偏心円盤４４、支ピン４５、連
結ロツド４６、第３ブラケツト４２の連結軸４１
を介してその長手方向に沿いガイド軸３４及び第
２ブラケツト４０で案内されながら往復動される
ように構成されている。

前記振動基台１７とスクリード基台３９とには
アブソーバ形式に構成された押圧センサー４７
ａ，４７ｂが装設されており、そのシリンダ部４
７Ａの上端が第２ブラケツト１５及び第２取付板
３６に対しブラケツト及び支ピンを介してそれぞ
れ支承されかつロツド部２４ｂの下端が振動基台
１７の一方側面及び第２ブラケツト４０に対しブ
ラケツト及び支ピンを介してそれぞれ支承されて
おり、シリンダ部２４ａとロツド部２４ｂ間のス
トロークを電気的に検知して、この検知に基づい
て駆動モータ１０，２７を制御して振動台１７及
びスクリード基台３９の下降量、すなわち定盤Ｔ
上の型枠Ｗに打設されたコンクリートの表面に対
する押圧力が所望に設定できるようになつてい
る。

続いて、上述のように構成された本実施例の作
用ついて説明する。

さて、定盤Ｔ上に製造すべきプレキヤストコン
クリート板に対応するよう枠組みされて乗載固止
された型枠Ｗ内にコンクリートＣが打設された状
態において、バイブレータ手段３及びスクリード
手段４における駆動モータ１０，２７を駆動して
ボールねじ軸９，２８を回転させると、これに螺
合するボールねじ筒１１，２９を介して内マスト
７，２６がそれぞれ外マスト６，２５に沿つて下
降され、これとともに、その下部に装設された振
動基台１７、スクリード基台３９が下降されて前
記型枠Ｗ内の一方の側辺に沿つてコンクリートＣ
上にそれぞれ乗載される。

この場合、コンクリートＣに対する振動基台１
７、スクリード基台３９の押圧力は、該振動基台
１７、スクリード基台３９がその下降動作の終端
時にコンクリートＣ上に乗載されることによつ
て、内マスト７の第２ブラケツト１５に対し圧縮
ばね２３を弾装したロツド２１により吊設された
状態の前記振動基台１７がその圧縮ばね２３の弾
力に抗して若干上動され、内マスト２６の第２取
付板３６に対し圧縮ばね３８を弾装したロツド３
７により吊設された状態の前記スクリード基台３
９が若干上動され、このそれぞれの上動を押圧セ
ンサー４７ａ，４７ｂによりそれぞれ検知して駆
動モーータ１０，２７の駆動制御されてその打設
されたコンクリートの状態に対応して所定の圧力
に設定されるものである。

そこで、振動モータ２４を駆動すると、該振動
は内マスト７の第２ブラケツト１５に圧縮ばね２
３を弾装したロツド２１により吊設された状態の
振動基台１７に対して上下方向の微振動が付与さ
れる。そして、該振動基台１７はその振動よつて
当板１８を介して型枠Ｗ内のコンクリートＣに対
して上下方向の微振動を与えながら該コンクリー
トＣの表面層における比較的荒い小石等を沈下さ
せる作用を行うものである。

これと同時に、スクリード基台３９にあつて
は、駆動モータ４３を駆動すると偏心円盤４４の
回転によつて連結ロツド４６が往復動されるた
め、これに第３ブラケツト４２の連結軸４１を介
して連結されたスクリード基台３９が内マスト２
６のガイド筒３０に第１ブラケツト３５、ガイド
軸３４及び第２ブラケツト４０を介して吊設され
た状態で同ガイド軸３４及び第２ブラケツト４０
の摺動案内によつてその長手方向に沿いながら水
平状に往復動される。したがつて、スクリード基
台３９の往復動によつてその当板３９を介して型
枠Ｗ内のコンクリートＣに対して水平方向の波動
を付与して該表面層における水分を多量に含む細
かい粒子部分を表面に浮上がらせ（「のろ出し」
ともいう。）、表面を平滑かつ均一に仕上げる。

そして、フレーム１のレール上に対して台車部
２全体を該定盤Ｔの移送方向と直交する方向に順
次移動するとともに、上記したようにバイブレー
タ手段３における振動基台１７の振動とスクリー
ド手段４におけるスクリード基台３９の往復動と
を同時に進行して、型枠Ｗ内にコンクリートＣの
表面全体を一次仕上げするものである。

（発明の効果） 以上のように、本発明は定盤上に製造すべきプ
レキヤストコンクリート板に対応する型枠を乗載
し、この型枠内にコンクリートを打設して該定盤
を順次移送するように構成された製造ライン等に
おいて、前記定盤上方に配設されたフレームに対
し、該定盤の一辺に沿つてバイブレータ手段とス
クリード手段とを並列状に上下動可能に吊設し、
このハイブレータ手段は前記打設されたコンクリ
ートの表面層に対して上下方向の振動を付与する
とともに、スクリード手段は水平方向の波動を付
与しながら表面を仕上げるように構成したもので
あるから、該バイブレータ手段による上下方向の
振動によつてコンクリートの表面層の比較的荒い
小石等を沈下させ、さらには、該スクリード手段
による水平方向の波動によつて水分を多量に含む
細かい粒子部分を表面に浮上がらせることができ
る。

このことは、打設されたコンクリートの表面を
滑かつ均一に仕上げることができ、次行程の表面
仕上げ（磨き）をきわめて良好に遂行し、その作
業性並びに生産性の向上を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

図は本発明の一実施例を示し、第１図は装置全
体を示す一部破断を含む正面図、第２図は同じく
側面図、第３図はバイブレータ手段の要部を示す
拡大正断面図、第４図は同じく一部断面を含む拡
大側面図、第５図はスクリード手段の要部を示す
拡大正断面図、第６図は同じく一部断面を含む拡
大側面図である。 ３……バイブレータ手段、４……スクリード手
段、６，２５……外マスト、７，２６……内マス
ト、１７……振動基台、２４……振動モータ、３
９……スクリード基台、４３……駆動モータ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 定盤上に製造すべきプレキヤストコンクリー
   ト板に対応する型枠を乗載し、この型枠内にコン
   クリートを打設して該定盤を順次移送するように
   構成された製造ライン等において、前記定盤上方
   に配設されたフレームに対し、該定盤の一辺に沿
   つてバイブレータ手段とスクリード手段とを並列
   状に上下動可能に吊設し、このバイブレータ手段
   は前記打設されたコンクリートの表面層に対して
   上下方向の振動を付与するとともに、スクリード
   手段は水平方向の波動を付与しながら表面を仕上
   げるように構成されていることを特徴とするプレ
   キヤストコンクリート板の一次仕上装置。