JPH0578996A - 活性炭繊維シートおよびその製造法 - Google Patents

活性炭繊維シートおよびその製造法

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JPH0578996A
JPH0578996A JP3262961A JP26296191A JPH0578996A JP H0578996 A JPH0578996 A JP H0578996A JP 3262961 A JP3262961 A JP 3262961A JP 26296191 A JP26296191 A JP 26296191A JP H0578996 A JPH0578996 A JP H0578996A
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sheet
activated carbon
carbon fiber
heat
flame
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JP3262961A
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Yasuyuki Oku
恭行 奥
Masanobu Matsuoka
昌伸 松岡
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】加工性に優れた、高密度で、強度が大きい耐熱
難燃性の活性炭繊維シート及び、フィルターを提供する
ことを目的とする。 【構成】活性炭繊維を40〜87重量%、耐熱難燃性繊
維を10〜40重量%、耐熱難燃性パルプを3〜50重
量%含有し、坪量30〜300g/m2、密度0.3〜
0.6g/cm3である活性炭繊維シート。活性炭繊維、
耐熱難燃性繊維、耐熱難燃性パルプを必須成分とし、耐
熱難燃性パルプのガラス転移点以上、融点以下の温度で
熱圧加工する活性炭繊維シートの製造法。また、該シー
トを波型あるいはエンボスに型付けし、型付けしたシー
トと未加工シートあるいは他のシートを交互に積層した
フィルター。 【効果】強度、密度が大きく、加工性が非常に優れてお
り、コンパクトなフィルター製造が可能であり、また、
最高の難燃性を有し、活性炭繊維の比表面積を損なうこ
となく、高い吸着性能が維持される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は流体中の悪臭や有機物質
あるいは溶解物質を吸着したり分離したりすること等に
利用される活性炭繊維シートで、特に折り曲げたり、ハ
ニカム加工、エンボス加工等の加工を行うのに優れた、
高密度で、強度が非常に大きな耐熱難燃性の活性炭繊維
シートに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、悪臭や有機溶剤等の有毒ガスが環
境問題で論議される場が多くなってきている。これら有
毒ガスを防ぐ手だてとして、吸着性物質、特に従来から
活性炭が利用されている。近年、この粉体状あるいは粒
子状の活性炭にかわり、繊維状の活性炭すなわち活性炭
繊維が登場し注目されている。活性炭繊維はガス吸着速
度が極めて速い等の理由から、急速に展開が図られてい
る。
【0003】活性炭繊維をシート化する場合、活性炭繊
維には自着性がないため、バインダ−が必要である。活
性炭繊維のバインダ−としては種々の溶液型やエマルジ
ョン型の液状バインダ−および繊維状バインダ−が一般
的である。液状バインダ−の使用は、活性炭繊維の細孔
を塞ぎ吸着能力を低下させるため好ましくない。
【0004】一方、繊維状バインダ−としては、有機系
の樹脂を繊維状、あるいはパルプ状にしたものがある
が、全融タイプのものは、溶けた樹脂が活性炭繊維の表
面を覆うため好ましくない。これに対し、芯成分と鞘成
分の2成分を有し、鞘成分に低融点の樹脂を用い、活性
炭繊維とバインダー繊維の接点を効果的に接着するもの
がある。
【0005】しかしながら、これらの繊維はいずれも、
耐熱性がなく、融着温度を超える温度条件下では、再び
融解したり、あるいは崩壊したり、炎にさらされると成
分が燃焼したりしてシート強度を維持できない。また、
これらの成分が多く含有されていると、シート自体が可
燃となり、非常に危険である。また、一旦吸着したガス
