JPH0568942A - 反射鏡の製造方法 - Google Patents
反射鏡の製造方法Info
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- JPH0568942A JPH0568942A JP3234347A JP23434791A JPH0568942A JP H0568942 A JPH0568942 A JP H0568942A JP 3234347 A JP3234347 A JP 3234347A JP 23434791 A JP23434791 A JP 23434791A JP H0568942 A JPH0568942 A JP H0568942A
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Abstract
優れた保護膜を反射鏡に施す。また、耐熱性があり、か
つ、反射特性、特に拡散反射率に優れた多層コーティン
グ反射鏡を得る。 【構成】 保護膜、または、多層コーティング反射鏡の
下地層を、下記のA成分、B成分およびC成分を、A成
分の比率がAとBの合計100重量部に対して1〜99
重量部となるように混合して調製されたコーティング材
で形成する。 (A)加水分解性オルガノシランを部分加水分解してな
る、オルガノシランのシリカ分散オリゴマー溶液。 (B)シラノール基含有ポリオルガノシロキサン。 (C)触媒。
Description
どとして用いられる反射鏡を製造する方法に関する。
反射鏡には、鉄、アルミニウム、ステンレス、強化プラ
スチック等が用いられているが、いずれも屋外で使用さ
れるため、耐食性、耐傷性に欠点があった。このため、
反射板表面を有機系塗料で被覆することが試みられてき
たが、塗膜自体に耐熱性、耐候性、耐食性がないため十
分な性能が得られなかった。そこで、それを改良するた
め、たとえば、特開昭60−51577号公報や特
開昭62−89775号公報ではアルカリ金属けい酸塩
を主成分とする無機塗料による被覆が試みられている。
照明、広場照明等のHID光源の照明器具の反射鏡に
は、高い鏡面性(反射率)および高温(ランプの輻射熱
による)に耐え得ること、ならびに、湿気、腐食性ガス
に対する耐性の良いことが求められる。このような要求
を満足させ、さらに反射鏡の反射率を上げるために、金
属基材の表面に耐熱樹脂を焼付けて表面を平滑にし、そ
の上にAlのような光輝性金属およびSiO2 のような
酸化物被膜を順次蒸着した多層コーティング反射板が考
えられた。特に、近年照明器具のランプの出力が増加す
るにつれて、反射板に対して200℃以上のより高い耐
熱性が要求されてくるようになると、下地層の樹脂に
は、従来の耐熱性のない有機系塗料は使用できなくなっ
てきた。そこで、耐熱性がある多層コーティング反射板
用下地塗料が特開昭59−98842号公報などで提
案されている。また、さらに耐熱性を向上させるため、
特開平2−160305号公報のように、けい素アル
コキシドを主成分とする無機系コーティング材が提案さ
れている。
を主成分とする塗料では、どうしても塗膜中にアルカリ
金属が残ってしまい、それが長期的な実用試験で白華現
象を起こしてしまう。上記公報、では、それを改良
するため硝酸溶液による後処理が提案されているが、そ
の処理をもってしても塗膜中のアルカリ金属は完全には
なくならず、工程も複雑になるという欠点がある。しか
も、アルカリ金属けい酸塩を主成分とする塗料では、焼
き付け温度も200℃以上の高温を必要とするためエネ
ルギーコストの上昇という問題があった。
優れた保護膜を反射鏡に施し、しかも焼き付けを120
℃以下の低温で行うことができる反射鏡の製造方法を提
供することを第1の課題とする。上記公報で提案され
た下地塗料を下地層に用いた場合、主成分が熱硬化型ア
クリル系であるため、200〜300℃で熱劣化が起こ
り、また、拡散反射率が高いため反射特性が悪い。上記
公報のように、けい素アルコキシドを主成分とする無
機系コーティング材の場合、耐熱性はあるものの、まだ
若干拡散反射率が高く、反射特性上十分満足できるもの
ではなかった。
コーティング反射鏡の下地層を改良することによって、
耐熱性があり、かつ、反射特性、特に拡散反射率に優れ
た反射鏡の製造方法を提供することを第2の課題とす
る。
るため、この発明の反射鏡の製造方法は、基体の表面
に、下記のように調製されたコーティング材を用いて保
護膜を形成する。上記第2の課題を解決するため、この
発明の反射鏡の製造方法(以下、この製造方法を「多層
コーティング反射鏡の製造方法」ということがある)
