JPH0571206B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は玉葱収穫機に関し、さらに詳しくは玉
葱の茎葉切断装置に特徴のある収穫機に関するも
のである。

（従来の技術） 圃場から掘り取つた玉葱を茎葉部分を下向きに
揃えて搬送し、搬送終端に設置したカツターで茎
葉部分を切断するようにした収穫機は従来公知で
あつて、カツターが縦方向に回転する円盤で構成
されるものが、実開昭52−54451号、特開昭53−
44320号公報に記載されている。

又、カツターが横方向に回転する取付盤に片持
状に突設された切断刃で構成されるものが、実開
昭51−51362号、実開昭53−152934号公報にも記
載されている。

これら先行例は何れも平行する２本の回転筒を
一対とするスクリユウコンベアを設け、各回転筒
の表面に弾性資材による螺旋状の送り体が形成さ
れていて、搬送途中で玉葱の姿勢を茎葉部分を下
向きに揃えるように搬送する収穫機であつて、カ
ツターは何れも回転させて茎葉部分を切断するよ
うにした発明である。

玉葱は収穫時期までは圃場に放置されており、
圃場から掘り取るときは茎葉部分は半ば枯れてい
る。このため搬送途中で玉葱を回転するカツター
に近づけても枯れかかつている玉葱の茎葉部分は
高速回転するカツターに接触すると当該部分が逃
げてしまい確実に切断できないといつた問題があ
る。

又、前記文献には記載されていないが、茎葉部
分を引きちぎるように切断すると、茎葉部分と共
に玉葱の本体部分が引き出されてしまい、商品価
値を失うといつた問題があり、このため機械処理
を避けようとすれば、茎葉部分は１個ずつ手作業
で切断しなくてはならない。

上記従来の問題点を解決するために本願発明者
は、特願昭60−270369、同60−270370、同60−
270371発明を提案した。

これらの発明は、円形受盤と円盤刃の一対で構
成されるカツターを玉葱が投入されるスクリユウ
コンベアの終端に該カツターを切刃面を圧接状態
で付勢し、円形受盤ならびに円盤刃の上面に椀形
または円板形のガイド体を設けて玉葱を当該カツ
ターへ誘導して茎葉部分を切断するものである。

そして前記受盤と円盤刃は何れも上方に向つて
突設した回転軸に設けられており、一方を駆動軸
とし、他方を従動軸としていた。これにより玉葱
は２本の軸間を通過する間に茎葉が切断されるの
であるが、両軸間のスペースに制約があつて玉葱
が詰ることもあつた。又、切断した茎葉が前記軸
にからみ付くこともあり、提案された前記発明は
欠点とは云えないまでも解決されなければならな
い問題があつた。

（発明が解決しようとする課題） 本発明は従来技術の問題点を解決すると共に、
本願発明者によつて先に提案された発明をさらに
改良したものであり、茎葉部分の切断が確実に行
える玉葱収穫機を提供することである。

（課題を解決するための手段） 本発明において課題を解決するための手段は、
圃場から掘り取つた玉葱の茎葉部分を下向きに揃
えると共に茎葉部を切断する玉葱収穫機におい
て、一対の回転筒で構成されるスクリユウコンベ
アの搬送終端部分に円形受盤と円盤刃によるカツ
ター機構を切刃面が圧接状態となるように付勢さ
せて設け、前記円形受盤には上方に向う駆動軸を
設け、前記円盤刃には下方に向う従動軸を設け、
前記駆動軸を収穫機の回転駆動機構と接続し、前
記従動軸に前記円盤刃の取付高さ調整機構と圧接
力の調整機構を設けたことを特徴とするものであ
る。

