JPH0570035B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、自動車用動力操向装置に用用いられ
る回転式流体分配装置、特に、作動装置（代表的
には車両のステアリングホイール）に連結される
第１回転部材と、第１回転部材と共軸的に配置さ
れ、被動機構（代表的には操向される車輪の方向
を制御する機構）に連結される第２回転部材と、
第１回転部材に連結され、第１及び第２回転部材
間の限定された相対角方向変位に応じて被動機構
の駆動シリングを制御する分配弁装置とを備え、
第２回転部材の部分が第１回転部材の部分を少な
くとも部分的に囲繞し、変形可能な弾性装置が上
記第１回転部材の部分において少なくとも同部材
を囲繞する実質的に閉じた環状形状をなし、且
つ、第１回転部材及び第２回転部材に夫々連結さ
れた第１回転部材及び第２回転部材と協働して両
回転部材を相対的中央休止位置に保持する少なく
とも一対の当接面を有している型の回転式流体分
配装置に関する。

本出願人名義のヨーロツパ特許第0077710号明
細書には上記型の流体分配装置が開示されてお
り、この分配装置では、弾性装置として、休止位
置で第１及び第２回転部材を効果的にセンタリン
グさせる一方、これら回転部材間に撓み可能なバ
ツクラツシ付連結装置を形成し、更にこの第１回
転部材の作動中「操作感覚」を与える少なくとも
１つのＣ形スプリングを使用している。この操作
感覚は、第１回転部材の回転作動時、該部材に連
結された第１連結部材を介してＣ形スプリングを
変形させることにより生起される弾性反力が第１
回転部材に伝えられることによつて、得られるの
である。

しかし、上記明細書に記載された装置では、予
応力、従つてＣ形スプリングによつて与えられる
反力は、スプリング及び又はこれと組合わされる
連結部材の寸法によつて予め決定されるのであ
る。

特に動力操向装置においては、直進走行、コー
ナリングあるいは駐車操作のような車両の走行状
態に応じて上記反力を調整できるようにすること
が望ましい。

この反力の調整を流体装置によつて行うことは
公知である。例えば、西ドイツ特許第1014444号
明細書には、反動コイルスプリングの代りに、分
配弁装置のステータ内に対応して配設された２つ
のピストンを用いて、入力軸に抵抗トルクを生起
するようにすることが開示されているが、これら
ピストンは、バランスさせることが困難で且つ調
整不可能である精密な構造によつて、駆動シリン
ダの供給回路に連結されている。更に、本出願人
名義のヨーロツパ特許第0021970号及び第0084487
号明細書には、分配装置の入力部材又は第１回転
部材に抵抗トルクを生起するために、制御された
反動圧力を分配弁装置のロータの部分に加えるよ
うにすることが開示されているが、この場合に
は、分配弁装置が特に撓み可能な複合構造をなす
所謂「星形」のものであり、製作が比較的困難で
ある。

従つて、本発明の目的は、構造が極めて簡単で
コンパクトにでき、製作及び組立が容易であり、
構成部品数が非常に少ないため弾性装置によるセ
ンタリング及び内部又は外部装置によつて調整さ
れ得る弾性反力を同時に発揮することができ、し
かも動力操向装置においては流体的中立点（又は
初期反力）を調整可能に決定できるようにした上
記型の流体分配装置を提供することにある。

この目的を達成するため、本発明は、上記型の
回転式流体分配装置において、弾性装置が、その
両環状側面を介して、第２回転部材に同軸的且つ
回転的に固定された部材内に形成されている環状
空所内で密封的に摺動するように嵌装されて、空
所内に互いに隔離された内方室と外方室とを形成
しており、両室の容積が反比例的に変化すること
ができ、両室の一方に導かれる流体の圧力を調整
する装置が設けられていることを特徴とするもの
である。

この本発明の構成によると、両回転部材を中央
休止位置に保持する弾性装置の本来の機能に加
え、調整可能な圧力を内方室又は外方室に供給し
て環状の弾性装置の収縮又は拡開に抵抗すること
により、弾性装置によつて発揮される反力を調整
することができる。

