JP2630950B2 - 水中用圧電受波シート - Google Patents
水中用圧電受波シートInfo
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- piezoelectric sheet
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Description
【発明の詳細な説明】 ＜産業上の利用分野＞ 本発明は、海底地震探査や魚群探知用のハイドロフォ
ン、または超音波洗浄装置の洗浄液内における音響測定
子等に好適に利用される水中用圧電受波シートに関す
る。
ン、または超音波洗浄装置の洗浄液内における音響測定
子等に好適に利用される水中用圧電受波シートに関す
る。
＜従来技術＞ ポリ弗化ビニリデン，ポリ弗化ビニール，ポリ塩化ビ
ニリデン，ポリ塩化ビニール，ナイロン等の圧電性有機
物もしくは合成ゴムや合成樹脂の有機物中にチタン酸ジ
ルコニア酸鉛，チタン酸鉛等の強誘電セラミック粒子を
混合してなる圧電性有機セラミック複合物は、一般の焼
結質圧電磁器材料に比し、その音響インピーダンスが水
の音響インピーダンスに近似する特性を有し、このた
め、これを圧電トランデューサとして用いると水中を伝
播する音響波を効率良く受波し、感度を高め得る利点を
生じる。
ニリデン，ポリ塩化ビニール，ナイロン等の圧電性有機
物もしくは合成ゴムや合成樹脂の有機物中にチタン酸ジ
ルコニア酸鉛，チタン酸鉛等の強誘電セラミック粒子を
混合してなる圧電性有機セラミック複合物は、一般の焼
結質圧電磁器材料に比し、その音響インピーダンスが水
の音響インピーダンスに近似する特性を有し、このた
め、これを圧電トランデューサとして用いると水中を伝
播する音響波を効率良く受波し、感度を高め得る利点を
生じる。
そこで第６図に示すように、前記圧電材料よりなる圧
電シートａの上下面に電極シートb,cを設け、電極シー
トb,c間に所定の直流電圧を印加して圧電シートａを厚
み方向に分極し、これを水中に浸漬して、前記電極シー
トｂ及び導電被覆ｃ間から出力信号を取出して前記水中
を伝播する音響波を受信するようにした水中用圧電受波
シートがある。
電シートａの上下面に電極シートb,cを設け、電極シー
トb,c間に所定の直流電圧を印加して圧電シートａを厚
み方向に分極し、これを水中に浸漬して、前記電極シー
トｂ及び導電被覆ｃ間から出力信号を取出して前記水中
を伝播する音響波を受信するようにした水中用圧電受波
シートがある。
＜発明が解決しようとする問題点＞ ところで、前記構成による圧電シートは、柔軟である
ため、音響波以外の圧力、例えば吹き流し時の引張応力
や水の流動，波立等による曲げ応力が作用するが、これ
ら機械的応力は圧電シートａの面方向（分極軸に垂直な
方向）に歪みを与え電荷又は電圧を生じ、これがノイズ
信号となって音響波に重畳的に加わり、S/N比を低下さ
せるという欠点があった。
ため、音響波以外の圧力、例えば吹き流し時の引張応力
や水の流動，波立等による曲げ応力が作用するが、これ
ら機械的応力は圧電シートａの面方向（分極軸に垂直な
方向）に歪みを与え電荷又は電圧を生じ、これがノイズ
信号となって音響波に重畳的に加わり、S/N比を低下さ
せるという欠点があった。
そこで、特開昭61−99499号に開示されているよう
に、圧電性有機セラミック複合物からなる第一圧電シー
トと第二圧電シートを積層し、前記いずれかの圧電シー
トを、他方の圧電シートに比してハイドロフォン定数の
大きな圧電材料とするとともに、面方向に作用する応力
により発生する電荷又は電圧がほぼ相等しくなるよう構
成して、前記第一圧電シートと第二圧電シートから生じ
る電荷又は電圧の差異を取出すようにしたものが提案さ
れた。
に、圧電性有機セラミック複合物からなる第一圧電シー
トと第二圧電シートを積層し、前記いずれかの圧電シー
トを、他方の圧電シートに比してハイドロフォン定数の
大きな圧電材料とするとともに、面方向に作用する応力
により発生する電荷又は電圧がほぼ相等しくなるよう構
成して、前記第一圧電シートと第二圧電シートから生じ
