JPH0568879A - 耐熱難燃性吸着材 - Google Patents

耐熱難燃性吸着材

Info

Publication number
JPH0568879A
JPH0568879A JP3262960A JP26296091A JPH0568879A JP H0568879 A JPH0568879 A JP H0568879A JP 3262960 A JP3262960 A JP 3262960A JP 26296091 A JP26296091 A JP 26296091A JP H0568879 A JPH0568879 A JP H0568879A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
activated carbon
carbon fiber
heat
sheet
embossed
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP3262960A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3124327B2 (ja
Inventor
Masanobu Matsuoka
昌伸 松岡
Yasuyuki Oku
恭行 奥
Takashi Yamazaki
岳志 山崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Paper Mills Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Paper Mills Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Paper Mills Ltd filed Critical Mitsubishi Paper Mills Ltd
Priority to JP03262960A priority Critical patent/JP3124327B2/ja
Publication of JPH0568879A publication Critical patent/JPH0568879A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3124327B2 publication Critical patent/JP3124327B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Solid-Sorbent Or Filter-Aiding Compositions (AREA)
  • Treating Waste Gases (AREA)
  • Separation Of Gases By Adsorption (AREA)
  • Reinforced Plastic Materials (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 高度な難燃性を有し、吸着性能が高く、バイ
ンダー成分は活性炭素繊維の表面を覆うことがないの
で、比表面積を損なわない。また、少量の熱融着性バイ
ンダーを用いているので、シートの厚みが抑えられ、積
層体はコンパクトで、通気性が良く、効果的に臭い等を
吸着することが可能である。 【構成】 活性炭素繊維を40〜87重量%、芳香族ポ
リアミド短繊維を7〜54重量%、パルプ状芳香族ポリ
アミドを3〜50重量%、熱融着繊維が3〜20重量%
を必須成分として、湿式抄紙法により抄紙して得られた
活性炭素繊維シートをエンボス型付けしたエンボス型付
け活性炭素繊維シートのエンボス頂部と未加工部を耐熱
性接着剤を用いて積層した耐熱難燃性脱臭材。または、
該活性炭素繊維シートと該エンボス型付け活性炭素繊維
シートを交互に耐熱性接着剤を用いて積層した耐熱難燃
性脱臭材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は流体中の悪臭や有機物質
あるいは溶解物質を吸着したり、分離したりするための
耐熱難燃性吸着材に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、悪臭や有機溶剤等の有毒ガスが環
境問題で論議される場が多くなってきている。
【0003】これら有毒ガスを防ぐ手だてとして、吸着
性物質、特に従来から活性炭が利用されている。近年、
この粉体状あるいは粒子状の活性炭にかわり、繊維状の
活性炭すなわち活性炭素繊維が登場し注目されている。
活性炭素繊維はガス吸着速度が極めて速い等の理由か
ら、急速に展開が図られている。
【0004】活性炭素繊維をシート化する場合、活性炭
素繊維には自着性がないため、バインダ−が必要であ
る。活性炭素繊維のバインダ−としては種々の溶液型や
エマルジョン型の液状バインダ−および繊維状バインダ
−が一般的である。
【0005】液状バインダ−の使用は、活性炭素繊維の
