JPH0570583B2 - - Google Patents

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JPH0570583B2
JPH0570583B2 JP61310963A JP31096386A JPH0570583B2 JP H0570583 B2 JPH0570583 B2 JP H0570583B2 JP 61310963 A JP61310963 A JP 61310963A JP 31096386 A JP31096386 A JP 31096386A JP H0570583 B2 JPH0570583 B2 JP H0570583B2
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heat
resin
temperature range
polypropylene
shrinkable film
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Kazuo Kondo
Shinya Ishiguro
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Okura Industrial Co Ltd
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Okura Industrial Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明のポリプロピレン系多層熱収縮性フイル
ムは、商品をラフに包んでおき、加熱装置(収縮
トンネル)によつて加熱収縮させ、商品の形状に
ぴつたり沿つて密着させる事によりタイトな包装
を行なう方式の熱収縮包装方法に用いるものであ
る。そして、カツプ食品、乳酸菌飲料品、紙パツ
ク飲料品、冷凍・冷蔵食品、医薬品、エアゾール
缶、或は、文具・がん具等の日用品等の熱収縮包
装用に利用されるもので、特に自動包装を行なう
際に有効に利用されるものである。
(従来の技術) 従来より熱収縮包装分野に使用されている熱収
縮性フイルムとしては、ポリプロピレン樹脂やポ
リエチレン樹脂、或は、ポリ塩化ビニル樹脂等か
らなる種々のフイルムが有り、しかも、数多く市
販されている。中でも、ポリプロピレン樹脂より
なる熱収縮性フイルムは、その本来有している透
明性、光沢、防湿性、或は、無公害性等の優れた
特性によつて広く一般に利用されている。しか
し、ポリプロピレン樹脂からなる熱収縮性フイル
ムは、ポリ塩化ビニル樹脂等からなる熱収縮性フ
イルムと比較して、かなり高温にしなければ熱収
縮を生じさせる事が出来ず、しかも、熱収縮包装
適性温度範囲が狭く、収縮トンネル内の時間的温
度変化や場所による温度分布のバラツキ等によ
り、包装仕上り性が低下し、包装適性は必ずしも
良好とは言えない。
この様な欠点を解決する方法として、ポリプロ
ピレン樹脂にポリエチレン樹脂やポリブテン樹
脂、又は、エチレン−酢酸ビニル共重合体等を少
量混合させたり(例えば、特公昭44−478号公
報)、或は、プロピレンにエチレンやブテン等を
共重合させた共重合体を用いたり(例えば、特公
昭46−4075号公報)さらに、ポリプロピレン樹脂
や上記したポリプロピレン系樹脂に石油樹脂やテ
ルペン樹脂を添加し(例えば、特公昭55−50064
号、特開昭49−99646号公報)、低温でも熱収縮を
起こさせる様にして、熱収縮包装適性温度範囲を
広げ、包装適性を改良しようとする試みがなされ
て来ている。所が、上記方法で改良された熱収縮
