JPH0569720A - シヨツクアブソーバのための電気制御装置 - Google Patents

シヨツクアブソーバのための電気制御装置

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Publication number
JPH0569720A
JPH0569720A JP14684891A JP14684891A JPH0569720A JP H0569720 A JPH0569720 A JP H0569720A JP 14684891 A JP14684891 A JP 14684891A JP 14684891 A JP14684891 A JP 14684891A JP H0569720 A JPH0569720 A JP H0569720A
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JP
Japan
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circuit
shock absorber
damping
acceleration
vehicle
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Application number
JP14684891A
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English (en)
Inventor
Takayuki Katsuta
隆之 勝田
Shunichi Doi
俊一 土居
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Toyota Motor Corp
Toyota Central R&D Labs Inc
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Toyota Central R&D Labs Inc
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Publication date
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Publication of JPH0569720A publication Critical patent/JPH0569720A/ja
Pending legal-status Critical Current

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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60GVEHICLE SUSPENSION ARRANGEMENTS
    • B60G2600/00Indexing codes relating to particular elements, systems or processes used on suspension systems or suspension control systems
    • B60G2600/18Automatic control means
    • B60G2600/184Semi-Active control means

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  • Vehicle Body Suspensions (AREA)
  • Fluid-Damping Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ショックアブソーバの減衰特性の制御におい
て、制御遅れがないようにすると共に、ばね上部材又は
ばね下部材の振動の周波数特性を良好にする。 【構成】 加速度センサ21a〜21d、操舵角センサ
25、車速センサ26、ブレーキセンサ27、アクセル
センサ28及び変位量センサ41a〜41dによる検出
結果を利用して、運動モード分解回路23、乗算器24
a〜24d、運動モード合成回路37及び除算器38a
〜38dなどが、スカイフック理論に基づくショックア
ブソーバ10A〜10Dの減衰係数を車両の運転状態に
応じて決定する。加速度センサ21a、バンドパスフィ
ルタ45、最大値検出回路46及び周波数補正値発生回
路47が路面入力の特定周波数成分を抽出し、乗算器4
4a〜44dが前記決定減衰係数に特定周波数成分を加
味して、ばね上部材又はばね下部材の路面入力に対する
振動の周波数特性を良好にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両のサスペンション
装置内にてばね下部材とばね上部材との間に介装された
ショックアブソーバの可変絞りの開度を電気的に制御し
て、ばね下部材に対するばね上部材の運動の減衰特性を
制御するショックアブソーバを制御するための電気制御
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の装置は、例えば特開昭6
3−8010号公報に示されているように、ばね上部材
の上下方向の加速度を検出して、この検出加速度が所定
値以上となった時点から所定時間が経過するまで、前記
検出加速度の変化を累積し、同累積した値が所定値以上
であればショックアブソーバの減衰力を大きな値に設定
するようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、上記従来の
装置においては、ばね上部材の加速度に基づいて、すな
わちばね上部材の運動に基づいてショックアブソーバの
減衰力を制御しているために、減衰力の制御に遅れが生
じ、ばね上部材の制振効果を充分に達成することができ
なかった。
【0004】そこで、本出願人は、例えば特願平3−5
7811号「ショックアブソーバのための電気制御装
置」として、操舵ハンドルの回動操作、ブレーキペダル
の踏み込み操作、アクセルペダルの踏み込み操作などの