細孔を塞ぎ吸着能力を低下させるため好ましくない。
【0006】一方、繊維状バインダ−としては、有機系
の樹脂を繊維状、あるいはパルプ状にしたものがある
が、全融タイプのものは、溶けた樹脂が活性炭素繊維の
表面を覆うため好ましくない。これに対し、芯成分と鞘
成分の2成分を有し、鞘成分に低融点の樹脂を用い、活
性炭素繊維とバインダー繊維の接点を効果的に接着する
ものがある。
【0007】しかしながら、これらの繊維はいずれも、
耐熱性がなく、融着温度を超える温度条件下では、再び
融解したり、あるいは崩壊したり、炎にさらされると成
分が燃焼したりする。このため、シート強度がこれらの
バインダー繊維により得られた場合は、シート形状を維
持できない。また、シート自体が可燃となり、非常に危
険である。
【0008】活性炭のガス吸着特性は低温の方が吸着さ
れやすく、高温ではむしろ離脱の方向となるので、一旦
吸着したガスを高温下で離脱させ、吸着能力の再生や吸
着物の回収が行われている。しかし、上記に示したよう
に、耐熱性に欠点があるため、従来の活性炭素繊維シー
トあるいはこれを加工した成型物は再生利用が困難で、
用途に限りが有った。
【0009】吸着を効果的に行うためには、被吸着物質
と活性炭素繊維を充分に接触させる必要がある。そのた
めには活性炭素繊維シートと垂直に流体を通過させるの
が最良であるが、圧力損失が高くなることは避けられな
い。圧力損失をできるだけ少なくし、かつ活性炭素繊維
と被吸着物質を充分に接触させる方法として特公昭59
−35341号公報、特公昭59−51432号公報に
開示されている。すなわち活性炭素繊維シートを波型に
加工し、平面状の活性炭素繊維シートと積層し、ハニカ
ムあるいは段ボール状構造物を作製し、円筒状に巻き付
ける。この成型物のシート面と平行に流体を流すことで
濾過抵抗を低下させ、かつ被吸着物との接触を保ってい
る。また、特開昭61−1211934号公報、特開昭
63−78739号公報では、難燃耐熱性合成パルプを
用いた活性炭素繊維シートを加工し、ハニカム構造体を
作製し、再生利用可能な吸着剤が例示されている。
【0010】このハニカム構造体以上に効率的に吸着を
行う目的でさらに接触時間を充分にとる方法として、活
性炭素繊維シートにエンボス加工を施し、これを積層
し、流体をシートと平行に流し、吸着を行おうとする試
みがなされている。しかし、これらの試みにおいてはエ
ンボス加工性、積層時の接着性の点から耐熱性、難燃性
を有するエンボス積層体を得ることができなかった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
問題点を解決するものであり、効果的に吸着を行うこと
ができ耐熱難燃性を有する吸着材を提供することを目的
とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記の課題
を解決するため鋭意研究を行った。その結果、活性炭素
繊維、芳香族ポリアミド短繊維、パルプ状芳香族ポリア
ミドにさらに、熱融着性繊維を特定の割合で含有させる
ことで、活性炭素繊維の吸着性を阻害することなく、難
燃性、エンボス加工性に優れた活性炭素繊維シートが得
られることを見い出した。熱融着繊維を含有しても、本
発明の範囲であれば、難燃性、活性炭素繊維の吸着性に
は殆ど影響を与えることなく、シートの強度アップのみ
ならず、厚みが薄くなるため、エンボス加工後の積層体
がよりコンパクトになり、積層体の空間が広くなり、通
気性が増すという予想外の効果も見いだされた。本発明
はこれらの知見によりなされたものである。
【0013】すなわち、本発明は活性炭素繊維を40〜
87重量%、芳香族ポリアミド短繊維を7〜54重量
%、パルプ状芳香族ポリアミドを3〜50重量%、熱融
着性繊維が3〜20重量%を必須成分として、湿式抄紙
法により抄紙して得られた活性炭素繊維シートをエンボ
ス型付けしてなるエンボス型付け活性炭素繊維シートを
少なくとも2枚以上組み合わせて、該エンボス型付け活
性炭素繊維シートのエンボス頂部と非エンボス部とを耐
熱性接着剤を用いて積層してなる耐熱難燃性吸着材、ま
たは、該活性炭素繊維シートと、これをエンボス型付け
してなるエンボス型付け活性炭素繊維シートを交互に耐
熱性接着剤を用いて積層してなる耐熱難燃性吸着材であ
る。
【0014】以下、本発明について詳細な説明を行う。
【0015】まず本発明で用いる成分の説明を行う。
【0016】本発明で用いられる活性炭素繊維は通常の
炭素繊維とは異なり、繊維表面に微細孔を有するもの
で、比表面積、吸着能等は目的に応じて選択できるが、
比表面積、500m2/g以上、ベンゼン吸着能200mg
/g以上が好ましい。また、活性炭素繊維は水に分散す
るものであればよく、分散しにくい場合は粘剤や分散剤
を適宜添加し撹拌すればよい。平均繊維長は1mm〜15
mmで、好ましくは3mm〜10mmである。1mmより短いと
シ−トが、エンボス加工時、割れが生じ、また、活性炭