（実施例） 第１図はカツター機構の正面図、第２図は同側
面図、第３図は同平面図である。

これらの図において、スクリユウコンベア１は
平行する一対の回転筒２で構成され、該各回転筒
２の外周面に弾性資材による螺旋帯３が所定のピ
ツチで螺旋状に巻き付けられている。なお、螺旋
帯３は互いに対向する回転筒２に接合して設けら
れていて、２つの回転筒２の間には螺旋帯３の高
さに等しい隙間４が形成される。又、前記各回転
筒２の搬送終端の近傍には、弾性資材による突起
付帯５が螺旋帯３に隣接して巻き付けられてい
る。そして該突起付帯５は搬送終端から少なくと
も１周は巻き付けられることが必要であるが、螺
旋帯３の全部に巻き付ける必要はなく、搬送終端
近くにのみ設けられればよい。

一方、上記回転筒２内には回転軸６が設けら
れ、該回転軸６は当該回転筒２の内壁部に設けた
連結盤７に固定されており、図示しない駆動機構
によつて回転され、回転筒２を互いに内側に向つ
て回転し、コンベアの搬送始端部Ａに供給された
玉葱を螺旋帯３の送り作用により搬送終端部Ｂに
向つて搬送する。なお、回転軸６はコンベアの送
り終端部では回転筒２の内部に設けた軸受８に架
設されており、該軸受８は収穫機の下部フレーム
９に設けたＬ型支持枠１０，１１に固定されてお
り、これにより各回転筒２の端部には回転軸６が
なく空間が形成されている。

本願発明の主題であるカツター機構２０はスク
リユウコンベア１の搬送終端部の近傍に設けられ
ている。第２図を参照して、カツターは一方が厚
みのある円形受盤２１と、他方が円盤刃２２で構
成されており、円形受盤２１は上方に向つて駆動
軸２３が突設され、円盤刃２２は下方に向つて従
動軸２４が突設されている。そして駆動軸２３は
収穫機の上部フレーム１２に設けた上部軸受２５
に軸着され、又、従動軸２４は下部軸受２６に軸
着されると共に、該下部軸受２６に設けた取付フ
レーム２７が前記下部フレーム９に支軸２８によ
つて回動自在に取付けられている。なお、円形受
盤２１と円盤刃２２の一部は各回転筒２の内部に
挿入されている。

この他、前記下部フレーム９に設けたＬ型支持
枠１０，１１のうち、従動軸２４と対応するＬ型
支持枠１１に、有底のばねケース２９が設けら
れ、内部に装着した押ばね３０を従動軸２４の下
部軸受２６に接合して従動軸２４に対し、第１図
でみて反時計方向に回動付勢し、円盤刃２２を円
形受盤２１に圧接状態で支持している。なお、ば
ねケース２９の底部には押ボルト３１が設けられ
ていて、押ボルト３１の締付力によつて押ばね３
０の弾力を調整している。

又、前記円形受盤２１及び円盤刃２２の上面に
は椀形ガイド盤３２，３３が設けられている。ガ
イド盤３２は駆動軸２３に溶着されており、一
方、円形受盤２１は駆動軸２３の先端に設けた取
付板３４に対して止ねじ３５で固定されている。
又、円盤刃２２は従動軸２４に摺動可能なスリー
ブ３６に止ねじ３７で着脱自在に取付けられると
共に、スリーブ３６は固定ねじ３８で従動軸２４
に取付高さが調整できるように取付けられてい
る。

なお、駆動軸２３には上記軸受２５から突出し
た部分に駆動プーリ３９が設けられ、該駆動プー
リ３９にＶベルト４０が装着されていて、当該Ｖ
ベルト４０によつて駆動軸２３が回転駆動されて
いる。

スクリユウコンベア１で搬送されてきた玉葱
は、搬送終端部でガイド盤３２，３３に移り、カ
ツター機構２０に送られる。玉葱の茎葉は半ば枯
れているが、ガイド盤３２，３３は円盤刃２２及
び円形受盤２１を伴つて玉葱を円盤刃２２と円形
受盤２１との間に供給する方向、すなわち互いに
内側に向つて回転しており、茎葉部分は確実に円
盤刃２２と円形受盤２１が形成する谷部に向つて
供給され、当該部分が切断される。前記ガイド盤
３２，３３は椀形をしており、断面形状はスクリ
ユウコンベア１の回転筒２の断面形状と一致する
のでコンベア１からガイド盤３２，３３へは抵抗
なく移行させることができる。

玉葱の切断位置を調整する場合は、円盤刃２２
を取付けているスリーブ３６を固定ねじ３８を緩
めて取付高さを変更して円盤刃２２の高さを調整
し、又、押ボルト３１によつて押ばね３０の弾力
を調整して刃体の圧接力を調整する。これによ
り、玉葱の切断位置の調整と円盤刃２２の圧接力
を調整することができることになる。

又、円盤刃２２を取付けた従動軸２４は下向き
に設けられているので玉葱の詰りなどがなく、切
断した茎葉のからみ付を防止できる。

第４図は本装置を収穫機に組込んだ一例を表わ
しており、収穫機の走行車体５０は、中央部に駆
動輪となるクローラ５１、前方に操縦車輪５２を
有している。又、走行車体５０の前方下部にはス
クレーパ５３、ならびにスクレーパ５３に接続し
て土分離コンベア５４が設けられ、さらに掘り取
つた玉葱を車体上方に搬送する揚上コンベア５５
が設けられている。

一方、走行車体５０の上面には本装置のスクリ
ユウコンベア１が複数対で設けられており、前記
揚上コンベア５５で搬送された玉葱は、スクリユ
ウコンベア１上に供給される。そして玉葱は螺旋
帯３によつて搬送終端部に向つて移送され、途中
で茎葉部を下向きに反転させられると共に、茎葉
部分がカツター２０で切断される。

（発明の効果） 本発明は、円形受盤と円盤刃とで構成されたカ
ツターを両者を圧接状態に付勢してスクリユウコ
ンベアの搬送終端部に設置すると共に、円形受盤
ならびに円盤刃の上方に椀形のガイド盤を設けた
ものであるから、円盤刃と円形受盤との間に供給
された玉葱は確実に茎葉部分が切断できる効果が
ある。

又、本発明は、円盤刃を設けた従動軸はカツタ
ー機構の下方に向つて突設すると共に、円盤刃は
従動軸に対して取付高さが選択できるようにした
から、カツター部分で玉葱が詰るようなことがな
く、しかも茎葉の切断位置を自由に設定すること
ができる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図から第３図は本発明の切断装置を表わし
ており、第１図は一部破断の正面図、第２図は側
面図、第３図は平面図である。第４図は本装置を
具備する収穫機の一例を表わす側面図である。 １……スクリユウコンベア、２……回転筒、３
……螺旋帯、４……コンベアの隙間、５……突起
付帯、６……回転軸、７……連結盤、８……軸
受、９……下部フレーム、１０，１１……Ｌ型支
持枠、１２……上部フレーム、２０……カツター
機構、２１……円形受盤、２２……円盤刃、２３
……駆動軸、２４……従動軸、２５……上部軸
受、２６……下部軸受、２７……取付フレーム、
２８……支軸、２９……ばねケース、３０……押
ばね、３１……押ボルト、３２，３３……ガイド
盤、３４……取付板、３５……止ねじ、３６……
スリーブ、３７……止ねじ、３８……固定ねじ、
３９……駆動プーリ、４０……Ｖベルト。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 圃場から掘り取つた玉葱の茎葉部分を下向き
   に揃えると共に茎葉部を切断する玉葱収穫機にお
   いて、一対の回転筒で構成されるスクリユウコン
   ベアの搬送終端部分に円形受盤と円盤刃によるカ
   ツター機構を切刃面が圧接状態となるように付勢
   させて設け、前記円形受盤には上方に向う駆動軸
   を設け、前記円盤刃には下方に向う従動軸を設
   け、前記駆動軸を収穫機の回転駆動機構と接続
   し、前記従動軸に前記円盤刃の取付高さ調整機構
   と圧接力の調整機構を設けたことを特徴とする玉
   葱収穫機。