を高温下で離脱させ、吸着能力の再生や吸着物の回収を
行おうとしても、バインダー自体の耐熱性に欠点がある
ため、従来の活性炭繊維シートあるいはこれを加工した
成型物は再生利用が困難で、用途に限りが有った。
【0006】吸着を効果的に行うためには、被吸着物質
と活性炭繊維を充分に接触させる必要がある。そのため
には活性炭繊維シートと垂直に流体を通過させるのが最
良であるが、圧力損失が高くなることは避けられない。
圧力損失をできるだけ少なくし、かつ活性炭素繊維と被
吸着物質を充分に接触させる方法として特公昭59−3
5341号公報、特公昭59−51432号公報に開示
されている。すなわち活性炭繊維シートを波型に加工
し、平面状のシートと積層し、ハニカムあるいは段ボー
ル状構造物を作製し、円筒状に巻き付ける。この成型物
のシート面と平行に流体を流すことで濾過抵抗を低下さ
せ、かつ被吸着物との接触を保っている。また、特開昭
61−1211934号公報、特開昭63ー78739
号公報では、難燃耐熱性合成パルプを用いたシートを加
工し、ハニカム構造体を作製し、再生利用可能な吸着剤
が例示されている。
【0007】活性炭繊維は剛性が大きく、得られるシー
ト状物は低密度になる。ハニカム構造体を得るために
は、シートを波型に片付けする必要があるが、厚みの大
きなシートは波型の片付けが困難である。
【0008】しかし、厚みの薄いシートを用いようとす
るとき、坪量を小さくすると、活性炭繊維の含有量が減
少するばかりか、シート強度が弱くなるという問題点も
ある。 また、バインダーを多くすると、ある程度高密
度化が可能であるが、やはり活性炭繊維の含有量が少な
くなり、好ましくない。さらに、カレンダー等で強制的
に薄く、高密度のシートにしようとしても、加工中に、
活性炭繊維が折れ、粉塵が発生するばかりか、シート強
度が著しく低下し、実用可能なシートは得られていな
い。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
問題点を解決するものであり、効果的に吸着を行うこと
ができ、耐熱難燃性を有し、加工性に優れた、密度の大
きい、コンパクトな活性炭繊維シートを提供することを
目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記の課題
を解決するため鋭意研究を行った。その結果、活性炭繊
維と、そのバインダーとして耐熱難燃性パルプを含有
し、さらにシートの骨材として耐熱難燃性繊維を含有
し、密度を特定のものとすることで、上記課題を解決で
きることを見いだした。また、このシートは非常に強度
が高く、比表面積が殆ど損なわれないという効果も見い
だされた。本発明は以上の知見によりなされたものであ
る。
【0011】すなわち本発明は、活性炭繊維を40〜8
7重量%、耐熱難燃性繊維を10〜40重量%、耐熱難
燃性パルプを3〜50重量%含有し、坪量30〜300
g/m2、密度0.3〜0.6g/cm3の活性炭繊維シー
トである。また、活性炭繊維、耐熱難燃性繊維、耐熱難
性パルプの3成分を必須成分とし、耐熱難燃性パルプを
構成する成分のガラス転移点以上、融点以下の温度で熱
圧加工することを特徴とする活性炭素繊維シートの製造
法である。さらに該活性炭繊維シートを用い、該シート
を波型に型付し、あるいはエンボスに型付けし、片付け
したシートと未加工シートあるいは他のシートを交互に
複数枚積層したフィルターである。
【0012】以下、本発明の詳細な説明を行う。まず本
発明で用いる成分の説明を行う。
【0013】本発明で用いられる活性炭繊維は通常の炭
素繊維とは異なり、繊維表面に微細孔を有するもので、
比表面積、吸着能等は目的に応じて選択できる。好まし
くは比表面積、500m2/g以上、ベンゼン吸着能20
0mg/g以上のものである。また、この活性炭繊維は水
に分散するものであればよく、分散しにくい場合は粘剤
や分散剤を適宜添加し撹拌すればよい。平均繊維長は1
mm〜15mmで、好ましくは3mm〜10mmである。1mmよ
り短いと、繊維と言うより粉体に近い状態になり、シー
ト強度が得られないばかりか、シートから活性炭素繊維
の脱落が生じ好ましくない。15mmより長いと水中での
分散が悪くなり、均一で地合のよいシートが得られな
い。平均繊維径は5〜30μmで、好ましくは10μm以
