JPH0568557A - 因子XaリンカーDNA - Google Patents
因子XaリンカーDNAInfo
- Publication number
- JPH0568557A JPH0568557A JP3234430A JP23443091A JPH0568557A JP H0568557 A JPH0568557 A JP H0568557A JP 3234430 A JP3234430 A JP 3234430A JP 23443091 A JP23443091 A JP 23443091A JP H0568557 A JPH0568557 A JP H0568557A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- dna
- gene
- restriction enzyme
- sequence
- factor
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C07—ORGANIC CHEMISTRY
- C07K—PEPTIDES
- C07K14/00—Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
- C07K14/005—Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from viruses
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C07—ORGANIC CHEMISTRY
- C07K—PEPTIDES
- C07K14/00—Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
- C07K14/435—Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C07—ORGANIC CHEMISTRY
- C07K—PEPTIDES
- C07K7/00—Peptides having 5 to 20 amino acids in a fully defined sequence; Derivatives thereof
- C07K7/04—Linear peptides containing only normal peptide links
- C07K7/08—Linear peptides containing only normal peptide links having 12 to 20 amino acids
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C12—BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
- C12N—MICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
- C12N15/00—Mutation or genetic engineering; DNA or RNA concerning genetic engineering, vectors, e.g. plasmids, or their isolation, preparation or purification; Use of hosts therefor
- C12N15/09—Recombinant DNA-technology
- C12N15/11—DNA or RNA fragments; Modified forms thereof; Non-coding nucleic acids having a biological activity
- C12N15/62—DNA sequences coding for fusion proteins
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C12—BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
- C12N—MICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
- C12N15/00—Mutation or genetic engineering; DNA or RNA concerning genetic engineering, vectors, e.g. plasmids, or their isolation, preparation or purification; Use of hosts therefor
- C12N15/09—Recombinant DNA-technology
- C12N15/63—Introduction of foreign genetic material using vectors; Vectors; Use of hosts therefor; Regulation of expression
- C12N15/66—General methods for inserting a gene into a vector to form a recombinant vector using cleavage and ligation; Use of non-functional linkers or adaptors, e.g. linkers containing the sequence for a restriction endonuclease
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C07—ORGANIC CHEMISTRY
- C07K—PEPTIDES
- C07K2319/00—Fusion polypeptide
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C07—ORGANIC CHEMISTRY
- C07K—PEPTIDES
- C07K2319/00—Fusion polypeptide
- C07K2319/50—Fusion polypeptide containing protease site
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C12—BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
- C12N—MICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
- C12N2795/00—Bacteriophages
- C12N2795/00011—Details
- C12N2795/10011—Details dsDNA Bacteriophages
- C12N2795/10211—Podoviridae
- C12N2795/10222—New viral proteins or individual genes, new structural or functional aspects of known viral proteins or genes
Landscapes
- Health & Medical Sciences (AREA)
- Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Genetics & Genomics (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Molecular Biology (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Zoology (AREA)
