JPH0570314A - 固定化抗菌剤およびその製造方法 - Google Patents

固定化抗菌剤およびその製造方法

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JPH0570314A
JPH0570314A JP4007521A JP752192A JPH0570314A JP H0570314 A JPH0570314 A JP H0570314A JP 4007521 A JP4007521 A JP 4007521A JP 752192 A JP752192 A JP 752192A JP H0570314 A JPH0570314 A JP H0570314A
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JP4007521A
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English (en)
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Tsuneo Suhara
常夫 須原
Hiroshi Fukui
寛 福井
Michihiro Yamaguchi
道広 山口
Akira Ito
明 伊藤
Hideyuki Gomyo
秀之 五明
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Shiseido Co Ltd
Original Assignee
Shiseido Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 抗菌活性、安全性および熱安定性に優れた固
体化抗菌剤を提供する。 【構成】 Si−H基を含むシリコーンポリマー被覆固
体に由来する部分にスペーサー部分を介して第四級アン
モニウム塩または第四級ホスフォニウム塩を結合して固
定化抗菌剤を構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、シリコーンポリマー被
覆固体にスペーサー部分を介してペンダント基としてア
ミンもしくはホスフィン部分またはスペーサー部分が窒
素原子もしくはリン原子が三級の状態で含む場合にはハ
ロゲン化アルキル部分を連結した固定化抗菌剤およびそ
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から抗菌剤は、化粧料、消毒剤、衛
生化剤、食品、動物飼料、冷却水、金工液、病院および
医学利用、プラスチック、接着剤、なめし革および皮革
ならびに塗料用スラリーに用いられている。従来公知の
抗菌剤は多数あるが、そのなかでも第四級アンモニウム
化合物がよく用いられている。この化合物は、かなり抗
菌性効果があることが認められていたが、高濃度で使用
した場合に、経皮吸収、刺激性、さらに熱安定性に問題
があり、また固体等を配合した場合には、第四級アンモ
ニウム化合物が固体に吸着してしまい、抗菌活性を低下
させてしまうという問題があった。このように第四級ア
ンモニウム化合物はその配合に制限があった。また固定
化抗菌剤としては、シランカップリング剤を用いて製造
する方法が知られているが、この方法では、固体表面に
水酸基が存在しないと合成できないために、一部の固体
にしか合成することができず、またこの方法で合成した
固定化抗菌剤は抗菌剤の付加量が少ないために抗菌活性
が弱く、さらにシランカップリング剤を使用するために
安全性に問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は、前
記した従来技術の問題点、即ち経皮吸収、安全性、配合
制限および熱安定性における問題を解決し、固定化して
も抗菌活性が損なわれず、特に安全性に優れた固定化抗
菌剤およびその製造方法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、先に、特
に物理的強度にすぐれて無機質固体の表面を改質するこ
とにより、それらに誘導される有機残基を化学的諸条件
に対する安定性の付与手段として、それらの表面をシリ
コーンポリマーで被覆する方法並びにこのような被覆シ
リコーンポリマーの反応性基を利用して機能性をシリコ
ーンポリマー被覆無機質固体に更に付与することに成功
した(特開昭63−171678号公報参照) 。これらには、固
定化抗菌剤として使用できるものもあるが、抗菌活性、
安全性、安定性などに更に優れたものを開発すべく研究
を重ねた結果、特定のシリコーンポリマー被覆固体に、
一定鎖長のスペーサー部分を介して、アミンもしくはホ
スフィンを結合させたものまたはスペーサー部分が窒素
原子もしくはリン原子を三級の状態で含む場合には、ハ
ロゲン化アルキルを結合させたものが、抗菌活性、熱安
定性および安全性に優れていることを見出し本発明を完
成するに至った。
【0005】即ち、本発明に従えば、Si−H基を含む
シリコーンポリマー被覆固体に由来する部分にスペーサ
ー部分を介して第四級アンモニウム塩または第四級ホス
フォニウム塩を結合してなる固定化抗菌剤が提供され
る。
【0006】本発明の好ましい態様によれば、前記固体
