JPS6343868Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の技術分野〕 本考案は茎葉処理装置に係り、たとえば、収穫
機において玉葱などの収穫物の茎葉を分離除去す
るものに関する。

〔考案の技術的背景およびその問題点〕

従来、玉葱の収穫にあたつては、茎葉を有する
玉葱を掘取るとともに、これをコンベヤ上に搬入
して土をふるい落しつつ搬送し、この玉葱をさら
に茎葉処理装置上に搬入し、この茎葉処理装置に
おいて玉葱から茎葉を除去しつつ玉葱を後方に移
送する構造のものがある。

そして、上記茎葉処理装置としては、周囲に螺
旋状の突条を有する切断ローラとこの切断ローラ
に平滑送りローラを対設し、この切断ローラと平
滑送りローラとの互いに反対方向への回動によ
り、玉葱を移送しつつ玉葱の茎葉を切断ローラと
平滑ローラとの間に引き込んでこれを挾持して除
去するものなあつては、土が湿つていたり、茎葉
が枯死せず水分を多く含んでいる場合には、切断
ローラに茎葉が土とともにこね合わされて巻込ま
れる傾向が大であり、このような場合には、玉葱
の茎葉の切断能力が著しく低下し、またローラと
玉葱との摩擦が多くなり、玉葱の移送性が損われ
るとともに、玉葱の表皮が剥離されたり、損傷す
るおそれがあるという問題がある。

そこで、ローラに掻き落し体を設けることが考
えられるが、この手段によつても切断ローラのよ
うに周囲に螺旋状の突条があるものにあつては、
その突条により掻き落し体が十分に機能せず、突
条より低い切断ローラの周面に巻附くなどして附
着した茎葉などを除去することは極めて困難であ
るという欠点がある。

〔考案の目的〕

本考案は、周囲に螺旋状の突条を有する切断ロ
ーラに複数の排除片を十分に機能させ、茎葉など
が切断ローラに附着することを未然に防止し、茎
葉などが切断ローラに附着することによる茎葉の
切断能力の低下を防ぎ茎葉を確実に除去するとと
もに、玉葱などの収穫物を損傷することなく円滑
に移送することができるようにすることを目的と
したものである。

〔考案の概要〕

本考案は、周囲に螺旋状の突条を有する切断ロ
ーラと、この切断ローラの一側部に切断ローラと
は異なる方向に回動する平滑送りローラとを１組
とする複数組のローラユニツトを横方向に並設軸
架し、この複数組のローラユニツトの下側部に無
端体を回行自在に配設するとともに、この無端体
に上記複数組のローラユニツトの各切断ローラに
対して直交方向から弾性的に係合しかつ切断ロー
ラにそつて移行する係合凹部を有する可撓性部材
からなる複数の排除片を突設したことを特徴とす
るものである。

〔考案の実施例〕

以下本考案を添附図面に示す一実施例について
説明する。

まず実施例の構造について説明する。

第１図ないし第４図に示すものにおいて、１は
本体フレームとしての両側の側枠で、この両側の
側枠１は相対して設けられ、その前端部に本体フ
レームとしての両側の前枠２が相対して一体に取
付けられている。

また、上記両側の前枠２間の下端部には先金３
が斜め前方に突設され、この先金３の後端部に搬
入部を臨ませた搬送コンベヤ４が上記両側の前枠
２間において後上方に傾斜して設けられている。
この搬送コンベヤ４は、収穫物を係止する係止体
（図示せず）を所定の間隔毎に搬送面より上方に
突設するとともに、収穫物の搬送時には土を振る
い落しつつ収穫物を搬送するように構成されてい
る。また、この搬送コンベヤ４の搬出部におい
て、上記両側の前枠２に揺動体５の基端部が軸６
を介して上下方向揺動自在に取付けられている。
この揺動体５は、後方に複数の杆体にて振るい枠
部７がフオーク状に形成され、これが上記搬送コ
ンベヤ４の搬出部より下方に位置し、搬出部から
搬出される収穫物、すなわち玉葱を揺動しつつ土
を振るい落すように構成されているとともに、こ
の揺動体５の途中にローラ８が回動自在に取付け
られ、このローラ８は、上記搬送コンベヤ５の搬
出部における駆動軸９に固着されたカム１０に係
合され、このカム１０の回動によつてローラ８を
介して揺動体５を軸６を支点として揺動するよう
になつている。また、この搬送コンベヤ４の駆動
軸９と上記前枠２の途中に設けた中継機構１１と
の間に連動媒体１２が連動連結され、この中継機
構１１は入力軸１３を有するトランスミツシヨン
１４に連動媒体１５を介して連動連結され、この
トランスミツシヨン１４は上記前枠２の前端部間
上に取付けられた機枠１６に固定され、この機枠
１６と上記両側の前枠２の前方部に連結枠１７が
取付けられている。