以下、本発明の好適な実施例について添付図面
を参照して説明する。

なお、下記の説明及び図面おいて、同一の部材
には同一符号を付し、類似するものには適宜「′」
を付してある。

先ず、第６図において、車両用動力操向装置に
用いられる回転式流体分配装置が概略的に示され
ている。分配装置は、操向箱１内に、この場合に
は車両のステアリングホイールである作動装置に
連結される第１回転部材２と、第１回転部材２の
延長部として同部材と共軸的に延在し、操向され
る車輪の方向を制御する機構である被動機構に連
結される第２回転部材３とを収蔵しており、第２
回転部材３は、例えば操向機構のラツクと噛合す
るピニオンを形成するように延長されている。こ
のラツクは、２つの対向する室V₁とV₂を有する
複動型駆動シリンダ又はジヤツキ１０に作動的に
連結されるようになつている。駆動シリンダ１０
は分配弁装置によつて制御され、この分配弁装置
は、図示の例では、星形のもので、ステータ１２
の補形的な平円形の空所内に密封的に回転し得る
ように収容された円板状の星形ロータ１１によつ
て形成されており、ステータ１２は操向箱１の内
部空所１３内に収蔵され、２つの環状端部材１４
と１５及びロータ１１を囲繞する環状中間部材１
６から成る共軸組立体によつて構成されており、
これら部材１４，１５，１６は第１回転部材２及
び第２回転部材３の共通軸線に平行なボルト１７
によつて互いに結合されている。星形ロータ１１
は入力又は第１回転部材２の端部分２′に回転的
に固定されている。星形ロータを具えたこの種の
分配弁装置は、特に本出願人名義のヨーロツパ特
許第0021970号及び第0084487号明細書に開示され
ている。これら明細書から公知のように、ロータ
１１とステータ１２は互いに協働して加圧流体源
Ｓと排出側リザーバＤとの間に一対の並列回路１
８と１８′を形成し、各回路１８又は１８′は、第
１４図ないし第１９図に線図的に示されているよ
うに、ステータ１２に対するロータ１１の限定さ
れた相対角方向変位に応じて駆動シリンダ１０の
室V₁又はV₂内の圧力を制御するのに用いられる
少なくとも２つの直列に配置された可変絞りａ，
ｂ又はa′，b′を具えている。

第１図及び第２図において、本発明は総括的に
符号４で示す弾性装置に関しており、この弾性装
置は第１回転部材２及び第２回転部材３と協働し
て、これら第１及び第２回転部材間に撓み可能な
バツクラツシ付連結装置を形成することにより、
両部材（従つてステータ１２に対するロータ１
１）の休止位置で効果的なセンタリングを行う一
方、動力操向装置の場合には分配装置の作動中第
１回転部材２に弾性反力を伝えて運転者に「操向
操作感覚」を与えるものである。本発明による
と、第２回転部材３の部分３′が第１回転部材２
の部分２′を少なくとも部分的に囲繞し、変形可
能な弾性装置４が少なくとも第１回転部材の上記
部分２′を囲繞している。

第１図及び第２図に示す第１実施例では、弾性
装置４は実質的に閉じた環状Ｃ形をなすスプリン
グ構造体から成り、Ｃ形の互いに対向する端部の
支持面５は、一方において第１回転部材２の部分
２′内に直径方向に挿入されたスタツド２０と協
働すると共に、他方において第２回転部材３の部
分３′に設けた環状室又は空所３２の軸線方向に
対向する壁面３１から互いに向かつて軸線方向に
延びている２つの突出部３０と協働する一対の当
接面を形成しており、弾性装置４はこの環状空所
３２内に配設されている。

この弾性装置４自体の弾力特性は一定で、その
寸法によつて予め決定されているが、本発明によ
ると、弾性装置４によつて発揮される弾性特性を
車速のような車両の走行状態に応じて変化させる
ことができるようになつている。すなわち、弾性
装置４は、その両環状側面４０を介して、空所３
２の平行な完全に平らな壁面に対し密封的に摺動
するように嵌装されている。第１図に示す実施例
では、弾性装置４の一端部は、半径方向外方にオ
フセツトされて他端部を越えて密封的に摺動する
ように延在する延長部４１を有しており、摺動シ
ール４２がこれら重なつた端部の一方又は他方に
支持されて密封性を確実にしている。このように
して、弾性装置４は空所３２内に互いに隔離され
た内方室６と外方室７とを形成し、これら室の容
積は、弾性装置４が変形して対向する支持面５を
互いに向けて移動させあるいは互いに離隔させる
場合、反比例的に変化することとなる。そして、
外方室７には、第２回転部材３の部分３′に設け
た通路８を介して、第１４図ないし第１９図にお
いて後述するように車両の走行状態に応じて調整
される圧力Prの流体が連通されて、弾性装置４
の拡開すなわち両支持面５の相対的離隔に抵抗す
るように作用する。