上である。5μmより細いと、繊維が脆くなり、繊維の
輸送中、あるいは水中で撹拌中に繊維が破損し、粉塵が
発生し好ましくない。30μmより太いとワイヤーから
のピックアップが困難で均一で地合のよいシートが得ら
れない。
【0014】本発明で用いる耐熱難燃性繊維は、芳香族
ポリアミド繊維、芳香族ポリエステル繊維、フェノール
系繊維あるいは特開平2−64528号公報、特開平2
−84532号公報に記載されたアクリル系繊維から製
造される難燃性繊維等の有機繊維、ガラス繊維、炭素繊
維、セラミック繊維等の無機繊維が例示される。
【0015】耐熱難燃性繊維の繊維長はシート内で骨材
として作用するため、活性炭繊維と同等か、より長い繊
維が好ましい。用いる繊維の繊維長は3〜15mmで、好
ましくは3〜10mmである。3mmより短いとシート強度
が弱く好ましくない。15mmより長いと水中での分散が
悪く、均一なシートが得ることができない。平均繊維径
は30μm以下が好ましく、30μmより大きいと密度が
小さくなり好ましくない。
【0016】本発明で用いる耐熱難燃性パルプは、芳香
族ポリアミド、芳香族ポリエステル等の有機系のパルプ
が好ましい。パルプとは、短繊維状ではなく、枝別れし
た構造をとるものである。すなわちパルプ状物、繊維フ
ィブリル化物、フィブリッド等と呼ばれるものをさす。
スラリーを抄造し、湿紙あるいは乾燥後のシート強度を
得るためには、これらのパルプのカナダ標準濾水度は2
00ml以下が好ましい。200mlより大きいものは、枝
別れやフィブリル化の状態が少なく、他の繊維との絡み
が少なく、得られたシートの強度は非常に弱くなる。
【0017】このようなパルプ状のバインダーは、熱圧
加工時に、活性炭繊維のクッション材となり、活性炭繊
維の破損を防ぐ効果もある。本発明で用いる耐熱難燃性
繊維と耐熱難燃性パルプの成分は同一成分であっても、
あるいは異なる成分であってもよい。
【0018】次に本発明のシートの成分比について説明
する。
【0019】バインダーとして用いる耐熱難燃性パルプ
は、シート重量に対し3〜50重量%である。3重量%
より少ないとシート強度が弱く好ましくない。また、熱
圧加工時のクッション材としての効果が少ない。50重
量%を超えると活性炭繊維の量が減少し好ましくないば
かりでなく、スラリーの濾水性が悪くなり生産性が著し
く劣るため好ましくない。
【0020】骨材として用いる耐熱難燃性繊維は、シー
ト重量に対し10重量%以上である。10重量%未満で
あると熱圧加工後、例えばシートを折り曲げ加工すると
き、シートが折れて破損するため好ましくない。すなわ
ち、前に説明したように熱圧加工を行っても折れること
がない繊維を骨材として使用することで、シートの耐加
工性がアップするのである。
【0021】バインダーと骨材が以上の含有量の時、活
性炭繊維はシート重量に対し40〜87%含有される。
40%より少ないと充分な吸着性能を発揮できない。8
7%を超えると、バインダー成分が少なくなりシート強
度が弱い。
【0022】好ましいシートの坪量は30〜300g/
m2で、密度は0.3〜0.6g/cm3である。坪量が3
0g/m2より小さいとき、抄造シートの強度が弱く、作
業性が悪く好ましくない。300g/m2を超るシートは
厚みが厚く、抄紙が困難で、また、熱圧加工後のシート
が固くなりすぎ、加工が困難である。また、抄造が困難
で、厚みが厚くなり、波型、エンボスの型付けが困難で
ある。
【0023】密度が0.3g/cm3より大きくなること
で、加工性がアップする。0.3g/cm3より小さい
と、波型、エンボスの型が付にくく、シートの厚みが厚
いため、好ましくない。しかしながら、0.6g/cm3
より大きなシートを得ようとするすると、プレスに大き
な圧力を必要とし、熱圧加工の工程で、本発明の配合を
もっていしても、活性炭繊維が折れたり、シートが破損
したりするため好ましくない。
【0024】次に活性炭繊維シートの製造法について述
べる。本発明の必須成分を、順次水中に添加してゆき、
水性スラリーを調整する。水中に添加する順序に特に制
限はない。離解時のスラリー濃度は0.5%以下が好ま
しい。0.5%を超えると、均一な分散が困難である。
均一分散されない試料から得られたシートを熱圧加工す
ると、坪量むらの部分で、シートの破損がみられる。こ