性フイルムでは、これら問題点は未だ十分解決さ
れているとは言えない。しかも、石油樹脂やテル
ペン樹脂を添加した樹脂組成よりなる熱収縮性フ
イルムでは、滑り性が悪くなり、自動包装に於け
る機械適応性に劣り、作業性が低下するばかり
か、熱収縮包装する際に、収縮トンネル内で包装
体同士が融着を生じたり、或は、内容物と熱収縮
性フイルムとが融着を生じる等の新たな問題を生
じている。又、ポリプロピレン系樹脂の他の熱可
塑性樹脂とを積層させる事により(例えば、特開
昭58−166049号公報)、熱収縮包装適性温度範囲
を広げ、包装適性を改良しようとする試みがなさ
れて来ている。しかし、この方法では、生産時に
不適格品が生じた場合にそれらの不適格品等を再
生還元し、再利用する事が不可能であるので、実
用生産上大きな障害となつている。
(本発明が解決しようとする問題点) 本発明は熱収縮包装法を実施する際の熱収縮適
性温度範囲を広くし、収縮トンネル温度の変動や
バラツキ等が生じても見栄の良好なる熱収縮包装
仕上がりが得られ、しかも、得られる熱収縮包装
体の緊迫性にも優れたポリプロピレン系多層熱収
縮性フイルムを提供しようとするものである。そ
して、包装作業性の面から自動包装機に適合した
滑り性を持たせ、しかも、包装時の溶断シール性
を良くし、自動包装適性に優れたものにすると共
に、収縮トンネル内での包装体同士の融着や、熱
収縮性フイルムと内容物との融着を生じさせない
様な特性を備えたポリプロピレン系多層熱収縮性
フイルムを提供しようとするものである。さら
に、上記ポリプロピレン系多層熱収縮性フイルム
に於ては、実用生産性を考慮して、生産時等に生
じることのあり得べき不適格品についてもこれを
再生還元出来る様な樹脂組成物の組み合せにより
製造しようとするものである。
(問題点を解決するための手段) 本発明は、ポリプロピレン系熱収縮性フイルム
に於ける熱収縮包装適性温度範囲や包装仕上りで
の緊迫性を、さらには、包装作業や該ポリプロピ
レン系熱収縮性フイルムの生産性に及ぼす種々の
問題点を解決するために、次の様な手段を見い出
したものである。即ち、本発明の熱収縮性フイル
ムは、結晶性ポリプロピレン系樹脂100重量部に
水素化石油樹脂、及び/又は、水素化テルペン樹
脂を2重量部乃至30重量部添加した樹脂層からな
る芯層と、両最外層が結晶性ポリプロピレン系樹
脂からなり、縦方向と横方向の熱収縮力が共に20
gを超えている温度領域の温度幅が50℃以上を有
し、しかも、該温度領域での熱収縮率が縦方向、
横方向共に10%以上となる温度範囲が50℃以上の
温度幅を有する様にしたものである。
次に、本発明を構成する各要素について説明す
ると、まず、本発明に於いて使用しうる結晶性ポ
リプロピレン系樹脂としては、結晶性ポリプロピ
レンホモポリマーは勿論、プロピレンとα−オレ
フインとの共重合体である結晶性プロピレン−α
−オレフイン共重合体を使用する事が出来る。
尚、プロピレンと共重合させるα−オレフインと
しては、エチレン、或は、ブテン等の1種、又
は、2種以上を用い、しかも、共重合割合はプロ
ピレンに対し7wt%程度までが一般的である。さ
らに、本発明に於ける結晶性ポリプロピレン系樹
脂としては、上記結晶性ポリプロピレンホモポリ
マーや、結晶性プロピレン−α−オレフイン共重
合体に10wt%程度までのポリエチレン樹脂やポ
リブテン樹脂、或は、エチレン−酢酸ビニル共重
合体やエチレン−ブテン共重合体等のポリオレフ
イン樹脂の1種、又は、2種以上を混合した樹脂
組成物を用いることも出来る。
又、芯層として上記結晶性ポリプロピレン系樹
脂に添加する水素化石油樹脂、或は、水素化テル