部分のSi−H基由来のケイ素原子がスペーサー部分と
ケイ素−炭素共有結合し、該スペーサー部分が更にアミ
ンのアミノ基と炭素−窒素共有結合またはホスフィンの
リン基と炭素−リン共有結合しており、そして前記のス
ペーサー部分が構成原子3〜15個からなる基であって、
酸素原子、イオウ原子および窒素原子の少なくとも1個
を主鎖中に含んでいてもよい置換もしくは未置換の炭化
水素鎖からなる、請求項1記載の固定化抗菌剤が提供さ
れる。
【0007】本発明に従えば、また、(i)Si−H基
を含むシリコーンポリマー被覆固体のSi−Hをビニル
基およびエポキシ基、ハロゲン原子、窒素原子またはリ
ン原子を有するスペーサー化合物のビニル基と反応させ
る工程と、(ii) 前記スペーサー化合物の他の官能基に
アミンもしくはホスフィンを反応させる工程またはスペ
ーサー部分が窒素原子もしくはリン原子が三級の状態で
含む場合には、スペーサー部分にハロゲン化アルキルを
反応させる工程とを含んでなる前記固定化抗菌剤の製造
方法が提供される。
【0008】以下、本発明の固定化抗菌剤およびその製
造方法について具体的に説明する。本発明で用いるSi
−H基を含むシリコーンポリマー被覆固体は、それ自体
公知であり、例えば本発明者らの先願に係わる特開昭63
−171678号公報に具体的に記載されるものを挙げること
ができる。被覆するシリコーンポリマーとしてはその種
類およびその被覆方法を問わないが、加熱条件下にシリ
コーンポリマーの前駆体なるシリコーンモノマーまたは
オリゴマーを気相状で固体表面上に堆積させ、その表面
上で接触重合させることにより均一なシリコーン被覆を
形成したものが好ましい。この累積に都合の良いシリコ
ーンモノマーまたはオリゴマーの具体例としては、それ
ぞれ次式(I), (II) または(III) で示される化合物を
あげることができる。
【0009】
【化1】
【0010】
【化2】
【0011】
【化3】
【0012】このような化合物としては、例えば、ジハ
イドロジェンヘキサメチルシクロテトラシロキサン、ト
リハイドロジェンペンタメチルシクロテトラシロキサ
ン、テトラハイドロジェンテトラメチルシクロテトラシ
ロキサン、ジハイドロジェンオクチルシクロペンタシロ
キサン、テトラハイドロジェンヘキサメチルシクロペン
タシロキサンおよびペンタハイドロジェンペンタメチル
シクロペンタシロキサンなどの環状シリコーン化合物な
らびに1,1,1,3,5,7,7,7−オクタメチル
テトラシロキサン、1,1,1,3,5,7,9,9,
9−ノナメチルペンタシロキサンおよび1,1,1,
3,5,7,9,11,11,11−デカメチルヘキサシロキ
サンなどの直鎖状シリコーン化合物を挙げることができ
る。これらのシリコーン化合物は、例えば前記公開公報
に示される気相堆積、固体表面上での接触重合によっ
て、固体表面上に堆積したシリコーンポリマー被覆を形
成することができる。このポリマーはその対応するモノ
マーの一般式から理解できるように反応性ヒドロシル
(Si−H)基を有する。従って、Si−H基を含むシ
リコーンポリマー被覆固体に由来する部分とは、前記シ
リコーンポリマー被覆固体に含まれるSi−H基が少な
くとも1個Si−となったものをいう。
【0013】本発明のスペーサー部分は、スペーサー部
分の構成原子が3〜15個からなるSi−H基を含むシリ
コーンポリマー被覆固体に由来する部分と、第四級アン
モニウム塩または第四級ホスフォニウム塩との連結基で
あって、これらの主鎖が酸素原子、イオウ原子および窒
素原子の少なくとも1個で中断されていてもよい置換も
しくは未置換の炭化水素鎖からなり、好ましくは、未置
換の芳香族炭化水素鎖からなるスペーサー部分である。
置換基としては、C1 〜C4 の低級アルキル、ヒドロキ
シ低級アルキル、オキシ基、ハロゲン原子、水酸基など
が代表的なものであり、その他については特開昭63−17
1678号公報記載のものが挙げられ、これらの基を1個ま
たはそれ以上含むことができる。前記炭化水素鎖はアル
キレン、アリーレン、ジ−アルキレンアリールであっ
て、アミンまたはホスフィンと共有結合する末端はその
結合に適する官能基に由来する部分を有していてもよ
い。
【0014】また、酸素原子、イオウ原子もしくは窒素
原子を主鎖中に含む炭化水素鎖としては、これらの炭化
水素鎖の内部に前記いずれかの原子を有し、それぞれに
対応するエーテル、チオエーテル、アミン鎖を形成する
ものが包含される。このようなスペーサー部分を形成す
る出発原料としては、例えばアリルグリシジルエーテル
およびその他のエポキシアルケン(例えば1,2−エポ
キシ−5−ヘキセン)、スチレン、アリルベンゼン、ク
ロロスチレン、クロロメチルスチレン、クロロエチルス
チレン、アリルフェニルエーテル、アリルクロロフェニ
ル、アリルクロロメチルフェニル、アリルクロロエチル
フェニル、アリルフェノール、臭化アリル、塩化アリ
ル、ヨウ化アリル、アリルアルコール、アリルアミン、
4−アリルベラトール、2−(アリルオキシ)エタノー
ル、N−アリルジメチルアミン、N−アリルジエチルア
ミン、1−アリル−3,4−ジメトキシベンゼン、イソ
チオシアン酸アリル、アリル酢酸、アリルスルホン酸、
ビニル酢酸、ビニルピリジンおよびポリオキシエチレン
アリルエーテル(OE単位1〜3)などをあげることが
でき、これらの化合物において、ビニル基以外の官能基
としてアミノ基と反応性の基を有しないものにあって
は、これらの化合物をカルボキシル化、ハロゲン化もし
くはスルホニル化などによりアミノ基と反応性の基を導
入した化合物も包含する。なお、これらの基は、適当な
ビニル化合物を前記シリコーンポリマーに結合させた後
にそのスペーサー部分に導入することもできる。特に好
ましい原料は、酸素原子を主鎖中に含んでいてもよい、
ハロゲン原子を末端に有する炭化水素鎖である。
【0015】前記シリコーンポリマー被覆固体のSi−
H基由来部分とスペーサー部分との共有結合は、スペー
サー部分の他の結合基に三級アミンまたは三級ホスフィ
ンを結合させる前または後のいずれに形成してもよい。
この結合は、一般には、スペーサー部分形成原料のビニ
ル基と前記Si−H基とを、それ自体公知の方法によっ
て反応させてケイ素−炭素共有結合を形成させることに
よって行うことができる(例えば特開昭63−171678号公
報参照)。
【0016】また、スペーサー部分の他端と、第四級ア
ンモニウム塩のアミンとの共有結合または第四級ホスフ
ォニウム塩のホスフィンとの共有結合は、前記出発原料
のエポキシ基またはハロゲン原子とアミノ基またはホス
フィン基をそれ自体公知の方法によって反応させて炭素
−窒素共有結合または炭素−リン共有結合を形成させる
ことができる(この反応様式については前述の公報参
照)。
【0017】さらに、本発明で用いるアミンまたはホス
フィンなる用語は、広義の意味で用いるものとし、これ
らとしては、次式(IV)および(V):
【0018】(IV)アミン RaRbNRc (式中、a+b+c≧2)
【0019】(V)ホスフィン RaRbPRc (式中、a+b+c≧2) (上記式(IV)および(V)において、Rはアルキル基
(好ましくはC1 〜C18のアルキル基およびフェニル
基)であり、末端にOH基を含有してもよい。またa,
b,cが0の場合には、水素原子を表すが、2つ以上0
になる場合は除く)で示される。本発明によって提供さ
れる前記固定化抗菌剤は、本発明の他の態様である固定
化抗菌剤の製造方法によって有利に製造することができ
る。
【0020】本発明によれば、例えば特開昭63−171678
号公報に記載の方法に準じて調製したSi−H基を含む
シリコーンポリマー被覆固体をビニル基およびエポキシ
基またはハロゲン原子を有するスペーサー化合物と反応
させ、Si−H基とビニル基との間の反応でケイ素−炭
素共有結合を形成する。この反応は、必要により他の官
能基であるエポキシ基、その他の反応性基を常法に従っ
て保護した後に反応させるか、またはケイ素−炭素共有
結合を形成した後、このスペーサー部分にその他の反応
性基を導入してもよい。すなわち、Si−H基を含むシ
リコーンポリマー被覆固体と、例えばビニル基を含むス
ペーサー化合物とを、2−プロパノール、メタノール、
エタノール、アセトン、アセトニトリル、ジオキサン、
トルエンなどの不活性溶媒中、塩化白金酸触媒の存在下
で、室温から使用溶媒の沸点までの範囲の温度にて反応
させるのが好ましい。
【0021】前記したように、Si−H基を含む固体部
分とビニル基を有するスペーサー化合物との反応は、溶
媒中で行うのが好ましいが、この反応は 300℃以下の気
相で行うこともでき、使用できる触媒としては、前記の
触媒をはじめとして白金族触媒、例えばルテニウム、ロ
ジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、白金の
化合物が適しているが、特にパラジウムと白金の化合物
が好適である。パラジウム系触媒としては塩化パラジウ
ム(II)、塩化テラアンミンパラジウム(II)酸アンモ
ニウム、酸化パラジウム(II)、水酸化パラジウム(I
I)等があげられる。白金系触媒としては、塩化白金(I
I)、テトラクロロ白金酸(II)、塩化白金(IV)、ヘ
キサクロロ白金酸(IV)、ヘキサクロロ白金酸(IV)ア
ンモニウム、酸化白金(II)、水酸化白金(II)、二酸
化白金(IV)、酸化白金(IV)、二硫化白金(IV)、硫
化白金(IV)、ヘキサクロロ白金(IV)酸カリウム等が
あげられる。また、これらのパラジウム系化合物、白金
系化合物にトリ−n−アルキル(例えば炭素数1〜8)
メチルアンモニウムクロライドやトリ−n−アルキルア
ミンを加えて水/有機溶媒系でイオン対抽出を行った後
の有機溶媒層を用いることもできる。さらに、アミン触
媒、例えばトリブチルアミンまたは重合開始剤を使用す
ることができる。前記付加反応は紫外線、γ線、プラズ
マ等を利用して実施することもできる。こうして導入さ
れるスペーサー部分の結合量は、シリコーンポリマー被
覆に用いる原料{例えば、前記式(I),(II)または
(III)の化合物}を選ぶことまたは反応時間を選ぶこと
によって任意に調整することができる。
【0022】次に、前記スペーサー部分のもう一つの官
能基、例えばエポキシ基、反応性カルボキシル基、反応
性スルホニル基またはハロゲン原子と、殺菌剤中のアミ
ンもしくはホスフィンとの反応を行う。またスペーサー
部分に窒素原子またはリン原子が三級の状態で含まれて
