JPH0568670A - Ｍｒｉ装置におけるプリサチユレーシヨン方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 イメージの欠落を防止できるマルチアングル
スキャンのプリサチュレーション方法を提供する。 【構成】 マルチアングルスキャンの両端に位置するス
ライスＳ１，Ｓ３の外側に、それらスライスに対向する
２つのサチュレーション領域Ｆ１，Ｈ３を設定する。各
スライスについてのサチュレーションを、その２つのサ
チュレーション領域Ｆ１，Ｈ３にサチュレーションパル
スを印加することによって実施する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、ＭＲＩ装置における
プリサチュレーション（＝Pre-Saturation、以下、Ｐre
−ＳＡＴと略す。）方法に関し、さらに詳しくは、１繰
り返し時間内にスライスの向きが異なる複数スライスに
ついてスキャンを行うマルチアングルスキャンに適用す
るＰre−ＳＡＴ方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来のＭＲＩ装置におけるＰre−ＳＡＴ
方法は、図５に示すように、（ａ）のシングルスライス
スキャン，（ｂ）のマルチスライススキャンの双方と
も、スライス方向（Feet→Head）のサチュレーション領
域Ｆ，Ｈがスライスと平行になるようにサチュレーショ
ンパルス（以下、ＳＡＴパルスと略す。）を印加してい
る。図中、斜線部分がＳＡＴパルスで励起されるサチュ
レーション領域Ｆ，Ｈを示す。ＳＡＴ−Ｌは、サチュレ
ーションロケーション（Saturation Location）であ
る。

【０００３】また、図６に示すようなスライスの向きが
異なるマルチアングルスキャンについても、図７に示す
ように、各スライスについてサチュレーション領域Ｆ，
Ｈがスライスと平行になるようにＳＡＴパルスを印加し
ている。すなわち、図８のシーケンスの如く、スライス
Ｓ１についは、そのＲＦパルスを印加する際と同じ勾配
磁場Ｇ１を発生させてＳＡＴパルスSAT-H1，SAT-F1を印
加している。スライスＳ２，Ｓ３についても同様であ
る。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところが、前記マルチ
アングルスキャンでは、図７に示すように、スライスと
サチュレーション領域とが重なることがあり、その重な
る部分のイメージが欠落してしまう問題点がある。この
ため、スライスとサチュレーション領域とが重ならない
ようにＳＡＴ−Ｌを大きく設定するなどして前記イメー
ジの欠落を防止しているが、Ｐre−ＳＡＴの有効性が損
われる問題点がある。

【０００５】そこで、この発明の目的は、イメージの欠
落を防止できるように改良したＭＲＩ装置におけるＰre
−ＳＡＴ方法を提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】この発明のＭＲＩ装置に
おけるプリサチュレーション方法は、１繰り返し時間内
にスライスの向きが異なる複数スライスについてスキャ
ンを行うマルチアングルスキャンに適用するＭＲＩ装置
におけるプリサチュレーション方法において、マルチア
ングルスキャンの両端に位置するスライスの外側にそれ
らスライスに対向する２つの領域を設定し、各スライス
について前記２つの領域にサチュレーションパルスを印
加することによりプリサチュレーションを施すことを構
成上の特徴とするものである。

【０００７】

【作用】この発明のＭＲＩ装置におけるＰre−ＳＡＴ方
法では、マルチアングルスキャンの両端に位置するスラ
イスの外側にそれらスライスに対向させた２つの領域を
設定する。そして、各スライスについてのＰre−ＳＡＴ
を、前記２つの領域にＳＡＴパルスを印加することによ
って施す。したがって、スライスとサチュレーション領
域とが重ならずイメージの欠落が防止できる。

【０００８】

【実施例】以下、図に示す実施例に基づいてこの発明を
さらに詳細に説明する。なお、これによりこの発明が限
定されるものではない。図１は、この発明の一実施例の
Ｐre−ＳＡＴ方法を実施するためのＭＲＩ装置１のブロ
ック図である。計算機２は、操作卓１３からの指示に基
づき、全体の作動を制御する。シーケンスコントローラ
３は、記憶しているシーケンスに基づいて、磁場駆動回
路４を作動させ、マグネットアセンブリ５の静磁場コイ
ル，勾配磁場コイルで静磁場，勾配磁場を発生させる。
また、変調回路７を制御し、ＲＦ発振回路６で発生した
ＲＦパルスを所定の波形に変調して、ＲＦ電力増幅器８
からマグネットアセンブリ５の送信コイルに加える。

【０００９】マグネットアセンブリ５の受信コイルで得
られたＮＭＲ信号（エコー信号）は、前置増幅器９を介
して位相検波器１０に入力され、さらにＡＤ変換器１１
を介して計算機２に入力される。計算機２は、ＡＤ変換
器１１から得たＮＭＲ信号のデータに基づき、イメージ
を再構成し、表示装置１２で表示する。