本発明の第１実施例の作動を第６図に示す動力
操向装置の全体系統を参照しながら説明するに、
第１図、第２図及び第６図は流体分配装置の中央
休止位置、例えば車両の直進走行時の状態を示し
ている。

この状態から運転者が車両をいずれか一方の方
向へ操向しようとする場合、車両のステアリング
ホイールに連結された第１回転部材２が第２回転
部材３に対して回転されることにより、第１回転
部材２の端部分２′に固定された分配弁装置とし
てのロータ１１がステータ１２に対して回転し、
これらの協働によりロータすなわちステアリング
ホイールの回転方向に応じて駆動シリンダ１０の
一方の室V₁又はV₂に加圧流体源Ｓからの圧力流
体を供給すると共に、他方の室V₂又はV₁をリザ
ーバＤに連通して流体を排出し、駆動シリンダ１
０を対応する方向へ駆動して、この駆動シリンダ
に連結された前記操向機構のラツクの変位に援助
を与える。

この際、例えば車両を右方へ操向するために第
１回転部材２が第２図で時計方向に回転されたと
すると、第１回転部材の部分２′と一体的に結合
されたスタツド２０が第２図で右方に向けて移動
されることにより、弾性装置４の左側の支持面５
が第２回転部材３の部分３′に設けた突出部３０
に対して押圧される一方、弾性装置４の右側の支
持面５がスタツド２０により左側の支持面５から
離隔されて、弾性反力を生起する。第１回転部材
２の回転に抵抗するように作用するこの弾性反力
は、スタツド２０及び第１回転部材２を介して車
両のステアリングホイールに伝えられて、車両の
運転者に操向操作感覚を与えている。

この弾性装置４の外側の外方室７には、例えば
車両の走行状態に応じてコンピユータにより制御
される電磁駆動装置を介して調整された圧力Pr
が連通されて、弾性装置４の両支持面５の相対的
離隔に抵抗するように作用しているので、この調
整圧力Prを制御することにより、分配装置の休
止位置における初期反力を任意に設定することが
できる。また、例えばこの調整圧力Prを低下さ
せるように制御した場合には、この弾性装置４に
よつて伝えられる弾性反力が弱められ、運転者が
ステアリングホイールに加えるトルクを通常走行
状態よりも駐車操作時において軽減するように利
用することができるのである。

なお、第１回転部材２が第２図で反時計方向に
回転された場合には、上記と同様にして、弾性装
置４の左側の支持面５がスタツド２０により右側
の支持面５から離隔され、弾性反力が生起される
のである。

第３図に示す第２実施例は、第１図及び第２図
に示す実施例と類似しているが、弾性装置４が管
状の延長部をなす第２回転部材３の部分３′の周
りに配置され且つ部分３′が第１開口３３と同開
口の両側に対称的に配置された２つの第２開口３
４とを具えている点で相違している。弾性装置４
を収容する空所３２は、第２回転部材３と共に回
転変位する部材によつて形成され、この部材は例
えば第６図に関して前述した分配弁装置のステー
タ１２の端部材１５から成る。第３図に示す実施
例では、弾性装置４の互いに対向する支持面５
は、第１回転部材の部分２′に一体に形成された
半径方向突出部２０′と協働し、突出部２０′は休
止位置において部分３′の第１開口３３内に自由
に延在している。弾性装置４は、開口３４内に受
容される半径方向内方に延びた突出部４４′を介
して部分３′と協働し、突出部４４′は、第１開口
３３に接近する開口３４の端縁と協働する支持面
５′を具えている。