- Biochemistry (AREA)
- Biomedical Technology (AREA)
- General Health & Medical Sciences (AREA)
- Biophysics (AREA)
- Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
- General Engineering & Computer Science (AREA)
- Wood Science & Technology (AREA)
- Biotechnology (AREA)
- Medicinal Chemistry (AREA)
- Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
- Gastroenterology & Hepatology (AREA)
- Physics & Mathematics (AREA)
- Microbiology (AREA)
- Plant Pathology (AREA)
- Toxicology (AREA)
- Virology (AREA)
- Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
- Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】血液凝固因子Xaの認識アミノ酸配列に対応する
リンカーDNA及びそれを用いた外来遺伝子との融合遺伝
子を作製し、発現した融合蛋白質を因子Xaで切断して成
熟型蛋白質を得る。 【構成】中央に制限酵素Nru I認識部位を有する因子Xa
リンカーDNAを合成し、制限酵素Hpa I認識部位を持つプ
ラスミドにクローニングし、リンカー内のEco RI-Bam H
I断片をT7プロモータ/第10遺伝子を含むベクターのEco
RI-Bam HI開裂部位に融合する。さらに、リンカー内のN
ru I開裂部位に外来遺伝子を融合することにより、因子
XaリンカーDNAを介した融合遺伝子を作製する。 【効果】発現効率の低い外来遺伝子を本手順に従い融合
遺伝子化することにより、発現効率が向上し、生産され
た融合蛋白質を因子Xaで切断することにより多量の成熟
型蛋白質を得ることができる。
リンカーDNA及びそれを用いた外来遺伝子との融合遺伝
子を作製し、発現した融合蛋白質を因子Xaで切断して成
熟型蛋白質を得る。 【構成】中央に制限酵素Nru I認識部位を有する因子Xa
リンカーDNAを合成し、制限酵素Hpa I認識部位を持つプ
ラスミドにクローニングし、リンカー内のEco RI-Bam H
I断片をT7プロモータ/第10遺伝子を含むベクターのEco
RI-Bam HI開裂部位に融合する。さらに、リンカー内のN
ru I開裂部位に外来遺伝子を融合することにより、因子
XaリンカーDNAを介した融合遺伝子を作製する。 【効果】発現効率の低い外来遺伝子を本手順に従い融合
遺伝子化することにより、発現効率が向上し、生産され
た融合蛋白質を因子Xaで切断することにより多量の成熟
型蛋白質を得ることができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、制限プロテアーゼ活性
を有する血液凝固因子Xaの認識アミノ酸配列に対応する
遺伝子、及び、それを含む融合遺伝子、発現ベクター、
該発現ベクターを保持する大腸菌の作製方法に関する。
を有する血液凝固因子Xaの認識アミノ酸配列に対応する
遺伝子、及び、それを含む融合遺伝子、発現ベクター、
該発現ベクターを保持する大腸菌の作製方法に関する。
【0002】
【従来の技術】大腸菌等の宿主細胞に外来の遺伝子を導
入して蛋白質を発現させる遺伝子工学の手法において、
既存の高効率発現ベクター中の構造遺伝子の途中に目的
とする遺伝子を挿入し、大量に融合蛋白質を得る手法が
有効である(例えば、マニアティス(Maniatis)等、モ
レキュラークローニング(Molecular Cloning): アラ
ボラトリ マニュアル(A Laboratory Manual)、第2
版、pp.17.3-17.9、コールド スプリング ハーバー
ラボラトリ プレス(Cold Spring HarborLaboratory P
ress)、1989)。その際、目的とする成熟型蛋白質を単
離するため、融合蛋白質の融合部位のみを特異的に切断
する、化学的あるいは酵素的なさまざまな手法が開発さ
れている(例えば、ディー ブイ ジョーデル(D.V. G
oeddel)編、メソッド イン エンザイモロジ(Method
s in Enzymology), 185,129-143 (1990))。その中で、
アミノ酸配列Ile-Glu-Gly-Argを特異的に認識し、Argの
C末端側を切断するプロテアーゼ活性を有する血液凝固
因子Xaを利用する手法が注目されている。その代表例
は、既存の発現ベクターの構造遺伝子中の制限酵素Bam
HI開裂部位に、因子Xa認識アミノ酸配列に対応する塩基
配列を含むDNAリンカー(以後XaリンカーDNAと略記)を挿
入し、リンカー内部の制限酵素Stu I開裂部位に、5'末
端を平滑化した目的とする遺伝子を挿入し、発現した融
合蛋白質を因子Xaで処理することにより、目的とする成
熟型蛋白質を得るというものである(キヨシ ナガイ
他、特開昭61-135591)。その他、ヒトB細胞分化因子遺
伝子の上流にXaリンカーDNAを融合した例(浅越義弘他、
特開平2-2353)、ヒト生長ホルモン遺伝子の上流にXaリ
ンカーDNAを融合した例(ギート・グランディ他、特開平2
-2386)、XaリンカーDNAの前後にグリシン数残基分をコ
ードする遺伝子を連結した例(アンドレアス・ブリュッ
クトウーン、特開平2-5881)が開示されている。
入して蛋白質を発現させる遺伝子工学の手法において、
既存の高効率発現ベクター中の構造遺伝子の途中に目的
とする遺伝子を挿入し、大量に融合蛋白質を得る手法が
有効である(例えば、マニアティス(Maniatis)等、モ
レキュラークローニング(Molecular Cloning): アラ
ボラトリ マニュアル(A Laboratory Manual)、第2
版、pp.17.3-17.9、コールド スプリング ハーバー
ラボラトリ プレス(Cold Spring HarborLaboratory P
ress)、1989)。その際、目的とする成熟型蛋白質を単
離するため、融合蛋白質の融合部位のみを特異的に切断
する、化学的あるいは酵素的なさまざまな手法が開発さ
れている(例えば、ディー ブイ ジョーデル(D.V. G
oeddel)編、メソッド イン エンザイモロジ(Method
s in Enzymology), 185,129-143 (1990))。その中で、
アミノ酸配列Ile-Glu-Gly-Argを特異的に認識し、Argの
C末端側を切断するプロテアーゼ活性を有する血液凝固
因子Xaを利用する手法が注目されている。その代表例
は、既存の発現ベクターの構造遺伝子中の制限酵素Bam
HI開裂部位に、因子Xa認識アミノ酸配列に対応する塩基
配列を含むDNAリンカー(以後XaリンカーDNAと略記)を挿
入し、リンカー内部の制限酵素Stu I開裂部位に、5'末
端を平滑化した目的とする遺伝子を挿入し、発現した融
合蛋白質を因子Xaで処理することにより、目的とする成
熟型蛋白質を得るというものである(キヨシ ナガイ