のようにして調整したスラリーを抄造し、シートを作製
する。抄紙機は丸網、長網、短網あるいは傾斜式ワイヤ
ーを持つ抄紙機、あるいはこれらを複数備えている抄紙
機を用いることができる。抄紙した湿紙をプレスし、乾
燥し活性炭繊維シートを得ることができる。
【0025】このシートは必要であれば、撥水剤をスプ
レー、塗布、含浸し、乾燥することにより、撥水加工し
てもよい。また、サイズ剤をスラリ−に混合し、抄紙し
てもよい。
【0026】また本発明のシ−トは必要であれば、他の
繊維を混合し、抄紙することも可能であるが、この場
合、繊維が難燃性で有ることは不可欠である。また、無
機填料を混合し、抄紙することも可能である。さらに、
天然・化学消臭剤、天然・合成香料を含有させることも
可能である。ただし、これらの物質を含有量が本発明の
シ−トの性能を阻害する範囲であってはならない。
【0027】次に熱圧加工について説明する。熱圧は活
性炭繊維シートを上下ロール間にニップを加え通過させ
ることにより行うことができる。このとき、ロールの半
径は50〜5000mmが好ましい。50mm未満では熱、
圧力の伝導が均一性を欠くので好ましくない。熱圧加工
の通紙スピードは5〜50m/分で、50m以上ではや
はり熱、圧力の伝導が不十分である。ニップ圧は線圧で
20〜100kgf/cmである。20kgf/cm未満では熱、
圧力の伝導が不十分で、100kgf/cmを超えると活性
炭繊維の破損および活性炭繊維シートの破損が生じ、活
性炭繊維が飛散し好ましくない。
【0028】ロールの温度は耐熱難燃性パルプのガラス
転移点以上、融点以下の範囲で行うのが好ましい。ガラ
ス転移点より低い温度で加工しても、密度アップは可能
であるが、前述したように、活性炭繊維が破損し、飛散
するばかりか、強度の大きいシートは得ることができな
い。当然、加工性の良好なシートは得られない。
【0029】このように活性炭繊維シートを熱圧するこ
とで、本発明の活性炭繊維シートは短時間でシート内部
まで高温にさらされる。このことにより、製造途中で活
性炭繊維に吸着された不純物を容易に離脱させることが
できるという、副次的効果がある。
【0030】本発明の活性炭繊維シートは、耐熱難燃性
に優れ、再生が可能ということのみならず、難燃性が高
い。例えば、電気、石油、ガスなどを消費し、悪臭が発
生する装置に組み込み使用することが特に効果的であ
る。
【0031】図1、図2に本発明の活性炭繊維シートを
用い、片付けした活性炭繊維シートの一例を示す。図1
は波型加工シート、図2はエンボスシートの一例であ
る。図3に、ユニット型のフィルターの一例を示す。1
は未加工の活性炭繊維シート、2は片付けシートを示
す。2は波型3、エンボス4いずれか一方あるいは、混
合し積層したものであってもよい。1と2を任意の枚数
積層し、用途に応じた厚み(H)、幅(W)、奥行き
(D)にカット、トリミングすることで、第3図のよう
な積層体のフィルターとすることができる。矢印5は、
流体の流れる方向を示す。
【0032】
【作用】本発明の活性炭繊維シートおよびこれを加工し
得られたフィルターは、吸着効果が高く、耐熱難燃性吸
着材として有効に作用する。
【0033】
【実施例】以下に実施例をあげて本発明を具体的に説明
するが、本発明は本実施例に限定されるものではない。
実施例において記載の部、%はすべて重量によるもので
ある。
【0034】実施例1〜9、比較例1〜3 活性炭繊維(商品名アドールA−15、繊維長3mm、比
表面積1500m2/g、アドール社製)を水中に添加
し、0.3%濃度に調製した。SV型往復反転式撹拌機
(島崎製作所製、アジタ−)で分散しながら、耐熱難燃
性繊維(芳香族ポリアミド短繊維、商品名アピエール繊
維、繊維径、繊維長6mm、ユニチカ社製)を混合した。
この後、カナダ標準濾水度80mlに調整した耐熱難燃
性パルプ、(パルプ状芳香族ポリアミド、商品名アピエ
ール・フィブリッド、ユニチカ社製)をアジターで撹拌
しながら混合し、さらに水を加え、0.1%濃度にスラ
リーを調整した。このスラリーを用い、坪量120g/
m2のシートを抄造し、シリンダードライヤーを用い11
0℃で乾燥した。
【0035】このシートを、150℃で予熱を与えた
後、半径3000mmの鋼鉄製で、フィブリッドのガラス
点移転より高温の290℃の2本の熱ロール間を、線圧