る電荷又は電圧の差異を取出すようにしたものが提案さ
れた。
このものは、両圧電シートによって生ずる面方向に作
用する応力により発生する電荷又は電圧を打消し合うよ
うにして、ノイズ信号を除去し、S/N比を向上させるよ
うにしたものである。
用する応力により発生する電荷又は電圧を打消し合うよ
うにして、ノイズ信号を除去し、S/N比を向上させるよ
うにしたものである。
ところで、前記構成は、第一圧電シートと第二圧電シ
ートを積層するものであるため、次の欠点を生ずる。
ートを積層するものであるため、次の欠点を生ずる。
Ｉ）積層構造であるため、二層間には接着材層または絶
縁層が介装されるが、その介装物を均一かつ高密度に配
設することは困難であり、空気層，気泡を生じ易く、音
響波の反射や損失を生ずる。このため、特性がバラ付つ
いたり、出力が低下する。
縁層が介装されるが、その介装物を均一かつ高密度に配
設することは困難であり、空気層，気泡を生じ易く、音
響波の反射や損失を生ずる。このため、特性がバラ付つ
いたり、出力が低下する。
II）前記構造は、二層を重ねてから、プレス架硫により
加圧形成する。ところが第一圧電シートと第二圧電シー
トは、夫々異材料で形成され、硬度等その物性が相違
し、均一な厚を形成するのは困難であり、歩留まりが悪
く製造上の問題点がある。
加圧形成する。ところが第一圧電シートと第二圧電シー
トは、夫々異材料で形成され、硬度等その物性が相違
し、均一な厚を形成するのは困難であり、歩留まりが悪
く製造上の問題点がある。
本発明は、前記構成の欠点を除去するために、単層構
造の水中用圧電受波シートの提供を目的とするものであ
る。
造の水中用圧電受波シートの提供を目的とするものであ
る。
＜問題点を解決するための手段＞ 本発明は、圧電性有機セラミック複合物からなる第一
圧電シートと第二圧電シートとを並列させて面方向に結
合し、一方の圧電シートを、他方の圧電シートに比して
ハイドロフォン定数の大きな圧電材料とし、かつ面方向
に作用する応力により発生する電荷又は電圧がほぼ相等
しくなるように構成するとともに、第一圧電シートと第
二圧電シートから生じる電荷又は電圧の差異を取出す電
気的接続手段を備えたことを特徴とするものである。
圧電シートと第二圧電シートとを並列させて面方向に結
合し、一方の圧電シートを、他方の圧電シートに比して
ハイドロフォン定数の大きな圧電材料とし、かつ面方向
に作用する応力により発生する電荷又は電圧がほぼ相等
しくなるように構成するとともに、第一圧電シートと第
二圧電シートから生じる電荷又は電圧の差異を取出す電
気的接続手段を備えたことを特徴とするものである。
＜作用＞ 本発明におけるノイズキャンセル原理は以下の通りで
ある。
ある。
いま、一方の圧電層のハイドロフォン定数を1dh及び
圧電定数をそれぞれ1d33，1d31とすると、これらの間に
は1 dh＝1d33＋２1d31 の関係がある。
圧電定数をそれぞれ1d33，1d31とすると、これらの間に
は1 dh＝1d33＋２1d31 の関係がある。
また、他方の圧電層についてもそれぞれ定数を2dh，2
d33，2d31とすると、これらの間には2 dh＝2d33＋２2d31 の関係がある。
d33，2d31とすると、これらの間には2 dh＝2d33＋２2d31 の関係がある。
ところで圧電定数1d33，2d33は厚み方向（分極方向）
の圧力に応答する電気変換率を示し、音響波信号はこの
定数に基づく電荷である。また圧電定数1d31，2d31は面
方向（分極軸に垂直な方向）の圧力に応答する電気変換
率を示しノイズ信号はこの定数に基づく電荷である。
の圧力に応答する電気変換率を示し、音響波信号はこの
定数に基づく電荷である。また圧電定数1d31，2d31は面
方向（分極軸に垂直な方向）の圧力に応答する電気変換
率を示しノイズ信号はこの定数に基づく電荷である。
そしてまた出力電荷Ｑと、圧電定数との関係は Ｑ＝（1dh・v1−2dh・v2）Ｐ となり、 Ｑ＝［（1d33・v1−2d33・v2） ＋２（1d31・v1−2d31・v2）］Ｐ となる。ここでＰは水中音響波信号圧力、ｖは体積を示
す。
す。