ペン樹脂としては、次の様な樹脂が使用される。
即ち、石油樹脂としては、脂肪族系石油樹脂、脂
肪族系石油樹脂等がある。又、テルペン樹脂とし
ては、(C5H8)nの組成の炭化水素化合物、及
び、それから導かれる変性化合物である。そし
て、これらの樹脂は押出成形時等の熱安定性の面
から水素化された樹脂であり、該水素化率として
80%以上で、好ましくは、95%以上とする事が望
ましい。そして、この様な水素化石油樹脂として
は、例えば、荒川林産化学工業株式会社製の“ア
ルコン”を、又、水素化テルペン樹脂としては、
例えば、安原油脂工業株式会社製の“クリアロ
ン”を使用する事が出来る。尚、本発明に於て使
用する水素化石油樹脂、或は、水素化テルペン樹
脂は、1種類でも、或は、これら2種類以上を併
用する事も出来る。
さらに、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、こ
れら結晶性ポリプロピレン系樹脂に滑剤やアンチ
ブロツキング剤、或は、熱安定剤や静電防止剤等
を添加する事も出来る。
上記樹脂組成よりなる本発明のポリプロピレン
系多層熱収縮性フイルムは、使用する樹脂組成物
が互いに容易に相溶し合うので、その生産時等に
生じる不適格品等を再生還元する事が可能で、実
用生産上非常に有益である。
次に、本発明のポリプロピレン系多層熱収縮性
フイルムの層構成としては、芯層に水素化石油樹
脂や水素化テルペン樹脂が添加された結晶性ポリ
プロピレン系樹脂を、又、両最外層にこれらの添
加されていない結晶性ポリプロピレン系樹脂を使
用する。
両最外層に水素化石油樹脂や水素化テルペン樹
脂を添加した結晶性ポリプロピレン系樹脂を使用
すると、得られるポリプロピレン系多層熱収縮性
フイルムの滑り性が悪くなり、包装機械適応性が
大幅に低下してしまう。また、この様な樹脂組成
物を両最外層に使用すると、熱収縮させる収縮ト
ンネル内で包装体同士が融着を生じたり、又、熱
収縮性フイルムと内容物とが融着を生じたりする
等色々の問題を生じる。前者は、水素化石油樹脂
や水素化テルペン樹脂が常温でも粘着性を有して
いるため、得られる熱収縮性フイルムの滑り性を
大幅に低下させるためと考えられる。又、後者
は、これら水素化石油樹脂や水素化テルペン樹脂
の軟化点が低く、収縮トンネル内でこれら樹脂が
軟化状態になつているためと考えられる。
そこで、本発明に於ては、この様な水素化石油
樹脂や水素化テルペン樹脂が添加された結晶性ポ
リプロピレン樹脂層を芯層とし、両最外層は従来
よりポリプロピレン系熱収縮性フイルムに於て使
用されている結晶性ポリプロピレン系樹脂組成物
を用いる。そのため、得られるポリプロピレン系
多層熱収縮性フイルムの滑り性は良好で、包装機
械適応性にも優れ、しかも、収縮トンネル内で包
装体同士が融着を生じる様な事もない。
尚、本発明のポリプロピレン系多層熱収縮性フ
イルムの層の数としては、3層構成に限定される
ものではなく、3層以上の層構成も本発明於て使
用する事が出来る。例えば、芯層が水素化石油樹
脂や水素化テルペン樹脂の添加された結晶性ポリ
プロピレン系樹脂よりなる複数の層からなるもの
や、或は、水素化石油樹脂や水素化テルペン樹脂
の添加された結晶性ポリプロピレン系樹脂よりな
る層と、これら添加物を含まない結晶性ポリプロ
ピレン系樹脂よりなる層との複数の層からなるも
のがある。又、各層を構成する結晶性ポリプロピ
レン系樹脂は、全て同一の樹脂であつてもよい
し、或は、それぞれ相違する樹脂であつてもよ
い。
続いて、本発明のポリプロピレン系多層熱収縮
性フイルムの物性と熱収縮包装適性について述べ
る。即ち、縦方向と横方向の熱収縮力が共に20g