は、基体の表面に下地層、この下地層の上に光輝性金属
層、この光輝性金属層の上に無機化合物保護被膜層をと
順次形成する反射鏡の製造方法において、下地層を、下
記のように調製されたコーティング材を用いて形成す
る。
材は、下記のA成分、B成分およびC成分を、A成分と
B成分の比率がA成分1〜99重量部に対してB成分9
9〜1重量部(A成分とB成分の合計100重量部)と
なるように混合して調製されたものである。 (A)一般式 R1 n SiX4-n …(I) 〔式中、R1 は同一または異種の置換もしくは非置換の
炭素数1〜8の1価炭化水素基を示し、nは0〜3の整
数、Xは加水分解性基を示す。〕で表され、少なくとも
50モル%がn=1のオルガノシランである加水分解性
オルガノシランを有機溶媒または水に分散されたコロイ
ダルシリカ中で上記加水分解性基(X)1モルに対し水
0.001〜0.5モルを使用する条件下で部分加水分
解してなり、シリカを固形分として5〜95重量%含有
するオルガノシランのシリカ分散オリゴマー溶液。 (B)平均組成式 R2 a Si(OH)b O(4-a-b)/2 …(II) 〔式中、R2 は同一または異種の置換もしくは非置換の
炭素数1〜8の1価炭化水素基を示し、aおよびbはそ
れぞれ0.2≦a≦2、0.0001≦b≦3、a+b
<4の関係を満たす数である。〕で表される、分子中に
シラノール基を含有するポリオルガノシロキサン。 (C)触媒。
オリゴマーは被膜形成に際して、硬化反応に預かる官能
性基としての加水分解性基(X)を有するベースポリマ
ーの主成分である。これは有機溶媒または水に分散され
たコロイダルシリカに、一般式(I)で表される加水分
解性基含有オルガノシランの1種または2種以上を加
え、コロイダルシリカ中の水あるいは別途添加された水
で、該加水分解性オルガノシランを部分加水分解するこ
とで得られる。
オルガノシラン中のR1 は炭素数1〜8の置換または非
置換の1価の炭化水素基を示し、たとえば、メチル基、
エチル、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル
基、ヘプチル基、オクチル基などのアルキル基;シクロ
ペンチル基、シクロヘキシル基などのシクロアルキル
基;2−フェニルエチル基、3−フェニルプロピル基な
どのアラルキル基;フェニル基、トリル基などのような
アリール基;ビニル基、アリル基などのようなアルケニ
ル基;クロロメチル基、γ−クロロプロピル基、3,
3,3−トリフルオロプロピル基などのようなハロゲン
置換炭化水素基;および、γ−メタクリロキシプロピル
基、γ−グリシドキシプロピル基、3,4−エポキシシ
クロヘキシルエチル基、γ−メルカプトプロピル基など
の置換炭化水素を例示することができる。これらの中で
も合成の容易さ、あるいは入手の容易さから炭素数1〜
4のアルキル基およびフェニル基が好ましい。加水分解
性基Xとしては、アルコキシ基、アセトキシ基、オキシ
ム基、エノキシ基、アミノ基、アミノキシ基、アミド基
などが挙げられる。入手の容易さおよびシリカ分散オリ
ゴマー溶液を調製しやすいことからアルコキシ基が好ま
しい。
ンとしては、一般式(I)中のnが0〜3の整数である
モノ−、ジ−、トリ−、テトラ−の各官能性のアルコキ
シシラン類、アセトキシシラン類、オキシムシラン類、
エノキシシラン類、アミノシラン類、アミノキシシラン
類、アミドシラン類などが挙げられる。入手の容易さお
よびシリカ分散オルガノシランオリゴマー溶液を調製し
やすいことからアルコキシシラン類が好ましい。
してはテトラメトキシシラン、テトラエトキシシランな
どが例示でき、n=1のオルガノトリアルコキシシラン
としては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエト
キシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、フェニ
ルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、
3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン
などが例示できる。また、n=2のジオルガノジアルコ
キシシランとしては、ジメチルジメトキシシラン、ジメ
チルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、
ジフェニルジエトキシシラン、メチルフェニルジメトキ
シシランなどが例示でき、n=3のトリオルガノアルコ
キシシランとしてはトリメチルメトキシシラン、トリメ