いる場合にはハロゲン化アルキルと反応させる。これら
の反応はそれ自体公知の反応条件下で行うことができる
が、その一例としてハロゲン原子の場合についてさらに
具体的に説明する。即ち、例えば、前記スペーサー部分
を結合したシリコーンポリマー被覆固体とアミンもしく
はホスフィンを前述と同様な不活性溶媒中に分散させ、
溶媒の沸点で加熱還流することにより触媒の不存在下に
炭素−窒素共有結合もしくは炭素−リン共有結合を容易
に形成することができる。
【0023】またスペーサー部分に窒素原子またはリン
原子が三級の状態で含まれている場合にはハロゲン化ア
ルキルとの共有結合を形成することができる。アミン、
ホスフィンもしくはハロゲン化アルキルは、存在が予測
されるスペーサー部分の当量に対して大過剰量用いるこ
とが好ましい。この量は、反応温度などによって若干変
動するが前記固体が凝集するか否かを指標にして容易に
最適量を決定することができる。反応は、一般に1〜10
時間の範囲以内に終了する。なお、反応性カルボキシル
基もしくはスルホニル基にいう反応性とは、アミンある
いはホスフィンを反応させるのに先立ち、必要に応じて
それらの基が誘導される酸無水物などの基を意味する。
これらの基を介するアミンもしくはホスフィンとの反応
も、前記と同様な溶媒中で無触媒下で行うことができる
が、必要により塩基性触媒を加えて反応を促進してもよ
い。こうして本発明の一つの態様の固定化抗菌剤が得ら
れる。なお、本発明による固定化抗菌剤は、皮膚外用
剤、口腔製品、化粧用具、塗料、加湿器用抗菌剤、空調
関係のフィルター、紙、繊維、シート等に利用すること
ができる。
【0024】
【実施例】次に実施例をあげて本発明をさらに具体的に
説明するが、本発明の範囲をこれ等の実施例に限定する
ものではないことはいうまでもない。尚、以下の実施例
において配合量は重量%で示す。
【0025】実施例1−1:微粒子シリカゲルのシリコ
ーンポリマー被覆 容積 100リットルの回転式ダブルコーン型反応槽(ステ
ンレススチール製、保温ジャケット付き)中に粒径50nm
のシリカゲル4kgを入れた。その反応槽およびそれに直
結させた容積10リットルの処理液供給タンク (ステンレ
ススチール製、保温ジャケット付き) の温度は、80℃に
加熱した熱媒体を循環ポンプで熱媒体加熱層から各保温
ジャケットに供給することにより、80℃に保持した。処
理液供給タンクにテトラメチルテトラヒドロジェンシク
ロテトラシロキサン3kgを加え、処理液供給タンクに窒
素ガスを 1.5リットル/min 供給して、処理液をバブリ
ングさせた。なお、反応槽には凝縮器を取り付け、窒素
ガスがそこから放出され、未反応の処理剤が回収できる
ようにした。また、反応槽は10分間隔で1分間回転さ
せ、反応槽内で微粒子シリカゲルを混合する操作を8時
間繰返し、処理粉体を取り出した。得られた処理粉体は
著しい疎水性を示した。
【0026】実施例1−2 実施例1−1の微粒子シリカゲルを微粒子二酸化チタン
に変えて、同様の処理を行い、シリコーンポリマー被覆
微粒子二酸化チタンを得た。
【0027】実施例1−3 実施例1−1の微粒子シリカゲルをセリサイトに変え
て、同様の処理を行い、シリコーンポリマー被覆セリサ
イトを得た。
【0028】実施例2−1:シリコーンポリマー被覆微
粒子シリカゲルへのスペーサーの導入 実施例1−1のシリコーンポリマー被覆微粒子シリカゲ
ル 500gを3リットルのナス型フラスコに取り、これに
触媒として塩化白金酸 0.5mg、クロロメチルスチレン20
gおよびトルエン 2.5リットルを加えてマントルヒータ
ー中で6時間加熱還流させた後、濾過し、トルエン2リ
ットルで洗浄し、脱気乾燥を行い、スペーサー導入微粒
子シリカゲルを得た。
【0029】実施例2−2 実施例1−2のシリコーンポリマー被覆微粒子二酸化チ
タンを用いて、実施例2−1と同様の処理を行い、スペ
ーサー導入微粒子二酸化チタンを得た。
【0030】実施例2−3 実施例1−3のシリコーンポリマー被覆セリサイトを用
いて、実施例2−1と同様の処理を行い、スペーサー導
入セリサイトを得た。
【0031】実施例3−1:スペーサーへのN,N−ジ
メチルヘキシルアミンの付加 実施例2−1で得たスペーサー導入微粒子シリカゲル 1
00gを1リットルナス型フラスコに取り、これにN,N
−ジメチルヘキシルアミン5ml、溶媒としてアセトン 2
00mlを加えて、攪拌しながらマントルヒーター中で4時
間加熱還流させた後、濾過し、アセトン1リットルで洗
浄し、脱気乾燥を行い、第四級アンモニウム塩で表面修
飾した固定化抗菌剤を得た。
【0032】実施例3−2 実施例2−2のスペーサー導入微粒子二酸化チタンを用
いて、実施例3−1と同様の処理を行い、第四級アンモ
ニウム塩で表面修飾した固定化抗菌剤を得た。
【0033】実施例3−3 実施例2−3のスペーサー導入セリサイトを用いて、実
施例3−1と同様の処理を行い、第四級アンモニウム塩
で表面修飾した固定化抗菌剤を得た。
【0034】実施例4:スペーサーへのN,N−ジメチ
ルテトラデシルアミンの付加 実施例2−1で得たスペーサー導入微粒子シリカゲル 1
00gを1リットルナス型フラスコに取り、これにN,N
−ジメチルテトラデシルアミン5ml、溶媒としてアセト