車両の運転状態に応じた制御値を決定すると共に、ばね
下部材に対するばね上部材の上下方向の相対速度と、ば
ね上部材の上下方向の絶対速度とを検出し、前記相対速
度に対する前記絶対速度の比に前記決定制御値を乗算す
ることによりばね下部材に対するばね上部材の運動の減
衰係数を決定して、この減衰係数に応じてショックアブ
ソーバの減衰力を制御する装置を提案した。これによ
り、前記減衰力の制御遅れを解消できる。
【0005】しかし、前記提案装置にあっては、路面か
ら車輪に入力される外力の周波数情報がなんら考慮され
ておらず、一方、ばね上部材は、同部材とばね下部材の
固有振動数のために、特定の周波数の路面入力に対して
共振すると共に、ばね下部材は、同部材の固有振動数の
ために、特定の周波数の路面入力に対して共振するの
で、全ての周波数に渡る路面入力に対してばね上部材及
びばね下部材の振動特性を理想的なものにすることはで
きなかった。
【0006】本発明は上記問題に対処するためになされ
たもので、その目的は、ばね上部材の振動抑制の制御に
遅れを生じないようにすると共に、路面入力に対するば
ね上部材又はばね下部材の特性を当該車両に最も適した
ものにすることが可能なショックアブソーバのための電
気制御装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の構成上の特徴は、車両のサスペンション装
置内にてばね下部材とばね上部材との間に介装されてな
り、開度が電気的に制御されてばね下部材に対するばね
上部材の運動の減衰特性を変更する可変絞りを備えたシ
ョックアブソーバを制御するための電気制御装置におい
て、ばね上部材の上下方向の絶対速度を検出する絶対速
度検出手段と、ばね下部材に対するばね上部材の上下方
向の相対速度を検出する相対速度検出手段と、車両の運
転状態を検出する運転状態検出手段と、ばね上部材の上
下方向の絶対的な加速度を検出して同加速度を表す加速
度信号を出力する加速度検出手段と、前記加速度信号に
含まれる特定周波数成分の信号レベルを検出する特定周
波数レベル検出手段と、前記検出した相対速度に対する
前記検出した絶対速度の比に対して前記検出した車両の
運転状態及び前記検出した特定周波数成分の信号レベル
に応じた制御値を乗算した前記ばね下部材に対する前記
ばね上部材の運動の減衰係数を決定する減衰係数決定手
段と、前記決定された減衰係数に応じて可変絞りの開度
を制御する開度制御手段とを設けたことにある。
【0008】
【作用】上記のように構成した本発明においては、絶対
速度検出手段、相対速度検出手段、運転状態検出手段及
び加速度検出手段が、ばね上部材の上下方向の絶対速
度、ばね下部材に対するばね上部材の上下方向の相対速
度、車両の運転状態、及びばね上部材の上下方向の絶対
的な加速度をそれぞれ検出すると共に、特定周波数レベ
ル検出手段が前記加速度信号に含まれる特定周波数成分
の信号レベルを検出する。そして、減衰係数決定手段
が、前記検出した相対速度に対する前記検出した絶対速
度の比に対して前記検出した車両の運転状態及び前記検
出した特定周波数成分の信号レベルに応じた制御値を乗
算した前記ばね下部材に対する前記ばね上部材の運動の
減衰係数を決定して、開度制御手段が前記決定した減衰
係数に応じてショックアブソーバの可変絞りの開度を制
御して、ばね下部材に対するばね上部材の運動の減衰特
性を制御する。この場合、ばね上部材の絶対的な加速度
は路面の状態を表していると共に、特定周波数成分のレ
ベルは路面入力の特低周波数の信号レベルを表すので、
ばね上部材の振動の減衰特性は、車両の運転状態に応じ
て制御されると共に、路面入力の周波数に応じて制御さ
れることになる。
【0009】
【発明の効果】上記作用説明のように、本発明によれ
ば、車両の運転状態に応じてばね上部材の振動の減衰特
性を制御すると同時に、路面入力の周波数に応じて同減
衰特性を制御するようにしたので、前記減衰特性の制御
に遅れが生じることがなくなってばね上部材の制振効果
を充分に高めることができると共に、ばね上部材又はば
ね下部材の路面入力に対する共振による悪影響を最小限
に抑えることができるようになる。
【0010】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明するが、その前
に、同実施例で利用するスカイフック理論について説明
しておく。 <スカイフック理論>スカイフック理論とは、車体を構
成するばね上部材1がスプリング2及びショックアブソ
ーバ3を介して車輪に接続されたばね下部材4(例え
ば、ロワーアーム)により支承されている実際のサスペ
ンション装置(図1(A)参照)に代えて、一端を絶対空
間に固定し他端にてばね上部材1を支承する仮想のショ
ックアブソーバ5(スカイフックされたショックアブソ
ーバ5)を備えたサスペンション装置(図1(B)参照)
を想定して、ショックアブソーバ3の減衰力の制御に利
用するものである。そして、この制御により、ばね上部
材1の上下方向の運動を絶対空間内にて制御しようとす
るものである。
【0011】この場合、ばね上部材1の絶対空間におけ
る上方向の変位量及び速度を LZ,VZとし、ばね下部
材4の絶対空間における上方向の変位量及び速度を
X,VXとすれば、ばね上部材1のばね下部材4に対す
る上方向の相対変位量及び相対速度はLZ−LX,VZ
Xにより表され、図1(A)に示すような実際のサスペ
ンション装置においては、ばね上部材1の運動方程式は
下記数1のようになる。
【数1】 m・aZ=−C*・(VZ−VX)−K・(LZ−LX) なお、mはばね上部材1の質量、aZ は絶対空間におけ
るばね上部材1の上方向の加速度、C*はショックアブ
ソーバ3による実減衰係数であり、Kはスプリング2の
ばね定数である。
【0012】一方、図1(B)に示すようなスカイフック
された仮想のショックアブソーバ5を備えたサスペンシ
ョン装置においては、ばね上部材1の運動方程式は下記
数2のようになる。
【数2】m・aZ=−C・VZ−K・(LZ−LX) なお、Cは仮想のショックアブソーバ5による減衰係数
であり、以下このような仮想状態における減衰係数をス
カイフック減衰係数という。
【0013】したがって、図1(A)の実減衰係数C*を
C・VZ/(VZ−VX) とすれば、実際のショックアブソ
ーバ3による減衰力制御は、スカイフックされたショッ
クアブソーバ5のスカイフック減衰係数をCに設定した
場合と等価となる。その結果、このスカイフック理論に
基づくショックアブソーバの減衰力の制御にあっては、
車両の旋回操作、加減速操作などの車両の運転状態に応
じて絶対空間におけるばね上部材1の運動に対する減衰
係数Cを決定するとともに、ばね上部材1の絶対速度V
Z 及び同部材1のばね下部材4に対する相対速度(VZ
X)を検出して、実際のショックアブソーバ3の減衰力
を値C・VZ/(VZ−VX) に応じて制御するようにすれ
ば、ばね上部材1の運動に対する減衰力を、絶対空間に
仮想のショックアブソーバ5を配設したものとみなし
て、車両の運転状態に応じて制御できるという利点を有
する。
【0014】次に、本発明の具体的実施例を図面を用い
て説明すると、図2は同実施例に係るショックアブソー
バ10A〜10Dを概念的に示すと共に、同アブソーバ
10A〜10Dを制御するための電気制御装置をブロッ
ク図により示している。
【0015】ショックアブソーバ10A〜10Dは、左
前輪、右前輪、左後輪及び右後輪の各位置にて、ばね下
部材(ロワーアーム)とばね部材(車体)との間にそれ
ぞれ配設されている。各ショックアブソーバ10A〜1
0Dはピストン11a〜11dにより上下室に仕切られ
た油圧シリンダ12a〜12dをそれぞれ備え、同シリ
ンダ12a〜12dは図示しないばね下部材(例えばロ
ワーアーム)にそれぞれ支持されている。ピストン11
a〜11dにはピストンロッド13a〜13dが下端に
てそれぞれ接続され、同ロッド13a〜13dは上端に
てばね上部材をそれぞれ支承している。油圧シリンダ1
2a〜12dの各上下室は可変絞り14a〜14dを介
してそれぞれ連通しており、同絞り14a〜14dの開
度が電磁ソレノイド15a〜15dへの通電によりそれ
ぞれ可変制御されるようになっている。油圧シリンダ1
2a〜12dの各下室には、ピストンロッド13a〜1
3dの上下動に伴う上下室の体積変化を吸収するための
ガススプリングユニット16a〜16dがそれぞれ接続
されている。
【0016】電気制御装置は加速度センサ21a〜21
dを備えている。加速度センサ21a〜21dは、左前
輪、右前輪、左後輪及び右後輪の各位置におけるばね上
部材(車体)側にそれぞれ設けられており、ばね上部材
の上方向の絶対的な加速度aZ1,aZ2,aZ3,aZ4を検
出するもので、各加速度aZ1,aZ2,aZ3,aZ4を表す
検出信号を出力する。加速度センサ21a〜21dには
積分器22a〜22dがそれぞれ接続されており、各積
分器22a〜22dは前記各検出信号をそれぞれ積分し
て出力することにより、ばね上部材の上方向の絶対速度
Z1,VZ2,VZ3,VZ4を表す信号を運動モード分解回
路23へ出力する。
【0017】運動モード分解回路23は、各車輪位置に
おけるばね上部材(車体)の上方向の各絶対速度VZ1
Z2,VZ3,VZ4を車体のロール速度VZR、ピッチ速度
ZP、ヒーブ速度VZH(車体の上下方向の移動速度)及
びワープ速度VZW(車体の前後の捩れ速度)に分解して
出力するもので、具体的には前記各絶対速度VZ1
Z2,VZ3,VZ4に下記数3の座標変換演算を施すこと
により前記運動モードの分解を実現する。
【数3】
【0018】運動モード分解回路23の各出力は乗算器
24a〜24dの各一方の入力に接続され、同乗算器2
4a〜24dの各他方の入力には、操舵角センサ25、
車速センサ26、ブレーキセンサ27、アクセルセンサ
28、微分器31、変換テーブル32〜35及び減衰係
数発生器36が接続されている。
【0019】操舵角センサ25は操舵軸に設けられて操
舵ハンドルの基準位置からの回転角を検出することによ
り、同回転角に対応した操舵角θf を表す検出信号を出
力する。車速センサ26は変速機の出力軸の回転を検出
することにより車速SPを検出して、同車速SPを表す検出
信号を出力する。ブレーキセンサ27はブレーキペダル
の踏み込み量BRを検出して、同踏み込み量BRを表す検出
信号を出力する。アクセルセンサ28はアクセルペダル
の踏み込み量ACを検出して、同踏み込み量ACを表す検出
信号を出力する。微分器31は、操舵角センサ23から
の操舵角θf を表す信号を微分することにより、操舵速
度dθf/dtを表す信号を出力する。
【0020】変換テーブル32は、微分器31からの操
舵速度dθf/dtを表す信号を入力し、同入力信号を図3
(A)に示すような特性で変化する指数PSTを表す信号に
変換して出力する。変換テーブル33は、車速センサ2
6から車速SPを表す信号を入力し、同入力信号を図3
(B)に示すような特性で変化する指数PSPを表す信号に
変換して出力する。変換テーブル34は、ブレーキセン
サ27からブレーキペダルの踏み込み量BRを表す信号を
入力し、同入力信号を図3(C)に示すような特性で変化
する指数PBRを表す信号に変換して出力する。変換テー
ブル35は、アクセルセンサ28からアクセルペダルの
踏み込み量ACを表す信号を入力し、同入力信号を図3
(D)に示すような特性で変化する指数PACを表す信号に
変換して出力する。
【0021】減衰係数発生器36は変換テーブル32〜
35からの各指数PST,PSP,PBR,PACを表す信号を
入力して、同各指数PST,PSP,PBR,PACを利用した
下記数4の演算により、車体のロール運動、ピッチ運
動、ヒーブ運動及びワープ運動にそれぞれ対応した目標
となるスカイフック減衰係数CR,CP,CH,CW を表す
信号を乗算器24a〜24dにそれぞれ出力する。
【数4】CR=PST・PSPP=PBR・PACH=PSPW=PST・PSP・PBR・PAC
【0022】乗算器24a〜24dは、車体のロール、
ピッチ、ヒーブ及びワープの各運動毎に、運動モード分
解回路23からの各運動速度VZR,VZP,VZH,VZW
表す信号に減衰係数発生器36からの目標となるスカイ
フック減衰係数CR,CP,CH,CWを表す信号を乗算し
て、目標となる減衰力CR・VZR,CP・VZP,CH・VZH