を越えている温度領域の温度幅が50℃以上を有
し、しかも、該温度領域での熱収縮率が縦方向、
横方向共に10%以上となる温度範囲が50℃以上の
温度幅を有する本発明のポリプロピレン系多層熱
収縮性フイルムが、熱収縮包装適性に優れ、良好
なる包装仕上りが得られる点について述べる。
まず、縦方向と横方向の熱収縮力が共に20gを
越えている温度領域の温度幅が50℃未満のポリプ
ロピレン系多層熱収縮性フイルムの場合、熱収縮
時に収縮トンネル内の時間的温度変化や場所によ
る温度分布のバラツキ等により、或は、包装する
内容物の形状等による加熱むら等により常に均一
な緊迫性を有する熱収縮包装体を得る事が困難で
ある。即ち、得られる熱収縮包装体の緊迫性が劣
るとの理由で、収縮トンネル内の温度を少し高目
にすると、今度は、熱収縮性フイルムの溶融、或
は、破袋を生じやすくなつてしまうので、収縮ト
ンネル内の温度設定範囲が非常に狭く、熱収縮包
装が困難である。所が、縦方向と横方向の熱収縮
力が共に20gを超えている温度領域の温度幅が50
℃以上を有するポリプロピレン系多層熱収縮性フ
イルムの場合には、収縮トンネル内の温度変化や
バラツキ等が多少有つても、常に均一な緊迫性を
有する熱収縮包装体が得られ、しかも、収縮トン
ネル温度設定範囲も広く、熱収縮包装が容易であ
る。尚、熱収縮力が20g以下では緊迫性を有する
熱収縮包装体が得られないので、熱収縮性フイル
ムの熱収縮包装適性を表わすための温度幅を熱収
縮力が20g以下の温度領域で限定する事は適当で
はない。
さらに、仮に、縦方向と横方向の熱収縮力が共
に20gを越えている温度領域の温度幅が50℃以上
を有していても、該温度領域での縦方向、及び横
方向の熱収縮率のうち少なくとも一方が10%未満
であるポリプロピレン系多層熱収縮性フイルムの
場合、熱収縮前の包装袋のタルミを十分熱収縮さ
せる事が出来ず、良好なる熱収縮包装体が得られ
ない。しかも、縦方向、及び、横方向の熱収縮率
が共に10%以上である温度範囲が、前記温度領域
内に於て、50℃以上の温度幅でないと、縦方向と
横方向の熱収縮力が共に20gを超えている温度領
域の温度幅が50℃未満の場合と同様、緊迫性に優
れ、良好なる熱収縮包装体は得られない。そこ
で、得られる熱収縮包装体にタルミが無く、緊迫
性を持たせるためには、縦方向と横方向の熱収縮
力が共に20gを越えている温度領域の温度幅が50
℃以上を有し、しかも該温度領域での熱収縮率が
縦方向、横方向共に10%以上となる温度範囲が50
℃以上の温度幅を有する様にする事が必要であ
る。
本発明のポリプロピレン系多層熱収縮性フイル
ムでは、熱収縮力が20gを越える温度領域の温度
幅や、該温度領域での熱収縮率が10%以上となる
温度範囲は次の様な方法により、本発明の要件を
満たすようにする事が出来る。
縦方向と横方向の熱収縮力が共に20gを越えて
いる温度領域の温度幅を50℃以上にするために、
まず、水素化石油樹脂や水素化テルペン樹脂を添
加した結晶性ポリプロピレン系樹脂を使用する。
この様な結晶性ポリプロピレン系樹脂よりなる熱
収縮性フイルムは、これら水素化石油樹脂や水素
化テルペン樹脂の添加されていない結晶性ポリプ
ロピレン系樹脂よりなる熱収縮性フイルムより
も、低温より大きな熱収縮力を示す様になり該温
度領域の温度幅が広くなる。さらに、上記水素化
石油樹脂や水素化テルペン樹脂の添加された結晶
性ポリプロピレン系樹脂よりなる熱収縮性フイル
ムの両最外層に、これら水素化石油樹脂や水素化
テルペン樹脂の添加されていない結晶性ポリプロ
ピレン系樹脂よりなる熱収縮性フイルムを積層さ
せる。この様な方法を用いる事により、水素化石
油樹脂や水素化テルペン樹脂が添加されていない
結晶性ポリプロピレン系樹脂は、これら樹脂を添
加した結晶性ポリプロピレン系樹脂よりも耐熱性
に優れているので、高温まで大きな熱収縮力を示
す様になるので、該温度領域の温度幅を更に広く
する事が出来る。
この際、水素化石油樹脂や水素化テルペン樹脂
の添加量が2重量部未満では該温度領域の温度幅
を広くする効果が乏しく、30重量部を越えると、
今度は押出等加工性に問題を生じてしまう。又、
水素化石油樹脂や水素化テルペン樹脂を含んだ芯
層が薄くなりすぎて、両最外層が厚くなりすぎた
り、或は逆に、水素化石油樹脂や水素化テルペン
樹脂を含んだ芯層が厚くなりすぎて、両最外層等
が薄くなりすぎても、該温度領域の温度幅を広く
する効果が乏しい。そこで、該芯層は全体厚みに
対し40%乃至80%の範囲内である事が好ましい。
尚、全体厚みとしては、本発明のポリプロピレン
系多層熱収縮性フイルムが一般の熱収縮包装用と
して使用されるためには、10μ乃至40μ程度の範
囲内である。
さらに、各層に使用する結晶性ポリプロピレン
系樹脂の種類を色々組み合せる事によつても、該
温度領域の温度幅を変える事が出来る。
次に、該温度領域内での熱収縮率が縦方向、横
方向共に10%以上となる様な温度範囲を50℃以上
の温度幅を有す様にするには、水素化石油樹脂や
水素化テルペン樹脂を添加した結晶性ポリプロピ
レン系樹脂を使用したり、或は、製造時の積層方
法や延伸方法、或は、延伸条件や熱固定条件等を
適宜選択すればよい。
本発明のポリプロピレン系多層熱収縮性フイル
ムは、芯層に粘着性に優れた水素化石油樹脂、及
び/又は、水素化テルペン樹脂が添加されている
ため、溶断シール性が良好である。即ち、溶断シ
ールを行なう際の温度範囲が広く、自動包装機械
適性が良好で、しかも、得られるシール強度が強
固である。
本発明に於ける熱収縮力及び熱収縮率は次の様
な方法によつて測定した。まず熱収縮力は、測定
しようとするポリプロピレン系多層熱収縮性フイ
ルムを縦方向、横方向それぞれ10mm幅のタンザク
状に切断し、試料とする。その試料を40mm間隔の
チヤツクに弛みが無く、しかも、無負荷の状態に
挟持し、該フイルムが熱収縮を起こさない様にチ
ヤツク間隔を固定する。そして、チヤツク間に挟
持されたままの試料を規定の温度に設定されたシ
リコンオイル槽に約30秒間浸漬させ、チヤツク間
に生ずる最大の力を熱収縮力としてgの単位で求
めた。尚、熱収縮力が20gを超える温度領域の温
度幅は、上記方法で得られたシリコンオイル槽の
温度と、その際生じる熱収縮力との関係より求め
た。
次に、熱収縮率は測定しようとするポリプロピ
レン系多層熱収縮性フイルムを縦方向、横方向が
共に100mmの正方形に切断し、得られた試料の規
定の温度に設定されたシリコンオイル槽に約30秒
間浸漬させて熱収縮させ、縦方向、横方向それぞ
れの熱収縮量を熱収縮前の長さの100分率で求め
た。尚、熱収縮率が縦方向、横方向共に10%以上
となる温度範囲の温度幅は、上記方法で得られた
シリコンオイル槽の温度と、その際生じる熱収縮
率との関係より求めた。
本発明のポリプロピレン系多層熱収縮性フイル
ムを製造する方法としては特に限定されるもので
はないが、次の様な方法により製造されるのが好
ましい。即ち、複数の押出機を用いて積層ダイよ
り積層シートを共押出しする。そして該積層シー
トを冷却固化させた後、延伸可能な温度まで再加
熱して、縦方向、横方向共に少なくとも3.0倍以
上延伸した後冷却させる。延伸方法としてはテン
ター方式、或は、インフレーシヨン方式とも可能
であるが、縦方向と横方向の熱収縮量を同程度に