素繊維の脱落が生じる。15mmより長いと水中での分散
が悪くなり、均一で地合のよいシートを得ることが困難
である。好ましい平均繊維径は5〜30μmで、さらに
好ましくは7〜25μmである。5μmより細いと、繊維
が脆くなり、エンボス加工時、活性炭素繊維が破損し、
粉が飛散し好ましくない。30μmより太いとシートの
厚みが厚くなり、積層体のかさが高くなり、また、積層
体の空間が狭くなり圧力損失が大きくなるため好ましく
ない。
【0017】本発明で用いる芳香族ポリアミド短繊維
は、主鎖に芳香族を持ち、芳香族ジカルボン酸、その酸
クロライドから選ばれた1種類以上の成分と芳香族ジア
ミンを主成分とする。芳香族ジカルボン酸及び芳香族ジ
アミンはパラ体とメタ体をとりうるが本発明において
は、特に限定されるものではない。
【0018】この繊維の使用目的はエンボス加工時に、
活性炭素繊維、パルプ状芳香族ポリアミドとの間にすべ
りを生じさせ、エンボス頂点に割れが生じるのを防ぐこ
とである。
【0019】用いる繊維の繊維長は3〜15mmで好まし
くは5〜10mmである。3mmより短いとシートにエンボ
ス加工したとき、割れが生じ、15mmより長いと水中で
の分散が悪く、均一なシートを得ることができない。好
ましい平均繊維径は5〜30μm以下である。5μm未満
の場合や30μmより大きい場合は、やはりエンボス頂
点に割れが生じるため好ましくない。
【0020】本発明で用いるパルプ状芳香族ポリアミド
とは、上記の芳香族ポリアミドポリマーからなるパルプ
状物であり、繊維フィブリル化物、フィブリッドが好ま
しい。フィブリル化物とは繊維を磨砕させたフィブリル
を言う。フィブリッドとは特公昭40−9044号公報
に開示された方法で得られ、ポリマー溶液を高速せん断
の条件下で凝固剤に滴下し、凝固析出させた繊維フィブ
リルや粒子を言う。これは、シートに強度を付与する目
的に用い、バインダーとして作用する。
【0021】シートの強度は、パルプ状芳香族ポリアミ
ドと他の繊維との絡み合いにより決まる。絡み合いは、
パルプ状芳香族ポリアミドが、いかに多く、細かいフィ
ブリルを有しているかにより左右される。そのため、カ
ナダ標準濾水度(CSF)は200ml以下が好ましい。
200mlより高いとバインダー効果が減少する。
【0022】本発明で用いる熱融着性繊維とは、熱によ
りその一部以上が溶融し、他の成分と接着力を発揮する
繊維を指す。ここで用いる熱融着繊維として好ましいも
のは、高融点の成分からなる芯部と芯より低融点の成分
からなる鞘部を有するものである。全融タイプのもの
は、溶融した成分が活性炭繊維の表面を被覆し、活性炭
素繊維の比表面積が減少するため好ましくない。
【0023】繊維の成分は高分子の樹脂からなるものが
好ましく、ポリエステル系、ポリオレフィン系、ポリア
ミド系等のホモポリマー、コポリマー単独あるいは、こ
れらポリマーをブレンドしたものを使用できる。芯と鞘
の成分に特に制限はないが、互いに接着性が必要であ
る。芯と鞘の融点は少なくとも40℃以上あることが好
ましい。特に芯部の融点は170℃以上が好ましい。
【0024】この繊維は、活性炭繊維の比表面積やエン
ボス加工性をできる限り阻害することなく、活性炭素繊
維シートの強度をアップさせつつ、厚みを薄くする目的
に用いられる。
【0025】用いる繊維の繊維長は1〜15mmで、さら
に好ましくは3〜10mmである。1mmより短いとシート
にエンボス加工したとき、割れが生じ、15mmより長い
と水中での分散が悪く、均一なシートが得ることができ
ない。平均繊維径は30μm以下である。30μmより大
きいとやはりエンボス頂点に割れが生じるため好ましく
ない。
【0026】次に本発明の活性炭素繊維シートの成分比
について説明する。
【0027】活性炭素繊維はシート重量に対し40〜8
7重量%である。40重量%より少ないと充分な吸着性
能を発揮できない。87重量%を超えるとシート強度が
弱く、後述するがエンボス加工した時、エンボス頂点に
割れが生じるため好ましくない。エンボス頂点が割れる
と接着剤の塗布が困難で好ましくない。
【0028】パルプ状芳香族ポリアミドはバインダーと
して用い、シート重量に対し3〜50重量%である。3
重量%より少ないと、シート強度が弱く好ましくない。
パルプ状芳香族ポリアミドのCSFは200ml以下と低
いので、50重量%を超えると抄造時のスラリーの水引
きが悪くなるため、生産性が悪くなるため好ましくな
く、また、活性炭素繊維の量が減少し、好ましくない。
【0029】芳香族ポリアミド短繊維はシート重量に対
し7〜54重量%である。7重量%未満であるとエンボ
ス加工時、エンボス頂点に割れが生じるため好ましくな
い。54重量%を超えるとシート強度が弱く好ましくな
い。
【0030】熱融着性繊維は、シート重量に対し、3〜
20重量%が好ましい。3重量%より少ないと、シート
強度が弱く、また、シートの厚みが薄くならないため効
果が少ない。20重量%を超えると、シートの難燃性が