従ってこれらの関係より1 dh−2dh≠０ …1 d31・v1−2d31・v2＝０ … とすることによって、（1d33・v1−2d33・v2）のみが有
効となり、ノイズ信号が除去されて音響波による信号が
取出される。
効となり、ノイズ信号が除去されて音響波による信号が
取出される。
そこで本発明では、一方の圧電層の材料にハイドロフ
ォン定数1dhの大きい圧電性有機セラミック複合物、例
えばチタン酸鉛（PbTiO3）にゴム、樹脂等の有機物を混
合したものを選択使用する。ちなみにPbTiO3とシリコン
ゴムを7:10の比で混合した材料は1dh＝35×10-12（C/
N）である。また他方の圧電層の材料にハイドロフォン
定数2dhの小さい圧電複合材料、例えばジルコン酸・チ
タン酸鉛（Pb(Zr・Ti)O3）にゴム，樹脂等の有機物を混
合したものを選択使用する。ちなみにPb(Zr・Ti)O3とシ
リコンゴムを7:10の比で混合した材料は2dh＝８×10-12
（C/N）である。
ォン定数1dhの大きい圧電性有機セラミック複合物、例
えばチタン酸鉛（PbTiO3）にゴム、樹脂等の有機物を混
合したものを選択使用する。ちなみにPbTiO3とシリコン
ゴムを7:10の比で混合した材料は1dh＝35×10-12（C/
N）である。また他方の圧電層の材料にハイドロフォン
定数2dhの小さい圧電複合材料、例えばジルコン酸・チ
タン酸鉛（Pb(Zr・Ti)O3）にゴム，樹脂等の有機物を混
合したものを選択使用する。ちなみにPb(Zr・Ti)O3とシ
リコンゴムを7:10の比で混合した材料は2dh＝８×10-12
（C/N）である。
このように一方の圧電層を他方の圧電層に比しハイド
ロフォン定数の大きい圧電材料とすることで上記関係式
を満足することができる。一方、これらの圧電材料
は、ハイドロフォン定数dhの大きい材料ほどd31の絶対
値が小さい。例えば上記特定の割合で配合したPbTiO3材
料の場合1d31＝−５×10-6（C/N），同じくPb(Ti・Zr)O3
材料の場合2d31＝−25×10-6（C/N）と異なる。そこ
で、1d31・v1＝2d31・v2（上記関係式）の関係を成立
させるために、PbTiO3材料の圧電層の体積v1を、Pb(Ti・
Zr)O3材料の圧電層の体積v2に対して大きくし、v1／v2
＝2d31／1d31の関係となるように設定するか、体積を等
しくしながら圧電定数2d31が1d31値に相等しくなるよう
に、分極電圧を下げて2d31の低下を図る。
ロフォン定数の大きい圧電材料とすることで上記関係式
を満足することができる。一方、これらの圧電材料
は、ハイドロフォン定数dhの大きい材料ほどd31の絶対
値が小さい。例えば上記特定の割合で配合したPbTiO3材
料の場合1d31＝−５×10-6（C/N），同じくPb(Ti・Zr)O3
材料の場合2d31＝−25×10-6（C/N）と異なる。そこ
で、1d31・v1＝2d31・v2（上記関係式）の関係を成立
させるために、PbTiO3材料の圧電層の体積v1を、Pb(Ti・
Zr)O3材料の圧電層の体積v2に対して大きくし、v1／v2
＝2d31／1d31の関係となるように設定するか、体積を等
しくしながら圧電定数2d31が1d31値に相等しくなるよう
に、分極電圧を下げて2d31の低下を図る。
尚、Pb(Ti・Zr)O3材料の2d31の低下は同時に2dhも小さ
くなるため、PbTiO3の1dhとの差が益々大きくなって感
度を最良にならしめる効果もある。
くなるため、PbTiO3の1dhとの差が益々大きくなって感
度を最良にならしめる効果もある。
また上記は圧電層に発生する電荷Ｑに基づくノイズキ
ャンセル原理を説明したが、発生電圧ＶによってもＶ＝
Q/Cなる関係式から同様に説明することができる。
ャンセル原理を説明したが、発生電圧ＶによってもＶ＝
Q/Cなる関係式から同様に説明することができる。
本発明は、かかるノイズキャンセル原理に基くもので
あって、圧電シートが引っ張り又は屈撓により面方向の
応力を受けた場合に、該応力に基づいて第二圧電シート
および第一圧電シートに発生する電荷（又は電圧）は夫
々等しく、電気的減算により消滅する。このため、音響
波が水中に発生すると、前記電気的接続手段から２つの