つぎに、上記両側の側枠１間の前端部に前側支
枠１８が立設されているとともに、この両側の側
枠１間の後方部に前側支枠１８より高さの低い後
側支枠１９が相対して立設され、この前後に対設
された前側支枠１８と後側支枠１９との間に後方
を低くした茎葉処理装置２０が配設されている。
この茎葉処理装置２０は、３本のローラを１組と
する複数組のローラユニツト２１を横方向に並設
軸架して構成されている。この各組のローラユニ
ツト２１は、第２図ないし第４図に示すように、
上記前側支枠１８と後側支枠１９間に回動自在に
取付けられ周囲に丸鋼などを螺旋状に巻装して膨
隆形成した突条２２を有する切断ローラ２３と、
この切断ローラ２３とほぼ同一平面でこれと所定
の間隙をおいて上記前側支枠１８と後側支枠１９
間に回動自在に取付けられた平滑送りローラ２４
およびこの平滑送りローラ２４と上記切断ローラ
２３との間の下部に平滑送りローラ２４とは接触
することなく切断ローラ２３にのみ圧接触して上
記前側支枠１８と後側支枠１９間に回動自在に取
付けられた平滑ローラ２５にて構成されている。
また、上記各組のローラユニツト２１の各切断ロ
ーラ２３および平滑送りローラ２４の軸２６，２
７にはスプロケツト２８，２９が取付けられ、こ
の各スプロケツト２８，２９にはチエーン（図示
せず）がたすきかけに懸架され、上記最端部の切
断ローラ２３の軸２６に取付けられたスプロケツ
ト３０と連動軸３１に取付けられたスプロケツト
３２との間にチエーン３３が懸架されている。ま
たこの連動軸３１は、一方の側枠１に回動自在に
架設され、この連動軸３１の先端部は上記中継機
構１１に連動連結されているとともに、この連動
軸３１の後端部は横送りコンベヤ３４の駆動軸３
５に連動連結され、この横送りコンベヤ３４は上
記側枠１の後端部に設けられている。

つぎに、上記茎葉処理装置２０の下側部におい
て、前後に回転軸３６，３７が回動自在に軸架さ
れ、この前後の回転軸３６，３７の両端部にスプ
ロケツト３８，３９が固着され、この両側前後の
スプロケツト３８，３９間に無端体としてのチエ
ーン４０が回行自在に懸架されている。また、こ
の両側のチエーン４０間に所定の間隔をおいてＬ
形状の取付片４１がチエーン４０の軸杆４２に相
対して固着され、この両側の相対する各取付片４
１間に連結片４３が連結してかけわたされ、この
各連結片４３の長さ方向において上記各ローラユ
ニツト２１の各切断ローラ２３の下方部に位置し
てそれぞれ一対の取付片４４が相対して突設さ
れ、この各一対の取付片４４間にゴムなどの可撓
性部材にて形成された排除片４５の基部が挿着さ
れてビス４６にて固定され、この各排除片４５の
先端部に上記切断ローラ２３の下方一側部から直
交状に弾性的に係合する係合凹部４７が形成さ
れ、この係合凹部４７に上下方向の切目４８が形
成されている。そして、各列における複数の排除
片４５は、各切断ローラ２３にそつてその係合凹
部４７が摺接回行するようになつている。

また、上記前部の回転軸３６に固着されたスプ
ロケツト３８は上記中継機構１１に連動媒体４９
を介して連動連結されている。

また、図中５０は両側の側枠１に支架された車
輪である。

つぎに、上記構造の作用を説明する。

トラクタの三点懸架機構における各連結点に連
結枠１７の各連結部を連結するとともに、トラク
タの出力軸部にユニバーサルジヨイントを介して
入力軸１３を連結する。

ついで、トラクタを走行して収穫機を牽引走行
するとともに、入力軸１３から入力された動力で
トランスミツシヨン１４が駆動され、このトラン
スミツシヨン１４に連動機構を介して連動連結さ
れた搬送コンベヤ４、茎葉処理装置２０の各ロー
ラ２３，２４，２５および横送りコンベヤ３４な
らびに各列における各排除片４５の先端部の係合
凹部４７は各切断ローラ２３にそつてこれに摺接
しつつ連動回行され、そして上記茎葉処理装置２
０の各切断ローラ２３および平滑送りローラ２４
が互いに反対方向の茎葉を引き込む方向に連動回
動され、この各切断ローラ２３に接触して設けた
平滑ローラ２５が反時計方向に連動回動される。

また、これとともに先金３で圃場の玉葱ａが順
次掘上げられ、この玉葱ａは順次搬送コンベヤ４
上に搬入されるとともに、搬送コンベヤ４で土を
振るい落しながら搬送される。ついで、搬送コン
ベヤ４の玉葱ａは、その搬出部から揺動体５の振
るい枠部７上に搬入され、この揺動体５の揺動動
作によつてさらに土が振るい落されて茎葉処理装
置２０に搬入される。