チルエトキシシラン、トリメチルイソプロポキシシラ
ン、ジメチルイソブチルメトキシシランなどが例示でき
る。さらに、一般にシランカップリング剤とよばれるオ
ルガノシラン化合物もアルコキシシラン類に含まれる。
性基含有オルガノシランのうち50モル%以上がn=1
で表される三官能性のものであることが必要である。そ
れらは、より好ましくは60モル%以上であり、最も好
ましくは70モル%以上である。これが50モル%未満
では十分な塗膜硬度が得られないと共に、乾燥硬化性が
劣り易い。
グ材の硬化被膜の硬度を高くするために必須のものであ
る。このようなコロイダルシリカとしては、水分散性あ
るいはアルコールなどの非水系の有機溶媒分散性コロイ
ダルシリカが使用できる。一般にこのようなコロイダル
シリカは固形分としてのシリカを20〜50重量%含有
している。また、水分散性コロイダルシリカを使用する
場合、固形分以外の成分として存在する水は後に示すよ
うに、硬化剤として用いることができる。これらは通常
水ガラスから作られるが、このようなコロイダルシリカ
は市販品を容易に入手することができる。また、有機溶
媒分散コロイダルシリカは前記水分散性コロイダルシリ
カの水を有機溶媒と置換することで容易に調製すること
ができる。このような有機溶剤分散コロイダルシリカも
水分散コロイダルシリカ同様に市販品として容易に入手
することができる。コロイダルシリカが分散している有
機溶媒の種類は、たとえば、メタノール、エタノール、
イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール等
の低級脂肪族アルコール類;エチレングリコール、エチ
レングリコールモノブチルエーテル、酢酸エチレングリ
コールモノエチルエーテル等のエチレングリコール誘導
体;ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノ
ブチルエーテル等のジエチレングリコールの誘導体およ
びジアセトンアルコール等を挙げることができ、これら
からなる群より選ばれる1種もしくは2種以上のものを
使用することができる。これらの親水性有機溶剤として
併用してトルエン、キシレン、酢酸エチル、酢酸ブチ
ル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メ
チルエチルケトオキシムなども用いることができる。
リカを用いる場合、上記配合割合は、分散媒も含む重量
部である。A成分中においてコロイダルシリカはシリカ
分として5〜95重量%の範囲で含有され、より好まし
くは10〜90重量%、最も好ましくは20〜85重量
%の範囲である。含有量が5重量%未満であると所望の
被膜硬度が得られず、また、95重量%を超えるとシリ
カの均一分散が困難となりA成分がゲル化などの不都合
を招来することがある。
水分解性基含有オルガノシランを水分散コロイダルシリ
カまたは有機溶媒分散コロイダルシリカ中で部分加水分
解して得ることができる。加水分解性オルガノシランに
対する水の使用量は、加水分解性基(X)1モルに対し
て水0.001〜0.5モルがよい。0.001モル未
満だと十分な部分加水分解物が得られず、0.5モルを
越えると部分加水分解物の安定性が悪くなる。部分加水
分解する方法は特に限定されず、加水分解性オルガノア
ルコキシシランとコロイダルシリカとを混合して、必要
量の水を添加配合すればよく、このとき部分加水分解反
応は常温で進行する。部分加水分解反応を促進させるた
め60〜100℃に加温してもよい。さらに部分加水分
解反応を促進させる目的で、塩酸、酢酸、ハロゲン化シ
ラン、クロロ酢酸、クエン酸、安息香酸、ジメチルマロ
ン酸、蟻酸、プロピオン酸、グルタル酸、グリコール
酸、マレイン酸、マロン酸、トルエンスルホン酸、シュ
ウ酸などの有機酸および無機酸を触媒に用いてもよい。
には、液のpHを2.0〜7.0、好ましくは2.5〜
6.5、より好ましくは3.0〜6.0にするとよい。
pHがこの範囲外であると、特に水の使用量がX1モル
に対し0.3モル以上でA成分の長期的な性能低下が著
しい。A成分のpHがこの範囲外にあるときは、この範
囲より酸性側であれば、アンモニア、エチレンジアミン
等の塩基性試薬を添加して調整すれば良く、塩基性側の
ときも塩酸、硝酸、酢酸等の酸性試薬を用いて調整すれ
ば良い。しかし、その調整方法は特に限定されるもので
はない。
ロキサンは、この発明の特徴をなす重要な成分である。
このようなB成分は上記平均組成式(II)で表すことが
できる。(II)式中、R2 としては上記(I)式中のR
1 と同じものが例示されるが、好ましくは、炭素数1〜
4のアルキル基、フェニル基、ビニル基、γ−グリシド
キシプロピル基、γ−メタクリロキシプロピル基、γ−
アミノプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル
基などの置換炭化水素基、より好ましくはメチル基およ
びフェニル基である。また、式中、aおよびbはそれぞ
れ上記の関係を満たす数であり、aが0.2未満または
bが3を超えると硬化被膜にクラックを生じるなどの不
都合があり、また、aが2を超え4以下の場合またはb
が0.0001未満では硬化がうまく進行しない。
シロキサンはメチルトリクロロシラン、ジメチルジクロ
ロシラン、フェニルトリクロロシラン、ジフェニルジク
ロロシラン、もしくは、これらに対応するアルコキシシ
ランの1種もしくは2種以上の混合物を公知の方法によ
り大量の水で加水分解することで得ることができる。シ
ラノール基含有ポリオルガノシロキサンを得るのに、ア
ルコキシシランを用いて公知の方法で加水分解した場
合、加水分解されないアルコキシ基が微量に残る場合が
ある。つまりシラノール基と極微量のアルコキシ基が共
存するようなポリオルガノシロキサンが得られることも
あるが、このようなポリオルガノシロキサンを用いても
差し支えない。
のようにA成分とB成分との縮合反応を促進し、被膜を
硬化させるものである。このような触媒としては、たと
えば、アルキルチタン酸塩、オクチル酸錫およびジブチ
ル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジマレート等のカルボ
ン酸の金属塩;ジブチルアミン−2−ヘキソエート、ジ
メチルアミンアセテート、エタノールアミンアセテート
等のアミン塩;酢酸テトラメチルアンモニウム等のカル
ボン酸第4級アンモニウム塩;テトラエチルペンタミン
のようなアミン類;N−β−アミノエチル−γ−アミノ
プロピルトリメトキシシラン、N−β−アミノエチル−
γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン等のアミン
系シランカップリング剤;p−トルエンスルホン酸、フ
タル酸、塩酸等の酸類;アルミニウムアルコキシド、ア
ルミニウムキレート等のアルミニウム化合物、水酸化カ
リウムなどのアルカリ触媒;テトライソプロピルチタネ
ート、テトラブチルチタネート、チタニウムテトラアセ
チルアセトネート等のチタニウム化合物、メチルトリク
ロロシン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルモノク
ロロシラン等のハロゲン化シラン等があるが、前記触媒
の他にA成分およびB成分との縮合反応に有効なもので
あれば特に制限はない。
1〜99重量部に対してB成分99〜1重量部であり、
より好ましくはA成分5〜95重量部に対してB成分9
5〜5重量部、最も好ましくはA成分10〜90重量部
に対してB成分90〜10重量部である。A成分が1重
量部未満であると常温硬化性に劣り、また十分な被膜硬
度が得られない。一方、A成分が99重量部を超えると
硬化性が不安定でかつ良好な塗膜が得られないことがあ
る。
との合計100重量部に対して0.0001〜10重量
部であることが好ましく、より好ましくは0.0005
〜8重量部であり、最も好ましくは0.0007〜5重
量部である。C成分の添加量が0.0001重量部未満
だと常温で硬化しないし、また、10重量部を超えると
耐熱性、耐候性が悪くなる。
る加水分解性基とB成分のシラノール基とは、C成分の
硬化触媒存在下で、常温もしくは低温加熱することによ
り縮合反応して硬化被膜を形成する。従って、湿気硬化
タイプのコーティング用組成物のように、この発明で用
いるコーティング材(コーティング用組成物)は常温で
硬化するときにも湿度の影響をほとんど受けない。ま
た、加熱処理により縮合反応を促進して硬化被膜を形成
することができる。反射板製造の際は、生産性を考え、
60℃以上で10分以上焼き付けることが好ましい。
ら各種有機溶媒で希釈して使用できる。有機溶媒の種類
は、A成分あるいはB成分の1価炭化水素基の種類もし
くは分子量の大きさによって選定することができる。こ
のような有機溶媒としては、コロイダルシリカの分散溶
媒として示した、メタノール、エタノール、イソプロパ
ノール、n−ブタノール、イソブタノール等の低級脂肪
族アルコール類;エチレングリコール、エチレングリコ
ールモノブチルエーテル、酢酸エチレングリコールモノ
エチルエーテル等のエチレングリコール誘導体;ジエチ
レングリコール、ジエチレングリコールモノブチルエー
テル等のジエチレングリコールの誘導体およびジアセト
ンアルコール等を挙げることができ、これらからなる群
より選ばれた1種もしくは2種以上のものを使用するこ
とができる。これらの親水性有機溶剤と併用してトルエ
ン、キシレン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルエチル
ケトン、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトオ
キシムなども例示することができる。
ことができる。添加する顔料種は、カーボンブラック、
キナクリドン、ナフトールレッド、シアニンブルー、シ
アニングリーン、ハンザエロー等の有機顔料;酸化チタ
ン、硫酸バリウム、弁柄、複合金属酸化物等の無機顔料
が良く、これらの群から選ばれる1種もしくは2種以上
を組み合わせて使用しても差し支えない。
また、その際、分散剤、分散助剤、増粘剤、カップリン
グ剤等の使用が可能である。さらには、レベリング剤、
染料、金属粉、ガラス粉、抗酸化剤、紫外線吸収剤等を
添加することができる。多層コーティング反射鏡の製造
方法は、基板上に下地層が密着形成され、この下地層の
上に光輝性金属膜を密着形成し、さらにこの光輝性金属
膜の上に無機化合物保護被膜が密着形成されている反射
鏡において、下地層として、上述のこの発明で用いるコ
ーティング材を用いることにより、反射特性に優れた反
射鏡を製造することができる。
としては、Al、Ag、Cr、Ni等が挙げられる。し
かし、反射率、コスト、蒸着の容易さ等の点から、Al
を用いることが最も実用的である。無機化合物保護被膜
に用いる無機化合物としては、たとえば、SiO、Si
O 2 、TiO2 、Al2 O3 、MgF2 等が挙げられ
る。しかしながら、透明性、安定性、経済性の点からS
iO2 を用いることが最も実用的である。また、保護被
膜として、上述のこの発明で用いるコーティング材を塗
装して低温で焼き付けてもよい。
方法は、上記のような原材料を用い、たとえば、次のよ
うにして行われる。すなわち、金属基材などの基体(反
射面となる面は平面でも曲面であってもよい)を予め脱
脂乾燥し、これに上記この発明で用いるコーティング材
をスプレー法、静電塗装法、浸漬法等の方法によって塗
布する。この場合、塗膜厚は、基材の凹凸の影響をなく
するため、5μm以上が好ましい。次に、この塗膜の乾
燥、焼き付けを行い、下地層を形成する。焼き付け温度
は、このコーティング材の場合、80℃程度の低温でも
十分に硬化するが、塗膜中の残存溶剤等による光輝性金
属膜のくもりを避けるため、150℃以上の温度で焼き
付けることが好ましい。そして、この下地層の上に光輝
性金属を蒸着する。蒸着は通常の方法で行えばよい。す
なわち、10-4〜10-5Torrの真空下で光輝性金属を抵
抗加熱または電子線加熱により蒸発させて下地層の上に
金属膜を形成する。この膜厚は300〜1000Åの範
囲に設定することが好ましい。膜厚が300Å未満にな
ると、下地層が透けて見えるようになり反射率が悪くな
る。逆に1000Åを越えても、効果の増大がそれ以上
望めずコストの点で不経済になる。なお、必要な場合に
は、下地層と金属膜との密着性を向上させるために、蒸
着の直前にボンバード処理を行うようにしてもよい。次
に、上記金属膜の上に無機化合物を蒸着する。すなわ
ち、10-4〜10-5Torrの真空下で電子線加熱により無
機化合物を蒸発させて所定の膜を形成する。この膜厚は
0.3〜2μmの範囲に設定することが好ましい。膜厚
が0.3μm未満になると無機化合物保護被膜にピンホ
ールが多くなり、耐食性が悪くなる。逆に2μmを超え
ても効果の増大がこれ以上望めず蒸着に時間がかかり不
経済になる。なお、この無機化合物保護被膜の形成の際
にも、必要に応じて無機化合物蒸着直前にボンバード処
理を行って、無機化合物保護被膜と金属膜との間の密着
性を向上させてもよい。更に、無機化合物保護被膜の形
成方法として、イオンプレーティング法を用いて、無機
化合物保護被膜と金属膜間の密着性をより向上させ、ラ
ンプ点灯時の輻射熱による無機化合物保護被膜へのクラ
ックの発生温度を向上させてもよい。また、保護被膜形
成後、反射鏡を150℃〜300℃中で1〜12時間エ
ージング処理を行ってもよい。
限定されない。
ことで、120℃以下の低温で焼き付けても、耐熱性、
耐候性等に優れた塗膜性能を有する反射鏡を得ることが
できる。このような優れたコーティング材を用いて下地
層を形成すると、耐熱性、耐湿性、耐食性等は従来の無
機系コーティング材と同等の性能を確保でき、分光反射
率特性に優れた多層コーティング反射鏡を製造すること
