JPH0362368B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は玉葱収穫機における玉葱の搬送装置に
関し、詳しくは搬送途中で玉葱を反転して茎葉部
分を下向きに揃える搬送装置に関している。

（従来の技術） 圃場から掘り取つた玉葱を茎葉部分を下向きに
揃えて搬送し、搬送装置の終端に設置したカツタ
ーで茎葉部分を切断するようにした収穫機は特開
昭53−38521号（第１先行例）、特開昭53−44320
号（第２先行例）、実開昭56−125022号（第３先
行例）公報にそれぞれ紹介されている。

これら先行例は何れも平行する２本の回転筒を
一対とするスクリユウコンベアを設け、各回転筒
の表面に弾性資材による螺旋状の送り体が形成さ
れていて、搬送途中で玉葱の姿勢を茎葉部分を下
向きに揃えて搬送しようとしたものである。そし
て先行例はスクリユウコンベアの終端に設置した
カツターで茎葉部分を切断する発明である。

玉葱はスクリユウコンベアで搬送される間に茎
葉部を下向きに揃えられるのであるが、圃場から
掘り取つた玉葱は茎葉が半ば枯れているので、螺
旋状の送り体だけでは全ての玉葱を下向きに反転
することは困難であつた。このため、第１先行例
では下向きに揃えてからコンベアに供給してお
り、又、第２、第３先行例ではコンベアの途中に
玉葱を反転させる装置、すなわち板状の弾性体に
接触させて搬送を阻止しながら玉葱を反転させて
いた。

しかしながら第１先行例では姿勢制御装置とス
クリユウコンベアとの間が離れているので、玉葱
が確実に反転状態で供給されないこと、一方、第
２、第３先行例では茎葉が半ば枯れているので、
玉葱が弾性体に接触しても反転しないことがみら
れるなどの問題があつた。

（発明が解決しようとする課題） 本発明は、玉葱の茎葉が半ば枯れているのを利
用し、茎葉部をスクリユウコンベアを構成する回
転筒に螺旋状に巻き付けた突起付帯によつて供給
された玉葱を確実に下向きに反転させ、搬送終端
部に設けたカツターで茎葉部分を切断する玉葱の
搬送装置を提供することである。

（課題を解決するための手段） 本発明において課題を解決するための手段は、
互いに内側に向つて回転駆動される一対の回転筒
によるスクリユウコンベアの各回転筒の筒部表面
に弾性資材による螺旋帯を螺旋状に巻き付け、こ
れら各回転筒の終端近くに弾性資材による突起付
帯を前記螺旋帯に隣接して巻き付けたことを特徴
とするものである。

（実施例） 第１図は搬送装置の側面図、第２図は同平面図
である。これらの図において、スクリユウコンベ
ア１は平行する一対の回転筒２，２で構成され、
回転筒２，２の外周面に弾性資材による螺旋帯
３，３が所定のピツチで螺旋状に巻き付けられて
いる。なお、螺旋帯３，３は互いに対向する回転
筒２，２に接合して設けられることにより、２つ
の回転筒２，２の間には螺旋帯３の高さに等しい
隙間４が形成される。

又、スクリユウコンベア１は、図示しない駆動
機構によつて回転筒２，２が互いに内側に回転さ
れ、コンベアの搬送始端Ａに供給された玉葱を螺
旋帯３，３の送り込みにより、搬送終端Ｂに向つ
て搬送する。

前記回転筒２，２の搬送終端の近傍には、弾性
資材による突起付帯５，５が螺旋帯３，３に隣接
して巻き付けられている。そして突起付帯５は螺
旋帯３と略同じ巾を有する帯状体５１に複数の突
起５２，５２が植設されており、突起５２の高さ
は螺旋帯３と等しく、又、突起５２は帯状体５１
に３〜４列が設けられている。

さらに又、前記突起付帯５，５は搬送終端から
少なくとも１周は巻き付けられることが必要であ
るが、螺旋帯３，３の全部に巻き付ける必要はな
く、搬送終端近くにのみ設けられればよい。

スクリユウコンベア１の回転筒２，２は搬送終
端Ｂにカツター１０が設けられている。カツター
１０は一方が厚みのある円形の受け盤１１と、他
方が円盤刃１２とで構成され、受け盤１１と円盤
刃１２のそれぞれの回転軸１３，１４を回転駆動
すると共に、両者は常時圧接状態を維持するよう
に付勢されている。又、受け盤１１と円盤刃１２
の上面には椀状のガイド体１５，１５が設けられ
ており、受け盤１１、円盤刃１２はガイド体１
５，１５を伴つて前記回転筒２，２の搬送終端Ｂ
の開放部に一部が挿入されている。

スクリユウコンベア１に供給された玉葱は、螺
旋帯３，３の送り作用によつて搬送始端Ａから搬
送終端Ｂに向つて搬送され、終端近くに設けた突
起付帯５，５による係合作用により茎葉部分が下
向きに引き込まれる。既に述べたように玉葱の茎
葉は半ば枯れた状態で供給されるから、葉部分は
突起付帯５，５の突起５２，５２に係合しやす
く、たやすく下方に向つて引き込まれるが、突起
５２は適当なあらさで植設されているので、茎葉
が突起５２にからみ付くようなことはない。この
ようにしスクリユウコンベア１の終端に搬送され
た玉葱はカツター１０により茎葉部分が切断され
る。

第４図は本装置を収穫機に組込んだ一例を表わ
しており、収穫機の走行車体２０は、中央部に駆
動輪となるクローラ２１、前方に操縦車輪２２を
有している。又、走行車体２０の前方下部にはス
クレーパ２３、ならびにスクレーパ２３に接続し
て土分離コンベア２４が設けられ、さらに掘り取
つた玉葱を車体上方に搬送する揚上コンベア２５
が設けられている。

一方、走行車体２０の上面には本装置のスクリ
ユウコンベア１が複数対で設けられており、前記
揚上コンベア２５で搬送された玉葱は、スクリユ
ウコンベア１上に供給される。そして玉葱は螺旋
帯３，３によつて搬送終端に向つて移送され、途
中で茎葉部を下向きに反転させられると共に、茎
葉部分がカツター１０で切断される。

（発明の効果） 本発明は、一対の回転筒によりスクリユウコン
ベアに弾性資材による螺旋帯を所定のピツチで設
け、搬送終端近くにこれも弾性資材による突起付
帯を螺旋帯に隣接して設けたものであるから、突
起付帯の突起に半ば枯れている玉葱の茎葉かがか
らみついて茎葉部分がコンベアの下方から引き込
まれて玉葱を損傷することなく本体部分を上方に
揃えることができるものである。

従つて、本発明はスクリユウコンベアの搬送終
端に設置したカツターで確実に茎葉部分の切断が
なされるので、商品として高品位な玉葱を生産す
ることができることになる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の搬送装置を表わす全体の側面
図、第２図は同平面図、第３図は突起付帯の一部
を表わす斜視図である。第４図は本発明の搬送装
置を組み込んだ収穫機の一例を表わす側面図であ
る。 １……スクリユウコンベア、２……回転筒、３
……螺旋帯、４……コンベアの隙間、５……突起
付帯、１０……カツター、１１……受け盤、１２
……円盤刃。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 互いに内側に向つて回転駆動される一対の回
   転筒によるスクリユウコンベアの各回転筒の筒部
   表面に弾性資材による螺旋帯を螺旋状に巻き付
   け、これら各回転筒の終端近くに弾性資材による
   突起付帯を前記螺旋帯に隣接して巻き付けたこと
   を特徴とする玉葱収穫機における玉葱の搬送装
   置。