そして、この茎葉処理装置２０上において各玉
葱ａは、各ローラユニツト２１の螺旋状の突条２
２を有する切断ローラ２３と平滑送りローラ２４
との間に位置され、この切断ローラ２３の螺旋状
の突条２２によつて後方に搬送されるとともに、
各玉葱ａの茎葉は、その回動に伴つて下方に引き
込まれ、切断ローラ２３とこれに接触従動する平
滑ローラ２５との間に挾持されるとともに、この
切断ローラ２３の螺旋状の突条２２と平滑ローラ
２５とにより引きちぎられて切断除去され、した
がつて各玉葱ａは、各切断ローラ２３の螺旋状の
突条２２によつて搬送されて横送りコンベヤ３４
に搬入され、この横送りコンベヤ３４によつて側
方に搬出される。この場合、平滑送りローラ２４
と平滑ローラ２５とは接触回動しないので、平滑
送りローラ２４に土や玉葱ａの茎葉が附着するこ
とがなく、また、切断ローラ２３に附着した土や
これに巻込まれようとする玉葱ａの茎葉は、切断
ローラ２３の一側部にそつて係合凹部４７が摺接
回行する各排除片４５によつて除去される。この
際、各排除片４５は可撓性を有するとともに先端
部に係合凹部４８および上下方向の切目４８を有
するので、これが切断ローラ２３の周面に独立的
に作用し、切断ローラ２３の突条２２に影響され
ることなく各排除片４５が突条２２の間の切断ロ
ーラ２３の周面に常に弾性的に摺接し、しかもこ
の各排除片４５は可撓性を有するので切断ローラ
２３に大きな回転抵抗を附与することがなく、し
たがつて切断ローラ２３に対する土の附着および
玉葱ａの茎葉の巻附きが防止される。

つぎに、前記実施例では排除片４５は、切断ロ
ーラ２３に係合する場合について説明したが、こ
れに限らず、第５図に示すように、排除片４５
は、先端部に切断ローラ２３に係合する係合凹部
４７を形成するとともに、一側上部に平滑ローラ
２５に係合する係合凹部５１を形成し、この排除
片４５にて切断ローラ２３および平滑ローラ２５
に附着する土や茎葉を同時に除去するようにして
もよい。

〔考案の効果〕

本考案によれば、複数組のローラユニツトの下
側部に無端体を回行自在に配設するとともに、こ
の無端体に上記複数組のローラユニツトの各切断
ローラに対して直交方向から弾性的に係合しかつ
切断ローラにそつて移行する係合凹部を有する可
撓性部材からなる複数の排除片を突設したので、
各排除片の係合凹部はその回行移動に伴つて螺旋
状の突条を有する切断ローラの周面に係合摺接し
つつ切断ローラの周面に茎葉や土泥などが附着す
ることを未然にかつこれを確実に防止することが
できるとともに附着した土泥や茎葉は確実に排除
することができ、したがつて茎葉などが切断ロー
ラに附着することによる茎葉の切断能力の低下を
防ぎ、収穫物から茎葉を常に確実に除去すること
ができるとともに、収穫物を損傷することなく、
これを円滑に移送することができ、またこの各排
除片は可撓性部材からなるとともに切断ローラに
係合する係合凹部を形成したので、切断ローラに
対しては嵌合状態で係合し、その大きな係合面で
切断ローラの回動と相俟つてすぐれた排除機能を
発揮することができ、したがつて収穫物の移送と
茎葉の分離除去を常に確実に行うことができる茎
葉処理装置を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の一実施例を示すもので、第１図は
茎葉処理装置を備えた収穫機の側面図、第２図は
同上茎葉処理装置の側面図、第３図は同上一部を
切欠いた斜視図、第４図は同上断面図、第５図は
他の実施例を示す茎葉処理装置の一部の断面図で
ある。 ２０……茎葉処理装置、２１……ローラユニツ
ト、２２……突条、２３……切断ローラ、２４…
…平滑送りローラ、４０……無端体、４５……排
除片、４７，５１……係合凹部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 周囲に螺旋状の突条を有する切断ローラと、こ
   の切断ローラの一側部に切断ローラとは異なる方
   向に回動する平滑送りローラとを１組とする複数
   組のローラユニツトを横方向に並設軸架し、この
   複数組のローラユニツトの下側部に無端体を回行
   自在に配設するとともに、この無端体に上記複数
   組のローラユニツトの各切断ローラに対して直交
   方向から弾性的に係合しかつ切断ローラにそつて
   移行する係合凹部を有する可撓性部材からなる複
   数の排除片を突設したことを特徴とする茎葉処理
   装置。