この第２実施例の作動において、例えば車両を
右方へ操向するために第１回転部材２が第３図に
示す中央休止位置から時計方向に回転されると、
第１回転部材の部分２′と一体の半径方向突出部
２０′が第２回転部材３の部分３′の開口３３内で
右方に向けて移動され、弾性装置４における左側
の突出部４４′の支持面５′が第２回転部材の部分
３′に設けた左側の開口３４の端縁に対して押圧
されると共に、弾性装置４の右側の支持面５が左
側の支持面５から離隔されて、弾性反力を生起す
る。そして、前記第１実施例と同様に、通路８を
介して外方室７に連通される調整圧力Prを制御
することにより、車両のステアリングホイールに
伝えられる弾性反力を変化させることができる。

第４図に示す第３実施例は、第２図及び第３図
に関して述べた実施例と実質的に類似している
が、延長部４１が弾性装置４の他端部に設けた半
径方向外方に延びた突出部４３′と重なり合つて
いる点で相違している。部分２′の半径方向突出
部２０′は弾性装置４の互いに対向する支持面５
と協働し、弾性装置４の延長部４１と突出部４
３′に形成された他の支持面５′は、部分３′内に
形成された内方室６の壁面３１から互いに向かつ
て軸線方向に延びている２つの突出部３０と協働
する。弾性装置の延長部４１及び突出部４３′は
部分３′に設けた開口３３を自由に貫通して延び
ている。第４図に示す実施例では、２つの弾性装
置４と４′が直径方向に逆転して隣接して設けら
れており、従つて、部分３′は互いに直径方向に
対向して配置された２つの開口３３と３３′を具
えている。

この第３実施例の作動において、例えば車両を
右方へ操向するために第１回転部材２が第４図に
示す中央休止位置から時計方向に回転されると、
第１回転部材の部分２′と一体の半径方向突出部
２０′が第２回転部材３の部分３′の開口３３内で
左方に向けて移動され、弾性装置４の延長部４１
側の支持面５′が第２回転部材３の部分３′に設け
た突出部３０から離隔されると共に、弾性装置４
の突出部４３′側の支持面５′が突出部３０に対し
て押圧されて、弾性反力を生起する。他の弾性装
置４′も上記と同様に作用する。そして、通路８
を介して外方室７に連通される調整圧力Prを制
御することにより、車両のステアリングホイール
に伝えられる弾性反力を変化させることができ
る。

第５図に示す第４実施例において、弾性装置４
は、第４図と同様に、空所３２を形成している第
２回転部材３の部分３′の内部で第１回転部材２
の部分２′の周りに配置されている。弾性装置４
の支持面５は、半径方向内方に突出し且つ第１回
転部材の部分２′の長手方向スロツト又は切欠き
２０″内に受容される２つの突出部４３の端縁に
よつて形成されている。第２回転部材３の部分
３′の開口３４の端縁と協働する弾性装置４の支
持面５′は、弾性装置４の一端部の延長部４１と、
この延長部４１に重なる弾性装置の他端部から半
径方向外方に延びている突出部４３′とによつて
形成されている。この実施例では、第１回転部材
２によつて弾性装置４に加えられる応力は、前述
したように弾性装置４の２つの互いに対向する支
持面を離隔させる代りに、これら面を互いに接近
させるようになつている。従つて、この場合に
は、調整圧力Prは第５図に示されている供給通
路８を介して内方室６内に導入されるようになつ
ている。

この第４実施例の作動において、例えば車両を
右方へ操向するために第１回転部材２が第５図に
示す中央休止位置から時計方向に回転されると、
第１回転部材の部分２′に設けた切欠き２０″の端
縁が弾性装置４の左側の突出部４３を右側の突出
部４３に向けて移動させると共に、弾性装置４に
おける右側の突出部４３′の支持面５′を第２回転
部材３の部分３′に設けた開口３４の右側の端縁
に対して押圧して、互いに対向する支持面を接近
させ、弾性反力を生起する。そして、通路８を介
して内方室６に連通される調整圧力Prが、弾性
装置４の収縮すなわち対向する支持面の相対的接
近に抵抗するように作用し、この調整圧力を制御
することにより、車両のステアリングホイールに
伝えられる弾性反力を変化させることができる。

