JPH0568935U - 搬送装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 塗装乾燥用の炉などにおいて、上下方向と横
方向の搬送を連続して行なう事を目的とする。 【構成】 上下方向に配設された環状チェーン５の外側
に所定間隔でアーム６をチェーン５と直角に突設し、ア
ーム６の先端部に荷台８を吊り下げて搬送装置を構成し
てある。上下方向の移動から横方向の移動への移行部分
において、アーム６がスプロケット４の軸を中心として
回動するので荷台８の上下方向の移動量が大きくなり、
隣接する荷台上のワークＡが衝突するおそれがなく、荷
台８の取付け間隔を可及的に狭める事ができる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案はワークの上下方向の搬送と横方向の搬送とを連続して行なう際に利 用される搬送装置に関するものであり、塗装乾燥用の炉などにおけるワークの搬 送に適したものである。

【０００２】

【従来の技術】

塗装乾燥用の炉においては、熱の逃げを防止するため、及び省スペース化の要 請から、図１のように搬入口及び搬出口が下向きに開口したものが普及している 。このような型の炉においては、搬入排出の際にワークを垂直に移送する必要が ある。そしてまた、炉内ではワーク間の距離を可及的に縮めて遅い速度で搬送す ることが、短い炉で効率よく処理するために要請されている。 ところで、従来これらの要請を満足させるコンベア型の搬送装置が知られてい なかったので、垂直移送部はリフトを使用し、水平移送部ではコンベアを使用す るということが行なわれている。このような装置においては、リフトとコンベア との間でワークを受渡ししなければならず、そのために高温部にタイミング用リ ミットスイッチや駆動装置を配置することが避けられない。

【０００３】

【考案により解決しようとする課題】

従来１台のコンベアで垂直搬送と水平搬送とを行なうことができないとされて きた理由は、水平搬送で要求される程度までに間隔を狭めて垂直搬送を行なうよ うにすると、垂直搬送から水平搬送に移行する部分で上下方向の移動速度が低下 するので隣接ワークＡ同士が衝突するからである（図４参照）。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

この考案は、上下方向に配設された環状チェーンの外側に所定間隔でアームを 前記チェーンと直角に突設し、該アームの先端部に荷台を吊り下げて搬送装置を 構成することにより、垂直搬送から水平搬送への移行部におけるワークの衝突を 回避し、上記従来の問題点を解決したものである。 請求項２の考案は、前記荷台を、チェーンと直角方向の中央部材の前後に杆体 を突設すると共に、前後の杆体を千鳥配置としたものである。

【０００５】

【作用】

この考案において、荷台はチェーンの外側に突設されたアームに吊り下げられ ている。そして、垂直搬送から水平搬送に移行する部分において、前記アームの 先端は該部に装着されたチェーン案内用スプロケットの回転軸を中心として円弧 を描いて移動する。したがって、移行部においてもアーム先端の上下方向の移動 速度が低下することはない。そして、アーム先端部に吊り下げられた荷台もまた アームと同じ上下方向の移動速度を得る。したがって、移行部において隣接する 荷台のワーク同士が衝突することはない。

【０００６】

【実施例】

図１において、符号１は炉であって、水平方向に配置された炉１の一側下部に 搬入口２が開口し、他側下部に排出口３が開口している。そして、前記炉１の内 外にわたり、軸を水平にして取付けられたスプロケット４、４ａ、４ｂ、４ｃを 介して２本の環状チェーン５が平行に配設してある。これらチェーン５は搬入口 ２の前方及び排出口３の後方において垂直に、そして炉内では水平となっている る。

【０００７】 前記チェーン５の外側にはアーム６が所定間隔で取付けてある。該アーム６の 基部はチェーン５に固着され、アーム６はチェーン５に対して常時直角を保持す るようにしてある。尚、アーム６の長さ及び取付け間隔は、荷台８及びワークＡ の大きさを勘案し、炉１内ではワークＡ同士の間隔が可及的に小さく、かつ垂直 搬送と水平搬送の移行部におけるワークＡ同士の衝突が回避できるように定める 。

【０００８】 前記アーム６の先端部には吊り下げ杆７の基部が回動自在に取付けてあり、該 吊り下げ杆７の端部に荷台８が回動自在に取付けてある。 前記荷台８は２本のチェーン５に取付けられた１対の吊り下げ杆７、７間にチ ェーン５と直角方向に取付けられた杆状の中央部材８ａと、該中央部材８ａの前 後に各１本突設された杆体８ｂ、８ｃとで構成してあり、両杆体８ｂ、８ｃは千 鳥配置としてある。

【０００９】 このように構成された搬送装置において、コンベア５を移動させると垂直搬送 から水平搬送への移行部であるスプロケット４部分、そして水平搬送から垂直搬 送への移行部であるスプロケット４ａ部分において、アーム６は各スプロケット の回転軸を中心とした円弧を描いて移動する。すなわち、アーム６の先端部はそ の基部におけるチェーン５と比較して極めて早い上下方向の速度を得ることにな る。そして、アーム６の先端部に吊り下げられた荷台８もまた前記アーム６の先 端部と同じ上下方向の速度で移動する。したがって、垂直搬送と水平搬送の移行 部において隣接する荷台上のワークＡが衝突することはなく、スムーズに搬送す ることができる。

【００１０】 また、図１の装置においては、チェーン５の戻り側で内巻き部９を有している 。この内巻き部９においては前記垂直と水平の移行部とは逆に、アーム６の先端 の上下方向の速度が低下し、荷台８同士が交錯する。しかし、この実施例におい ては、荷台８における中央部材８ａの前後に突設した杆体８ｂ、８ｃを千鳥配置 としてあるので、隣接する荷台の杆体同士は互に間隙に入り込んで干渉しないの で、該部においても荷台８はスムーズに進行する。 尤も、このような内巻き配設を避ければ、荷台８の構造は自由に決定すること ができる。

【００１１】 以上、この考案につき下向きに搬入口及び排出口を有する塗装乾燥用の炉に使 用した例に基づいて説明したが、炉の前後部分を傾斜させたいわゆる山型炉に適 用しても有効である。また、各種の炉におけるワーク搬送に限定されるものでは なく、上下方向の搬送と横方向の搬送とを連続的に行なう必要のある場合には、 この考案の搬送装置を使用すると有効である。

【００１２】

【考案の効果】

この考案によれば、上下方向に配設された環状チェーンの外側に所定間隔でア ームを前記チェーンと直角に突設し、該アームの先端部に荷台を吊り下げて搬送 装を構成したので、上下方向の移動と横方向の移動との移行部における荷台の上 下方向の移動速度を高めることができる。したがって、荷台同士の間隔を可及的 に小さくしつつ、前記移行部における荷台の上下方向の移動速度低下に起因する ワーク同士の衝突を未然に回避することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 この考案実施例の一部を省略した炉を断面し
た正面図である。

【図２】 同じく平面図である。

【図３】 同じく側面図である。

【図４】 従来のコンベアの問題点を示す正面図であ
る。

【符号の説明】

１ 炉 ２ 搬入口 ３ 排出口 ４ スプロケット ４ａ スプロケット ４ｂ スプロケット ４ｃ スプロケット ５ チェーン ６ アーム ７ 吊り下げ杆 ８ 荷台

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 上下方向に配設された環状チェーンの外
   側に所定間隔でアームを前記チェーンと直角に突設し、
   該アームの先端部に荷台を吊り下げてなる搬送装置
2. 【請求項２】 荷台は、チェーンと直角方向の中央部材
   の前後に杆体を突設してなり、前後の杆体は千鳥配置と
   した、請求項１記載の搬送装置