【００１０】図２は、この発明の一実施例のＰre−ＳＡ
Ｔ方法を適用するスキャン計画の概念図である。このス
キャン計画は、１繰り返し時間ＴＲ内にスライス方向の
FeetからHeadへスライスの向きがそれぞれ異なるスライ
スＳ１，Ｓ２，Ｓ３についてスキャンを行うマルチアン
グルスキャンを表している。

【００１１】以下、この発明の一実施例のＰre−ＳＡＴ
方法を前記スキャン計画に適用させて説明する。まず、
両端に位置するスライスＳ１，Ｓ３の外側に、図３に示
すように、それらスライスに平行な２つのサチュレーシ
ョン領域Ｆ１，Ｈ３を設定する。

【００１２】サチュレーション領域Ｆ１は、図４に示す
ように、ＳＡＴパルスSAT-F1を印加する際に勾配磁場Ｇ
１を加えて励起される領域である。この勾配磁場Ｇ１
は、ＲＦパルス90゜,180゜を印加する際に加えてスライス
Ｓ１を励起するものである。

【００１３】サチュレーション領域Ｈ３は、ＳＡＴパル
スSAT-H3を印加する際に勾配磁場Ｇ３を加えて励起され
る領域である。この勾配磁場Ｇ３は、ＲＦパルス90゜,18
0゜を印加する際に加えてスライスＳ３を励起するもので
ある。

【００１４】そして、サチュレーション領域Ｈ３，サチ
ュレーション領域Ｆ１の順に励起した後、勾配磁場Ｇ１
を加えると共にＲＦパルス90゜,180゜を印加してスライス
Ｓ１からのエコー信号を得る。

【００１５】次に、上記と同様にサチュレーション領域
Ｈ３，サチュレーション領域Ｆ１の順に励起した後、勾
配磁場Ｇ２を加えると共にＲＦパルス90゜,180゜を印加し
てスライスＳ２からのエコー信号を得る。

【００１６】さらに、上記と同様にサチュレーション領
域Ｈ３，サチュレーション領域Ｆ１の順に励起した後、
勾配磁場Ｇ３を加えると共にＲＦパルス90゜,180゜を印加
してスライスＳ３からのエコー信号を得る。

【００１７】こうして、１繰り返し時間ＴＲ内にスライ
スＳ１，Ｓ２，Ｓ３についてＰre−ＳＡＴが施されたエ
コー信号を得ることが出来る。

【００１８】この実施例では、マルチスライススキャン
の両端に位置するスライスＳ１，Ｓ３の外側に、それら
スライスと平行にサチュレーション領域Ｆ１，Ｈ３を設
定しているが、各スライスの向きに応じて最適となるよ
うに、サチュレーション領域の向きは変更可能である。
また、Field Echo法などについても適用可能である。

【００１９】

【発明の効果】この発明のＭＲＩ装置におけるプリサチ
ュレーション方法によれば、スライスとサチュレーショ
ン領域とが重ならないため、イメージの欠落が防止でき
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の一実施例のＰre−ＳＡＴ方法を実施
するためのＭＲＩ装置のブロック図である。

【図２】この発明の一実施例のＰre−ＳＡＴ方法を適用
するスキャン計画の概念図である。

【図３】この発明の一実施例のＰre−ＳＡＴ方法に係る
サチュレーション領域の説明図である。

【図４】この発明の一実施例のＰre−ＳＡＴ方法に係る
シーケンスの例示図である。

【図５】従来のＰre−ＳＡＴ方法に係るシングルスライ
ススキャン，マルチスライススキャンの例示図である。

【図６】従来のＰre−ＳＡＴ方法に係るスキャン計画の
例示図である。

【図７】従来のＰre−ＳＡＴ方法に係るサチュレーショ
ン領域の説明図である。

【図８】従来のＰre−ＳＡＴ方法に係るシーケンスの例
示図である。

【符号の説明】

１ ＭＲＩ装置 ２ 計算機 Ｇ 勾配磁場 ＳＡＴ サチュレーションパルス Ｓ１，Ｓ２，Ｓ３ スライス

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 １繰り返し時間内にスライスの向きが異
   なる複数スライスについてスキャンを行うマルチアング
   ルスキャンに適用するＭＲＩ装置におけるプリサチュレ
   ーション方法において、 マルチアングルスキャンの両端に位置するスライスの外
   側にそれらスライスに対向する２つの領域を設定し、各
   スライスについて前記２つの領域にサチュレーションパ
   ルスを印加することによりプリサチュレーションを施す
   ことを特徴とするＭＲＩ装置におけるプリサチュレーシ
   ョン方法。