圧電シートのハイドロフォン定数の差に基づく電荷（又
は電圧）のみの取出しが可能となる。
あって、圧電シートが引っ張り又は屈撓により面方向の
応力を受けた場合に、該応力に基づいて第二圧電シート
および第一圧電シートに発生する電荷（又は電圧）は夫
々等しく、電気的減算により消滅する。このため、音響
波が水中に発生すると、前記電気的接続手段から２つの
圧電シートのハイドロフォン定数の差に基づく電荷（又
は電圧）のみの取出しが可能となる。
＜実施例＞ 第1,2図について、圧電受波シートＡの構成について
説明する。
説明する。
1aは方形板状からなる第一圧電シートであって、その
中央部が矩形状にくり抜かれて、第二圧電シート2aが絶
縁層３を介して嵌着されている。前記絶縁層３は空気層
のほか、合成ゴム，合成樹脂材料等の絶縁材により構成
される。前記第二及び第二圧電シート1a,2aは夫々圧電
ゴム等からなり、例えば第一圧電シート1aの上面側が
負、下面側が正、第二圧電シート2aの上面側が正、下面
側が負となるように厚み方向に分極されている。
中央部が矩形状にくり抜かれて、第二圧電シート2aが絶
縁層３を介して嵌着されている。前記絶縁層３は空気層
のほか、合成ゴム，合成樹脂材料等の絶縁材により構成
される。前記第二及び第二圧電シート1a,2aは夫々圧電
ゴム等からなり、例えば第一圧電シート1aの上面側が
負、下面側が正、第二圧電シート2aの上面側が正、下面
側が負となるように厚み方向に分極されている。
前記第一圧電シート1aは、ハイドロフォン定数の大き
い、例えばチタン酸鉛（PbTiO3）系材料により形成し、
第二圧電シート2aを通常のPb(Ti・Zr)O3系材料により形
成する。また第一圧電シート1aの圧電定数1d31は、第二
圧電シート2aの圧電定数2d31に比して絶対値が小さい。
そこで、第一圧電シート1aを第二圧電シート2aに比して
高面積とし、その体積v1を第二圧電シート2aの体積より
も大とし、v1／v2＝2d31／1d31の関係が可及的に成立す
るようにする。
い、例えばチタン酸鉛（PbTiO3）系材料により形成し、
第二圧電シート2aを通常のPb(Ti・Zr)O3系材料により形
成する。また第一圧電シート1aの圧電定数1d31は、第二
圧電シート2aの圧電定数2d31に比して絶対値が小さい。
そこで、第一圧電シート1aを第二圧電シート2aに比して
高面積とし、その体積v1を第二圧電シート2aの体積より
も大とし、v1／v2＝2d31／1d31の関係が可及的に成立す
るようにする。
さらにまた圧電シート1a,2aの上下面には、両シート1
a,2aを覆って電極シート4,5が被着され、夫々の圧電シ
ート1a,2aの上下面を電気的に短絡している。
a,2aを覆って電極シート4,5が被着され、夫々の圧電シ
ート1a,2aの上下面を電気的に短絡している。
前記構成からなる圧電受波シートＡは、前記電極シー
ト３と電極シート4,5とを絶縁するために、絶縁被覆６
で覆う等の手段を必要とする。
ト３と電極シート4,5とを絶縁するために、絶縁被覆６
で覆う等の手段を必要とする。
而て、形成された矩形状の圧電受波シートＡには、第
一圧電シート1aの負電極となり、かつ第二圧電シート2a
の正電極となる電極シート４にリード線７を、第一圧電
シート1aの正電極となり、かつ第二圧電シート2aの負電
極となる電極シート５にリード線８を夫々接続して、そ
の端部を出力端子9,10とし、出力端子9,10間より出力信
号を取出すようにしている。尚、前記出力端子９はアー
ス側となっている。
一圧電シート1aの負電極となり、かつ第二圧電シート2a
の正電極となる電極シート４にリード線７を、第一圧電
シート1aの正電極となり、かつ第二圧電シート2aの負電
極となる電極シート５にリード線８を夫々接続して、そ
の端部を出力端子9,10とし、出力端子9,10間より出力信
号を取出すようにしている。尚、前記出力端子９はアー
ス側となっている。
前記実施例の作用を説明すると、圧電受波シートＡに
波立等により面方向の応力を生じると、圧電シート1a,2
aに夫々電荷（又は電圧）が生じる。ところで、第一圧