低下するばかりでなく、溶けた樹脂が活性炭繊維の表面
を被う確立が大きくなり、好ましくない。
【0031】活性炭素繊維シートの坪量は30〜300
g/m2で、30g/m2より小さいときではエンボス頂点
に割れが入り、300g/m2を超えると、エンボスの型
付けが困難である。
【0032】次に活性炭素繊維シートの製造法について
述べる。上記の成分を、順次水中に添加してゆき、水性
スラリーを調整する。添加の順序に特に制限はない。ス
ラリー濃度は0.5%以下が好ましい。0.5%を超え
ると、均一な分散が困難である。このようにして調整し
たスラリーを抄造し、活性炭素繊維シートを作製する。
抄紙機は円網、長網、短網あるいは傾斜式ワイヤーを持
つ抄紙機、あるいはこれらを複数備えている抄紙機を用
いることができる。抄紙した湿紙をプレスし、乾燥し活
性炭素繊維シートを得ることができる。乾燥は熱融着性
繊維の鞘部の融点以上で行うことが必要であるのはいう
までもない。
【0033】この活性炭素繊維シートは必要であれば、
撥水剤をスプレー、塗布、含浸し、乾燥することによ
り、撥水加工してもよい。また、サイズ剤をスラリ−に
混合し、抄紙してもよい。
【0034】また本発明の活性炭素繊維シ−トは必要で
あれば、他の繊維を混合し、抄紙することも可能である
が、この場合、繊維が難燃性で有ることは不可欠であ
る。また、無機填料を混合し、抄紙することも可能であ
る。さらに、天然又は合成の消臭剤や香料を含有させる
ことも可能である。ただし、これらの物質を含有量が本
発明の活性炭素繊維シ−トの性能を阻害する範囲であっ
てはならない。
【0035】次にエンボス加工について説明する。エン
ボスはシートを上下の凹凸のエンボスロール間を通過さ
せることにより活性炭素繊維シートに型付けするもので
ある。このとき、ロールの半径は50〜5000mmが好
ましい。50mm未満ではエンボスの片付が不十分であ
る。エンボス加工のスピードは5〜50m/分で、50
m以上ではやはりエンボスの片付けが不十分である。ニ
ップ圧は線圧で20〜100kgf/cmである。20kgf/
cm未満では片付けが不十分で、100kgf/cmを超える
と活性炭素繊維シートが破損し、活性炭素繊維が飛散し
好ましくない。ロールの温度は特に制限はないが、50
〜250℃の範囲で行うのが適当である。
【0036】エンボスの間隔は1〜20mmが好ましい
(図3(a)のp)。1mm未満の場合は積層したとき、吸
着材の空げきが少なく、通気抵抗が大きくなる。20mm
を超えると、活性炭素繊維シート内のエンボスが少なく
積層した層間の接着力が弱く好ましくない。
【0037】エンボスの形状は特に制限はないが、頂点
に接着剤を塗布しやすい形状で有ればよい。一例を上げ
ると、ドーム状のものがあげられる(図1、図2)。こ
の場合、円の直径(図3(a)のφ)は3〜15mmが好ま
しい。エンボスの高さ(図3(b)のh)は直径の1/3
〜1/2が好ましい。エンボスの直径が3mm未満の時は
高さを高くすると、エンボス頂点が割れ、低くすると積
層したとき、吸着材の空げきが少なく、通気抵抗が大き
くなる。エンボスの直径が15mmを超えると、積層した
層間の接着力が弱く好ましくない。
【0038】本発明以外のパルプ状繊維のみの配合で作
成した活性炭素繊維シートは、円の直径が3〜15mmの
ようなエンボスを作製しようとしても、エンボス頂点に
割れが生じたり、活性炭素繊維シートが破損しエンボス
型付け活性炭素繊維シートを作製できなかった。また、
かりにエンボス加工可能であっても、活性炭素繊維シー
トが可燃である場合は本発明の範囲には含まれない。
【0039】本発明の方法で作製したエンボス型付け活
性炭素繊維シートのエンボス頂点(図1、図2の3)
に、耐熱性の接着剤を塗布し、エンボス部分が重ならな
いよう積層(図1)し、あるいはエンボス型付け活性炭
素繊維シートと、平面状の活性炭素繊維シートを積層
(図2)することで、本発明の耐熱難燃性吸着材が形成
される。
【0040】用いる接着剤は耐熱性のあるものを用いる
ことが必要で、ポリイミド樹脂系、フェノール樹脂系、
シリコン樹脂系、エポキシ樹脂系のものなどが使用され
る。これらの樹脂は一般に高温で加熱硬化する必要があ
り、本発明の耐熱難燃性吸着材は高温にさらされること
で、さらに、パルプ状の芳香族ポリアミドを活性炭素繊
維との結合が強固になり、また製造途中で活性炭素繊維
に吸着された不純物を離脱させることができるという、
副次的効果がある。
【0041】本発明の耐熱難燃性吸着材は、再生が可能
ということのみならず、難燃性が高く、例えば、電気、
石油、ガスなどを消費し、悪臭が発生する装置に組み込
んで使用することが特に効果的である。
【0042】
【作用】本発明の活性炭素繊維シートを加工して作製し
た耐熱難燃性吸着剤は、難燃性に優れ、加熱による再生
が可能で、吸着能が有効に作用する。
【0043】
【実施例】以下に実施例をあげて本発明を具体的に説明
