JPH0571197B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は、上下面に電極層が配設される単一
の、または積層された複数枚の可撓性圧電シート
からなる可撓性圧電体に関し、詳しくは、電極層
から外部に引き出されるリード線の接続手段の改
良に関する。

〈従来技術〉 ポリ弗化ビニリデン、ポリ弗化ビニール、ポリ
塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニール、ナイロン等
の圧電性有機物もしくは合成ゴムや合成樹脂の有
機物中にチタン酸ジルコン酸鉛、チタン酸鉛等の
強誘電セラミツク粒子を混合してなる圧電性有機
セラミツク複合物等の可撓性圧電シートは、音響
インピーダンスが水の音響インピーダンスに近似
する特性を有する。そこでこれを単独で、または
複数枚積層して可撓性圧電体とし、水中を伝播す
る音響波を受波する圧電トランデユーサとして用
いている。また該可撓性圧電体は音波または超音
波を被検知物体に向けて放射する送波器としても
用いられる。さらにまた、該可撓性圧電体は機械
的応力を電気に変換する機械−電気変換素子とし
ても用いられる。

このように可撓性圧電体は、種々の用途があ
る。

この可撓性圧電体は、電圧の印加や、出力信号
の取出しのために、可撓性圧電シートの上下に配
設される電極層にリード線が接続される。

〈発明が解決しようとする問題点〉 ところで、従来の可撓性圧電体ａのリード線ｌ
との接続は、第５図に示すように、可撓性圧電シ
ートｂを複数積層したものにあつては、その上下
面に電極層ｄ，ｄを形成し、該電極層ｄ，ｄにリ
ード線ｌを半田付けにより固定するとともに、可
撓性圧電シートｂ，ｂ間に導電性ゴム等により中
間電極層ｅを形成し、可撓性圧電体ａの側面に該
中間電極層ｅと接続する導電接着剤ｆを塗着し
て、該接着剤ｆにリード線ｌを接続し、さらに絶
縁材料ｇを被着するようにしている。

このため、中間電極層ｅとリード線ｌとの接続
にあつては、接着剤ｆの塗布乾燥に手間がかか
り、その接続が面倒であつた。また前記リード線
ｌは夫々、ほぼ点接触によるから、その接続強度
が低く、導電性についても信頼性が低い。しか
も、接着剤ｆがリード線ｌの引張に伴つて剥離し
て、中間電極層ｅとリード線ｌとの接続不良を生
じ易い。

本発明は、リード線ｌとの接続を、上述の欠点
を生じること無く施し得る構成を備えた可撓性圧
電体の提供を目的とするものである。

〈問題点を解決するための手段〉 本発明は、上下面に電極層が配設される単一
の、または積層された複数枚の可撓性圧電シート
からなり、前記可撓性圧電シートの電極層配設面
の所要部に、複数の導電性フイルムを重ね合わせ
て、そのフイルム対の間にリード線を差込んで結
着する挟着部を生じさせてなる受入端子を配設
し、さらに該受入端子の上に、他の積層物を被着
したことを特徴とするものである。

前記積層物としては、他の可撓性圧電シート、
電極層等があり、該積層物と可撓性圧電シート間
で受入端子は保持される。

〈作用〉 前記構成にあつて、可撓性圧電体の両端部を内
方に圧縮すると、フイルム対は該可撓性圧電体の
撓みに対応して相互に離間し、その挟着部が閉口
する。そこで該開口からリード線を挿入し、前記
圧縮を解除すると、リード線は、フイルム対に挟
持され、その接続が施されることとなる。

〈実施例〉 第１図について、１は可撓性圧電体であつて、
二枚の可撓性圧電シート２，２を積層してなり、
該可撓性圧電シート２，２は、例えばその外面側
が負、内面側が正となるように、反対方向に分極
し、その当接面を同極としている。

そして、その最外面には例えば導電ゴム等より
なるシート状の電極層３，３が配設される。ま
た、可撓性圧電シート２，２の積層面には、金属
被膜、導電性ゴム等により形成される中間電極層
４が形成されている。

また前記可撓性圧電シート２，２の積層面の一
側縁中央部には、導電性フイルム６，６を夫々接
離可能に重ね合わせて、その導電性フイルム６，
６対間をリード線ｌの挟着部７としている受入端
子８が配設される。前記導電性フイルム６，６
は、半田付性、耐蝕性が良好であり、引張強度が
大な銀フイルムが最適である。

前記受入端子８は、可撓性圧電シート２，２の
接着時に介装して接合するか、または、可撓性圧
電シート２，２を同時加硫して相互に接合する場
合には、加硫前に埋め込んで配設される。

前記受入端子８は第３図イのように、分離した
二枚以上の導電性フイルム６，６を互いに重ね合
わせることにより構成してもよく、または第３図
ロのように一枚のフイルム９をＵ字状に折曲げて
各半分を導電性フイルム６，６とし、夫々を可撓
性圧電シート２，２の積層面に接合することによ
り構成してもよい。

前記構成にあつて、第２図に示すように可撓性
圧電体１の両端を内方に圧縮すると、前記受入端
子８の挟着部７が開口し、該開口にリード線ｌを
挿入してから半田付けをし、圧縮力を解除する。
これにより、リード線ｌは受入端子８に挟持され
て電気的に接続される。

而て、前記構成にあつて、リード線ｌは受入端
子８を介して中間電極層４に電気的に接続するこ
ととなる。

第４図は一枚の可撓性圧電シート１１により構
成された可撓性圧電体１０であつて、前記可撓性
圧電シート１１の外面の所要部に導電性フイルム
１２，１２からなる受入端子１４を配設し、さら
にその上に導電性ゴムからなるシート状の導電層
１５，１５を被着して構成される。かかる実施例
にあつても、可撓性圧電体１０を両端から圧縮す
ることにより、前記受入端子１４の挟着部１３を
開口し、該挟着部１３にリード線ｌを挿入して半
田付けすることにより、該リード線ｌは夫々電極
層１５，１５と電気的に接続することとなる。

かかる構成は、第１，２図の最外面の受入端子
８とリード線ｌとの接続にも適用できる。

〈発明の効果〉 本発明は、上述のように、可撓性圧電体１，１
０を構成する可撓性圧電シート２，２，１１の電
極層配設面に複数の導電性フイルム６，６，１
２，１２からなる受入端子８，１４を配設し、そ
の挟着部７，１３にリード線ｌを挿入するように
したものであるから、リード線ｌとの接触面積を
充分確保できて、その保持強度を大きくでき、か
つ電気的接続が確実となるとともに、その接続が
容易である等の優れた効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は第一実施例の側面図、第２図は同開口
状態の斜視図、第３図イ，ロは受入端子８の態様
を示す側面図、第４図は第二実施例の側面図、第
５図は従来構成の縦断側面図である。 １……可撓性圧電体、２，２……可撓性圧電シ
ート、３，３……カーボン電極層、４……中間電
極層、６，６……導電性フイルム、７……挟着
部、８……受入端子、１０……可撓性圧電体、１
１……可撓性圧電シート、１２，１２……導電性
フイルム、１３……挟着部、１４……受入端子、
ｌ……リード線。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 上下面に電極層が配設される単一の、または
   積層された複数枚の可撓性圧電シートからなり、
   前記可撓性圧電シートの電極層配設面の所要部
   に、複数の導電性フイルムを重ね合わせて、その
   フイルム対の間にリード線を差込んで結着する挟
   着部を生じさせてなる受入端子を配設し、さらに
   該受入端子の上に、他の積層物を被着したことを
   特徴とする可撓性圧電体。