電シート1aと第二圧電シート2aは、v1／v2＝2d31／1d31
の関係が可及的に成立するようにしてあるから、面方向
の応力によって両圧電シート1a,2aに発生する電荷量
（又は電圧）は、ほとんど同じであり、第一圧電シート
1aの負電極と、第二圧電シート2aの正電極とは電極シー
ト４により電気的に短絡し、また第一圧電シート1aの正
電極と、第二圧電シート2aの負電極とは電極シート５を
介して短絡しているので消極し合い、結局出力端子9,10
間には波立等の外的応力によっては電位差（又は電圧
差）が生じない。一方、音響波による影響はシート全面
から圧電シート1a,2aに作用するが、第一圧電シート1a
はハイドロフォン定数の大きな材料によって形成されて
いるから、第二圧電シート2aよりも音響波に対する感度
が高い。このためその液中に音響波が発生すると、その
感度差に対応する出力が出力端子9,10間に発生する。
波立等により面方向の応力を生じると、圧電シート1a,2
aに夫々電荷（又は電圧）が生じる。ところで、第一圧
電シート1aと第二圧電シート2aは、v1／v2＝2d31／1d31
の関係が可及的に成立するようにしてあるから、面方向
の応力によって両圧電シート1a,2aに発生する電荷量
（又は電圧）は、ほとんど同じであり、第一圧電シート
1aの負電極と、第二圧電シート2aの正電極とは電極シー
ト４により電気的に短絡し、また第一圧電シート1aの正
電極と、第二圧電シート2aの負電極とは電極シート５を
介して短絡しているので消極し合い、結局出力端子9,10
間には波立等の外的応力によっては電位差（又は電圧
差）が生じない。一方、音響波による影響はシート全面
から圧電シート1a,2aに作用するが、第一圧電シート1a
はハイドロフォン定数の大きな材料によって形成されて
いるから、第二圧電シート2aよりも音響波に対する感度
が高い。このためその液中に音響波が発生すると、その
感度差に対応する出力が出力端子9,10間に発生する。
而て、前記したように波立等の外的応力による電位の
発生は消去されるから端子9,10間には音響波に対応する
電気信号のみが抽出されるようになる。このため、湾曲
等にる影響を受けないで、音響波のみを受信することが
できる。
発生は消去されるから端子9,10間には音響波に対応する
電気信号のみが抽出されるようになる。このため、湾曲
等にる影響を受けないで、音響波のみを受信することが
できる。
前記構成からなる圧電受波シートＡは水中の適宜箇所
に点在させ、夫々の位置での音響波を検出することによ
り、水中での音響波のバラ付を検出することができる。
に点在させ、夫々の位置での音響波を検出することによ
り、水中での音響波のバラ付を検出することができる。
第３図は、圧電受波シートＢを示し、第一圧電シート
1b,第二圧電シート2bの分極方向を同一とした実施例を
示す。この場合には第一圧電シート1bの上下面に被着す
る電極シート11a,11bと第二圧電シート2bの上下面に被
着する電極シート12a,12bとを、第二圧電シート2bの周
囲に形成した絶縁層13により絶縁し、第一圧電シート1b
の正電極となる電極シート11aを第二圧電シート2bの負
電極となる電極シート12bとリード線15で接続し、第一
圧電シート1bの負電極となる電極シート11bを第二圧電
シート2bの正電極となる電極シート12aとリード線16で
夫々電気的に接続し、その電位差を出力端子17、18から
取出す。またこれ以外の電気的接続を防止するために、
例えば前記圧電受波シート全周に絶縁被覆14を施す。
1b,第二圧電シート2bの分極方向を同一とした実施例を
示す。この場合には第一圧電シート1bの上下面に被着す
る電極シート11a,11bと第二圧電シート2bの上下面に被
着する電極シート12a,12bとを、第二圧電シート2bの周
囲に形成した絶縁層13により絶縁し、第一圧電シート1b
の正電極となる電極シート11aを第二圧電シート2bの負
電極となる電極シート12bとリード線15で接続し、第一
圧電シート1bの負電極となる電極シート11bを第二圧電
シート2bの正電極となる電極シート12aとリード線16で
夫々電気的に接続し、その電位差を出力端子17、18から