ができる。
較例を示すが、この発明は下記実施例に限定されない。
以下では、「部」は「重量部」のことである。まず、A
成分の調製例を示す。 −A成分の調製例1− 攪拌機、加温ジャケット、コンデンサーおよび温度計を
取り付けたフラスコ中にメタノール分散コロイダルシリ
カゾルMA−ST(粒子径10〜20mμ、固形分30
%、H2 O0.5%、日産化学工業社製)100部、メ
チルトリメトキシシラン68部、水10.8部を投入し
て攪拌しながら65℃の温度で約5時間かけて部分加水
分解反応を行い冷却してA成分を得た。このものは、室
温で48時間放置したときの固形分が36%であった。
ここで得たA成分をA−1と称する。A−1の調製条件 ・加水分解性基1モルに対する水のモル数 …0.4 ・A成分のシリカ分含有量 …47.3% ・n=1の加水分解性基含有オルガノシランのモル% …100モル% −A成分の調製例2− 攪拌機、加温ジャケット、コンデンサーおよび温度計を
取り付けたフラスコ中にイソプロピルアルコール分散コ
ロイダルシリカゾルIPA−ST(粒子径10〜20m
μ、固形分30%、H2 O0.5%、日産化学工業社
製)100部、メチルトリメトキシシラン68部、ジメ
チルジメトキシシラン18部、水2.7部、無水酢酸
0.1部を投入して攪拌しながら80℃の温度で約3時
間かけて部分加水分解反応を行い冷却してA成分を得
た。このものは、室温で48時間放置したときの固形分
が36%であった。ここで得たA成分をA−2と称す
る。A−2の調製条件 ・加水分解性基1モルに対する水のモル数 …0.1 ・A成分のシリカ分含有量 …40.2% ・n=1の加水分解性基含有オルガノシランのモル% …77モル% 次に、B成分の調製例を示す。
よび温度計を取り付けたフラスコにメチルトリイソプロ
ポキシシラン220部(1モル)とトルエン150部と
の混合液を計り取り、1%塩酸水溶液108部を上記混
合液に20分で滴下してメチルトリイソプロポキシシラ
ンを加水分解した。滴下40分後に攪拌を止め、二層に
分離した少量の塩酸を含んだ下層の水とイソプロピルア
ルコールの混合液を分液し、次に残ったトルエンの樹脂
溶液の塩酸を水洗で除去し、さらにトルエンを減圧除去
した後、イソプロピルアルコールで希釈し平均分子量約
2000のシラノール基含有オルガノポリシロキサンの
イソプロピルアルコール40%溶液を得た。これをB−
1と称する。
よび温度計を取り付けたフラスコに水1000部、アセ
トン50部を計り取り、その混合溶液中に、メチルトリ
クロロシラン44.8部(0.3モル)、ジメチルジク
ロロシラン38.7部(0.3モル)、フェニルトリク
ロロシラン84.6部(0.4モル)をトルエン200
部に溶解したものを攪拌下に滴下しながら加水分解し
た。滴下40分後に攪拌を止め、反応液を分液ロートに
移し入れて静置した後、二層に分離した下層の塩酸水を
分液除去し、次に上層のオルガノポリシロキサンのトル
エン溶液を減圧ストリッピングにより残存している水お
よび塩酸を過剰のトルエンと共に留去して除去し、平均
分子量約3000のシラノール基含有オルガノポリシロ
キサンのトルエン60%溶液を得た。これをB−2と称
する。
ぞれ所定量混合攪拌し、コーティング材を得た。C成分
としては、N−β−アミノエチル−γ−アミノプロピル
メチルジメトキシシランを用いた。
グ材をトップコート(低温硬化保護被膜)に用いた場合
の実施例を示す。 −実施例1〜5− 反射板の基体として、1mm厚のアルミニウム板を5cm×
8cmの大きさに切断したものを用いた。コーティング層
の形成には、前記アルミ板を脱脂乾燥した後、混合例1
〜5のコーティング材をスプレーで塗布した。塗布量
は、硬化後に3μm厚になるように設定した。塗布後の
セッティングを10分間とった後、100℃で20分間
焼き付けを行った。
のように行った。結果を表2に示した。耐 熱 性 160℃の恒温槽中で10日間加熱を実施し、クラッ
ク、白華の発生状況を評価した。○は、クラックおよび
白華のいずれも発生しなかったことを、×は、クラック
または白華のいずれか一方または両方が発生したことを
それぞれ示す。耐 候 性 120℃の恒温槽中で水銀灯照射を10日間実施し、ク
ラック、白華の発生状況を評価した。○は、クラックお
よび白華のいずれも発生しなかったことを、×は、クラ
ックまたは白華のいずれか一方または両方が発生したこ
とをそれぞれ示す。
市販のアルカリ珪酸塩無機塗料をスプレーで塗布した。
塗布量は、硬化後に3μm厚になるように設定した。塗
布後のセッティングを10分間とった後、200℃で2
0分間焼き付けを行った。評価は、実施例と同様に行っ