他、特開昭61-135591)。その他、ヒトB細胞分化因子遺
伝子の上流にXaリンカーDNAを融合した例(浅越義弘他、
特開平2-2353)、ヒト生長ホルモン遺伝子の上流にXaリ
ンカーDNAを融合した例(ギート・グランディ他、特開平2
-2386)、XaリンカーDNAの前後にグリシン数残基分をコ
ードする遺伝子を連結した例(アンドレアス・ブリュッ
クトウーン、特開平2-5881)が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】XaリンカーDNAと目的
とする外来遺伝子とを融合させる際、2つの課題が存在
する。一つは、コドンの読み枠が揃うように融合するこ
と、もう一つは、融合蛋白質を因子Xaで切断する際成熟
型の外来蛋白質を生成することである。上で挙げた開示
例の中で外来遺伝子との一般的な融合法を扱っているの
は特開昭61-135591である。この場合融合部位はXaリン
カーDNAの内部にある制限酵素Stu Iの認識配列AGGCCTで
あり、Stu Iによる開裂でArgコドンAGGが融合上流部分
の3'平滑末端を形成する。従って、この方法で上記2課
題を達成するためには、5'末端塩基が平滑化されてコド
ンの一文字目になるように外来遺伝子を調製する必要が
ある。
とする外来遺伝子とを融合させる際、2つの課題が存在
する。一つは、コドンの読み枠が揃うように融合するこ
と、もう一つは、融合蛋白質を因子Xaで切断する際成熟
型の外来蛋白質を生成することである。上で挙げた開示
例の中で外来遺伝子との一般的な融合法を扱っているの
は特開昭61-135591である。この場合融合部位はXaリン
カーDNAの内部にある制限酵素Stu Iの認識配列AGGCCTで
あり、Stu Iによる開裂でArgコドンAGGが融合上流部分
の3'平滑末端を形成する。従って、この方法で上記2課
題を達成するためには、5'末端塩基が平滑化されてコド
ンの一文字目になるように外来遺伝子を調製する必要が
ある。
【0004】しかし、一般的には融合すべき外来遺伝子
の5'末端をコドンの一文字目に対応させるように平滑化
することは難しく、確率的には3分の1である。それ以
外の場合上記代表例のベクターをそのまま用いることは
不可能である。
の5'末端をコドンの一文字目に対応させるように平滑化
することは難しく、確率的には3分の1である。それ以
外の場合上記代表例のベクターをそのまま用いることは
不可能である。
【0005】本発明の1つの目的は、平滑化を行ってコ
ドンの読み枠に1ヌクレオチド付加された5'末端を生じ
た挿入遺伝子に対して、その上流に因子Xa認識配列をコ
ードするDNAをコドンの読み枠を揃えて連結可能とする
リンカーDNAを提供することである。
ドンの読み枠に1ヌクレオチド付加された5'末端を生じ
た挿入遺伝子に対して、その上流に因子Xa認識配列をコ
ードするDNAをコドンの読み枠を揃えて連結可能とする
リンカーDNAを提供することである。
【0006】本発明の他の目的は、特異的な制限酵素部
位を有する任意の構造遺伝子に対し、XaリンカーDNAを
介して目的とする外来遺伝子を連結した融合遺伝子の作
製方法を提供することである。
位を有する任意の構造遺伝子に対し、XaリンカーDNAを
介して目的とする外来遺伝子を連結した融合遺伝子の作
製方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、当該因
子XaリンカーDNAは制限酵素Nru Iの認識配列TCGCGAを含
んでおり、Nru Iによる切断によって因子Xaの認識アミ
ノ酸配列の4番目に当るArgのコドンを2文字目(CG)ま
で含む、平滑化された融合上流部分が得られる。従っ
て、融合すべき外来遺伝子の5'末端をコドンの読み枠よ
りもさらに1ヌクレオチド余分に5'側に付加した状態で
上流部分と連結することにより、読み枠の揃った融合遺
伝子が提供される。この場合のArgコドンの1、2文字目
はCGであるため、このコドンがArgをコードするための3
文字目のヌクレオチドはA,C,G,Tのいずれでもよく、融
合される外来遺伝子の5'末端に付加されているヌクレオ
チドも任意でよいことになる。
子XaリンカーDNAは制限酵素Nru Iの認識配列TCGCGAを含
んでおり、Nru Iによる切断によって因子Xaの認識アミ
ノ酸配列の4番目に当るArgのコドンを2文字目(CG)ま
で含む、平滑化された融合上流部分が得られる。従っ
て、融合すべき外来遺伝子の5'末端をコドンの読み枠よ
りもさらに1ヌクレオチド余分に5'側に付加した状態で
上流部分と連結することにより、読み枠の揃った融合遺
伝子が提供される。この場合のArgコドンの1、2文字目
はCGであるため、このコドンがArgをコードするための3
文字目のヌクレオチドはA,C,G,Tのいずれでもよく、融
合される外来遺伝子の5'末端に付加されているヌクレオ
チドも任意でよいことになる。
【0008】一般的には、外来遺伝子の5'末端がコドン
の読み枠よりもさらに1ヌクレオチド余分に付加した状
態に平滑化される確率は3分の1である。しかし、最近
の遺伝子工学の進歩により、目的とする遺伝子の全体あ
るいは部分を化学合成する例が増えており、その場合遺
伝子の5'末端には制限酵素の認識部位を設けることが多
い。そこで、5'末端に制限酵素認識部位を持つ外来遺伝
子を、本発明が利用できる形状に修飾する方法について
例をあげて説明する。まず、外来遺伝子の最初のコドン
の直前に、Bam HI, Eco RI, Hind III, Pst I, Sac I等
に代表される6塩基を認識して開裂後4ヌクレオチド突出
末端を形成する制限酵素が存在する場合(図3a)、その制
限酵素で切断後、突出末端をMung Beanヌクレアーゼま
たはS1ヌクレアーゼで除去することにより、外来遺伝子
の最初のコドンの直前に1ヌクレオチドが付加された状
態で残り、これがArgの3文字目を構成することができ
る。
の読み枠よりもさらに1ヌクレオチド余分に付加した状
態に平滑化される確率は3分の1である。しかし、最近
の遺伝子工学の進歩により、目的とする遺伝子の全体あ
るいは部分を化学合成する例が増えており、その場合遺
伝子の5'末端には制限酵素の認識部位を設けることが多
い。そこで、5'末端に制限酵素認識部位を持つ外来遺伝
子を、本発明が利用できる形状に修飾する方法について
例をあげて説明する。まず、外来遺伝子の最初のコドン
の直前に、Bam HI, Eco RI, Hind III, Pst I, Sac I等
に代表される6塩基を認識して開裂後4ヌクレオチド突出
末端を形成する制限酵素が存在する場合(図3a)、その制
限酵素で切断後、突出末端をMung Beanヌクレアーゼま
たはS1ヌクレアーゼで除去することにより、外来遺伝子
の最初のコドンの直前に1ヌクレオチドが付加された状
態で残り、これがArgの3文字目を構成することができ
る。
【0009】次に、開始コドンATGを含んでいる制限酵
素Nde I認識配列CATATGあるいはNco I認識配列CCATGGを
外来遺伝子の5'末端に有している場合(図3b)、その制限
酵素で切断後、突出末端をT4DNAポリメラーゼでフィル・
アップすることにより、開始コドンの直前に1ヌクレオ
チドが付加された5'末端平滑遺伝子を作製することがで
きる。この場合、融合蛋白質発現後の因子Xa切断によ
り、N末端にMetの付加された外来蛋白質が得られること
になる。本発明の適用範囲はここに挙げた例に留まら
ず、多くの制限酵素を5'末端に持つ遺伝子に応用可能で
ある。
素Nde I認識配列CATATGあるいはNco I認識配列CCATGGを
外来遺伝子の5'末端に有している場合(図3b)、その制限