取出す。またこれ以外の電気的接続を防止するために、
例えば前記圧電受波シート全周に絶縁被覆14を施す。
第４図は、圧電受波シートＣの構成を示し、第一圧電
シート1c,1cと第二圧電シート2c,2cとを辺方向で異なっ
たシートが隣接するように面方向に四枚組合わせて、一
枚板としたものであって、その上下面に電極シート20,2
1が被着され、夫々の異極相互が短絡される。そして電
極シート20,21に夫々接続したリード線22,23の出力端子
から、電位差が取出される。尚、かかる構成にあって
は、第一圧電シート1cと、第二圧電シート2cの体積が等
しいから、前記した関係式を満足させるために、分極
電圧を調整して、1d31と2d31を可及的に等しくする。
シート1c,1cと第二圧電シート2c,2cとを辺方向で異なっ
たシートが隣接するように面方向に四枚組合わせて、一
枚板としたものであって、その上下面に電極シート20,2
1が被着され、夫々の異極相互が短絡される。そして電
極シート20,21に夫々接続したリード線22,23の出力端子
から、電位差が取出される。尚、かかる構成にあって
は、第一圧電シート1cと、第二圧電シート2cの体積が等
しいから、前記した関係式を満足させるために、分極
電圧を調整して、1d31と2d31を可及的に等しくする。
第５図は、圧電受波シートＤの構成を示し、第一圧電
シート1dに、円柱状の第二圧電シート2dを複数埋め込ん
だものであって、夫々その分極方向を反対としている。
またその上下面に電極シート30,31が被着され、夫々の
異極相互を短絡するようにしている。而て、電極シート
30,31に夫々接続したリード線の出力端子から、電位差
が取出される。
シート1dに、円柱状の第二圧電シート2dを複数埋め込ん
だものであって、夫々その分極方向を反対としている。
またその上下面に電極シート30,31が被着され、夫々の
異極相互を短絡するようにしている。而て、電極シート
30,31に夫々接続したリード線の出力端子から、電位差
が取出される。
前記各圧電受波シートＢ〜Ｄの作用は前記圧電受波シ
ートＡと基本的に同じであり、その説明を省略する。
ートＡと基本的に同じであり、その説明を省略する。
尚、前記各実施例に示す電気的接続手段を換えて、一
方の圧電シートから発生した電荷を反転し、他方の圧電
シートから発生した電荷と結合し、その差を取出すよう
にしてもよい。
方の圧電シートから発生した電荷を反転し、他方の圧電
シートから発生した電荷と結合し、その差を取出すよう
にしてもよい。
また圧電受波シートの形状は、用途に応じて種々選択
でき、円板状等の形状が考えられる。
でき、円板状等の形状が考えられる。
＜発明の効果＞ 本発明は前記の説明によって明らかにしたように、圧
電受波シートが外圧により湾曲した場合に、第一圧電シ
ートおよび第二圧電シートに発生する電荷を打消し合う
ようにし、ハイドロフォン定数の大きな材料によって形
成された圧電シートに生ずる音響波に対応した電荷のみ
を出力端子から取出し得るようにしたから、前記波立等
の外的応力による影響を可及的に除去して抽出でき、圧
電シートの出力のS/N比を著しく向上できる。また、第
一圧電シートおよび第二圧電シートは面方向で結合し、
単層としたから、積層構造と異なり、介装物が無いた
め、音響波の反射が無く、高出力で安定した特性を得る
ことができるとともに、その製造が容易である等の優れ
た効果がある。
電受波シートが外圧により湾曲した場合に、第一圧電シ
ートおよび第二圧電シートに発生する電荷を打消し合う
ようにし、ハイドロフォン定数の大きな材料によって形
成された圧電シートに生ずる音響波に対応した電荷のみ
を出力端子から取出し得るようにしたから、前記波立等
の外的応力による影響を可及的に除去して抽出でき、圧
電シートの出力のS/N比を著しく向上できる。また、第
一圧電シートおよび第二圧電シートは面方向で結合し、
単層としたから、積層構造と異なり、介装物が無いた
め、音響波の反射が無く、高出力で安定した特性を得る
ことができるとともに、その製造が容易である等の優れ
た効果がある。
第１図は本発明に係る圧電受波シートＡの斜視図、第２