するが、本発明は本実施例に限定されるものではない。
実施例において記載の部、%はすべて重量によるもので
ある。
【0044】実施例1〜11、比較例1〜4 実施例1〜11、比較例1〜4の各活性炭素繊維シート
の作製は表1、2に示す繊維配合、坪量で行った。活性
炭素繊維(A)(アドールA−15、繊維長6mm、比表
面積1500m2/g、アドール社製)を水中に添加し、
0.3%濃度に調製した。SV型往復反転式撹拌機(島
崎製作所製、アジタ−)で分散しながら、芳香族ポリア
ミド短繊維(アピエール繊維、繊維長6mm、ユニチカ社
製)を混合した。この後、カナダ標準濾水度140mlに
調整したパルプ状芳香族ポリアミド(アピエール・フィ
ブリッド、ユニチカ社製)及びポリエステルバインダー
繊維(B)(メルティー4080、2d×5mm、ユニチ
カ社製)をアジターで攪拌しながら混合し、水を加え、
0.1%濃度にスラリーを調整した。物性は、この活性
炭素繊維シートの、坪量、厚み、引張強度を測定した。
【0045】また、加工速度15m/分、ニップ圧35
kgf/cm、エンボスの形が円で直径8mm、高さが4mm、
間隔が3mmでエンボス加工を行った。
【0046】エンボスの加工性は、非常によい◎、よい
○、加工可能であるが型がつきにくい△、頂点に少し割
れが入る▽、頂点に割れが入る×の、5段階で評価し
た。
【0047】エンボス加工後、図1のように15段積層
し、エポキシ樹脂系接着剤を用いて接着した。この積層
体をカットし、コピー機にセットし、オゾン臭の有無を
2週間後に確認した。
【0048】実施例12 実施例4と同様の方法で作成した活性炭素繊維シートと
エンボス型付け活性炭素繊維シートを、図2のように1
5段積層し、エポキシ樹脂系接着剤を用いて接着した。
この積層体をカットし、コピー機にセットし、オゾン臭
の有無を2週間後に確認した。
【0049】また、難燃性の試験はUL94V(Und
erwriters Laboratories In
co./Vertical)垂直試験に従って行った。
難燃性のランクはV−0が一番燃えにくく、次にV−1
が燃えにくく、V−2では燃焼性が認められる。
【0050】以上の、配合と物性の関係を表1(実施例
1〜11)、表2(実施例12、比較例1〜4)に示
す。
【0051】
【表1】
【0052】*ACFは活性炭繊維、FDはパルプ状芳
香族ポリアミド、F1は芳香族ポリアミド繊維、F2は
熱融着繊維。
【0053】
【表2】
【0054】*ACFは活性炭繊維、FDはパルプ状芳
香族ポリアミド、F1は芳香族ポリアミド繊維、F2は
熱融着繊維。 *比較例3はエンボス加工時、頂点が割れたので、積層
は行わなかった。
【0055】実施例1〜12に示されるように、本発明
の条件を満たす活性炭素繊維シートはいずれも良好な、
エンボス加工性を示した。しかしながら、比較例1、3
の様に、熱融着性繊維がないものは、活性炭素繊維シー
トの厚みが厚く、エンボス加工性が劣る。逆に比較例2
の様に熱融着性繊維が多いと、溶融成分が活性炭繊維の
表面を覆い、活性炭素繊維シートの吸着性が劣る。
【0056】また、比較例4に示される様に、活性炭素
繊維が40%未満の場合はエンボス加工性は良好であっ
ても、積層し用いたとき吸着性能が劣り好ましくない。
【0057】また、実施例1〜12はV−0、もしくは
V−1を容易にクリアし、高い難燃性を有することが確
認された。
【0058】比較例5 活性炭素繊維(A)50%、ポリエチレンパルプ(SW
P、三井石油化学社製)40%、ポリエステルバインダ
ー繊維(B)(メルティー4080、2d×5mm、ユニ
チカ社製)10%を含有する、坪量152g/m2の活性
炭素繊維シートをつくり、同様の方法で試験を行った。
【0059】エンボス加工は容易であったが、難燃性試
験では活性炭素繊維シートが燃焼し、下の脱脂綿に燃え
移った。
【0060】
【発明の効果】本発明の耐熱難燃性吸着材は、高度な難
燃性を有し、吸着性能が高い。バインダー成分は活性炭
素繊維の表面を覆うことがなく、比表面積を損なわな
い。また、少量の熱融着性バインダーを用いているの
で、活性炭素繊維シートの厚みが抑えられ、積層体はコ
ンパクトで、効果的に臭い等を吸着することが可能であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の耐熱難燃性吸着材の形状を示す斜視
図。
【図2】本発明の他の耐熱難燃性吸着材の形状を示す斜
視図。
【図3】型付け活性炭素繊維シートの図であり、(a)
は平面図、(b)は断面図である。
【符号の説明】
1 エンボス型付け活性炭素繊維シート 2 活性炭素繊維シート 3 エンボスの頂点 p エンボスの間隔 φ エンボスの直径 h エンボスの高さ 矢印 流体の流れを示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B32B 7/12 7188−4F 27/34 C08J 5/04 CFG 7188−4F