第６図及び第７図に示す第５実施例において、
第３図に示す実施例と同様に、弾性装置４は第２
回転部材３の部分３′の周りに配置され、この回
転部材は第１回転部材２の端部分２′を直に囲繞
している。空所３２はステータ１２の端部材１５
内に形成されており、空所３２の環状壁面３１の
一方を形成する環状延長部１５０が、ボルト１７
によつて端部材１５と組合わされている。第５図
に示す実施例と同様に、弾性装置４の支持面５
は、半径方向内方に突出し且つ部分２′の長手方
向スロツト又は切欠き２０″内に受容される突出
部４３によつて形成され、これら突出部４３は部
分３′の開口３４を貫通して延びて、支持面５の
延長線上に支持面５′を形成している。この場合
にも、調整圧力Prは通路８を介して内方室６内
に導入される。第６図及び第７図において、第４
図に示す実施例と同様に、２つの弾性装置４と
４′が直径方向に逆転して隣接して設けられてい
る。

この第５実施例の作動において、例えば車両を
右方へ操向するために第１回転部材２が第７図に
示す中央休止位置から時計方向に回転されると、
第１回転部材の部分２′に設けた切欠き２０″の端
縁が弾性装置４の左側の突出部４３を右側の突出
部４３に向けて移動させると共に、この右側の突
出部４３の支持面５′を第２回転部材３の部分
３′に設けた開口３４の右側の端縁に対して押圧
して、互いに対向する支持面を接近させ、弾性反
力を生起する。他の弾性装置４′も上記と同様に
作用する。そして、通路８を介して内方室６に連
通される調整圧力Prを制御することにより、車
両ステアリングホイールに伝えられる弾性反力を
変化させることができる。

分配弁装置のロータ１１は第１回転部材２の部
分２′に回転的に結合されており、この部分２′と
弾性装置４は、第８図及び第９図に示すように、
ロータ１１から半径方向外方に延びた腕１１０の
１つを介して互いに協働することができる。この
ため、第８図に示す第６実施例では、弾性装置４
はステータ１２の環状中間部材１６の内部でロー
タ１１の周りに配置されており、支持面５は腕１
１０の外方端縁と協働し、延長部４１は摺動シー
ル４２を支持している腕１１０の外周面に対して
密封的に摺動する。延長部４１の互いに対向する
端面は、半径方向内方に突出する中間部材１６の
突出部１６０の両側面と協働する支持面５′を形
成している。調整圧力Prは、通路８を介して、
弾性装置４の外周面と中間部材１６の内周面との
間で外方室７を形成する環状空間内に導入される
ようになつている。

この第６実施例の作動において、例えば車両を
右方へ操向するために第１回転部材２が第８図に
示す中央休止位置から時計方向に回転されると、
第１回転部材の部分２′と一体的に結合されたロ
ータ１１の腕１１０が右方に向けて移動され、弾
性装置４における左側の延長部４１の支持面５′
が中間部材１６に設けた突出部１６０に対して押
圧されると共に、弾性装置４の右側の支持面５が
左側の支持面５から離隔されて、弾性反力を生起
する。そして、通路８を介して外方室７に連通さ
れる調整圧力Prを制御することにより、車両の
ステアリングホイールに伝えられる弾性反力を変
化させることができる。

第９図に示す第７実施例では、弾性装置４の支
持面５は半径方向内方に延びた弾性装置の突出部
４３によつて形成されて、ロータ１１の２つの半
径方向の腕１１０の互いに対向する外方端縁と
夫々協働している。支持面５を形成している突出
部４３の端縁は又、スタツド１５１と協働する支
持面５′を形成しており、スタツド１５１はステ
ータ１２に固定され、腕１１０の外周面と弾性装
置４の内周面との間で軸線方向に延びており、調
整圧力Prは通路８を介して内方室６内に導入さ
れるようになつている。

この第７実施例の作動において、例えば車両を
右方へ操向するために第１回転部材を中央休止位
置から時計方向に回転させることにより、ロータ
１１の腕１１０が第９図に示す位置から右方に向
けて移動され、弾性装置４の左側の突出部４３が
右側の突出部４３に向けて移動されると共に、こ
の右側の突出部４３の支持面５′がスタツド１５
１に対して押圧されて、互いに対向する支持面を
接近させ、弾性反力を生起する。そして、通路８
を介して内方室６に連通される調整圧力Prを制
御することにより、車両のステアリングホイール
に伝えられる弾性反力を変化させることができ
る。