ン 200mlを加えて、攪拌しながらマントルヒーター中で
4時間加熱還流させた後、濾過し、アセトン1リットル
で洗浄し、脱気乾燥を行い、第四級アンモニウム塩で表
面修飾した固定化抗菌剤を得た。
【0035】実施例5:スペーサーへのトリエチルホス
フィンの付加 実施例2−1で得たスペーサー導入微粒子シリカゲル 1
00gを1リットルナス型フラスコに取り、これにトリエ
チルホスフィン5ml、溶媒としてアセトン 200mlを加え
て、攪拌しながらマントルヒーター中で4時間加熱還流
させた後、濾過し、アセトン1リットルで洗浄し、脱気
乾燥を行い、第四級ホスフォニウム塩で表面修飾した固
定化抗菌剤を得た。
【0036】実施例6:シリコーンポリマー被覆微粒子
シリカゲルへのスペーサーの導入 実施例1−1のシリコーンポリマー被覆微粒子シリカゲ
ル 500gを3リットルのナス型フラスコに取り、これを
触媒として塩化白金酸 0.5mg、アリルグリシジルエーテ
ル20gおよびトルエン 2.5リットルを加えてマントルヒ
ーター中で6時間加熱還流させた後、濾過し、トルエン
2リットルで洗浄し、脱気乾燥を行い、スペーサー導入
微粒子シリカゲルを得た。
【0037】実施例7:スペーサーへのN,N−ジメチ
ルヘキシルアミンの付加 実施例6で得たスペーサー導入微粒子シリカゲル 100g
を1リットルナス型フラスコに取り、これにN,N−ジ
メチルヘキシルアミン5ml、塩化ナトリウム 0.5g、溶
媒としてアセトン 200mlを加えて、攪拌しながらマント
ルヒーター中で4時間加熱還流させた後、濾過し、アセ
トン1リットルで洗浄し、脱気乾燥を行い、第四級アン
モニウム塩で表面修飾した固定化抗菌剤を得た。
【0038】実施例8:スペーサーへのN,N−ジメチ
ルテトラデシルアミンの付加 実施例6で得たスペーサー導入微粒子シリカゲル 100g
を1リットルナス型フラスコに取り、これにN,N−ジ
メチルテトラデシルアミン5ml、塩化ナトリウム 0.5
g、溶媒としてアセトン 200mlを加えて、攪拌しながら
マントルヒーター中で4時間加熱還流させた後、濾過
し、アセトン1リットルで洗浄し、脱気乾燥を行い、第
四級アンモニウム塩で表面修飾した固定化抗菌剤を得
た。
【0039】実施例9:スペーサーへのジエチルアミン
の付加 実施例6で得たスペーサー導入微粒子シリカゲル 100g
を1リットルナス型フラスコに取り、これにジエチルア
ミン5ml、溶媒として2−プロパノール 200mlを加え
て、攪拌しながらマントルヒーター中で4時間加熱還流
させた後、濾過し、2−プロパノール1リットルで洗浄
し、脱気乾燥を行った。その後、ここで得られた粉体 1
00gを1リットルナス型フラスコに取り、これに塩化テ
トラデシル5ml、溶媒として2−プロパノール 200mlを
加えて、攪拌しながらマントルヒーター中で4時間加熱
還流させた後、濾過し、2−プロパノール1リットルで
洗浄し、脱気乾燥を行い、第四級アンモニウム塩で修飾
した固定化抗菌剤を得た。
【0040】実施例10:シリコーンポリマー被覆微粒子
シリカゲルへのスペーサーの導入 実施例1−1のシリコーンポリマー被覆微粒子シリカゲ
ル 500gを3リットルのナス型フラスコに取り、これを
触媒として塩化白金酸 0.5mg、ビニルピリジン20gおよ
びトルエン 2.5リットルを加えてマントルヒーター中で
6時間加熱還流させた後、濾過し、トルエン2リットル
で洗浄し、脱気乾燥を行い、スペーサー導入微粒子シリ
カゲルを得た。
【0041】スペーサーへの塩化ドデシルの付加 上で得たスペーサー導入微粒子シリカゲル 100gを1リ
ットルナス型フラスコに取り、これに塩化ドデシル5m
l、溶媒に2−プロパノール 200mlを加えて、攪拌しな
がらマントルヒーター中で4時間加熱還流させた後、濾
過し、2−プロパノール1リットルで洗浄し、脱気乾燥
を行い、第四級アンモニウム塩で修飾した固定化抗菌剤
を得た。
【0042】試験例1:熱安定性試験 実施例4で得た固定化抗菌剤について、オートクレーブ
を用いて、 1.2気圧および 120℃の条件下に15分間の処
理を行った時の変化を、熱重量・示差熱測定装置を用い
て試験した。
【0043】その結果、図1および図2に示すようにオ
ートクレーブ処理する前後での固定化抗菌剤の熱重量お
よび示差熱変化(A:オートクレーブ処理前、B:オー
トクレーブ処理後)には、まったく差がなく、本発明の
固定化抗菌剤が熱に対して安定であることを示した。
【0044】試験例2:眼刺激性 代替法である鶏卵の奨尿膜(CAM)試験法を用いて眼
刺激性を試験した。鶏卵(白色レグホン種の有精卵)を
孵卵機で10日間インキュベートしたのち、卵の外殻およ
び中膜を除去し、CAMを露出した。このCAM上に被
験物質を適用し、20秒後に水洗を行い、0.5 、2、およ
び5分後に充血、出血および凝固についてそれぞれ肉眼
判定し、以下のようなスコアをつけた。
【0045】
【0046】ここで用いた試料としては、実施例4の固
定化抗菌剤を10%含んだ10%エタノール水分散液、対象
物質としてはカチオン性界面活性剤であるベンジルテト
ラデシルジメチルアンモニウムクロライドを0.25%含ん
だ10%エタノール水溶液をそれぞれ用いた。また固定化
されている官能基のモル数と界面活性剤のモル数が同じ
になるようにしてある。結果を第1表に示す。
【0047】 第1表 ──────────────────────────── 充 血 出 血 凝 固 ──────────────────────────── 実施例4 3 0 0 平均 2.25 5 0 0 0 0 0 1 0 0 ──────────────────────────── ベンジルテトラ 3 0 9 平均 9.25 デシルジメチル 1 0 9 アンモニウム 0 0 7 クロライド 1 0 7 ────────────────────────────
【0048】この結果から、ベンジルテトラデシルジメ
チルアンモニウムクラロイドでは凝固が観察され、平均
でも9.25と実施例4の2.25と比べて有意な差が認められ
た。また眼刺激性の予測としては、ベンジルテトラデシ
ルジメチルアンモニウムクロライドが中程度の眼刺激性
(角膜が白濁する程度)、本発明の固定化抗菌剤が弱い
眼刺激性でほとんど影響がないことが認められた。
【0049】試験例3:各種菌に対する生育阻止効果 培地にニッスイ社製のGAM培地(pH 7.3) または極東
製薬社製の普通ブイヨン培地およびDifco社製のポ
テトデキストロース培地を用い、実施例3−1および実
施例4の固定化抗菌剤についてアクネ菌、化膿菌、枯草
菌、カンジダ菌等を用いてMICを測定し抗菌力を評価
した。アクネ菌としてはPropionibacterium acnes A
TCC11827、化膿菌としてはStapylococcus aureus AT
CC6538、枯草菌としてはBacillus subtilis IAM1213
、カンジダ菌としてはCandida albicans ATCC10231
を用いた。結果は第2表に示す。第2表に示すように
実施例3−1および実施例4の固定化抗菌剤は強い抗菌
力を有することが示された。
【0050】 第2表 (単位:重量%) ─────────────────────────────── 菌 株 名 実施例3−1 実施例4 ─────────────────────────────── . acnes ATCC11827 0.01 0.01 St. aureus ATCC6538 0.1 0.1 . subtilis IAM1213 1.0 1.0 . albicans ATCC10231 1.0 1.0 ───────────────────────────────
【0051】試験例4 ベンジルテトラデシルジメチルアンモニウムクロライド
または実施例4の固定化抗菌剤に、それぞれ二酸化チタ
ンを1%配合した場合の抗菌力を評価した。評価方法は
試験例4に準じて行った。ただし、ここで使用した菌
は、Stapylococcus aureus ATCC6538のみである。結
果は第3表に示す。第3表に示すように実施例4の固定
化抗菌剤は二酸化チタンを配合しても強い抗菌力を示し
た。
【0052】 第3表 (単位:ppm) ─────────────────────────────── 二酸化チタン配合量 0% 1% ─────────────────────────────── 実施例4 5 10 ベンジルテトラデシル ジメチルアンモニウムクロライド 0.5 500 ─────────────────────────────── ベンジルテトラデシルジメチルアンモニウムクロライド
と比較するために、実施例4の粉体は、第四級アンモニ
ウム塩の付加量を用いた。
【0053】次に本発明に係る固定化抗菌剤を配合した
各種皮膚外用剤の実施例について説明する。なお、各実
施例の皮膚外用剤とも、同時に配合した粉体等に抗菌剤
が吸着されることなく、尋常性座瘡等の各種細菌および
酵母性皮膚疾患に優れた予防・改善効果を示した。
【0054】実施例11:ファンデーション 配 合 成 分 重量% (1) 実施例3−1の固定化抗菌剤 10.0 (2) 二酸化チタン 13.0 (3) コロイダルカオリン 25.0 (4) タルク 34.7 (5) ベンガラ 1.0 (6) 黄酸化鉄 2.5 (7) 黒酸化鉄 0.1 (8) 流動パラフィン 8.0 (9) セスキオレイン酸ソルビタン 3.5 (10)グリセリン 2.0 (11)エチルパラベン 0.2
【0055】(製法)上記成分 (5)〜(7) を混合し、粉
砕機を通して平均粒径1〜5μmに粉砕した。これを高
速ブレンダーに移し、成分(10)を加えて混合した。別
に成分(1), (8), (9) および (11) を混合し、均一にし
たものを上記混合物に加えてさらに均一に混合した。こ
れを粉砕機で処理し、ふるいを通し粒度を整えた後、圧
縮成形し、ケーキ型ファンデーションを得た。
【0056】比較例1 実施例11において成分(1) の実施例3−1の固定化抗菌
剤を除いた以外は、全て実施例11と同様にしてファンデ
ーションを得た。
【0057】実施例11および比較例1のファンデーショ
ンのPropionibacterium acnesATCC11827 に対する抗
菌効果を以下のようにして測定した。尚、実施例11およ
び比較例1ともにエチルパラベンはあらかじめ抜去した
ものを試験に供した。
【0058】培地にニッスイ社製のGAM培地(pH 7.