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 活性炭素繊維を40〜87重量%、芳香
    族ポリアミド短繊維を7〜54重量%、パルプ状芳香族
    ポリアミドを3〜50重量%、熱融着性繊維が3〜20
    重量%を必須成分として、湿式抄紙法により抄紙して得
    られた活性炭素繊維シートをエンボス型付けしてなるエ
    ンボス型付け活性炭素繊維シートを少なくとも2枚以上
    組み合わせて、該エンボス型付け活性炭素繊維シートの
    エンボス頂部と非エンボス部とを耐熱性接着剤を用いて
    積層してなる耐熱難燃性吸着材。
  2. 【請求項2】 活性炭素繊維を40〜87重量%、芳香
    族ポリアミド短繊維を7〜54重量%、パルプ状芳香族
    ポリアミドを3〜50重量%、熱融着性繊維が3〜20
    重量%を必須成分として、湿式抄紙法により抄紙して得
    られた活性炭素繊維シートと、これをエンボス型付けし
    てなるエンボス型付け活性炭素繊維シートを交互に耐熱
    性接着剤を用いて積層してなる耐熱難燃性吸着材。
JP03262960A 1991-09-13 1991-09-13 耐熱難燃性吸着材 Expired - Fee Related JP3124327B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP03262960A JP3124327B2 (ja) 1991-09-13 1991-09-13 耐熱難燃性吸着材