多数の点に関し第１図及び第２図に示す実施例
と類似している第１０図及び第１１図に示す第８
実施例において、弾性装置４は実質的に半円形状
の二対の内方腕４４を有する閉じた環状弾性構造
体から成つており、腕４４の対向する端面は、部
分２′を直径方向に完全に貫通するスタツド２０
及び空所３２の壁面３１の突出部３０と協働する
支持面５及び５′を形成している。従つて、内方
室６は本質的に腕４４と外周連続部分４５との間
で弾性装置４内に完全に形成されている。第１図
及び第２図に示す実施例と同様に、調整圧力Pr
は空所３２内に形成された外方室７内に通路８を
介して導入されるようになつている。

この第８実施例の作動において、例えば車両を
右方へ操向するために第１回転部材２が第１１図
に示す中央休止位置から時計方向に回転される
と、第１回転部材の部分２′と一体的に結合され
たスタツド２０が第１１図で時計方向に移動され
ることにより、弾性装置４の回転側とは反対側の
支持面５が第２回転部材３の部分３′に設けた突
出部３０に対して押圧される一方、弾性装置４の
回転側の支持面５がスタツド２０により反対側の
支持面５から離隔されて、弾性反力を生起する。
そして、通路８を介して外方室７に連通される調
整圧力Prを制御することにより、車両のステア
リングホイールに伝えられる弾性反力を変化させ
ることができる。

第１２図及び第１３図に示す第９実施例は、第
１図及び第２図に示す実施例と類似しているが、
弾性装置４が２つの対称的な略半円形の部分又は
サブアセンブリ４₁と４₂によつて形成され、サブ
アセンブリの一方の延長部４１₁又は４１₂がサブ
アセンブリの他方の端部に対して密封的に摺動す
るようになつている点で相違している。２つのサ
ブアセンブリ４₁と４₂によつて構成された弾性装
置の組付け及びその弾力特性は直径方向に対向す
るスプリング４５によつて発揮され、各スプリン
グ４５は、対応するサブアセンブリの中央部及び
部分３′の内周面に夫々設けた互いに直径方向に
対向する凹所に支持されている。調整圧力Prは
通路８を介して外方室７内に導入されるようにな
つている。

この第９実施例の作動において、車両の操向操
作時に第１回転部材２が第１３図に示す中央休止
位置からいずれかの方向に回転されると、第１回
転部材の部分２′と一体的に結合されたスタツド
２０が、スプリング４５を圧縮しながら弾性装置
４の２つのサブアセンブリ４₁と４₂を互いに離隔
するように摺動させることにより、弾性反力を生
起する。そして、通路８を介して外方室７に連通
される調整圧力Prを制御することにより、車両
のステアリングホイールに伝えられる弾性反力を
変化させることができる。

第１４図ないし第１９図は、調整圧力Prの供
給を可能にする多数の機能図を示している。第１
４図に示す実施例では、調整圧力Prは、加圧流
体源Ｓと排出側リザーバＤとの間で分配装置の上
流側にあるブランチ１９から、電磁駆動装置EV
によつて互いに反対方向に同時に作動される２つ
の可変絞りｄとｅ間で取出されるようになつてお
り、電磁駆動装置EVは、車両の走行状態に関連
するパラメータに基づいて車載用コンピユータか
ら発せられる信号によつて制御されるものであ
る。第１５図に示す実施例では、ブランチ１９内
の上流側絞りｄは固定式であり、下流側絞りｅの
みが電磁駆動装置EVによつて制御されるように
なつている。第１６図に示す実施例は、ブランチ
１９内で調整圧力Prの取出し位置に圧力制限弁
Ｒが設けられている点を除き、第１４図に示す実
施例と同一であり、この圧力制限弁Ｒは調整圧力
（従つて反動トルク）を所定の最大値に制限する
ように設定されたスプリングを有しており、この
圧力の制限は第２０図に示す入力トルク−動力援
助圧力特性曲線の部分２−３に相当している。