酵素で切断後、突出末端をT4DNAポリメラーゼでフィル・
アップすることにより、開始コドンの直前に1ヌクレオ
チドが付加された5'末端平滑遺伝子を作製することがで
きる。この場合、融合蛋白質発現後の因子Xa切断によ
り、N末端にMetの付加された外来蛋白質が得られること
になる。本発明の適用範囲はここに挙げた例に留まら
ず、多くの制限酵素を5'末端に持つ遺伝子に応用可能で
ある。
【0010】さらに本発明では、2本鎖DNAの双方に因子
Xa認識配列の情報を与えるため、図1に示すような、Nr
u I認識部位を中心にした22塩基対の逆反復配列を内部
に含むXaリンカーDNAを提供している。さらに本発明に
よれば、因子XaリンカーDNAの両側に適当な制限酵素認
識配列あるいは制限酵素開裂配列を設けることにより、
特異的な制限酵素認識部位を有する任意の構造遺伝子の
内部に当該因子XaリンカーDNAを挿入することができ
る。例えば、図1に示したXaリンカーDNA(請求項5に対
応する)では、Xa認識配列の外側にEco RIとBam HIの認
識配列を付加しており、Eco RIとBam HIの認識部位を含
む任意の構造遺伝子中に当該リンカーを挿入することが
できる。この場合、当該リンカーの逆反復性により、構
造遺伝子中のEco RIとBam HI認識部位の順序は問われな
いことになる。また、Xa認識配列の外側両側にEco RIの
認識配列を持つ構造のXaリンカー AACGAATTCA TCGAGGGTCG CGACCCTCGA TGAATTCGTT (請求項6に対応する)では、Eco RIの認識部位は含む
がBamHI の認識配列は含まない任意の構造遺伝子中に当
該リンカーを挿入することができる。
Xa認識配列の情報を与えるため、図1に示すような、Nr
u I認識部位を中心にした22塩基対の逆反復配列を内部
に含むXaリンカーDNAを提供している。さらに本発明に
よれば、因子XaリンカーDNAの両側に適当な制限酵素認
識配列あるいは制限酵素開裂配列を設けることにより、
特異的な制限酵素認識部位を有する任意の構造遺伝子の
内部に当該因子XaリンカーDNAを挿入することができ
る。例えば、図1に示したXaリンカーDNA(請求項5に対
応する)では、Xa認識配列の外側にEco RIとBam HIの認
識配列を付加しており、Eco RIとBam HIの認識部位を含
む任意の構造遺伝子中に当該リンカーを挿入することが
できる。この場合、当該リンカーの逆反復性により、構
造遺伝子中のEco RIとBam HI認識部位の順序は問われな
いことになる。また、Xa認識配列の外側両側にEco RIの
認識配列を持つ構造のXaリンカー AACGAATTCA TCGAGGGTCG CGACCCTCGA TGAATTCGTT (請求項6に対応する)では、Eco RIの認識部位は含む
がBamHI の認識配列は含まない任意の構造遺伝子中に当
該リンカーを挿入することができる。
【0011】
【作用】本発明によれば、発現ベクター内の構造遺伝子
内に制限酵素等を用いてコドンの読み枠が揃うように該
因子XaリンカーDNAを連結し、続いてXaリンカーDNA内の
制限酵素Nru I認識部位に目的とする外来遺伝子をコド
ンの読み枠が揃うように連結することにより、Xaリンカ
ーDNAを介した2種類の構造遺伝子の融合遺伝子を含むベ
クターが得られる。さらに該発現ベクターで形質転換し
た大腸菌を培養することにより該融合遺伝子に対応する
融合蛋白質が生産される。さらに、該融合蛋白質を回収
し、制限プロテアーゼ活性を有する因子Xaで処理するこ
とにより、成熟型の外来遺伝子発現蛋白質を得ることが
できる。
内に制限酵素等を用いてコドンの読み枠が揃うように該
因子XaリンカーDNAを連結し、続いてXaリンカーDNA内の
制限酵素Nru I認識部位に目的とする外来遺伝子をコド
ンの読み枠が揃うように連結することにより、Xaリンカ
ーDNAを介した2種類の構造遺伝子の融合遺伝子を含むベ
クターが得られる。さらに該発現ベクターで形質転換し
た大腸菌を培養することにより該融合遺伝子に対応する
融合蛋白質が生産される。さらに、該融合蛋白質を回収
し、制限プロテアーゼ活性を有する因子Xaで処理するこ
とにより、成熟型の外来遺伝子発現蛋白質を得ることが
できる。
【0012】
【実施例】以下、本発明の実施例を具体的に説明する
が、本発明はこれによりなんら限定されるものではな
い。なお、本実施例で用いた制限酵素は宝酒造(株)製の
ものであり、培地、緩衝液等の調製は前述したManiatis
等のマニュアル(MolecularCloning: A Laboratory Man
ual、第2版、Cold Spring Harbor Laboratory Press、1
989)に従った。
が、本発明はこれによりなんら限定されるものではな
い。なお、本実施例で用いた制限酵素は宝酒造(株)製の
ものであり、培地、緩衝液等の調製は前述したManiatis
等のマニュアル(MolecularCloning: A Laboratory Man
ual、第2版、Cold Spring Harbor Laboratory Press、1
989)に従った。
【0013】実施例1 血液凝固因子XaリンカーDNAの
合成とクローニング 図1に示す2本の40塩基長のオリゴヌクレオチドを、DN
Aシンセサイザー(アプライド バイオシステムズ社製、
モデル380B)を用いて、フォスフォアミダイト法で合成
した。アンモニア水を加えて55℃で12時間放置して保護
基の脱離を行なった後、OPC(oligonucleotide purifica
tion cartridge)カラムを用いて精製した。さらに、溶
媒を遠心減圧留去した後、固化した上記オリゴヌクレオ
チド2本をそれぞれTE緩衝液100μlに溶解し、260nmでの
吸光度を測定し濃度検定を行った。ついで、このように
精製、定量したオリゴヌクレオチドをそれぞれ0.1ナノ
モルずつ分取し、50mMトリス塩酸(pH8.0)、10mM MgC
l2、10mM2-メルカプトエタノール、1mM ATP、及びT4ポ
リヌクレオチドキナーゼ(東洋紡績(株)製)20U中で5'末
端のリン酸化反応を37℃で1時間行った。その後両者を
混合してフェノール処理、エタノール沈殿を行い、回収
したDNAをライゲーション緩衝液(100mMトリス塩酸(pH7.
6)、6.5mM MgCl2)10μlに溶解し、70℃で15分おいた
後、ゆっくり室温までアニールした。以上の操作によ
り、10ng/μl程度の因子XaリンカーDNAを得た。
合成とクローニング 図1に示す2本の40塩基長のオリゴヌクレオチドを、DN
Aシンセサイザー(アプライド バイオシステムズ社製、
モデル380B)を用いて、フォスフォアミダイト法で合成
した。アンモニア水を加えて55℃で12時間放置して保護
基の脱離を行なった後、OPC(oligonucleotide purifica
tion cartridge)カラムを用いて精製した。さらに、溶
媒を遠心減圧留去した後、固化した上記オリゴヌクレオ
チド2本をそれぞれTE緩衝液100μlに溶解し、260nmでの
吸光度を測定し濃度検定を行った。ついで、このように
精製、定量したオリゴヌクレオチドをそれぞれ0.1ナノ
モルずつ分取し、50mMトリス塩酸(pH8.0)、10mM MgC
l2、10mM2-メルカプトエタノール、1mM ATP、及びT4ポ
リヌクレオチドキナーゼ(東洋紡績(株)製)20U中で5'末
端のリン酸化反応を37℃で1時間行った。その後両者を
混合してフェノール処理、エタノール沈殿を行い、回収
したDNAをライゲーション緩衝液(100mMトリス塩酸(pH7.