た。結果を表2に示した。
た反射鏡は耐熱性、耐候性の両方に優れていたが、比較
例1のものは焼き付け温度が高かったにも関わらずそれ
の性能がいずれも劣っていた。次に、混合例1〜5で得
られたコーティング材を下地層に用い、多層コーティン
グ反射鏡を得た場合の実施例を示す。
外は、実施例1〜5と同様にしてコーティング材を塗布
した。焼き付け条件は、塗膜中の溶剤を完全に除去する
ために200℃×40分行い、下地層を形成した。次
に、下地層を形成した基体を蒸着装置に装着し、5×1
0-5Torrの真空中で抵抗加熱により高純度アルミニウム
(99.99%)を蒸着して、1000Åのアルミニウ
ム膜からなる光輝性金属層を下地層の上に形成した。次
に、真空度を5×10-5Torrに保ったまま、電子線加熱
によりSiO2 を蒸着して5000ÅのSiO2 膜から
なる保護皮膜層を形成した。このようにして得られた多
層コーティング反射板の分光反射率特性を、分光光度計
(UV−350:島津製作所製)により測定波長域38
0〜780nmで測定した。各サンプルの全反射率および
拡散反射率の平均値を表3に示した。
シラン15部、IPAオルガノシリカゾル(商品名「O
SCAL1432」触媒化成工業社製)70部、ジメチ
ルジメトキシシラン35部、イソプロピルアルコール
(IPA)100部を混合し、更に、H2 O95部を添
加し、攪拌した。これを60℃の恒温槽中で分子量をM
w=1000(Mw/Mn=1.49)に調整した。こ
のコーティング材を下地層形成に用いて、実施例6〜1
0と同様にして多層コーティング反射板を得た。この分
光測定結果を表3に示した。
れた反射鏡は、拡散反射率が低いのに対し、比較例2で
得られた反射鏡は拡散反射率が大きい。実施例6〜10
および比較例2についても耐熱性を次のようにして調べ
たが、すべてについて100/100でOKであった。耐 熱 性 200℃の恒温槽中で10日間加熱を実施した後、碁盤
目密着試験(100個のます目)で評価した。100個
のます目のうちどれだけが剥離せずに密着しているかを
調べた。
保護膜形成に上記特定のA、BおよびC成分を含むコー
ティング材を用いるので、120℃以下の低温で焼き付
けても耐熱性、耐候性等に優れた塗膜性能を有する反射
鏡を得ることができる。この発明の多層コーティング反
射鏡の製造方法によれば、下地層形成に上記特定のA、
BおよびC成分を含むコーティング材を用いるので、分
光反射率特性に優れた多層コーティング反射鏡を得るこ
とができ、しかも、耐熱性、耐湿性、耐食性等は従来の
無機系コーティング材と同等の性能を確保できる。
Claims (2)
- 【請求項1】 基体の表面に保護膜を形成する反射板の
製造方法において、前記保護膜を、下記のA成分、B成
分およびC成分を、A成分とB成分の比率がA成分1〜
99重量部に対してB成分99〜1重量部(A成分とB
成分の合計100重量部)となるように混合して調製さ
れたコーティング材を用いて形成することを特徴とする
反射鏡の製造方法。 (A)一般式 R1 n SiX4-n …(I) 〔式中、R1 は同一または異種の置換もしくは非置換の
炭素数1〜8の1価炭化水素基を示し、nは0〜3の整
数、Xは加水分解性基を示す。〕で表され、少なくとも
50モル%がn=1のオルガノシランである加水分解性
オルガノシランを有機溶媒または水に分散されたコロイ
ダルシリカ中で上記加水分解性基(X)1モルに対し水
0.001〜0.5モルを使用する条件下で部分加水分
解してなり、シリカを固形分として5〜95重量%含有
するオルガノシランのシリカ分散オリゴマー溶液。 (B)平均組成式 R2 a Si(OH)b O(4-a-b)/2 …(II) 〔式中、R2 は同一または異種の置換もしくは非置換の
炭素数1〜8の1価炭化水素基を示し、aおよびbはそ
れぞれ0.2≦a≦2、0.0001≦b≦3、a+b
<4の関係を満たす数である。〕で表される、分子中に
シラノール基を含有するポリオルガノシロキサン。 (C)触媒。 - 【請求項2】 基体の表面に下地層、この下地層の上に
光輝性金属層、この光輝性金属層の上に無機化合物保護
被膜層をと順次形成する反射鏡の製造方法において、前
記下地層を、下記のA成分、B成分およびC成分を、A
成分とB成分の比率がA成分1〜99重量部に対してB
成分99〜1重量部(A成分とB成分の合計100重量
部)となるように混合して調製されたコーティング材を
用いて形成することを特徴とする反射鏡の製造方法。 (A)一般式 R1 n SiX4-n …(I) 〔式中、R1 は同一または異種の置換もしくは非置換の
炭素数1〜8の1価炭化水素基を示し、nは0〜3の整
数、Xは加水分解性基を示す。〕で表され、少なくとも
50モル%がn=1のオルガノシランである加水分解性
オルガノシランを有機溶媒または水に分散されたコロイ
ダルシリカ中で上記加水分解性基(X)1モルに対し水
0.001〜0.5モルを使用する条件下で部分加水分
解してなり、シリカを固形分として5〜95重量%含有
するオルガノシランのシリカ分散オリゴマー溶液。 (B)平均組成式 R2 a Si(OH)b O(4-a-b)/2 …(II) 〔式中、R2 は同一または異種の置換もしくは非置換の
炭素数1〜8の1価炭化水素基を示し、aおよびbはそ
れぞれ0.2≦a≦2、0.0001≦b≦3、a+b
<4の関係を満たす数である。〕で表される、分子中に
シラノール基を含有するポリオルガノシロキサン。 (C)触媒。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3234347A JP2520994B2 (ja) | 1991-09-13 | 1991-09-13 | 反射鏡の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3234347A JP2520994B2 (ja) | 1991-09-13 | 1991-09-13 | 反射鏡の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0568942A true JPH0568942A (ja) | 1993-03-23 |
JP2520994B2 JP2520994B2 (ja) | 1996-07-31 |
Family
ID=16969577
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3234347A Expired - Lifetime JP2520994B2 (ja) | 1991-09-13 | 1991-09-13 | 反射鏡の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2520994B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002511509A (ja) * | 1998-04-09 | 2002-04-16 | インスティトゥート フィア ノイエ マテリアーリエン ゲマインニュッツィゲ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクタ ハフトゥンク | ナノ構造の成形体及び層並びに安定な水溶性前駆物質を用いたその製造方法 |
JP2008007557A (ja) * | 2006-06-27 | 2008-01-17 | Matsushita Electric Works Ltd | 銀被膜塗料組成物と、それを有する光反射体および照明器具 |
JP2009242505A (ja) * | 2008-03-31 | 2009-10-22 | Yamaken Inc | コーティング材 |
-
1991
- 1991-09-13 JP JP3234347A patent/JP2520994B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002511509A (ja) * | 1998-04-09 | 2002-04-16 | インスティトゥート フィア ノイエ マテリアーリエン ゲマインニュッツィゲ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクタ ハフトゥンク | ナノ構造の成形体及び層並びに安定な水溶性前駆物質を用いたその製造方法 |
JP2008007557A (ja) * | 2006-06-27 | 2008-01-17 | Matsushita Electric Works Ltd | 銀被膜塗料組成物と、それを有する光反射体および照明器具 |
JP2009242505A (ja) * | 2008-03-31 | 2009-10-22 | Yamaken Inc | コーティング材 |
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Publication number | Publication date |
---|---|
JP2520994B2 (ja) | 1996-07-31 |
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