第１７図ないし第１９図は、更に分配装置の流
体的中立点（即ち第２０図の特性曲線の部分０−
１）を決定できるようにした変形例を示してい
る。第１７図の場合では、調整圧力Prは回路１
８と１８′の下流側にある分配装置の出口から取
出され、固定絞りｄが排出側リザーバＤに通じる
戻しライン内に設けられている。第１８図の場合
では、下流側の絞りｄは、第１５図の実施例と同
様に、電磁駆動装置EVによつて制御されるよう
になつている。分配装置の下流側に恒久的に絞り
ｄが存在することにより生ずる問題を解消するた
めに、第１９図に示すように、可変絞りａ，ｂ又
はa′，b′の下流側で各回路１８又は１８′内に、
分配装置の第１回転部材２によつて可変絞りと一
緒に作動される第３の可変絞りｃ又はc′を設け
て、調整圧力Prを分配装置の上流側から取出す
ように分配装置を構成することができる。絞り
ａ，ｂ，ｃ及びa′，b′，c′は、第１回転部材２の
回転方向の一方において絞りｂとc′が作用した後
に絞りａが作用し、他方の回転方向においては絞
りb′とｃが作用した後に絞りa′が作用するように
設定されている。

上述の説明からわかるように、本発明による
と、調整可能な圧力を内方室又は外方室に供給し
て弾性装置によつて発揮される弾性反力を調整す
ることにより、分配弁装置の交換を必要とするこ
となく分配装置の中央休止位置での予応力を調整
することができると共に、分配装置の使用条件に
よつて調整圧力を制御することにより、分配装置
の入力トルク−動力援助圧力特性曲線の傾斜部分
を別個に調整することができ、その結果、分配装
置の使用に際しその適応自由度を大きくできるの
である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明による回転式流体分配装置の第
１実施例を示す要部の縦断面図、第２図は第１図
の−線に沿う断面図、第３図は本発明の第２
実施例を示す第２図と同様の断面図、第４図は本
発明の第３実施例を示す第２図と同様の断面図、
第５図は本発明の第４実施例を示す第２図と同様
の断面図、第６図本発明の第５実施例を示す要部
の縦断面図、第７図は第６図の−線に沿う断
面図、第８図は本発明の第６実施例を示す第２図
ないし第５図及び第７図と同様の断面図、第９図
は本発明の第７実施例を示す第８図と同様の部分
断面図、第１０図は本発明の第８実施例を示す第
１図と同様の縦断面図、第１１図は第１０図のXI
−XI線に沿う断面図、第１２図は本発明の第９実
施例を示す第１０図と同様の縦断面図、第１３図
は第１２図の−線に沿う断面図、第１４
図ないし第１９図は夫々本発明による流体分配装
置の異なる機能図、第２０図は本発明による流体
分配装置の入力トルク−動力援助圧力特性図であ
る。 ２……第１回転部材、２′……第１回転部材の
部分、３……第２回転部材、３′……第２回転部
材の部分、４，４′……弾性装置、４₁，４₂……
弾性装置の部分、５，５′……支持面、６……内
方室、７……外方室、８……通路、１０……駆動
シリンダ、１１……ロータ、１２……ステータ、
１４，１５……端部材、１６……中間部材、２
０，１５１……スタッド、２０′，３０，４３，
４３′，４４′，１６０……突出部、２０″……切
欠き、３２……環状空所、３３，３４……開口、
４０……環状側面、４１……延長部、４２……摺
動シール、４４……内方腕、４５……スプリン
グ、１１０……腕、１５０……環状延長部。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 作動装置に連結される第１回転部材２と、第
   １回転部材と共軸的に配置され、被動機構に連結
   される第２回転部材３と、第１回転部材に連結さ
   れ、第１及び第２回転部材間の限定された相対角
   方向変位に応じて被動機構の駆動シリンダ１０を
   制御する分配弁装置１１，１２とを備え、第２回
   転部材の部分３′が第１回転部材の部分２′を少な
   くとも部分的に囲繞し、変形可能な弾性装置４が
   上記第１回転部材の部分２′において少なくとも
   同部材を囲繞する実質的に閉じた環状形状をな
   し、且つ、第１回転部材及び第２回転部材に夫々
   連結された第１連結部材２０，２０′，２０″，１
   １０及び第２連結部材３０，３３，３４，１６
   ０，１５１と協働して両回転部材を相対的中央休
   止位置に保持する少なくとも一対の当接面５，
   ５′を有している流体分配装置において、弾性装
   置４が、その両環状側面４０を介して、第２回転