6)、6.5mM MgCl2)10μlに溶解し、70℃で15分おいた
後、ゆっくり室温までアニールした。以上の操作によ
り、10ng/μl程度の因子XaリンカーDNAを得た。
【0014】続いて、図1に従って、上記リンカーDNA
を含むプラスミドの作製方法について述べる。まず、特
願平1-260261で開示されているプラスミドベクターpTRL
ORF1(微工研菌寄第11043号(FERM P-11043)として寄託
済)を、図1に示すように、trp P/O内と遺伝子ORF1内に
認識部位を持つ制限酵素HpaIで開裂させた。次いで、ベ
クターの自己連結を防ぐために、大腸菌のアルカリフォ
スファターゼ(東洋紡績(株)製)を用いて4.58キロ塩基対
(kb)のHpa I断片の5'末端脱リン酸化を行った後100ng相
当を分取し、ライゲーションキット(宝酒造(株)製)を用
いて上記因子XaリンカーDNA30ngとのライゲーション反
応を16℃で8時間行った。この反応液10μlを用いて、大
腸菌コンピテントセルDH5(東洋紡績(株)製)を形質転換
して組換え大腸菌DH5[pTRXa-1]及びDH5[pTRXa-2]を得
た。ここで、pTRXa-2とは、図1に示されているpTRXa-1
の[Hpa I-Hpa I]挿入断片の向きが逆転しているプラス
ミドである。なお、この大腸菌 E.coli DH5[pTRXa-1]は
工業技術院微生物工業技術研究所(以下、微工研と略
記)に微工研菌寄第 12501 号(FERM P-12501)として寄
託している。
を含むプラスミドの作製方法について述べる。まず、特
願平1-260261で開示されているプラスミドベクターpTRL
ORF1(微工研菌寄第11043号(FERM P-11043)として寄託
済)を、図1に示すように、trp P/O内と遺伝子ORF1内に
認識部位を持つ制限酵素HpaIで開裂させた。次いで、ベ
クターの自己連結を防ぐために、大腸菌のアルカリフォ
スファターゼ(東洋紡績(株)製)を用いて4.58キロ塩基対
(kb)のHpa I断片の5'末端脱リン酸化を行った後100ng相
当を分取し、ライゲーションキット(宝酒造(株)製)を用
いて上記因子XaリンカーDNA30ngとのライゲーション反
応を16℃で8時間行った。この反応液10μlを用いて、大
腸菌コンピテントセルDH5(東洋紡績(株)製)を形質転換
して組換え大腸菌DH5[pTRXa-1]及びDH5[pTRXa-2]を得
た。ここで、pTRXa-2とは、図1に示されているpTRXa-1
の[Hpa I-Hpa I]挿入断片の向きが逆転しているプラス
ミドである。なお、この大腸菌 E.coli DH5[pTRXa-1]は
工業技術院微生物工業技術研究所(以下、微工研と略
記)に微工研菌寄第 12501 号(FERM P-12501)として寄
託している。
【0015】図1に示したリンカーDNAは、両末端がHpa
Iの開裂末端となるように設計してあるので、ここで作
製された組換え体ベクターpTRXa-1及びpTRXa-2は、Hpa
Iで再切断が可能であり、平滑末端を形成し得る他の任
意のベクターに該XaリンカーDNAを再クローニングでき
るという特徴を有している。
Iの開裂末端となるように設計してあるので、ここで作
製された組換え体ベクターpTRXa-1及びpTRXa-2は、Hpa
Iで再切断が可能であり、平滑末端を形成し得る他の任
意のベクターに該XaリンカーDNAを再クローニングでき
るという特徴を有している。
【0016】続いて、図1に従って、上記XaリンカーDN
Aを既存の発現ベクターpGEMEX-1(プロメガ社)中に挿入
する方法について述べる。pGEMEX-1は、T7ファージ由来
のプロモータとT7の主要頭部蛋白質をコードしている第
10遺伝子を含み、遺伝子中に制限酵素のマルチクローニ
ングサイト(MCS)を持つ。このベクターをMCS内のEco RI
とBam HIで開裂させ、アルカリフォスファターゼを用い
て末端の脱リン酸化を行った。一方ベクターpTRXa-1をE
co RIとBam HIで開裂させてXaリンカーDNA断片を回収
し、上記ベクターとライゲーションキットを用いて連結
させた。そして、この反応液を用いて、大腸菌コンピテ
ントセルDH5を形質転換して組換え大腸菌DH5[pT7Xa]を
得た。
Aを既存の発現ベクターpGEMEX-1(プロメガ社)中に挿入
する方法について述べる。pGEMEX-1は、T7ファージ由来
のプロモータとT7の主要頭部蛋白質をコードしている第
10遺伝子を含み、遺伝子中に制限酵素のマルチクローニ
ングサイト(MCS)を持つ。このベクターをMCS内のEco RI
とBam HIで開裂させ、アルカリフォスファターゼを用い
て末端の脱リン酸化を行った。一方ベクターpTRXa-1をE
co RIとBam HIで開裂させてXaリンカーDNA断片を回収
し、上記ベクターとライゲーションキットを用いて連結
させた。そして、この反応液を用いて、大腸菌コンピテ
ントセルDH5を形質転換して組換え大腸菌DH5[pT7Xa]を
得た。
【0017】実施例2 因子XaリンカーDNAを介したT7
ファージ第10遺伝子とタコロドプシン断片遺伝子との融
合遺伝子の構築 実施例1で作製された発現ベクターpT7Xa内のXaリンカ
ー部分のNru I認識部位に目的とする外来遺伝子を挿入
することにより、因子XaリンカーDNAを介したT7第10遺