3) を用い、オートクレーブで滅菌後試験管に分注し
た。これに実施例11および比較例1のファンデーション
を1%それぞれ加え、Propionibacterium acnes AT
CC11827 を102cells/mlずつ接種し、37℃で振盪しなが
ら3日間嫌気培養を行った後、菌数を測定した。結果は
第4表に示す。
【0059】 第4表 ────────────────────────────── 実施例15 比較例1 ────────────────────────────── 菌 数 (cells/ml) 0 108 ──────────────────────────────
【0060】第4表の結果から明らかなように、実施例
3−1の固定化抗菌剤を配合した実施例11のファンデー
ションは菌の生育を阻止しており、強い抗菌力をもつこ
とが示された。
【0061】実施例12:パック 配 合 成 分 重量% (1) 実施例4の固定化抗菌剤 5.0 (2) 酢酸ビニル樹脂エマルジョン 12.0 (3) ポリビニルアルコール 10.0 (4) オリーブ油 3.0 (5) ソルビット 5.0 (6) 二酸化チタン 13.0 (7) エタノール 10.0 (8) プロピルパラベン 0.1 (9) 精製水 残 部
【0062】(製法)上記成分(9) に成分(5) を混合
し、それに成分(1), (6)および(2) を添加し、さらに成
分(3) を成分(7) の一部で湿潤したものを添加し、70℃
に加熱して溶解した。次に残りの成分(7) に成分(1) お
よび(8) を加えて混合し、最後に成分(4) を添加し、冷
却してパックを得た。
【0063】実施例13:クリーム 配 合 成 分 重量% (1) 実施例3−1の固定化抗菌剤 1.0 (2) 流動パラフィン 12.0 (3) 1,3−ブチレングリコール 5.0 (4) ミツロウ 2.0 (5) セタノール 4.0 (6) 還元ラノリン 2.0 (7) スクワラン 30.0 (8) エチルパラベン 0.2 (9) ポリオキシエチレンモノソル ビタンモノラウリン酸エステル 2.0 (10)精製水 残 部
【0064】上記成分(2), (4)〜(9) を混合し、加熱溶
解して70℃とした(油相部)。また、(3) および (10)
を混合して70℃に保った(水相部)。次に油相部を水相
部に添加して予備乳化を行い、ホモミキサーで均一に乳
化し、O/Wクリームを得た。
【0065】実施例14:クレンジングフォーム 配 合 成 分 重量% (1) 実施例4の固定化抗菌剤 1.0 (2) グリセリン 18.0 (3) パルミチン酸 10.0 (4) ステアリン酸 10.0 (5) ミリスチン酸 12.0 (6) ラウリン酸 4.0 (7) オレイルアルコール 1.5 (8) 還元ラノリン 1.0 (9) 水酸化カリウム 6.0 (10)精製水 残 部
【0066】上記成分 (10) に(9) を加えて加熱し、
(2) を添加して70℃に調整した後、あらかじめ調製した
(3)〜(8) を混合し、70℃で加熱溶解したものを徐々に
加えた。さらに、これを均一になるようにかき混ぜなが
ら25℃まで冷却し、クレンジングフォームを得た。
【0067】実施例15:ファンデーション 配 合 成 分 重量% (1) 実施例3−1の固定化抗菌剤 15.0 (2) 実施例3−2の固定化抗菌剤 22.0 (3) 実施例3−3の固定化抗菌剤 33.0 (4) タルク 12.7 (5) ベンガラ 1.0 (6) 黄酸化鉄 2.5 (7) 黒酸化鉄 0.1 (8) 流動パラフィン 8.0 (9) セスキオレイン酸ソルビタン 3.5 (10)グリセリン 2.0 (11)エチルパラベン 0.2
【0068】(製法)上記成分 (5)〜(7) を混合し、粉
砕機を通して平均粒径1〜5μmに粉砕した。これを高
速ブレンダーに移し、成分(10)を加えて混合した。別
に成分(1), (8), (9) および (11) を混合し、均一にし
たものを上記混合物に加えてさらに均一に混合した。こ
れを粉砕機で処理し、ふるいを通し粒度を整えた後、圧
縮成形し、ケーキ型ファンデーションを得た。
【0069】口腔粘膜刺激性試験法 歯肉炎あるいは歯周炎を自覚しているパネル10名を用
い、試料で1日当り3分間を2回、5日間連続して歯を
磨いてもらい、口腔粘膜への刺激を判定してもらった。 ◎:口腔粘膜刺激著しく弱い 10人中0〜1名に刺激
が認められた。 ○:口腔粘膜刺激やや弱い 10人中2〜4名に刺激
が認められた。 △:口腔粘膜刺激やや強い 10人中5〜7名に刺激
が認められた。 ×:口腔粘膜刺激著しく強い 10人中8〜10名に刺激
が認められた。
【0070】殺菌力試験法 Streptococcus mutans E49株(a型)をBHI寒天培地
で37℃、48時間、GasPak Systemで嫌気的に前培養し
た。5重量%シュークロース添加BHI培地に各試料を
添加し、さらに最終菌濃度 105〜106CFU/mlになるよう
に滅菌水に懸濁したStreptococcus mutans E49株(a
型)を加え、37℃にて嫌気的に本培養した。菌添加24時
間後に肉眼観察により、下記の判定基準に基づいて抗St
reptococcusmutans活性を評価した。 ◎:菌の増殖は全く認められなかった。 ○:菌の増殖はほとんど認められなかった。 △:コントロールよりは少ないが明らかに菌の増殖は認
められた。 ×:コントロールと同程度の菌の増殖が認められる。
【0071】実施例16〜24および比較例2 第5表に記載の配合組成よりなる歯磨剤を通常の方法で
調製し、その味覚変化、口腔粘膜刺激性および殺菌力を
試験した。結果を第5表に示す。
【0072】
【表1】
【0073】実施例25:粉歯磨 配 合 成 分 重量% (1) 実施例3−1の固定化抗菌剤 40.0 (2) 炭酸カルシウム 40.0 (3) グリセリン 5.0 (4) 香 料 1.0 (5) パラオキシ安息香酸メチル 0.005 (6) ラウリル硫酸ナトリウム 1.3 (7) サッカリン 0.1 (8) 精製水 残 部
【0074】この粉歯磨は、同様の性能評価試験を行っ
た結果、味覚変化、口腔粘膜刺激性、殺菌力いずれも優
れた性能を示した。さらに、歯周疾患に対しても優れた
改善効果を示した。
【0075】実施例26:練歯磨 配 合 成 分 重量% (1) 実施例4の固定化抗菌剤 20.0 (2) ソルビット 50.0 (3) カラギーナン 0.5 (4) カルボキシメチル セルロースナトリウム 1.0 (5) ラウリル硫酸ナトリウム 1.8 (6) サッカリンナトリウム 0.08 (7) パラオキシ安息香酸メチル 0.2 (8) 香 料 0.9 (9) 精製水 残 部
【0076】この練歯磨は、同様の性能評価試験を行っ
た結果、味覚変化、口腔粘膜刺激性、殺菌力いずれも優
れた性能を示した。さらに、歯周疾患に対しても優れた
改善効果を示した。
【0077】実施例27:口腔用パスタ 配 合 成 分 重量% (1) 実施例10の固定化抗菌剤 20.0 (2) ワセリン 10.0 (3) プロピレングリコール 7.0 (4) ステアリルアルコール 5.0 (5) ポリエチレングリコール1500 15.0 (6) ポリエチレングリコール400 残 部
【0078】この口腔用パスタは、同様の性能評価試験
を行った結果、味覚変化、口腔粘膜刺激性、殺菌力いず
れも優れた性能を示した。さらに、歯周疾患に対しても
優れた改善効果を示した。
【0079】実施例3−1と同様の処理をグラスウール
に処理を行い、試験例4の方法を用いてその抗菌力の評
価を行った。その結果、実施例3−1と同様の抗菌力が
認められた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る実施例4の固定化抗菌剤のオート
クレーブ処理(1.2気圧× 120℃×15分間) の前後におけ
る熱重量変化を示すグラフ図である。
【図2】本発明に係る実施例4の固定化抗菌剤のオート
クレーブ処理(1.2気圧× 120℃×15分間) の前後におけ
る示差熱変化を示すグラフ図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 7/40 7252−4C 47/48 N 7329−4C C09D 5/14 PQM 6904−4J (72)発明者 伊藤 明 神奈川県横浜市港北区新羽町1050番地 株 式会社資生堂研究所内 (72)発明者 五明 秀之 神奈川県横浜市港北区新羽町1050番地 株 式会社資生堂研究所内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Si−H基を含むシリコーンポリマー被
    覆固体に由来する部分にスペーサー部分を介して第四級
    アンモニウム塩または第四級ホスフォニウム塩を結合し
    てなる固定化抗菌剤。
  2. 【請求項2】 前記固体部分のSi−H基由来のケイ素
    原子がスペーサー部分とケイ素−炭素共有結合し、該ス
    ペーサー部分が更にアミンのアミノ基と炭素−窒素共有
    結合またはホスフィンのリン基と炭素−リン共有結合し
    ており、そして前記のスペーサー部分が構成原子3〜15
    個からなる基であって、酸素原子、イオウ原子および窒
    素原子の少なくとも1個を主鎖中に含んでいてもよい置
    換もしくは未置換の炭化水素鎖からなる、請求項1記載
    の固定化抗菌剤。
  3. 【請求項3】 固体が粉体である請求項1または2に記
    載の固定化抗菌剤。
  4. 【請求項4】 (i)Si−H基を含むシリコーンポリ
    マー被覆固体のSi−Hをビニル基およびエポキシ基、
    ハロゲン原子、窒素原子またはリン原子を有するスペー
    サー化合物のビニル基と反応させる工程と、(ii)前記
    スペーサー化合物の他の官能基にアミンもしくはホスフ
    ィンを反応させる工程または、スペーサー部分が窒素原
    子もしくはリン原子が三級の状態で含む場合には、スペ
    ーサー部分にハロゲン化アルキルを反応させる工程とを
    含んでなる請求項1または2に記載の固定化抗菌剤の製
    造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1、2または3に記載の固定化抗
    菌剤を配合した皮膚外用剤。
  6. 【請求項6】 請求項1、2または3に記載の固定化抗
    菌剤を配合した口腔製品。
  7. 【請求項7】 請求項1、2または3に記載の固定化抗
    菌剤を配合した化粧用具。
  8. 【請求項8】 請求項1、2または3に記載の固定化抗
    菌剤を配合した塗料。
  9. 【請求項9】 請求項1、2または3に記載の固定化抗
    菌剤を配合した加湿器用抗菌剤。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011510950A (ja) * 2008-01-31 2011-04-07 グラクソ グループ リミテッド 象牙質知覚過敏症に有効である口腔ケア組成物

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