50kgf/cm、速度20m/分で通過させ、熱圧加工を
行った。このように加工された、活性炭繊維シートの配
合と物性の関係を表1(実施例)、表2(比較例)に示
す。表のおける、ACFは活性炭繊維、FDはパルプ状
芳香族ポリアミド、Fはアピエール繊維を示す。
【0036】密度は、坪量を厚みで除して求めた。引張
強度は、幅15mm、スパン100mmで、20m/分で定
速で引っ張ったときの最大荷重値である。有効比表面積
率とは、窒素吸着法により測定したシートの比表面積
を、シートの理論上の比表面積で除した値を、百分率で
示した値で、100%に近いほど良好である。また、シ
ートを片方に折り曲げ、さらに折り目に対し、反対方向
に折り曲げた時にシートが良好な状態を保っているか、
破損するかを調べた。さらに、UL94V(Underwrite
rs Laboratories Inco./Vertical)(垂直方向)の
試験法に従い、難燃性の試験を行った。
【0037】
【表1】
【0038】
【表2】
【0039】実施例に示されるように、本発明の条件を
満たすシートは、強度が大きく、折り曲げても問題はな
く、難燃性はV−0クラスと最高の難燃性を示した。熱
圧加工中も、活性炭繊維の飛散も実質上全く見られなか
った。しかしながら、比較例1のように、骨剤としての
耐熱難燃性繊維が含有されないものはシート強度は強い
ものの、折り曲げ加工をすると、シート破断した。ま
た、比較例2のように、耐熱難燃性パルプの量が少ない
と、シート強度が著しく弱いものとなる。また、比較例
3のように活性炭繊維が40重量%未満の場合は折り曲
げ加工など、ハンドリングは良好であっても、後述する
が、ハニカム、エンボス加工し、積層し用いたとき吸着
性能が劣り好ましくない。
【0040】実施例10〜11 実施例4と同じ配合で、坪量50g/m2(実施例1
0)、250g/m2(実施例11)のシートを抄造し、
同様の条件で熱圧加工した。シートの物性を表3に示
す。
【0041】
【表3】
【0042】異なる坪量のシートでも、良好なシートが
得られた。
【0043】比較例4〜5 実施例4と同じ配合で、坪量20g/m2(比較例4)、
350g/m2(比較例5のシートを抄造し、同様の条件
での熱圧加工を試みた。
【0044】
【表3】
【0045】比較例4のシートは、抄造後のシートの強
度が弱く、ハンドリングが困難でシートが容易に破損し
た。また、熱圧加工中に活性炭繊維が折れたのが原因と
考えられる、活性炭繊維の飛散が見られた。比較例5の
シートは、抄造中の生産性が悪く、シートが厚いので、
乾燥も非常に時間を要した。また、熱圧加工後のシート
は、非常に固くなり、折り曲げ用とすると、シートがそ
のまま、破断した。
【0046】実施例12 実施例4のシートを、図1のように波型加工を行った。
加工速度15m/分、ニップ圧35kgf/cm、波の高さ
(h1)2mm、ピッチ(p1)3.3mmで波型加工を行っ
た。加工性は非常に良好で、さらにエポキシ系接着剤を
波の頂点に塗布し、未加工シートと積層した。
【0047】実施例13 実施例4のシートを、図2のようにエンボス加工を行っ
た。加工速度15m/分、ニップ圧35kgf/cmで、エ
ンボスの形が円で直径(φ)2mm、高さ(h2)が2m
m、それぞれのエンボス間隔(p2)が3mm、ロール温度
は250℃でエンボス加工を行った。加工性は非常に良
好で、さらにエポキシ系接着剤をエンボス頂点に塗布
し、未加工シートを積層した。
【0048】実施例14 実施例12、13の積層体をさらに積層し、積層体のフ
ィルターを製造した。いずれも、積層体の厚み(H)が
36mmになるよう積層し、これを幅(W)145mm、奥
行き(D)15mmに、カッターでトリミングした。図3
は実施例12の波型の加工シートを用いた積層体を示
す。図3のように、波型の筋の方向が流体が流れ込む方
向(5)に、ほぼ平行になるようにトリミングした。波
型、エンボス両方の積層体を、内径38×146×16
mmの枠にはめ込みユニット式のフィルターとし、複写機
の排気口に取り付けた。いずれの積層体を取り付けた装
置も、2週間後、オゾン臭はしなかった。
【0049】実施例15 実施例14と同じ方法でフィルターを製造した。ただ
し、波型に型片付けした活性炭繊維シートに、実施例1
と同じ活性炭繊維30重量%、耐熱難燃性繊維20重量