   部材３に同軸的且つ回転的に固定された部材３′，
   １５，１６，１５０内に形成されている環状空所
   ３２内で密封的に摺動するように嵌装されて、空
   所３２内に互いに隔離された内方室６と外方室７
   とを形成しており、両室の容積が反比例的に変化
   することができ、両室の一方に導かれる流体の圧
   力Prを調整する装置ｃ，ｄ，ｅ，EVが設けられ
   ていることを特徴とする回転式流体分配装置。 ２ 弾性装置４が閉じたＣ形の円筒状スプリング
   構造体によつて形成され、Ｃ形の両端部４１が摺
   動シール４２を介して角方向に重なつていること
   を特徴とする特許請求の範囲第１項記載の流体分
   配装置。 ３ 弾性装置が、互いに隣接する端部を密封的に
   重ね合わされた２つの対称的な略半円形の部分４
   _１，４₂から成り、２つの略半円形の部分が、同部
   分の各々の中央部と環状空所３２の対応する周囲
   との間に配置された直径方向に対応するスプリン
   グ４５によつて、互いに向けて弾性的に押圧され
   て変形可能なリングを形成していることを特徴と
   する特許請求の範囲第１項記載の流体分配装置。 ４ 弾性装置４が、上記当接面５を形成している
   実質的に半円形状の内方腕４４を有する閉じた環
   状弾性構造体から成つていることを特徴とする特
   許請求の範囲第１項記載の流体分配装置。 ５ 弾性装置４が円筒状のＣ形スプリング構造体
   から成り、同様造体の互いに対向する端部４１が
   第１連結部材１１０，１１と密封的且つ摺動的に
   協働していることを特徴とする特許請求の範囲第
   １項記載の流体分配装置。 ６ 第１連結部材が、第１回転部材２に固定され
   半径方向外方に突出して、弾性装置４の上記対の
   当接面を形成している互いに対向する支持面５間
   に収容される部分２０，２０′，１１０を有して
   いることを特徴とする特許請求の範囲第１項ない
   し第５項のいずれか１項に記載の流体分配装置。 ７ 第２連結部材が、空所３２を形成している部
   材に固定されこの空所内へ軸線方向に突出して、
   弾性装置４の上記互いに対向する支持面５間に収
   容される少なくとも１つの突出部３０を有してい
   ることを特徴とする特許請求の範囲第６項記載の
   流体分配装置。 ８ 上記対の支持面５が、半径方向外方に延び第
   １回転部材を囲繞している上記第２回転部材３の
   部分３′の開口３３内に収容される弾性装置４の
   端部の突出部４３′によつて形成されており、同
   突出部が第２の対の当接面５′を形成しているこ
   とを特徴とする特許請求の範囲第６項記載の流体
   分配装置。 ９ 第１連結部材が、第１回転部材２に固定され
   外周に少なくとも１つの内方切欠き２０″を具え
   ている部分を有し、弾性装置４の端部が、少なく
   とも半径方向内方に延びて切欠き20″内に受容さ
   れ、弾性装置４の上記対の当接面を形成する支持
   面５を具えた突出部４３を有していることを特徴
   とする特許請求の範囲第２項ないし第４項のいず
   れか１項に記載の流体分配装置。 １０ 弾性装置４の端部の突出部４３′が第１回
   転部材２を囲繞している第２回転部材３の部分
   ３′の開口３４内に延在し、弾性装置４の第２の
   対の当接面５′を形成していることを特徴とする
   特許請求の範囲第９項記載の流体分配装置。 １１ 分配弁装置が、第１回転部材２に回転的に
   結合され、第２回転部材３に回転的に結合された
   ステータ１２の平円形の空所内に収容された円板
   状ロータ１１を有する星形のものであり、第１回
   転部材がロータ１１の少なくとも１つの半径方向
   の腕１１０から成ることを特徴とする特許請求の
   範囲第５項又は第６項記載の流体分配装置。 １２ ２つの弾性装置４，４′が直径方向に逆転
   して隣接して設けられていることを特徴とする特
   許請求の範囲第１項ないし第１０項のいずれか１
   項に記載の流体分配装置。 １３ 上記両室６，７の一方に導かれる圧力Pr
   を調整する装置ｅ，ｄ，EVが別個に制御できる
   ように設けられていることを特徴とする特許請求
   の範囲第１項ないし第１２項のいずれか１項に記
   載の流体分配装置。 １４ 分配弁装置が上記両室６，７の一方に導か
   れる圧力Prを選択的に調整できるようになつて
   いることを特徴とする特許請求の範囲第１項ない
   し第１３項のいずれか１項に記載の流体分配装
   置。