する事が容易であるので、インフレーシヨン方式
により製造するのが好ましい。そのために、積層
シートは多層サーキユラーダイを用い、多層チユ
ーブ状シートとして得る事が必要がある。そし
て、得られたポリプロピレン系多層熱収縮性フイ
ルムは、自然放置していると該フイルム自体の持
つている自然収縮性によつて変形や表面状態が悪
化するのでこれを防止するために、熱収縮性を余
り低下させない様に熱処理して、自然収縮量を減
らす事がより好ましい。
本発明のポリプロピレン系多層熱収縮性フイル
ムを用いた熱収縮包装方法としては、従来より使
用されている熱収縮包装ラインをそのまま使用す
る事が出来る。しかも、従来のポリプロピレン樹
脂よりなる熱収縮性フイルムと比較して、収縮ト
ンネル内の温度をシビヤーに設定しなくても、
又、多少温度むらが有つても良好なる熱収縮包装
体を得る事が出来る。
(発明の効果) 本発明のポリプロピレン系多層熱収縮性フイル
ムは、熱収縮包装時の適性温度範囲が広くなり、
収縮トンネル温度の時間的変化や場所による温度
分布のバラツキ等が多少有つても、又、設定温度
が多少ラフでも常に緊迫性に優れ、良好なる熱収
縮包装体となるものである。又、良好なる滑り性
と優れた溶断シール性を有しているので、自動包
装適性に優れ、しかも、収縮トンネル内で包装体
同士が融着したり、内容物と熱収縮性フイルムと
が融着したりする様な事もない。
さらに、本発明のポリプロピレン系多層熱収縮
性フイルムは、生産時等に生じる不適格品等の再
生還元が可能であるので、実用生産上有益であ
る。
尚、本発明のポリプロピレン系多層熱収縮性フ
イルムは、本来ポリプロピレン系樹脂が有してい
る透明性、光沢、防湿性、或は、無公害性等の優
れた特性を備えている事は勿論である。
(実施例) 以下に実施例及び比較例を示し、本発明をより
具体的に説明する。
実施例 1 結晶性エチレン・プロピレン共重合体(エチレ
ン含有率3.2wt%)を両外層とし、該エチレン・
プロピレン共重合体に水素化石油樹脂(荒川林産
化学工業株式会社製“アルコン”)を5重量部添
加された樹脂を芯層とするチユーブ状共押出し積
層未延伸原反フイルムを3台の押出機と3層共押
出し用サーキユラーダイによつて得た。尚、上記
共押出し成型直後に従来の水冷方式によつて急冷
させた。得られた積層未延伸原反フイルムの両外
層は共に40μで、芯層は130μであつた。
この積層未延伸原反フイルムを従来のインフレ
ーシヨン方式によつて縦方向、横方向共に4.0倍
延伸し、積層二軸延伸フイルムを得た。この積層
二軸延伸フイルムに施緩を与えながら熱固定を行
ない、全体厚みが約15μで、折径が約620mmのポ
リプロピレン系多層熱収縮性フイルムを得た。
得られたポリプロピレン系多層熱収縮性フイル
ムを用い、即席カツプラーメンの自動熱収縮包装
試験を行なつた。その結果、自動包装時にフイル
ムの滑り性に起因するトラブルもなく、溶断シー
ル性も良好で、自動包装適性に優れたものであつ
た。又、熱収縮時に収縮トンネル内で包装体同士
が融着を生じたり、或は、内容物である即席カツ
プラーメンの容器と熱収縮性フイルムとが融着を
生じる様な事もなかつた。しかも、収縮トンネル
内の温度160℃を上下15℃程度変化させても、得
られる熱収縮包装体の緊迫性に変化を生じる様な
事もなく、良好なる仕上りが得られた。
尚、該ポリプロピレン系多層熱収縮性フイルム
の熱収縮力が縦方向、横方向共に20gを超える温
度領域の温度幅は70℃で、該温度領域に於て、縦
方向、横方向の熱収縮率が共に10%以上である温
度範囲も70℃の温度幅を有し、本発明の構成要件
を満たすものであつた。