伝子と外来遺伝子との融合遺伝子を構築することができ
る。ここではその一例として、図2に従って特願平1-26
0261に開示されているタコロドプシン遺伝子の部分遺伝
子である第4断片遺伝子を該発現ベクターに融合する方
法について述べる。
ファージ第10遺伝子とタコロドプシン断片遺伝子との融
合遺伝子の構築 実施例1で作製された発現ベクターpT7Xa内のXaリンカ
ー部分のNru I認識部位に目的とする外来遺伝子を挿入
することにより、因子XaリンカーDNAを介したT7第10遺
伝子と外来遺伝子との融合遺伝子を構築することができ
る。ここではその一例として、図2に従って特願平1-26
0261に開示されているタコロドプシン遺伝子の部分遺伝
子である第4断片遺伝子を該発現ベクターに融合する方
法について述べる。
【0018】まず、タコロドプシン第4断片遺伝子を含
むベクターpTRLORF4をEco RIで切断し、続いてMung Bea
nヌクレアーゼ(宝酒造(株)製)を用いて5'突出部分(AAT
T)を除去して5'末端の平滑化を行った。フェノール処理
によってMung Beanヌクレアーゼを除去した後、Bam HI
によって切断し、第4断片遺伝子ORF4部分を回収した。
一方、発現ベクターpT7XaをNru IとBam HIで切断し、ア
ルカリフォスファターゼを用いて5'末端の脱リン酸化を
行った。両者をライゲーションキットを用いて連結さ
せ、その反応液で大腸菌DH5を形質転換して、組換え大
腸菌DH5[pT7XaoRh4]を得た。なお、この大腸菌 E.coliD
H5[pT7XaoRh4]は微工研に微工研菌寄第 12500 号(FERM
P-12500)として寄託している。
むベクターpTRLORF4をEco RIで切断し、続いてMung Bea
nヌクレアーゼ(宝酒造(株)製)を用いて5'突出部分(AAT
T)を除去して5'末端の平滑化を行った。フェノール処理
によってMung Beanヌクレアーゼを除去した後、Bam HI
によって切断し、第4断片遺伝子ORF4部分を回収した。
一方、発現ベクターpT7XaをNru IとBam HIで切断し、ア
ルカリフォスファターゼを用いて5'末端の脱リン酸化を
行った。両者をライゲーションキットを用いて連結さ
せ、その反応液で大腸菌DH5を形質転換して、組換え大
腸菌DH5[pT7XaoRh4]を得た。なお、この大腸菌 E.coliD
H5[pT7XaoRh4]は微工研に微工研菌寄第 12500 号(FERM
P-12500)として寄託している。
【0019】図2に示す通り、Nru Iで切断されたベク
ターpT7Xa中のXaリンカーの3'末端はArgコドンの2文字
目にあたり、一方融合されるORF4の5'末端はコドンの読
み枠に1ヌクレオチド付加された形で平滑化を行ったの
で、これらを連結することにより読み枠の揃った融合遺
伝子が構築された。
ターpT7Xa中のXaリンカーの3'末端はArgコドンの2文字
目にあたり、一方融合されるORF4の5'末端はコドンの読
み枠に1ヌクレオチド付加された形で平滑化を行ったの
で、これらを連結することにより読み枠の揃った融合遺
伝子が構築された。
【0020】実施例3 融合遺伝子の発現と因子Xaによ
る成熟型蛋白質の製造 まず、実施例2で作製した発現ベクターpT7XaoRh4で発
現用の宿主大腸菌JM109(DE3)を形質転換した。単一コロ
ニー化した組換え大腸菌JM109(DE3)[pT7XaoRh4]をアン
ピシリンを50μg/ml含むNZCYM培地10mlで37℃一晩培養
し、得られた培養液0.5mlをアンピシリン50μg/mlのNZC
YM培地100mlに加えて37℃で培養し、600nmの吸光度が0.
9になった時点でイソプロピルーベーターディーテイオ
ーガラクトピラノシド(Isopropyl-β-D-thio-Galactopy
ranoside(IPTG、和光純薬工業(株)製))を終濃度1mMにな
るように添加して、一晩培養した。培養終了後培養液を
遠心して集菌し、150mM塩化ナトリウムと0.02%(W/V)ア
ジ化ナトリウムを含む10mMリン酸ナトリウム緩衝液(pH
7.0)10mlに再懸濁してフレンチプレスを用いて細胞を破
砕した。破砕液を3,000Gで15分遠心して上清と沈殿(画
分1)に分け、上清をさらに180,000Gで1時間遠心し、上
清(画分2)と沈殿(画分3)に分けた。画分1、2、3は、そ
れぞれ不溶性顆粒蛋白質、細胞質蛋白質、膜蛋白質に対
応している。これらの画分をそれぞれサンプリングし、
ゲル濃度16.5%のエスディエス-ポリアクリルアミドゲル
電気泳動(SDS-PAGE)にかけたところ、画分1に分子量約4
万のバンドを検出した。従って、Xa認識配列を介した、
T7主要頭部蛋白質とタコロドプシン第4断片蛋白質との
融合蛋白質は、大腸菌内では不溶性顆粒として蓄積され
ていることが分かった。
る成熟型蛋白質の製造 まず、実施例2で作製した発現ベクターpT7XaoRh4で発
現用の宿主大腸菌JM109(DE3)を形質転換した。単一コロ
ニー化した組換え大腸菌JM109(DE3)[pT7XaoRh4]をアン
ピシリンを50μg/ml含むNZCYM培地10mlで37℃一晩培養
し、得られた培養液0.5mlをアンピシリン50μg/mlのNZC
YM培地100mlに加えて37℃で培養し、600nmの吸光度が0.