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP03262960A JP3124327B2 (ja) 1991-09-13 1991-09-13 耐熱難燃性吸着材

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0568879A true JPH0568879A (ja) 1993-03-23
JP3124327B2 JP3124327B2 (ja) 2001-01-15

Family

ID=17382940

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP03262960A Expired - Fee Related JP3124327B2 (ja) 1991-09-13 1991-09-13 耐熱難燃性吸着材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3124327B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006068643A (ja) * 2004-09-02 2006-03-16 Cataler Corp 吸着剤、揮発性有機化合物回収装置及び揮発性有機化合物回収システム
ITMI20090720A1 (it) * 2009-04-28 2010-10-29 Mauro Ballero Metodo per l'ottenimento di estratti ad alto contenuto di componenti polari bioattivi e a basso contenuto di grassi
JP2011000547A (ja) * 2009-06-19 2011-01-06 Toyobo Co Ltd 難燃性脱臭フィルタ

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006068643A (ja) * 2004-09-02 2006-03-16 Cataler Corp 吸着剤、揮発性有機化合物回収装置及び揮発性有機化合物回収システム
ITMI20090720A1 (it) * 2009-04-28 2010-10-29 Mauro Ballero Metodo per l'ottenimento di estratti ad alto contenuto di componenti polari bioattivi e a basso contenuto di grassi
JP2011000547A (ja) * 2009-06-19 2011-01-06 Toyobo Co Ltd 難燃性脱臭フィルタ

Also Published As

Publication number Publication date
JP3124327B2 (ja) 2001-01-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US11338239B2 (en) Coalescing filter media
EP0269462B1 (en) Adsorptive sheet
US12030006B2 (en) Self-supporting pleatable fibrous web especially useful as oil filter media and oil filter comprising the same
KR100485568B1 (ko) 고성능의 투과성 섬유상 구조물
WO2014074398A2 (en) Air filtration media and processes for manufacturing the same
JP2008518770A (ja) 改良された高強度、高容量のフィルタ媒体および構造
JP2010253391A (ja) 低坪量エアフィルタ用濾材
US6820681B2 (en) Heating regeneration type organic rotor member and method for producing the same
KR20140080450A (ko) 필터매체
EP2969112B1 (en) Method of making a thin filtration media
KR20210014123A (ko) 개선된 성질들을 갖는 아라미드-기반 페이퍼
US6120643A (en) Aramid and glass fiber absorbent papers
JPH0568879A (ja) 耐熱難燃性吸着材
KR101434183B1 (ko) 활성탄 시트, 그를 이용한 정수용 활성탄 필터 카트리지 및 그의 제조방법
JPH03202108A (ja) 活性炭素繊維シート及びフィルター
JPH09155127A (ja) 濾 材
JPH0578996A (ja) 活性炭繊維シートおよびその製造法
EP3142774A1 (en) Pre-coalescing multi-layered filter media
JPH04171045A (ja) 耐熱難燃性吸着材
JP2002177718A (ja) エアフィルタ用濾材及びエアフィルタユニット
JPH10234837A (ja) 光反応性有害物除去材
JP2002166167A (ja) 低級アルデヒド類吸着用活性炭シートとその製造方法
JPH04197421A (ja) 脱臭用フィルター濾材およびその製造法
JP2001120650A (ja) 悪臭ガス除去用シート状物
KR20230076980A (ko) 다층 여재 및 다층 구조의 케미컬 복합 필터

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071027

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081027

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091027

Year of fee payment: 9

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees