JPH0570985A - スタンパー電鋳装置の原盤ホルダーおよびそれを用いた電鋳方法 - Google Patents

スタンパー電鋳装置の原盤ホルダーおよびそれを用いた電鋳方法

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JPH0570985A
JPH0570985A JP26249791A JP26249791A JPH0570985A JP H0570985 A JPH0570985 A JP H0570985A JP 26249791 A JP26249791 A JP 26249791A JP 26249791 A JP26249791 A JP 26249791A JP H0570985 A JPH0570985 A JP H0570985A
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contact ring
master
conductive film
holder
electroforming
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JP26249791A
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Naoki Kushida
直樹 串田
Hirofumi Kamitakahara
弘文 上高原
Hitoshi Yoshino
斉 芳野
Toshiya Yuasa
俊哉 湯浅
Osamu Shikame
修 鹿目
Hisanori Hayashi
久範 林
Takashi Kai
丘 甲斐
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 コンタクトリングと導電化膜の接触を安定化
し、コンタクトリングと金属膜の固着を防ぎ、コンタク
トリングを取外す際にガラス原盤と導電化膜の間で剥離
が生じないスタンパー電鋳装置の原盤ホルダーを提供す
る。 【構成】 表面に微細な凹凸パターンを有するガラス原
盤上に形成された導電化膜と電源との導通をとるコンタ
クトリングを有し、電鋳を行なって導電化膜上に金属膜
を成膜するスタンパー電鋳装置の原盤ホルダーに於い
て、前記コンタクトリングは中心に開口部を有し、その
一方の面は原盤ホルダー上に装着されたガラス原盤に形
成された導電化膜の外縁部と接触し、他方の面は開口部
を有する押圧部材を介して、前記コンタクトリングと同
一中心の開口部を有する絶縁部材で保持され、かつ原盤
ホルダー開口部a,コンタクトリング開口部b,押圧部
材開口部c,押圧部材外周部c′,絶縁部材開口部d
が、 【数1】a>c′>c≧b>d なる関係を満足するスタンパー電鋳装置の原盤ホルダ
ー。その原盤ホルダーを用いて電鋳する方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光学的に情報の記録・
再生を行なう光記録媒体成型用スタンパーの製造に用い
る原盤ホルダー及びこの原盤ホルダーを用いた電鋳方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、各種情報の記録には、磁気テー
プ、磁気ディスク等の磁気材料、各種半導体メモリー等
が主として用いられてきた。この様な磁気メモリー、半
導体メモリーは情報の書き込み及び、読みだしを容易に
行うことができるという利点はあるが、反面、情報の内
容を容易に書き換えられたり、また高密度記録ができな
いという問題点があった。
【0003】この様な、問題点を解決するために、多種
多様の情報を効率良く取り扱う手段として、光記録媒体
による光学的情報記録方法が提案され、そのための光学
的情報記録担体、記録再生方法、記録再生装置が提案さ
れている。かかる情報記録担体としての光記録媒体は、
一般にレーザー光を用いて情報記録担体上の光記録層の
一部を揮散させるか、反射率の変化を生じさせるか、あ
るいは変形を生じさせて光学的な反射率や透過率の差に
よって情報を記録し、あるいは再生を行なっている。こ
の場合、光記録層は情報を書き込み後、現像処理などの