9になった時点でイソプロピルーベーターディーテイオ
ーガラクトピラノシド(Isopropyl-β-D-thio-Galactopy
ranoside(IPTG、和光純薬工業(株)製))を終濃度1mMにな
るように添加して、一晩培養した。培養終了後培養液を
遠心して集菌し、150mM塩化ナトリウムと0.02%(W/V)ア
ジ化ナトリウムを含む10mMリン酸ナトリウム緩衝液(pH
7.0)10mlに再懸濁してフレンチプレスを用いて細胞を破
砕した。破砕液を3,000Gで15分遠心して上清と沈殿(画
分1)に分け、上清をさらに180,000Gで1時間遠心し、上
清(画分2)と沈殿(画分3)に分けた。画分1、2、3は、そ
れぞれ不溶性顆粒蛋白質、細胞質蛋白質、膜蛋白質に対
応している。これらの画分をそれぞれサンプリングし、
ゲル濃度16.5%のエスディエス-ポリアクリルアミドゲル
電気泳動(SDS-PAGE)にかけたところ、画分1に分子量約4
万のバンドを検出した。従って、Xa認識配列を介した、
T7主要頭部蛋白質とタコロドプシン第4断片蛋白質との
融合蛋白質は、大腸菌内では不溶性顆粒として蓄積され
ていることが分かった。
【0021】画分1を0.5% Triton X-100、1mM EDTA溶液
で5回リンスした後、8M尿素、1mM EDTA、1mMジチオスレ
イトールを含む50mMトリス塩酸緩衝液(pH8.0)5mlに溶解
させ、続いて100mM塩化ナトリウム、50mMトリス塩酸緩
衝液(pH8.0)で18時間透析した。透析内液を遠心したと
ころ沈殿は見出されなかった。この融合蛋白質の粗精製
溶液の濃度は、ブラッドフォード定量法(アナリティカ
ル バイオケミストリー(Anal. Biochem.) 72, 248(197
6))によって約10mg/mlと評価した。
で5回リンスした後、8M尿素、1mM EDTA、1mMジチオスレ
イトールを含む50mMトリス塩酸緩衝液(pH8.0)5mlに溶解
させ、続いて100mM塩化ナトリウム、50mMトリス塩酸緩
衝液(pH8.0)で18時間透析した。透析内液を遠心したと
ころ沈殿は見出されなかった。この融合蛋白質の粗精製
溶液の濃度は、ブラッドフォード定量法(アナリティカ
ル バイオケミストリー(Anal. Biochem.) 72, 248(197
6))によって約10mg/mlと評価した。
【0022】該融合蛋白質粗精製液1μlに反応緩衝液(1
00mMNaCl、50mMトリス塩酸(pH8.0)、1mM CaCl2)8.5μl
を加え、制限プロテアーゼ因子Xa(1μg/μl、宝酒造
(株)製)を0.5μl添加して25℃で24時間反応させた。反
応液を前述のゲル濃度16.5%のSDS-PAGEにかけたとこ
ろ、大部分の切断反応は進行しており、7キロダルトン
付近に成熟型タコロドプシン第4断片とに対応するバン
ドを検出した。このバンドをクリアブロット-P膜(アト
ー(株)製)にブロッティングして、プロティンシーケ
ンサー(アプライド バイオシステムズ社、モデル477A)
を用いてN末端10残基のアミノ酸配列が成熟型タコロド
プシン第4断片蛋白質と一致することを確認した。
00mMNaCl、50mMトリス塩酸(pH8.0)、1mM CaCl2)8.5μl
を加え、制限プロテアーゼ因子Xa(1μg/μl、宝酒造
(株)製)を0.5μl添加して25℃で24時間反応させた。反
応液を前述のゲル濃度16.5%のSDS-PAGEにかけたとこ
ろ、大部分の切断反応は進行しており、7キロダルトン
付近に成熟型タコロドプシン第4断片とに対応するバン
ドを検出した。このバンドをクリアブロット-P膜(アト
ー(株)製)にブロッティングして、プロティンシーケ
ンサー(アプライド バイオシステムズ社、モデル477A)
を用いてN末端10残基のアミノ酸配列が成熟型タコロド
プシン第4断片蛋白質と一致することを確認した。
【0023】
【発明の効果】本発明により、高発現効率を有するプロ
モータ/構造遺伝子を含む発現ベクター中の構造遺伝子
内に当該XaリンカーDNAを介して外来の遺伝子を融合さ
せることが可能になった。外来遺伝子、特に高等動植物
の遺伝子はプロモータ/シャイン・ダルガルノ(SD)配
列の下流に直接連結したベクターでは高い発現効率を望
めない場合が多いため、本発明に従って融合遺伝子を作
製し、大腸菌内で大量に融合蛋白質として発現させ、因
子Xaで切断して成熟型蛋白質を得る本手法は、遺伝子工
学の対象拡大に大きな寄与をもたらす有効な手段とな
る。
モータ/構造遺伝子を含む発現ベクター中の構造遺伝子
内に当該XaリンカーDNAを介して外来の遺伝子を融合さ
せることが可能になった。外来遺伝子、特に高等動植物
の遺伝子はプロモータ/シャイン・ダルガルノ(SD)配
列の下流に直接連結したベクターでは高い発現効率を望
めない場合が多いため、本発明に従って融合遺伝子を作
製し、大腸菌内で大量に融合蛋白質として発現させ、因
子Xaで切断して成熟型蛋白質を得る本手法は、遺伝子工
学の対象拡大に大きな寄与をもたらす有効な手段とな
る。
【0024】
配列番号:1 配列の長さ:40 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列の特徴 特徴を表す記号:cleavage-site 存在位置:4..9 特徴を決定した方法:S 特徴を表す記号:cleavage-site 存在位置:18..23 特徴を決定した方法:S 特徴を表す記号:cleavage-site 存在位置:32..37 特徴を決定した方法:S 配列 AACGAATTCA TCGAGGGTCG CGACCCTCGA TGGATCCGTT 40 配列番号:2 配列の長さ:40 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列の特徴 特徴を表す記号:cleavage-site 存在位置:4..9 特徴を決定した方法:S 特徴を表す記号:cleavage-site 存在位置:18..23 特徴を決定した方法:S 特徴を表す記号:cleavage-site 存在位置:32..37 特徴を決定した方法:S 配列 AACGAATTCA TCGAGGGTCG CGACCCTCGA TGAATTCGTT 40 配列番号:3 配列の長さ:4 配列の型:アミノ酸 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:ペプチド
【図1】本発明の一実施例を表す、XaリンカーDNAの塩
基配列と該リンカーを融合した発現ベクターの作製手順
を示す図である。
基配列と該リンカーを融合した発現ベクターの作製手順
を示す図である。
【図2】本発明の一実施例を表す、XaリンカーDNAを含
む発現ベクターに外来遺伝子としてタコロドプシン第4
断片遺伝子を融合した発現ベクターの作製手順を示す図
である。
む発現ベクターに外来遺伝子としてタコロドプシン第4
断片遺伝子を融合した発現ベクターの作製手順を示す図
である。
【図3】XaリンカーDNAを含む発現ベクターに融合する
外来遺伝子の5'末端調製手順を示す図である。
外来遺伝子の5'末端調製手順を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C12N 15/57 (72)発明者 原田 義則 埼玉県比企郡鳩山町赤沼2520番地 株式会 社日立製作所基礎研究所内
Claims (11)
- 【請求項1】血液凝固因子Xaの認識アミノ酸配列Ile-Gl
u-Gly-Argをコードし、そのうちGly-Arg部分のコドンが
GGTCGCであり、その直後にヌクレオチドGAを付加するこ
とにより制限酵素Nru I認識部位TCGCGAを設けた14塩
基対のDNA。 - 【請求項2】請求項1記載のDNAの5'末端から11番目
までのオリゴヌクレオチドの直後に、該11塩基対DNA
の逆反復配列を有するDNAを連結して得られる、22塩
基対のパリンドロ-ム配列DNA。 - 【請求項3】請求項1記載のDNAを含み、その両側に制
限酵素認識配列あるいは制限酵素開裂末端を有するDN
A。 - 【請求項4】請求項2記載のDNAを含み、その両側に制
限酵素認識配列あるいは制限酵素開裂末端を有するDN
A。 - 【請求項5】配列表の配列番号1で示される、請求項4
記載のDNA。 - 【請求項6】配列表の配列番号2で示される、請求項4
記載のDNA。 - 【請求項7】発現ベクターの構造遺伝子内に請求項3乃
至6のいずれかの項記載のリンカーDNAを挿入し、さら
に該リンカーDNA中の制限酵素Nru I開裂部位に新たな外
来遺伝子を連結することにより得られる、因子Xaリンカ
ーDNAを介した融合遺伝子の作製方法。 - 【請求項8】T7ファージ由来のプロモータとT7第10構造
遺伝子を含むベクター中の第10構造遺伝子内に請求項3
乃至6のいずれかの項記載のリンカーDNAを挿入し、さ
らに該リンカーDNA中の制限酵素Nru I開裂部位に新たな
外来遺伝子を連結することにより得られる、因子Xaリン
カーDNAを介した融合遺伝子を有する発現ベクター。 - 【請求項9】外来遺伝子がタコロドプシンまたはその一