%、耐熱難燃性パルプ20重量%に、さらに、活性炭粉
末30重量%を含有した活性炭繊維シートを積層したも
のを用いた。その結果、2週間後、オゾン臭はしなかっ
た。
【0050】比較例6 実施例14と同様の方法で、比較例3のシートを積層体
に加工した。エンボス、ハニカムいずれの積層体でも、
1週間後でオゾン臭が漂った。
【0051】比較例7 ロール温度を室温(25℃)にする以外は、実施例4と
同じ方法で加工を行った。密度は0.4g/cm3であっ
たが、得られた活性炭繊維シートは、活性炭繊維の折れ
た破片の飛散が著しく、ロールにもおびただしい、活性
炭繊維の破片がこびりついていた。また得られた活性炭
繊維シートは、こしが全くなく、強度も著しく劣り、波
型、エンボス加工することはできなかった。
【0052】比較例8 実施例1と同じ活性炭繊維を50重量%、ポリエチレン
パルプ(SWP、三井石油化学社製)40重量%、ポリ
エステルバインダー繊維(メルティー4080、繊度2
デニール、繊維長5mm、ユニチカ社製)10重量%を含
有する、坪量120g/m2の活性炭素繊維シートを抄造
し、シリンダードライヤーを用い、110℃で乾燥し
た。強度アップを図るため、130℃で線圧50kgf/c
mで熱圧加工を行った。溶融したポリエチレンパルプが
活性炭繊維の表面積を覆い、シートの比表面積が著しく
減少していた(有効比表面積率41%)。また、エンボ
ス、ハニカムの加工は容易であるものの、UL94V
(垂直方向)の難燃性試験ではシートが燃焼し、下の脱
脂綿に燃え移った。
【0053】実施例16 実施例4と同じ方法で、活性炭繊維シートを製造した。
ただし、耐熱難燃性繊維を特開平2−64528号記載
の方法で製造した繊維(商品名N−21、東洋紡社製、
繊度1.6デニール、繊維長5mm)を用いた。物性を表
5に示す。また、実施例12と同様の方法で、波型加工
を行ったが、加工性は非常に良好であった。
【0054】
【表5】
【0055】
【発明の効果】本発明の耐熱難燃性吸着材は、強度が大
きく、密度が大きく、加工性が非常に優れている。密度
が高いのでシートの厚みが薄く、コンパクトなフィルタ
ー製造が可能である。また、最高の難燃性を有し、活性
炭繊維の比表面積を損なうことなく、吸着性能が維持さ
れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】活性炭繊維シートを波型に片付けした図。
【図2】活性炭繊維シートをエンボスに片付けした図。
【図3】積層体としたフィルターの概略図。
【符号の説明】
1 未加工シート 2 形付けシート 3 波型加工シート 4 エンボスシート 5 流体の流入方向 h1 波の高さ p1 波の間隔(ピッチ) h2 エンボスの高さ p2 エンボス間隔 φ エンボスの直径 H フィルターの厚み W フィルターの幅 D フィルターの奥行き
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // B32B 3/26 Z 6617−4F 3/28 C 6617−4F

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 活性炭繊維を40〜87重量%、耐熱難
    燃性繊維を10〜40重量%、耐熱難燃性パルプを3〜
    50重量%含有し、坪量30〜300g/m2、密度0.
    3〜0.6g/cm3の活性炭繊維シート。
  2. 【請求項2】 活性炭繊維、耐熱難燃性繊維、耐熱難燃
    性パルプの3成分を必須成分とし、湿式抄紙法で抄造し
    たシートを、さらに耐熱難燃性パルプを構成する成分の
    ガラス転移点以上、融点より低い温度で熱圧加工するこ
    とを特徴とする活性炭繊維シートの製造法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の活性炭繊維シートを用
    い、該シートを波型に型付し、あるいはエンボスに型付
    けし、片付けしたシートと未加工シートあるいは他のシ
    ートを交互に複数枚積層したフィルター。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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