W・VZWを表す信号を運動モード合成回路37にそれぞ
れ出力する。
【0023】運動モード合成回路37は、車体のロー
ル、ピッチ、ヒーブ及びワープの各運動に対応した目標
とする減衰力CR・VZR,CP・VZP,CH・VZH,CW・VZW
を、各車輪位置に対応したばね上部材(車体)の上下方
向の減衰力C10・VZ10 ,C20・VZ20,C30・VZ30,C
40・VZ40 に合成して出力するものである。具体的に
は、各乗算器24a〜24dからの減衰力CR・VZR,C
P・VZP,CH・VZH,CW・VZWを表す各信号に下記数5の
座標変換演算を施すことにより前記運動モードの合成を
実現する。
【数5】なお、前記数5中、各係数C10,C20,C30
40は、各車輪位置に対応したばね上部材の上下運動に
対するスカイフック減衰係数に相当し、VZ10,VZ20
Z30,VZ40は同部材の上方向の速度に相当する(前述
した各絶対速度VZ1,VZ2,VZ3,VZ4に等しい)。
【0024】このように、運動モード分解回路23及び
運動モード合成回路37を用いた理由は、ショックアブ
ソーバ10A〜10Dは各車輪位置におけるばね下部材
に対するばね上部材の運動の減衰力を制御するものであ
る反面、乗員は車体のロール、ピッチ、ヒーブ、ワープ
などの各運動を感じるものであるので、これらのロー
ル、ピッチ、ヒーブ、ワープの各運動に、車両の運転状
態すなわち操舵速度dθf/dt、車速SP、ブレーキペダル
の踏み込み量BR及びアクセルペダルの踏み込み量ACに応
じたスカイフック減衰係数CR,CP,CH,CWを考慮す
るようにしたが方が、車体の上下方向の運動を車両の運
転状態に応じて制御し易いためである。
【0025】運動モード合成回路37の各出力は除算器
38a〜38dの各一方の入力に接続されると共に、同
除算器38a〜38dの各他方の入力には、変位量セン
サ41a〜41d、微分器42a〜42d及び補正回路
43が接続されている。
【0026】変位量センサ41a〜41dは、左前輪、
右前輪、左後輪及び右後輪の各位置におけるばね上部材
とばね下部材との間にそれぞれ設けられて、ばね下部材
に対するばね上部材の上方向の相対的な変位量LY1,L
Y2,LY3,LY4を検出するもので、各変位量LY1
Y2,LY3,LY4を表す検出信号を微分器42a〜42
dへ出力する。微分器42a〜42dは、前記変位量L
Y1,LY2,LY3,LY4を表す検出信号を微分して、ばね
下部材に対するばね上部材の相対速度VY1,VY2
Y3,VY4を表す信号を補正回路43へ出力する。
【0027】補正回路43は各車輪位置におけるばね下
部材に対するばね上部材の相対速度VY1,VY2,VY3
Y4を図4に示すような特性でそれぞれ変換して、同変
換結果を補正相対速度VY10,VY20,VY30,VY40を表
す信号として除算器38a〜38dへ出力する。これに
より、絶対値が微小値ε以下の相対速度VY1,VY2,V
Y3,VY4が微小値εに変更されて、相対速度VY10,V
Y20,VY30,VY40の値が「0」になることを避けるこ
とができる。
【0028】除算器38a〜38dは、運動モード合成
回路37からの減衰力C10・VZ10,C20・VZ20,C30
Z30,C40・VZ40を表す信号を、補正回路43からの
相対速度VY10,VY20,VY30,VY40を 表す信号で除
算するもので、同除算結果C10・VZ10/VY10,C20・V
Z20/VY20,C30・VZ30/VY30,C40・VZ40/VY40
を表す信号を出力する。このような除算の結果、 各除
算結果C10・VZ10/VY10,C20・VZ20/VY20,C30
Z30/VY30,C40・VZ40/VY40 は、上記スカイフッ
ク理論で説明したように、各車輪毎のスカイフック減衰
係数C10,C20,C30,C40に等価な各ショックアブソ
ーバ10A〜10Dの実減衰係数C10*,C20*,C30
*,C40*を表すことになる。
【0029】除算器38a〜38dの各出力は乗算器4
4a〜44dの各一方の入力に接続され、同乗算器44
a〜44dの各他方の入力には、バンドパスフィルタ4
5、最大値検出回路46及び周波数補正値発生回路47
が接続されている。
【0030】バンドパスフィルタ45の中心周波数は、
図5に示すように、約10Hz程度に設定されており、
左前輪位置の加速度センサ21aからの検出信号を入力
して同検出信号のうちの約10Hz近辺の周波数成分の
みを出力する。この場合、加速度センサ21aは路面の
凹凸を検出する役目を果たすものである。日本国内では
車両の左側が路肩に近くて路面の凹凸の影響を大きく受
ける可能性が高く、かつ車両走行中に前輪が後輪に比べ
て先に路面の影響を受けるために、本実施例においては
左前輪位置の加速度センサ21aをバンドパスフィルタ
45に接続するようにしたが、他の車輪位置の加速度セ
ンサ21b〜21dをバンドパスフィルタ45に接続し
てもよい。
【0031】最大値検出回路46はバンドパスフィルタ
45の出力信号を入力して、図6に示すように、同入力
信号から所定時間ΔT内(10Hzの信号の1周期に対
応した約100ms程度)の信号をフレーム信号として順
次切り出すと共に、このフレーム信号の最大瞬時値Z
MAX を表す信号を時々刻々と出力するものである。これ
により、前記最大瞬時値ZMAX は前記約10Hz程度の
路面入力の振幅(信号レベル)に対応した値を表すこと
になり、最大値検出回路46は前記信号レベルを表す信
号を出力することになる。
【0032】周波数補正値発生回路47は、図7に示す
ような特性の変換テーブルを内蔵しており、最大値検出
回路46からの最大瞬時値ZMAX を表す信号を入力し
て、同信号を周波数補正値CF (最大瞬時値ZMAX が大
きくなるにしたがって小さくなる)を表す信号に変換し
て乗算器44a〜44dに出力する。
【0033】乗算器44a〜44dは、各除算器38a
〜38dから供給される各ショックアブソーバ10A〜
10Dの実減衰係数C10*,C20*,C30*,C40*を
表す信号に、周波数補正発生回路47から供給される周
波数補正値CF を表す信号をそれぞれ乗算して、同乗算
結果を補正実減衰係数CF・C10*,CF・C20*,CF・C
30*,CF・C40*を表す信号としてをそれぞれ出力す
る。これにより、補正実減衰係数CF・C10*,CF・C20
*,CF・C30*,CF・C40*を表す信号は、路面入力信
号の約10Hz程度の周波数成分が増加するにしたがっ
て、各ショックアブソーバ10A〜10Dの減衰特性を
制御するための実減衰係数C10*,C20*,C30*,C
40*を、小さくするように補正したものとなる。
【0034】乗算器44a〜44dの各出力には開度制
御信号発生回路48が接続されている。開度制御信号発
生回路48は、図8に示すような特性の変換テーブルを
内蔵しており、乗算器44a〜44dから補正実減衰係
数CF・C10*,CF・C20*,CF・C30*,CF・C40*を
表す信号を入力して、同入力信号を前記特性の開度制御
信号XS に変換して出力する。なお、前記変換テーブル
の変換特性は、ショックアブソーバ10A〜10Dにお
ける可変絞り14a〜14dの開度と同アブソーバ10
A〜10dの減衰係数との関係を実験により定めたもの
である。開度制御信号発生回路48には駆動回路51a
〜51dが接続されており、駆動回路51a〜51dは
前記開度制御信号XS に応じてショックアブソーバ10
A〜10Dの電磁ソレノイド15a〜15dの通電を制
御し、可変絞り14a〜14dの開度を前記開度制御信
号XS により表された値に比例制御する。
【0035】次に、上記のように構成した実施例の動作
を説明すると、加速センサ21a〜21d及び積分器2
2a〜22dによって各車輪位置におけるばね上部材の
上下方向の絶対速度VZ1,VZ2,VZ3,VZ4が検出され
ると共に、運動モード分解回路23によって前記絶対速
度VZ1,VZ2,VZ3,VZ4が車体(ばね上部材)のロー
ル速度VZR、ピッチ速度VZP、ヒーブ速度VZH及びワー
プ速度VZWに変換され、乗算器24a〜24dによって
車体のロール、ピッチ、ヒーブ及びワープの各運動に対
する目標とする減衰力CR・VZR,CP・VZP,CH・VZH
W・VZWが計算される。
【0036】この場合、前記各係数CR,CP,CH,CW
は、絶対空間内における車体(ばね上部材)のロール、
ピッチ、ヒーブ及びワープの各運動に対して目標となる
スカイフツク減衰係数であり、これらのスカイフツク減
衰係数CR,CP,CH,CWは、各指数PST,PSP
BR,PACの特性(図3)及び上記数4から明らかなよ
うに、車両の運転状態量に応じて計算したものであって
次の〜の特徴を有する。 操舵速度dθf/dtの絶対値|dθf/dt|又は車速SPが
大きくなるにしたがって指数PST又はPSPが大きくなる
ので、車体のロール運動に対するスカイフツク減衰係数
R が大きくなる、すなわち同ロール運動が速く収束す
るように制御される。 ブレーキペダルの踏み込み量BR又はアクセルペダルの
踏み込み量ACが大きくなるにしたがって指数PBR又はP
ACが大きくなるので、車体のピッチ運動に対するカイフ
ツク減衰係数CP が大きくなる、すなわち同ピッチ運動
が速く収束するように制御される。 車速SPが大きくなるにしたがって指数PSPが大きくな
るので、車体のヒーブ運動に対するカイフツク減衰係数
H が大きくなる、すなわち同ヒーブ運動が速く収束す
るように制御される。 操舵速度dθf/dt、車速SP、ブレーキペダルの踏み込
み量BR又はアクセルペダルの踏み込み量ACが大きくなる
にしたがって指数PST、PSP、PBR又はPACが大きくな
るので、車体のワープ運動に対するカイフツク減衰係数
W が大きくなる、すなわち同ワープ運動が速く収束す
るように制御される。
【0037】このようにして計算された車体のロール、
ピッチ、ヒーブ及びワープの各運動に対して目標となる
減衰力CR・VZR,CP・VZP,CH・VZH,CW・VZWは、運
動モード合成回路37によって各車輪位置におけるばね
上部材の上下方向の絶対的な運動に関する目標減衰力C
10・VZ10,C20・VZ20,C30・VZ30,C40・VZ40に変換
される共に、除算器38a〜38dによってショックア
ブソーバ10A〜10Dのための実減衰係数C10*,C
20*,C30*,C40*に変換される。
【0038】一方、このとき、バンドパスフィルタ45
は加速度センサ21aからの路面入力を表す信号のうち
の10Hz付近の周波数成分のみを抽出していると共
に、最大値検出回路46が前記抽出した10Hz付近の
周波数成分の信号レベルを表す最大値ZMAX を検出して
おり、周波数補正値発生回路47がこの最大値ZMAX
基づく補正値CF を出力している。そして、乗算器44
a〜44dが除算器38a〜38dからの前記実減衰係
数C10*,C20*,C30*,C40*に前記補正値CF
乗算して補正実減衰係数CF・C10*,CF・C20*,CF
30*,CF・C40*を表す信号を開度制御信号発生回路
48に出力し、開度制御信号発生回路48及び駆動回路
51a〜51dが前記補正実減衰係数CF・C10*,CF
20*,CF・C30*,CF・C40*の値に応じて可変絞り
14a〜14bの開度を制御するので、各ショックアブ
ソーバ10A〜10Dは同補正実減衰係数CF・C10*,
F・C20*,CF・C30*,CF・C40*に対応した減衰特
性で、各車輪位置におけるばね下部材に対するばね上部
材の減衰力を制御する。
【0039】このように動作する結果、上記実施例によ
れば、実減衰係数C10*,C20*,C30*,C40*は、
車両の旋回操作、車両の加速及び減速などの運転状態量
によって決定されたスカイフツク減衰係数CR,CP,C
H,CWに応じて変化するので、車両の運転状態量に応じ
て、車体(ばね上部材)のロール、ピッチ、ヒーブ、ワ
ープなどの各運動に対する減衰特性が事前に制御され、
車体の上下運動に対する制御が遅れることがなくなる。
【0040】また、実減衰係数C10*,C20*,C
30*,C40*を補正する補正値CF は、路面入力信号の
約10Hz程度の周波数成分が増加するにしたがって、
小さくなるので、各ショックアブソーバ10A〜10D
の減衰特性は路面入力の10Hz付近でソフト側に補正
制御される。
【0041】この補正制御についてグラフを用いて詳し
く説明すると、図9は前記周波数補正をしない場合の路
面入力に対するばね上部材の振動特性を表しており、横
軸は路面入力信号の周波数を示し、縦軸は路面入力の大
きさに対するばね上部材の上下方向の絶対加速度の大き
さを示している。なお、実線はショックアブソーバ10
A〜10Dの減衰力を中程度に設定した結果を示し、破
線は同減衰力をソフト側に設定した結果を示し、一点鎖
線は同減衰力をハード側に設定した結果を示している。
このグラフによれば、前記振動特性は2つの共振点(低
い方は車体の共振点、高い方はタイヤの共振点)を有す
ることが理解できると共に、10Hz付近でショックア
ブソーバ10A〜10Dをハード側に設定した場合のば
ね上部材の振動特性が悪化していることが理解できる。
【0042】ここで、前記周波数補正制御について振り
返ると、前記各ショックアブソーバ10A〜10Dの減
衰特性は路面入力の10Hz付近でソフト側に補正制御
されるので、ばね上部材の振動特性が前記グラフの破線
のようになり、前記タイヤの共振によるばね上部材の振
動特性の悪化を防止できる。その結果、上記実施例によ
れば、車両の乗り心地を良好にすることができる。
【0043】次に、上記実施例の変形例について順次説
明する。 a.第1変形例 上記実施例においては、路面入力の10Hz付近の信号
レベルを検出するために、最大値検出回路46にてバン
ドパスフィルタ45の出力信号を所定時間ΔTのフレー
ム信号として切り出すと共にその最大値ZMAX を検出す
るようにしたが、この最大値検出回路46に代えてフー
リェ変換回路を用い、同フーリェ変換回路にてバンドパ
スフィルタ45の出力信号にフーリェ変換を施して10
Hz付近の周波数成分の大きさ(振幅値)を算出するよ
うにしてもよい。この場合、前記振幅値を上記実施例の
最大値ZMAX として利用すれば、同実施例と同一の効果
を期待できる。
【0044】このフーリェ変換による簡易的な具体的方
法について、一例を上げて説明しておく。10Hzの周
波数成分を取り出すものとして、演算周期を5msとする
と共に、バンドパスフィルタ45の出力信号の瞬時値を
100msに渡って5ms毎に20個サンプリングし、同サ
ンプリングした各瞬時値をX(n) として、下記数6の演
算を行う。
【数6】なお、nは0〜19であり、t(n)は0.005×nで
ある。
【0045】b.第2変形例 また、上記実施例においては、ショックアブソーバ10
A〜10Dの減衰力の制御を車両の乗り心地のみを考え
て制御するようにしたが、タイヤの接地性からも前記減
衰力の制御を考える必要がある。図10は、上記実施例
の周波数補正をしない場合のタイヤの振動特性を表して
おり、横軸は路面入力信号の周波数を示し、縦軸は路面
入力の大きさに対するタイヤの荷重変動量を示してい
る。なお、実線はショックアブソーバ10A〜10Dの
減衰力を中程度に設定した結果を示し、破線は同減衰力
をソフト側に接待した結果を示し、一点鎖線は同減衰力
をハード側に設定した結果を示している。このグラフに
よれば、約10Hz程度のタイヤの共振点付近におい
て、ショックアブソーバ10A〜10Dをソフト側に設
定した場合のタイヤの振動特性が悪化していることが理
解できる。
【0046】このような悪化を避けるためには、上記実
施例の周波数補正値発生回路47内の変換テーブルの特
性を図7の特性に代えて図11の特性、すなわち最大値
検出回路46にて検出された最大値ZMAX が大きくなる
にしたがって周波数補正値CF が大きくなるようにすれ
ばよい。その結果、各ショックアブソーバ10A〜10
Dの減衰特性は路面入力の10Hz付近でハード側に補
正制御されるので、タイヤの荷重変動が小さくなり、タ
イヤの接地性が良好になる。
【0047】この第2変形例によるショックアブソーバ
10A〜10Dの減衰力の制御は、上記実施例と相反す
るものであるが、車両においては、その用途に応じて異
なる特性の基に設計されるもので、すなわち乗り心地を
重視するか、タイヤの接地性を重視するかが決定される
ものであり、本発明による周波数補正の制御において
も、その用途に応じて周波数補正値CF の路面入力周波
数に対する特性を適宜設定することにより、前記減衰力
の制御を行うようにすればよい。
【0048】また、図2に破線で示すように、周波数補
正値発生回路47に、操舵角センサ25、車速センサ2
6、ブレーキセンサ27及びアクセルセンサ28からの
操舵角θf、車速SP、ブレーキペダルの踏み込み量BR 及
びアクセルペダルの踏み込み量ACを表す検出信号を入力
して、同操舵角θf、車速SP、踏み込み量BR 又は踏み込
み量ACに応じて同発生回路47から出力される周波数補
正値CF を変更制御するようにしてもよい。
【0049】c.第3変形例 上記実施例においては、操舵速度dθf/dt 、車速SP、ブ
レーキペダルの踏み込み量BR及びアクセルペダルの踏み
込み量ACなどの運転状態に応じた制御値(スカイフック
減衰係数CR,CP,CH,CW)と路面入力の周波数補正値
Fとを、ばね上部材の絶対速度の相対速度の比VZ10
Y10,VZ20/VY20,VZ30/VY30,V Z40/VY40
乗算するために、乗算器24a〜24dと乗算器44a
〜44dを用いるようにしたが、これらの2組の乗算器
24a〜24d,44a〜44dを乗算器44a〜44
dのみで済ますようにすることもできる。
【0050】この場合、前述のように、操舵角θf、車
速SP、ブレーキペダルの踏み込み量BR及びアクセルペダ
ルの踏み込み量ACを表す検出信号を周波数補正値発生回
路47に入力すると共に、同周波数補正値発生回路47
内に上記実施例のような微分器31、変換テーブル32
〜35及び減衰係数発生器36と同種の回路を設けて、
前記操舵角θf、車速SP、ブレーキペダルの踏み込み量B
R 又はアクセルペダルの踏み込み量ACに応じて変化する
制御値(上記実施例の減衰係数発生器36の出力に対
応)を形成すると共に、前記周波数補正値CF とを演算
して、各ショックアブソーバ10A〜10d毎に異なる
新たな制御値を形成するようにする。そして、これらの
制御値を、乗算器44a〜44dにて、ばね上部材の絶
対速度の相対速度の比VZ10/VY10,VZ20/VY20,V
Z30/VY30,VZ40/VY40にそれぞれ乗算するようにす
ればよい。
【0051】これによれば、乗算器24a〜24dに加
えて、運動モード分解回路23及び運動モード合成回路
37も不要となるが、操舵角θf、車速SP、ブレーキペ
ダルの踏み込み量BR 又はアクセルペダルの踏み込み量A
Cに応じて変化する前記制御値として、スカイフックさ
れたショックアブソーバを想定して実際の各ショックフ
ーアブソーバ10A〜10Dに対応した制御値を決定す
る必要がある。
【0052】d.第4変形例 上記実施例においては、ショックアブソーバ10A〜1
0Dの伸び側と縮み側の減衰力制御特性を同じにした
が、実際のショックアブソーバでは、通常、これらの伸
び側と縮み側の減衰力特性には差があるので、前記減衰
力の制御特性を前記伸び側と縮み側とで異ならせる方が
望ましい。
【0053】すなわち、図12に、上記実施例よりも厳
密に描いたショックアブソーバ10の等価油圧回路を示
してあるが、同アブソーバ10には、上記実施例で示し
た可変絞り14の他に、油圧シリンダ12の上下室を連
通させる第1通路17及び第2通路18が設けられてい
て、同アブソーバ10の基本的特性がこれらの通路1
7,18を通る作動油により決定されるようになってい
る。第1通路17にはリーフバルブ17a及び固定絞り
17bが介装されていて、リーフバルブ17a及び固定
絞り17bは油圧シリンダ12の上油室から下油室への
作動油の移動を許容して、ショックアブソーバ10の伸
び側の基本特性を決定している。第2通路18にはリー
フバルブ18a及び固定絞り18bが介装されていて、
リーフバルブ18a及び固定絞り18bは油圧シリンダ
12の下油室から上油室への作動油の移動を許容して、
ショックアブソーバ10の縮み側の基本特性を決定して
いる。リーフバルブ17a及び固定絞り17bの特性
と、リーフバルブ18a及び固定絞り18bの特性は異
なり、図13に示すように、ピストン11の移動速度に
対する減衰力の特性は、ショックアブソーバ10の伸び
側と縮み側とで異なる減衰特性に設定されている。
【0054】このようなショックアブソーバ10の伸び
側と縮み側とで異なる減衰特性を考慮した電気制御装置
を図14に変形例として示してある。この変形例は、上
記実施例の開度制御信号発生回路48に代えて、2つの
開度制御信号発生回路48a,48bを備えている。開
度制御信号発生回路48a内の変換テーブル内には、補
正実減衰係数CF・C*に対して図15に示すような特性
で変化する伸び側専用のデータが記憶されており、同発
生回路48aは、各乗算器44a〜44adからの補正
実減衰係数CF・C10*,CF・C20*,CF・C30*,CF
40*を表す信号を入力して伸び側の開度制御信号XS1
をそれぞれ出力する。開度制御信号発生回路48b内の
変換テーブル内には、補正実減衰係数CF・C*に対して
図16に示すような特性で変化する縮み側専用のデータ
が記憶されており、同発生回路48bは、各乗算器44
a〜44adからの補正実減衰係数CF・C10*,CF・C
20*,CF・C30*,CF・C40*を表す信号を入力して縮
み側の開度制御信号XS2をそれぞれ出力する。
【0055】また、この変形例は、開度制御信号発生回
路48a,48bの出力と駆動回路51a〜51dとの
間に選択回路52を備えている。選択回路52は微分器
42a〜42dからの相対速度VY1,VY2,VY3,VY4
を表す信号によって制御されて、各速度VY1,VY2,V
Y3,VY4が正のとき、開度制御信号発生回路48aから
の伸び側の各開度制御信号XS1をそれぞれ選択出力する
と共に、各速度VY1,VY2,VY3,VY4が負のとき、開
度制御信号発生回路48aからの縮み側の各開度制御信
号XS2をそれぞれ選択出力する。
【0056】上記のように構成した変形例においては、
相対速度VY1,VY2,VY3,VY4は、各車輪位置におけ
るばね下部材に対するばね上部材の相対速度をそれぞれ
表している、すなわち各車輪毎のショックアブソーバ1
0の伸び及び縮みを正負により表しているので、伸びつ
つあるショックアブソーバ10の可変絞り16の開度は
開度制御信号XS1に応じて制御され、かつ縮みつつある
ショックアブソーバ10の可変絞り16の開度は開度制
御信号XS2に応じて制御される。その結果、この変形に
よれば、減衰力の特性がショックアブソーバ10の伸び
側と縮み側とで適切に制御されるので、ショックアブソ
ーバ10の減衰力の制御精度が向上する。
【0057】e.第5変形例 また、上記第4変形例においては2つの開度制御信号発
生回路48a,48bを用いたが、開度制御信号発生回
路48aを1つで済ますことができるようにした第5変
形例について説明する。
【0058】この第5変形例は、図17に示すように、
上記第4変形例の開度制御信号発生回路48aを選択回
路52の後段に移すと共に、同変形例の開度制御信号発
生回路48bに代えて補正演算回路53を設けるように
したものである。この場合、選択回路52は、微分器4
2a〜42dからの信号により表された相対速度VY1
Y2,VY3,VY4が正のとき乗算器44a〜44dの出
力信号を開度御信号発生回路48aに供給すると共に、
微分器42a〜42dからの信号により表された相対速
度VY1,VY2,VY3,VY4が負のとき補正演算回路53
の出力信号を開度制御信号発生回路48aに供給する。
開度制御信号発生回路48aは出力信号を駆動回路51
a〜51dへ供給する。
【0059】補正演算回路53は、乗算器44a〜44
dからの補正実減衰係数CF・C10*,CF・C20*,CF
30*,CF・C40*に下記数7の演算を施して、値
1,P2,P3,P4を表す信号をそれぞれ出力する。
【数7】P1=KF1・CF・C10*+KF22=KF1・CF・C20*+KF23=KF1・CF・C30*+KF24=KF1・CF・C40*+KF2 なお、前記数7中、傾きKF1とオフセット値KF2は、シ
ョックアブソーバ10のピストン速度に対する減衰力の
分布は伸び側と縮み側で相似であるとみなして(図13
参照)、同アブソーバ10の伸び側と縮み側との最大減
衰力及び最小減衰力の比に基づいて予め定めたものであ
って、前記値P1,P2,P3,P4を表す信号を開度制御
信号に入力すると、前記補正実減衰係数CF・C10*,C
F・C20*,CF・C30*,CF・C40*を表す信号を上記第
4変形例の開度制御信号発生回路48bに入力したもの
と等価となるものである。
【0060】このように第5変形例を構成した結果、シ
ョックアブソーバ10が伸びつつある(相対速度VY1
Y2,VY3,VY4が正である)ときには、乗算器44a
〜44dからの補正実減衰係数CF・C10*,CF・C
20*,CF・C30*,CF・C40*を表す信号が開度制御信
号発生回路48aに供給される。また、ショックアブソ
ーバ10が縮みつつある(相対速度VY1,VY2,VY3
Y4が負である)ときには、補正演算回路53からの前
記数7により補正した値P1,P2,P3,P4を表す信号
が開度制御信号発生回路48aに供給される。これによ
り、ショックアブソーバ10が伸びつつある場合も、縮
みつつある場合も、開度制御信号発生回路48aは上記
第4変形例と同一の開度制御信号を駆動回路51a〜5
1dに出力する。その結果、この第5変形例によれば、
ショックアブソーバ10の伸び側と縮み側の減衰特性の
相違を考慮した上で、補正実減衰係数CF・C10*,CF
20*,CF・C30*,CF・C40*から可変絞り14の開
度を決定するための開度制御信号発生回路48aを1つ
で済ますことができ、前記開度を決定するための変換テ
ーブルを1つで済ますことができる。
【0061】なお、この第5変形の開度制御信号発生回
路48aの代わりにショックアブソーバ10の縮み側の
開度制御信号発生回路48bのみを用意し、同アブソー
バ10の伸び側の補正実減衰係数CF・C10*,CF・C20
*,CF・C30*,CF・C40*を補正演算回路53に代わ
る演算回路により変更するようにしても、この第5変形
例と同じ効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (A)は現実の車両のばね上部材の運動を説明
するための解説図であり、(B)はスカイフック理論に基
づき同ばね上部材の運動を説明するための解説図であ
る。
【図2】 本発明の一実施例を示すショックアブソーバ
のための電気制御装置のブロック図である。
【図3】 (A)〜(D)はショックアブソーバの減衰係数を算出する
ための車両の運転状態に対する各種指数の特性図であ
る。
【図4】 ばね上部材のばね下部材に対する相対速度の
変換特性図である。
【図5】 図2のバンドパスフィルタの周波数特性図である。
【図6】 図2の最大値検出回路にて利用される信号の一例を示す
波形図である。
【図7】 図2の周波数補正値発生回路における信号変
換特性図である。
【図8】 図2の開度制御信号発生回路における信号変
換特性図である。
【図9】 路面入力に対するばね上部材の上下加速度の
周波数特性図である。
【図10】路面入力に対するタイヤの荷重変動の周波数
特性図である。
【図11】第1変形例に係る周波数補正値の特性図であ
る。
【図12】ショックアブソーバの等価油圧回路図であ
る。
【図13】ショックアブソーバのピストン速度に対する
減衰力の変化特性図である。
【図14】第4変形例に係るショックアブソーバのため
の電気制御装置のブロック図の一部である。
【図15】図14の一方の開度制御信号発生回路におけ
る信号変換特性図である。
【図16】図14の他方の開度制御信号発生回路におけ
る信号変換特性図である。
【図17】第5変形例に係るショックアブソーバのため
の電気制御装置のブロック図の一部である。
【符号の説明】
1…ばね上部材、2…スプリング、3…ショックアブソ
ーバ、4…ばね下部材、10,10A〜10D…ショッ
クアブソーバ、12a〜12d…油圧シリンダ、14a
〜14d…可変絞り、21a〜21d…加速度センサ、
22a〜22d…積分器、23…運動モード分解回路、
24a〜24d,44a〜44d…乗算器、25…操舵
角センサ、26…車速センサ、27…ブレーキセンサ、
28…アクセルセンサ、32〜34…変換テーブル、3
6…減衰係数発生器、37…運動モード合成回路、38
a〜38d…除算器、41a〜41d…変位量センサ、
42a〜42d…微分器、45…バンドパスフィルタ、
46…最大値検出回路、47…周波数補正値発生回路、
48,48a,48b…開度制御信号発生回路、52…
選択回路、53…補正演算回路。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両のサスペンション装置内にてばね下
    部材とばね上部材との間に介装されてなり、開度が電気
    的に制御されてばね下部材に対するばね上部材の運動の
    減衰特性を変更する可変絞りを備えたショックアブソー
    バを制御するための電気制御装置において、 前記ばね上部材の上下方向の絶対速度を検出する絶対速
    度検出手段と、 前記ばね下部材に対する前記ばね上部材の上下方向の相
    対速度を検出する相対速度検出手段と、 車両の運転状態を検出する運転状態検出手段と、 前記ばね上部材の上下方向の絶対的な加速度を検出して
    同加速度を表す加速度信号を出力する加速度検出手段
    と、 前記加速度信号に含まれる特定周波数成分の信号レベル
    を検出する特定周波数レベル検出手段と、 前記検出した相対速度に対する前記検出した絶対速度の
    比に対して前記検出した車両の運転状態及び前記検出し
    た特定周波数成分の信号レベルに応じた制御値を乗算し
    た前記ばね下部材に対する前記ばね上部材の運動の減衰
    係数を決定する減衰係数決定手段と、 前記決定された減衰係数に応じて前記可変絞りの開度を
    制御する開度制御手段とを設けたことを特徴とするショ
    ックアブソーバのための電気制御装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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