必要がなく、「書いた後に直読する」ことのできる、い
わゆるDRAW(ダイレクト・リード・アフター・ライ
ト)媒体であり、高密度記録が可能であり、また追加書
き込みも可能であることから、情報の記録・保存媒体と
して有効である。
【0004】一般的な光記録媒体では、熱可塑性樹脂で
あるポリカーボネート樹脂やポリメチルメタクリル樹脂
を、トラックや情報に対応する凹凸パターンが記録され
ているスタンパーを用いて、その凹凸パターンを転写し
て溝部を形成している。従来、例えば特開昭61−28
4843号公報、実開昭58−141435号公報、及
び日本工業技術センター発行「光ディスクプロセス技術
の要点No.5」(昭和60年3月15日発行)等に記
載されている方法により、情報記録媒体成型用スタンパ
ーは製造されている。
【0005】一般的には、図6(A)〜(E)に示すよ
うに、まずガラス基板9の表面にフォトレジスト8を塗
布し(図6(A)参照)、この上にトラッキング用溝、
情報用ピット等の凹凸の微細パターン8aを形成するこ
とによりガラス原盤6を得る(図6(B)参照)。
【0006】次に、ガラス原盤6の表面に導電化膜11
を形成した後(図6(C)参照)、電鋳法により金属膜
12を形成し(図6(D)参照)、さらに研磨した後、
これらの導電化膜11及び金属膜12を一体として同時
にガラス原盤6から剥離して情報記録媒体成型用スタン
パー13を製造している(図6(E)参照)。
【0007】電鋳法による一般的な情報記録媒体成型用
スタンパーの製造プロセスは上述した通りである。特
に、電鋳工程の図6(C),(D)を詳しく説明する
と、図6の導電化膜11は、真空中での金属の蒸着、も
しくはスパッターリング等の方法により成膜され、材料
には銀、ニッケルなどが用いられる。スパッターリング
法により、ニッケル膜を500〜1000Åの厚さに、
トラッキング用溝、情報用ピット等の凹凸の微細パター
ン8の上に成膜する。
【0008】次に、電鋳工程の図6(D)の工程では、
導電化膜11を形成したガラス原盤6を原盤ホルダーで
保持し、20〜30rpmの回転速度で回転させなが
ら、スルファミン酸ニッケル電鋳液中で通電させ、導電
化膜11を形成したガラス原盤6上にニッケル金属を析
出させて電鋳を行なう。
【0009】この電鋳の方法を、図7に示す電鋳装置の
断面図を用い説明すると、まず図7(A)に示すよう
に、ニッケルチップ10をプラス電極、銅等の導電率の
良いダミー板14をマイナス電極として、スルファミン
酸ニッケル電鋳液7中で通電させ、ダミー板14上にニ
ッケルチップ10の酸化層を析出させて、ニッケルチッ
プ10の酸化層を除去すると同時に、先に述べたスルフ
ァミン酸ニッケル電鋳液7の電解クリーニングを行な
う。
【0010】次に、図7(B)に示すように、ニッケル
チップ10をプラス電極、導電化膜11を形成したガラ
ス原盤6をマイナス電極として、原盤ホルダー15で保
持された導電化膜11を形成したガラス原盤6を20〜
30rpmの回転速度で回転させながら、スルファミン
酸ニッケル電鋳液7中で通電させ、導電化膜11を形成
したガラス原盤6上にニッケル金属を析出させて電鋳を
行なう。
【0011】導電化膜11を形成したガラス原盤6を保
持するために用いられる原盤ホルダー15には、図5に
示すように、コンタクトリング3が導電化膜11の外縁
部で接触するように配置される。コンタクトリングは導
電化膜に電流を供給するために導電率の良い材料でなく
てはならず、主に銅やステンレス(SUS)の薄板が用
いられている。
【0012】しかしながら、上記の従来の原盤ホルダー
では、コンタクトリングに銅やステンレス(SUS)の
薄板がそのまま用いられているために、以下のような欠
点があった。
【0013】1)ガラス原盤を保持するため、導電部材
5はガラス原盤6の形状及び厚さに相当する凹状の加工
が施こされているが、ガラス原盤6の寸法あるいは厚さ
に変動が生じた場合、コンタクトリング3とガラス原盤
6上の導電化膜11との接触エリアが不足し、導通不良
を生じ易かった。
【0014】2)また、前記コンタクトリング3とガラ
ス原盤6との密着が不足するため、その間に電鋳液が侵
入し、コンタクトリング3と導電化膜11が析出金属に
よって、いわゆる電着によって密着してしまい、ガラス
原盤を原盤ホルダーから取りはずす際、導電化膜がガラ
ス原盤から剥離し、研磨の工程で剥離部分から研磨液が
侵入し、情報記録媒体成型用トラッキング用溝、情報用
ピット等の凹凸の微細パターンを浸していた。
【0015】3)コンタクトリングに析出金属が電着し
た場合、コンタクトリングを1回しか使用できない場合
が生じたり、あるいは析出金属を研磨除去しなければな
らず、経済性や利用効率の点で劣っていた。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記問題点に
鑑みなされたものであって、コンタクトリングと導電化
膜の接触を安定化し、導通不良の生じない原盤ホルダー
を提供するとともに、更にコンタクトリングと金属膜の
固着を防ぎ、コンタクトリングを取外す際にガラス原盤
と導電化膜の間で剥離が生じないスタンパーを製造する
ことのできるスタンパー電鋳装置の原盤ホルダーを提供
することを目的とするものである。また、本発明は、導
通不良がなく、コンタクトリングに固着せずに金属膜を
成膜することのできるスタンパーの電鋳方法を提供する
ことを目的とするものである。
【0017】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、表面に
微細な凹凸パターンを有するガラス原盤上に形成された
導電化膜と電源との導通をとるコンタクトリングを有
し、電鋳を行なって導電化膜上に金属膜を成膜するスタ
ンパー電鋳装置の原盤ホルダーに於いて、前記コンタク
トリングは中心に開口部を有し、その一方の面は原盤ホ
ルダー上に装着されたガラス原盤に形成された導電化膜
の外縁部と接触し、他方の面は開口部を有する押圧部材
を介して、前記コンタクトリングと同一中心の開口部を
有する絶縁部材で保持され、かつ原盤ホルダー開口部
a,コンタクトリング開口部b,押圧部材開口部c,押
圧部材外周部c′,絶縁部材開口部dが、
【0018】
【数2】a>c′>c≧b>d
【0019】なる関係を満足することを特徴とするスタ
ンパー電鋳装置の原盤ホルダーである。
【0020】また、本発明は、前記スタンパー電鋳装置
の原盤ホルダーに、導電化膜を形成したガラス原盤を装
着し、電鋳を行なって導電化膜上に金属膜を成膜するこ
とを特徴とする電鋳方法である。
【0021】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
原盤ホルダーは、表面に微細な凹凸パターンを有するガ
ラス原盤上に形成されてなる導電化膜上に、電鋳を行な
って金属膜を成膜するために該導電化膜と電源との導通
をとるコンタクトリングを有するスタンパー電鋳装置の
原盤ホルダーに於いて、前記コンタクトリングは中心に
開口部を有しており、その一方の面は導電化膜の外縁部
と接触し、他方の面は開口部を有する押圧部材を介して
前記コンタクトリングと同一中心の開口部を有する絶縁
部材で保持され、かつ原盤ホルダー開口部a,コンタク
トリング開口部b,押圧部材開口部c,押圧部材外周部
c′,絶縁部材開口部dが、
【0022】
【数3】a>c′>c≧b>d
【0023】なる関係を満足するように、各部材の口径
を決定することによってコンタクトリングと導電化膜と
の導通不良を解決し、更にコンタクトリングの電着を防
止したものである。
【0024】即ち、本発明によれば、コンタクリングと
導電化膜との接触が充分に確保され、導通不良を防止す
ることができることは勿論のこと、導電化膜とコンタク
トリングの間に電鋳液が侵入しないため、金属膜のコン
タクトリングへの固着を防止することが可能となる。そ
の結果、金属膜の研磨工程においても、金属膜と導電化
膜がガラス原盤から剥離しないため、研磨液の侵入とい
う不具合も生じることがない。
【0025】次に、本発明を図面を用いて詳細に説明す
る。図1は本発明のスタンパー電鋳装置の原盤ホルダー
及び該原盤ホルダーに取り付けられたガラス原盤の概略
断面図であり、図2は図1の要部の部分拡大図である。
図1において、6はガラス基板の表面にトラッキング用
溝、情報用ピット等に相当する微細な凹凸パターンを形
成することによって得られるガラス原盤、11は電鋳の
際の電極となる導電化膜、3は導電化膜と電源とを接続
するコンタクトリング、1は導電化膜11とコンタクト
リング3との密着をはかる押圧部材、2は金属膜12の
成膜速度を制御する手段である絶縁部材、15は原盤ホ
ルダーであり、その中にガラス原盤6の形状及び厚さに
対応した凹部を有する導電部材5が埋め込まれている。
【0026】図2において、aは原盤ホルダー(導電部
材)開口部、bはコンタクトリング開口部、cは押圧部
材開口部、c′は押圧部材外周部、dは絶縁部材開口部
の寸法である。
【0027】図2において、押圧部材1はコンタクトリ
ング3と導電化膜11との接触部位の直上部に配置され
る。この押圧部材1によって、ガラス原盤の寸法あるい
は厚さ等の変動が生じても、コンタクトリングと導電化
膜の接触部位を確実かつ有効に押圧することが可能とな
り、導通不良を防止することが可能となり、また電鋳液
の侵入も抑制することができる。
【0028】また、絶縁部材2の開口部dはコンタクト
リングの開口部bより小さく、絶縁部材2は突き出し部
4を有している。この突き出し部4によって、金属が析
出して金属膜を形成する際に、コンタクトリングに接近
するに従って形成される金属膜の膜厚を除々に減少させ
ることが可能となり、上記押圧部材による電鋳液の侵入
抑制と相まって、コンタクトリングへの金属膜の析出、
いわゆる電着を防止することが出来、ガラス原盤を原盤
ホルダーから取りはずす際、導電化膜がガラス原盤から
剥離することがない。更に、コンタクトリングの繰り返
し使用が可能となり極めて経済的である。
【0029】図1の原盤ホルダーに於いて、絶縁部材の
開口部の形状とコンタクトリングの開口部の形状は同一
であることが好ましい。押圧部材の開口部、外周部の形
状は、上記の絶縁部材あるいはコンタクトリングの開口
部の形状と必らずしも同一である必要はないが、同一に
することは好ましい態様であることは言うまでもない。
【0030】本実施態様に於いて、絶縁部材に用いられ
る材料としては絶縁性であれば特に限定されることなく
用いることができるが、具体的には、例えば硬質塩化ビ
ニル、塩化ビニル、アクリル等のプラスチック材料を用
いることができる。
【0031】絶縁部材2は突き出し部4を有している
が、その長さ、すなわち(c−d)/2は5〜30m
m、特に5〜10mmが好ましい。更に、その形状を図
3の如く、突き出し部4の断面形状を絶縁部材2の深さ
方向に、絶縁部材2の開口部dが拡大する様にテーパー
状に形成すると、電鋳液中の金属イオンの流れを乱すこ
とがなくなり、コンタクトリング近傍以外の部分におけ
る金属膜の膜の膜厚を均一にすることができると共にコ
ンタクトリング近傍においても金属膜の膜厚をより滑ら
かに減少させることができて有効である。上記のように
突き出し部をテーパー状に形成した場合、図3における
テーパー角θは45°以下、特に30°以下更には、1
0°以下が好ましい。
【0032】押圧部材1に用いられる材料としては、特
に限定されることはなく絶縁部材と同一のプラスチック
材料が使用可能であり、絶縁部材と一体化した形態とす
ることも可能である。しかしながら、コンタクトリング
3の変形等を吸収し、有効な押圧力によってコンタクト
リングと導電化膜の接触を確保するには、押圧部材1は
弾性変形可能な材料を選定することが好ましく、例えば
NBR、SBRなどのゴム系材料、シリコーン樹脂、塩
化ビニル、ポリウレタン樹脂などが使用可能である。
【0033】押圧部材1は、
【0034】
【数4】a>c′>c≧b
【0035】なる関係を満足するようにコンタクトリン
グと導電化膜との接触部位の直上部に配置される。ま
た、
【0036】
【数5】c′>c≧a>b, c′>a>c≧b
【0037】の場合、コンタクトリングと導電化膜との
接触部位の押圧力が不足し導通不良を起こしやすく、ま
たガラス原盤の寸法あるいは厚さの変動に対するマージ
ンが極めて小さくなり経済性に劣る。また、
【0038】
【数6】a>c′>b>c
【0039】の場合、突き出し部4による金属膜の膜厚
減少の効果が低減し、コンタクトリングに金属が析出付
着し易くなる。
【0040】押圧部材1として弾性変形可能な部材を使
用した場合、図4に示すように、あらかじめ押圧部材1
の押圧力によるつぶれ量を考慮して絶縁部材15に凹部
を設けておくことは押圧部材1の位置ずれ等が生じるこ
とがなく、極めて有効である。
【0041】押圧部材1の寸法、すなわち(c′−c)
/2は、前記の
【0042】
【数7】a>c′>c≧b>d
【0043】なる関係を満足する限り特に限定されない
が、コンタクトリングと導電化膜との接触に対して有効
な押圧力を集中化させるために通常は1〜10mm、好
ましくは1〜5mm、更に好ましくは1〜3mmが望ま
しい。また、その厚さは、0.1〜3mm、好ましくは
0.1〜2mmが望ましい。更に、弾性変形可能な部材
を使用する場合、その厚さ方向のつぶれ量が0.1〜
1.0mm、好ましくは0.1〜0.5mmとなるよう
に選定する。
【0044】次に、本発明の電鋳方法について説明す
る。本発明の電鋳方法は、図7の電鋳装置に、導電化膜
を形成した原盤を装着した本発明の原盤ホルダーを取り
付けて、通常の電鋳を行なうことで導通不良を生じさせ
ることなく導電化膜上に金属膜を析出させるとともに、
コンタクトリング近傍において、金属膜の膜厚をコンタ
クトリングに接近するに従って減少するように成膜で
き、更にコンタクトリングへの金属の析出付着が生じな
いのである。
【0045】この電鋳工程に於ては、通常原盤ホルダー
の回転数は50rmp以下、特に20〜30rmpに設
定し、また通電量及び通電時間は通電電流の時間積分値
で150AH〜300AHとして金属膜をコンタクトリ
ング近傍以外の部分に於て厚さ100μm〜200μm
に析出させる。
【0046】又、このとき用いられる電鋳液としては、
成膜する金属膜によっても異なるが、例えばニッケル金
属膜を成膜する場合にはスルファミン酸ニッケル電鋳液
などが用いられる。この様にして導電化膜上に金属膜を
成膜した後、原盤ホルダーから原盤を取り外し、金属膜
面を研磨し、次いでガラス原盤から剥離してスタンパー
が製造される。
【0047】又本発明は種々の物品を成形するスタンパ
ーの製造に用いることができるが、特に光記録媒体成形
用スタンパーの製造に有効である。即ち、光記録媒体成
形用スタンパーの凹凸パターンの欠損は、そのパターン
が転写された光記録媒体の欠陥となるため、スタンパー
上のパターンの欠損は大きな問題となる。
【0048】一方、光記録媒体にスタンパーによって予
め形成されるプリフォーマット情報、例えば記録再生用
レーザービームのトラッキング用溝が形成されている。
このトラッキング用溝は具体的には、例えば幅0.5μ
m〜2μm、ピッチ1.0〜5μmや幅2〜5μm、ピ
ック4.8〜15μmのスパイラル、同心円状或は平行
に形成されている非常に微細なパターンであり、スタン
パーに形成されるこれらのプリフォーマット情報に対応
する凹凸パターンは欠損し易いものである。
【0049】しかし、本発明の原盤ホルダーを用いるこ
とによって電鋳によって導電化膜上に金属膜を成膜した
後、原盤をホルダーから取り外す際に、金属膜とコンタ
クトリングの固着が無いためコンタクトリングを原盤か
ら取り外しても、金属膜と導電化膜が、ガラス原盤との
間で剥離が生じることがなく、金属膜表面の研磨工程で
剥離部分から研磨液が侵入して凹凸パターンを破壊する
ことがない。又コンタクトリング近傍で金属膜の膜厚を
除々に減少するように成膜することにより、導電化膜に
加わる金属膜の応力歪を分散させることができ、導電化
膜に亀裂が生じず、研磨工程で亀裂から研磨液の侵入に
よるスタンパー表面の凹凸パターンの破壊を防止するこ
とができる。
【0050】
【実施例】以下実施例を示し、本発明を更に具体的に説
明するが本発明はこれに限定されるものではない。
【0051】実施例1 表面にピッチ12μm、幅3.0μm、深さ3000Å
の凹凸パターンが形成されたフォトマスク(HOYA
製)の凹凸パターン形成面に、紫外線硬化樹脂(日本化
薬製、INC118)を適量滴下した。次に、厚さ10
mm、300mm×340mmのガラス基板を用い、滴