実施例 2 実施例と同様の押出機とダイを使用し、同じ方
法によつて、一方の外層が結晶性ポリプロピレン
ホモポリマーで、もう一方の外層が結晶性エチレ
ン・プロピレン共重合体(エチレン含有率3.2wt
%)、芯層が結晶性エチレン−ブテン−プロピレ
ン共重合体(エチレン含有率2.1wt%、ブテン含
有率4.2wt%)に水素化テルペン樹脂(安原油脂
工業株式会社製“クリアロン”)を8重量部添加
した樹脂からなるチユーブ状共押出し積層未延伸
原反フイルムを得た。この積層未延伸原反フイル
ムの両外層は共に73μで、芯層は145μであつた。
得られた積層未延伸原反フイルムを実施例1と
同様の方法で延伸及び熱固定を行ない、全体厚み
が約20μで折径が約620mmのポリプロピレン系多
層熱収縮性フイルムを得た。得られたポリプロピ
レン系多層熱収縮性フイルムを用い、エアゾール
缶の自動熱収縮包装試験を行なつた。尚、包装時
に外側がポリプロピレン共重合体層となる様にし
た。その結果、実施例1と同様自動包装適性に優
れ、しかも、収縮トンネル内で融着を生じる等の
トラブルも無かつた。又、収縮トンネル温度は
170℃に設定したが、その設定温度が多少ラフで
も、得られる熱収縮包装体は緊迫性を有し、良好
なる仕上りであつた。
尚、該ポリプロピレン系多層熱収縮性フイルム
の熱収縮力が縦方向、横方向共に20gを超える温
度領域の温度幅は75℃で、該温度領域に於て、縦
方向、横方向の熱収縮率が共に10%以上である温
度範囲も60℃の温度幅を有し、本発明の構成要件
を満たすものであつた。
比較例 1 実施例1に於て、芯層に添加する水素化石油樹
脂の量を40重量部としたほかは全て同様の方法で
ポリプロピレン系多層熱収縮性フイルムの作製を
試みた。しかし、共押出し成型時に芯層の押出し
むらにより厚み変動を生じると共に延伸安定性が
悪く、ポリプロピレン系多層熱収縮性フイルムを
得る事が出来なかつた。
尚、該芯層に使用された樹脂組成は本発明の構
成要件を満たさないものであつた。
比較例 2 実施例1と同様の押出機とダイを使用し、同じ
方法によつて、両外層が結晶性エチレン・プロピ
レン共重合体(エチレン含有率3.2wt%)に水素
化石油樹脂(荒川林産化学工業株式会社製“アル
コン”)を12重量部添加された樹脂を使用し、芯
層には両外層に使用したエチレン・プロピレン共
重合体を使用して、チユーブ状共押出し積層未延
伸原反フイルムを得た。この積層未延伸原反フイ
ルムの両外層は共に40μで、芯層は130μであつ
た。
得られた積層未延伸原反フイルムを実施例1と
同様の方法で延伸及び熱固定を行ない、全体厚み
が約15μで折径が約620mmのポリプロピレン系多
層熱収縮性フイルムを得た。
得られたポリプロピレン系多層熱収縮性フイル
ムを用いて、実施例1と同様、即席カツプラーメ
ンの自動熱収縮包装試験を行なつた。しかし、フ
イルムの滑り性が悪く、自動包装機械に適応し難
く、しかも、収縮トンネル内で包装体同士や内容
物と熱収縮性フイルムとが融着を生じやすかつ
た。
尚、該ポリプロピレン系多層熱収縮性フイルム
の両外層及び芯層に使用された樹脂組成は、本発
明の構成要件を満たさないものであつた。
比較例 3 実施例1と同様の押出機とダイを使用し、同じ
方法によつて、両外層が結晶性ポリプロピレンホ
モポリマーで、芯層が上記ポリプロピレンホモポ
リマーに水素化石油樹脂(荒川林産化学工業株式
会社製“アルコン”)を1重量部添加した樹脂か
らなるチユーブ状共押出し積層未延伸原反フイル
ムを得た。この積層未延伸原反フイルムの両外層
は共に40μで、芯層は130μであつた。
得られた積層未延伸原反フイルムを実施例1と