図は同縦断側面図、第３図は圧電受波シートＢの縦断側
面図、第４図は圧電受波シートＣの斜視図、第５図は圧
電受波シートＤの斜視図である。また、第６図は従来装
置の斜視図である。 Ａ〜Ｄ…圧電受波シート 1a〜1d…第一圧電シート 2a〜2d…第二圧電シート 4,5,11a,11b,12a,12b,20,21,30,31…電極シート
図は同縦断側面図、第３図は圧電受波シートＢの縦断側
面図、第４図は圧電受波シートＣの斜視図、第５図は圧
電受波シートＤの斜視図である。また、第６図は従来装
置の斜視図である。 Ａ〜Ｄ…圧電受波シート 1a〜1d…第一圧電シート 2a〜2d…第二圧電シート 4,5,11a,11b,12a,12b,20,21,30,31…電極シート
Claims (1)
- 【請求項１】圧電性有機セラミック複合物からなる第一
圧電シートと第二圧電シートとを並列させて面方向に結
合し、一方の圧電シートを、他方の圧電シートに比して
ハイドロフォン定数の大きな圧電材料とし、かつ面方向
に作用する応力により発生する電荷又は電圧がほぼ相等
しくなるように構成するとともに、第一圧電シートと第
二圧電シートから生じる電荷又は電圧の差異を取出す電
気的接続手段を備えたことを特徴とする水中用圧電受波
シート。
Priority Applications (2)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP62167588A JP2630950B2 (ja) | 1987-07-03 | 1987-07-03 | 水中用圧電受波シート |
| US07/212,676 US4841494A (en) | 1987-07-03 | 1988-06-28 | Underwater piezoelectric arrangement |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP62167588A JP2630950B2 (ja) | 1987-07-03 | 1987-07-03 | 水中用圧電受波シート |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS6411496A JPS6411496A (en) | 1989-01-17 |
| JP2630950B2 true JP2630950B2 (ja) | 1997-07-16 |
Family
ID=15852539
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP62167588A Expired - Lifetime JP2630950B2 (ja) | 1987-07-03 | 1987-07-03 | 水中用圧電受波シート |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2630950B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH0618113Y2 (ja) * | 1989-06-26 | 1994-05-11 | 加藤発条株式会社 | ホースクランプ |
Family Cites Families (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS6199499A (ja) * | 1984-10-19 | 1986-05-17 | Ngk Spark Plug Co Ltd | 水中用圧電受波シ−ト |
| JPS61234697A (ja) * | 1985-04-10 | 1986-10-18 | Terumo Corp | 超音波探触子 |
-
1987
- 1987-07-03 JP JP62167588A patent/JP2630950B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS6411496A (en) | 1989-01-17 |
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