下した紫外線硬化樹脂を挟み込むようにして、自重、又
は適当な圧力を加えながら紫外線硬化樹脂が均一に50
μmの厚さになった状態で硬化を行った、硬化後にフォ
トマスクを外してガラス原盤を得た。次に、ニッケルを
1000Åの厚さにスパッターすることにより、導電化
膜11を形成したガラス原盤6を得た。
【0052】次に、電鋳工程では、導電化膜11を形成
したガラス原盤6を図1に示されるような原盤ホルダー
15、すなわちガラス基板の大きさ(300mm×34
0mm)及び、厚さ(10mm)に対応した凹部が形成
された原盤ホルダーで保持し、図7に示す様に、20〜
30rmpの回転速度で回転させながら、スルファミン
酸ニッケル電鋳液7中で通電させ、通電電流の時間積分
値160〜240AH(アンペア・アワー)の条件で2
00〜300μmのニッケル金属を析出させ、金属膜1
2を形成した。
【0053】本実施例に用いたコンタクトリングの外形
寸法は厚さ0.5mm、直径480mmであり、又開口
部の寸法は290mm×330mmの長方形とした。ま
た材質は銅である。また、絶縁部材2の外径寸法は直径
550mm、厚さ20mm、開口部の寸法は270mm
×310mmとした。また材質は硬質塩化ビニルであ
る。更に、押圧部材1としては、厚さ0.2mm、巾3
mmの軟質塩化ビニルテープを前記コンタクトリングの
開口内縁部に接着させた。
【0054】図2の断面図を本実施例に適用するとa,
b,c,c′,dの寸法はガラス基板の長辺に平行な断
面とした場合 a=340mm b=330mm c=330mm c′=333mm d=310mm であり、又ガラス基板の短辺に平行な断面とした場合 a=300mm b=290mm c=290mm c′=293mm d=270mm である。
【0055】また使用した電鋳液は、以下のごとき組成
のものである。 スルファミン酸ニッケル・4水塩〔Ni(NH2 SO32 ・4H2 0〕 500g/1 硼酸(H3 BO33 5〜38g/1 ピット防止剤 2.5ml/1
【0056】電鋳開始時の導通は極めて安定であった。
また、電鋳終了後、観察を行なった結果、コンタクトリ
ングにニッケル金属が析出せず、コンタクトリングを取
り外しても、導電化膜より剥離が生じることはなかっ
た。導電化膜上に成膜された電鋳膜の厚さを測定してみ
ると、250mm×300mmの範囲において200±
5μmで十分に膜厚分布は良く、コンタクトリング近傍
に於てのみ電鋳膜の膜厚を減少させることができた。
【0057】更に、コンタクトリングへのニッケル金属
の析出もなく、ガラス原盤を原盤ホルダーから取り出す
際も導電化膜とガラス原盤の剥離は生じなかった。
【0058】実施例2 実施例1と同様にしてガラス原盤を得た。次に、ニッケ
ルを1000Åの厚さにスパッターすることにより、導
電化膜11を形成したガラス原盤6を得た。次に、電鋳
工程では、導電化膜11を形成したガラス原盤6を図3
に示されるような原盤ホルダー15で保持し、20〜3
0rmpの回転速度で回転させながら、スルファミン酸
ニッケル電鋳液7中で通電させ、通電電流の時間積分値
160〜240AH(アンペア・アワー)の条件で20
0〜300μmのニッケル金属を析出させ、金属膜12
を形成した。
【0059】本実施例において、コンタクトリング、押
圧部材は実施例1と同一のものを用い、絶縁部材につい
てはその開口部はその深さ方向に拡大するように形成し
た。具体的には、図3に示すごとく絶縁部材の内壁をテ
ーパー状に形成し、絶縁部材2の突き出し部4の長さを
10mm、テーパー部の角度θを10°とした。
【0060】その結果、実施例1と同様に導通は安定に
確保することができ、コンタクトリングへのニッケルの
析出もなく、更にコンタクトリングを取り外す際、導電
化膜とガラス原盤の剥離は生ずることなく極めてスムー
スに取り外すことができた。電鋳膜の厚さは、255m
m×305mmの範囲で200μm±5μmであった。
【0061】実施例3 絶縁部材の押圧部材の接触する面に、巾3mm、深さ
1.5mmの溝を形成した。溝の中心位置は絶縁部材の
開口内縁部から12mmである。前記溝部に断面積2.
5mm2 のシリコンゴムからなるパッキング材を、接着
埋め込みをした。上記以外は実施例1と同様にして電鋳
したところ同様の結果を得た。
【0062】比較例1 実施例1における押圧部材を絶縁部材の開口内縁部から
15mmの位置に接着した。具体的には、図8に示すご
とき位置となる。上記以外は実施例1と同様に電鋳をし
た。電鋳開始時より、電流値が一定せず、途中で中断せ
ざるを得なかった。コンタクトリングを取り外したとこ
ろ、部分的に導電化膜に亀裂が生じていた。
【0063】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明によれば次の
効果を奏することができる。 (1)ガラス原盤とコンタクトリングとの接触を確実に
とることができ、導通不良を生ずることがなく、電鋳効
率が良い (2)金属膜の膜厚をコンタクトリング近傍に於て減少
させることができ、コンタクトリングへの金属の析出付
着がないため、電鋳法により金属膜を析出させた後、コ
ンタクトリングを取り外しても金属膜とガラス原盤の間
で剥離が生じることがなく、研磨工程で、剥離部分より
研磨液が侵入し、情報記録媒体成型用スタンパーのトラ
ッキング用溝、情報用ピット等の凹凸の微細パターンを
侵す等の欠点を解決出来た。
【0064】(3)有効部(トラッキング用溝、情報用
ピット等の凹凸の微細パターン)とほぼ同じ大きさで、
ガラス原盤の大きさを設定することが出来るので、電鋳
効率が良くなり、安価な、情報記録媒体成型用スタンパ
ーを製作することができる。 (4)1回の電鋳につき、複数回コンタクトリングを使
用できるため、コンタクトリングの利用効率及び、経済
性が良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原盤ホルダーを示す概略断面図であ
る。
【図2】図1の主要部の拡大図である。
【図3】本発明の原盤ホルダーの他の実施態様を示す概
略断面図である。
【図4】本発明の原盤ホルダーの他の実施態様を示す概
略断面図である。
【図5】従来の原盤ホルダーを示す断面図である。
【図6】電鋳法による情報記録媒体成形用スタンパーの
製造方法を示す工程説明図である。
【図7】電鋳装置を示す模式断面図である。
【図8】従来の原盤ホルダーを示す断面図である。
【符号の説明】
1 押圧部材 2 絶縁部材 3 コンタクトリング 4 突き出し部 5 導電部材 6 ガラス原盤 7 電鋳液 8 フォトレジスト層 9 ガラス基板 10 ニッケルチップ 11 導電化膜 12 金属膜 13 情報記録媒体成型用スタンパー 14 ダミー板 15 原盤ホルダー θ テーパー角
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 湯浅 俊哉 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 鹿目 修 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 林 久範 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 甲斐 丘 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面に微細な凹凸パターンを有するガラ
    ス原盤上に形成された導電化膜と電源との導通をとるコ
    ンタクトリングを有し、電鋳を行なって導電化膜上に金
    属膜を成膜するスタンパー電鋳装置の原盤ホルダーに於
    いて、前記コンタクトリングは中心に開口部を有し、そ
    の一方の面は原盤ホルダー上に装着されたガラス原盤に
    形成された導電化膜の外縁部と接触し、他方の面は開口
    部を有する押圧部材を介して、前記コンタクトリングと
    同一中心の開口部を有する絶縁部材で保持され、かつ原
    盤ホルダー開口部a,コンタクトリング開口部b,押圧
    部材開口部c,押圧部材外周部c′,絶縁部材開口部d
    が、 【数1】a>c′>c≧b>d なる関係を満足することを特徴とするスタンパー電鋳装
    置の原盤ホルダー。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のスタンパー電鋳装置の原
    盤ホルダーに、導電化膜を形成したガラス原盤を装着
    し、電鋳を行なって導電化膜上に金属膜を成膜すること
    を特徴とする電鋳方法。
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