同様の方法で延伸及び熱固定を行ない、全体厚み
が約15μで折径が約620mmのポリプロピレン系多
層熱収縮性フイルムを得た。
得られたポリプロピレン系多層熱収縮性フイル
ムを用いて、実施例1と同様、即席カツプラーメ
ン自動熱収縮包装試験を行なつた。その結果、フ
イルムの滑り性は良く、自動包装機械に適応し易
いが、溶断シール性が不十分であつた。又、収縮
トンネル内の温度が最適温度よりも多少でも低下
すると得られる熱収縮包装体の緊迫性が劣り、
又、多少でも高くなると得られる熱収縮包装体の
表面が溶融し、白化状態を呈す様になり、共に良
好なる仕上りが得られなかつた。
尚、該ポリプロピレン系多層熱収縮性フイルム
は、その芯層に添加された水素化石油樹脂が1重
量部で、本発明の構成要件を満たさないものであ
つた。しかも、熱収縮力が縦方向、横方向共に20
gを超える温度領域の温度幅は50℃未満で、この
点についても本発明の構成要件を満たさないもの
であつた。
比較例 4 結晶性エチレン・ブテン・プロピレン共重合体
(エチレン含有率2.1wt%、ブテン含有率4.2wt%)
に水素化石油樹脂(荒川林産化学工業株式会社製
“アルコン”)を5重量部添加した樹脂組成物よ
り、従来のインフレーシヨン二軸延伸方法によつ
て厚さ20μのポリプロピレン系熱収縮性フイルム
を得た。そして、該ポリプロピレン系熱収縮性フ
イルムの両外面に、結晶性エチレン・プロピレン
共重合体(エチレン含有率3.2wt%)よりなる厚
さ10μの非収縮タイプのフイルムをドライラミネ
ートして、ポリプロピレン系多層熱収縮性フイル
ムを得た。
得られたポリプロピレン系多層熱収縮性フイル
ムを用いて、実施例2と同様、エアゾール缶の自
動熱収縮包装試験を行なつた。その結果、フイル
ムの滑り性は良く、又、溶断シール性も良好で、
自動包装機械に適応し易かつた。しかし、収縮ト
ンネル内の温度を高目に設定しないと熱収縮が不
十分で、熱収縮前の包装袋のタルミを十分熱収縮
させる事が出来ず、又、少しでも高目にしすぎる
と得られる熱収縮包装体の表面が溶融し、白化状
態を呈する様になる。
尚、ポリプロピレン系多層熱収縮性フイルムの
熱収縮力が縦方向、横方向共に20gを超える温度
領域の温度幅は50℃以上であつたが、該温度領域
に於て、縦方向、横方向の熱収縮率が共に10%以
上である温度範囲は50℃未満で、本発明の構成要
件を満たさないものであつた。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 結晶性ポリプロピレン系樹脂100重量部に水
    素化石油樹脂、及び/又は、水素化テルペン樹脂
    を2重量部乃至30重量部添加した樹脂からなる芯
    層と、両最外層が結晶性ポリプロピレン系樹脂か
    らなり、縦方向と横方向の熱収縮力が共に20gを
    越えている温度領域の温度幅が50℃以上を有し、
    しかも、該温度領域での熱収縮率が縦方向、横方
    向共に10%以上となる温度範囲が50℃以上の温度
    幅を有するポリプロピレン系多層熱収縮性フイル
    ム。
JP61310963A 1986-12-25 1986-12-25 ポリプロピレン系多層熱収縮性フイルム Granted JPS63160837A (ja)

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JP3977814B2 (ja) * 2003-03-27 2007-09-19 フタムラ化学株式会社 二軸延伸複層フィルム

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