部分を含む遺伝子である、請求項8記載の発現ベクタ
ー。 - 【請求項10】請求項8乃至9のいずれかの項記載の発
現ベクターにより形質転換した宿主生物体。 - 【請求項11】請求項10記載の生物体が大腸菌である
ことを特徴とする宿主生物体
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23443091A JP3277523B2 (ja) | 1991-09-13 | 1991-09-13 | 因子XaリンカーDNA |
EP19920115607 EP0532043B1 (en) | 1991-09-13 | 1992-09-11 | Factor Xa linker DNA |
DE1992620306 DE69220306T2 (de) | 1991-09-13 | 1992-09-11 | Faktor Xa-Linker DNA |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23443091A JP3277523B2 (ja) | 1991-09-13 | 1991-09-13 | 因子XaリンカーDNA |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0568557A true JPH0568557A (ja) | 1993-03-23 |
JP3277523B2 JP3277523B2 (ja) | 2002-04-22 |
Family
ID=16970898
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP23443091A Expired - Fee Related JP3277523B2 (ja) | 1991-09-13 | 1991-09-13 | 因子XaリンカーDNA |
Country Status (3)
Country | Link |
---|---|
EP (1) | EP0532043B1 (ja) |
JP (1) | JP3277523B2 (ja) |
DE (1) | DE69220306T2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE19653498C1 (de) * | 1996-12-20 | 1998-07-23 | Wolf M Prof Dr Bertling | Klonierungsvektor-System mit Fusionssequenz |
WO2000017336A1 (en) * | 1998-09-19 | 2000-03-30 | Sang Jun Lee | Dna cassette encoding a multimer of a biologically active peptide and a cleavable linker attached thereto and process for preparing the biologically active peptide |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
GB8412517D0 (en) * | 1984-05-16 | 1984-06-20 | Nagai K | Recombinant fusion proteins |
DE3804148A1 (de) * | 1988-02-11 | 1989-08-24 | Andreas Dr Plueckthun | Verfahren zur spaltung von fusionsproteinen |
-
1991
- 1991-09-13 JP JP23443091A patent/JP3277523B2/ja not_active Expired - Fee Related
-
1992
- 1992-09-11 DE DE1992620306 patent/DE69220306T2/de not_active Expired - Fee Related
- 1992-09-11 EP EP19920115607 patent/EP0532043B1/en not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
DE69220306D1 (de) | 1997-07-17 |
DE69220306T2 (de) | 1997-12-11 |
EP0532043B1 (en) | 1997-06-11 |
EP0532043A3 (en) | 1994-05-18 |
JP3277523B2 (ja) | 2002-04-22 |
EP0532043A2 (en) | 1993-03-17 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP0035384B1 (en) | Deoxynucleotide linkers to be attached to a cloned dna coding sequence | |
JP2507895B2 (ja) | リボザイムの新規合成系 | |
KR100203919B1 (ko) | 수용성 단백질을 생산하는 새로운 발현 플라스미드 | |
PL149278B1 (en) | Method of constructing a replicating vector for cloning | |
JPH1066576A (ja) | 突出末端を有する2本鎖dna及びこれを用いたdnaのシャフリング方法 | |
JP2003510041A (ja) | 培養液中への大腸菌による分泌によってLeu−ヒルジンを製造するためのシグナル配列 | |
Cooper et al. | Protein splicing: excision of intervening sequences at the protein level | |
US5459051A (en) | Methods and vectors for over-expression of ubiquitin fusion proteins in host cells | |
JPS60500043A (ja) | 原核細胞又は真核細胞中で合成される融合蛋白質から成熟蛋白質を作る方法 | |
US4935351A (en) | Process for preparing oligopeptide | |
JP3277523B2 (ja) | 因子XaリンカーDNA | |
CN101172996A (zh) | 用于多肽融合表达的连接肽及多肽融合表达方法 | |
EP0149241A2 (en) | DNA base sequence containing regions involved in the production and secretion of a protein, recombinant DNA including the whole or a part of the DNA base sequence, and method of producing proteins by use of the recombinant DNA | |
JP3852982B2 (ja) | 変異型スタフィロコッカス・アウレウスv8プロテアーゼ | |
CN115261363B (zh) | Apobec3a的rna脱氨酶活性测定方法及rna高活性的apobec3a变体 | |
US6187589B1 (en) | Vectorial cloning system of DNA | |
US8527211B2 (en) | Method to produce recombinant MBP8298 and other polypeptides by nucleotide structure optimization | |
JPH04211375A (ja) | 合成遺伝子及びそれを用いたヒト血清アルブミンの製造法 | |
US20230235306A1 (en) | Argonaute protein from eukaryotes and application thereof | |
JP2525413B2 (ja) | L−フェニルアラニン・アンモニアリア−ゼ発現用組換え体プラスミド及び該プラスミドを有する形質転換株 | |
JPWO2007010740A1 (ja) | 新規なエンドリボヌクレアーゼ | |
US5304471A (en) | Process for producing foreign protein in Escherichia coli | |
JP2887060B2 (ja) | グリセンチンの生産方法 | |
JP4443822B2 (ja) | Dna鎖の連結方法、及びクローニングベクター | |
CA1200775A (en) | Expression linkers |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |