JPH0569139B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

本発明はアラミドフアイバーパルプと無機繊維
を用いたモールドタイプのフエーシングおよびパ
ツドライニングのドライ製法化を可能にしたノン
アスベスト摩擦材組成物に関するものである。 〔従来の技術および発明が解決すべき問題点〕 石綿系摩擦材のモールド製法は熱プレス工程の
前処理として配合攪拌物を予備プレスにより予備
成形しており、この予備プレス工程は石綿にはス
プリングバツク特性がないため、乾式、湿式のい
ずれの方法でも実施可能であつた。 近年石綿規制が強化され、摩擦材中に石綿を配
合できなくなつてくると、石綿が摩擦材において
果して来た重要な役割である耐熱性および補強性
を有する繊維を石綿の代替として説明することが
要求される。 そこでこの石綿代替として、ガラス繊維、アラ
ミド繊維、鉱物繊維、天然繊維の使用が試みられ
ているが、いずれの繊維もスプリングバツクが大
きいため乾式予備成形ができず、専ら溶液の粘着
力を利用した湿式製法に頼らざるを得ないのが現
状である。 しかし湿式製法は当該繊維のスプリングバツク
を押える利点のある反面、溶剤および乾燥工程の
追加によるコスト上昇および溶剤による作業者の
健康障害のおそれがあり、好ましくない。本発明
はかかる問題を解消するためになされたものであ
る。 〔問題点を解決するための手段および作用〕 数ある石綿代替繊維の中で最もスプリングバツ
ク特性の大きい無機繊維を10〜40vol％使用した
としアラミドフアイバーパルプ（商品名ケプラー
パルプ）１〜10vol％を併用し、他にバインダレ
ジン、摩擦調整剤を添加した配合物に、加工助剤
としてコルク粉１〜6vol％を添加することにより
乾式予備成形が可能であることを見出して本発明
に至つたものである。 上記の加工助剤としてのコルク粉の働きはコル
ク粉が本来含有している６％内外の水分が予備プ
レス時の高圧により滲出し周囲の粉体又は繊維に
適度の湿度を与え、これらの圧密加圧によつて予
備成形を可能にしているものと考えられる。 上記の無機繊維は６〜13μｍ径、10mm以下の長
さのものが好ましい。 これは繊維長が10mmを超えると攪拌時に分散不
良を起し易く物理特性が不安定となるからであ
り、又繊維径は細い方が取扱い時の皮膚への刺激
性が少なくて好ましいが細過ぎると製造時に折損
するおそれがあり６〜13μｍの範囲が適当なこと
になる。 本発明で配合される無機繊維量は強度と密接な
関係がありこの点では多い方が望ましいが、
40vol％を超えると予備成形は難しくなるので、
10〜40vol％、好ましくは10〜30vol％とすること
が必要である。 本発明の配合物は、配合物を攪拌混合した後、
乾式予備プレスを行い、熱成形してから熱処理次
いで研磨を施すドライモールド方式によつて摩擦
材を製造することができる。 本発明の配合によるクラツチフエーシングは下
記のセミモールドタイプ 配合攪拌→梳綿→撚糸→織布→樹脂含浸→ゴム漬 ↓ 研磨←熱処理←熱成形←巻取←乾燥 ↑ ゴム→配合溶解 と同等以上の摩擦性能、強度を有し、しかも安価
に製造できる利点を有している。 〔実施例および発明の効果〕 以下に無機繊維としてスプリングバツクの大き
いガラス繊維、ロツクウールを使用した実施例を
示す。

【表】 配合例Ａ、Ｂ、Ｃの各配合から常法に従つてド
ライモールド方式によりクラツチフエーシングを
製造し、摩擦性能（摩耗）およびバースト強度の
試験を行い、第２表の結果を得た。これより本発
明の配合物はセミモールドタイプと同等以上の摩
擦性能、バースト強度を有していることが認めら
れ、しかも安価に製造できる特徴がある。

【表】

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ アラミドフアイバーパルプ１〜10vol％と無
   機繊維10〜40vol％を用い、これにバインダレジ
   ン、摩擦調整剤を添加した配合物に、加工助剤と
   してコルク粉１〜6vol％を添加したことを特徴と
   するドライ製法可能なノンアスベスト摩擦材組成
   物。