JP4443822B2 - Dna鎖の連結方法、及びクローニングベクター - Google Patents

Dna鎖の連結方法、及びクローニングベクター Download PDF

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【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、DNA鎖の連結方法、及びクローニングベクター、及びDNAのクローニング方法に係るもので、DNA断片あるいはDNA鎖を効率よく連結させることで、新規なDNA鎖合成方法を得ようとするものである。
【0002】
【従来の技術】
DNA鎖はある蛋白質をコードする遺伝子となり、これを利用し、遺伝子工学的に蛋白質の生産等に応用できるため、従来より、化学合成DNAから遺伝子となるDNA鎖の人工的な合成が行われてきた。また、生物体より遺伝子を採取し、これを利用する技術も発展しているが、人工的に遺伝子を作製する方法は、その生物体からの遺伝子が入手できず、アミノ酸配列情報だけが得られる場合の他、大腸菌等の宿主に入れた場合に宿主に最適な翻訳コドンに基づきその塩基配列を作製し発現効率を高めることができる、耐熱性などの新たな性質を蛋白質に付与する等、天然にない遺伝子を合成する方法として有用である。人工的な遺伝子作製は、従来、その遺伝子の塩基配列について制限酵素地図を作成し、化学合成したDNA鎖のアニーリング、ライゲーションを行い、数鎖を連結した後、DNA鎖内部の塩基配列上存在する制限酵素部位を利用し、化学合成したDNA鎖の数鎖からなる連結したDNA鎖を、プラスミドベクター等にクローニングし、このとき塩基配列に誤りがあれば修正等をし、さらにクローニングした断片を連結し、目的の遺伝子を作製した。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながらこの方法は、繁雑で、数ヶ月から半年以上の期間を要する問題の他、次のような問題点があった。まず、問題点の一つは、最初に用いる化学合成DNAに誤りがしばしばある点である。実際、DNA合成機でオリゴヌクレオチドを合成する場合、塩基配列に誤りが生じることは少ないことではなく、長鎖になるほどその誤りは増加する。次に、問題点の2つめは、化学合成したDNAを連結したDNA鎖は、十分に純度が高くなければ、これらをさらに連結するのは、容易ではない点である。これは連結にともなって、副産物が生じるからである。
【0004】
上記2つの問題点は、作製途中のDNA鎖を、DNA鎖内部の塩基配列上存在する制限酵素部位を利用しプラスミドベクター等にクローニングし、純度を高め、この段階で塩基配列の誤りを修正等をすることはできる。しかしながら使用できる制限酵素切断部位が目的の遺伝子内部になければできない。
【0005】
また、約500塩基対からなる小麦のレクチンの遺伝子は塩基配列内部に存在する制限酵素部位を利用し作製された(ヨーロピアンジャーナルバイオケミストリー(Eur. J. Biochem, 210: 989-997, 1992))。この例では、オリゴヌクレオチドから約150塩基対程度のDNA鎖が作製され、これらが塩基配列内部に存在する制限酵素部位を利用し別々のプラスミドベクターにクローニングされ、このクローニングされたDNA鎖を結合し、小麦のレクチンの遺伝子を得ている。この方法は多種の制限酵素を用いる繁雑な方法であった。
【0006】
また、牛の膵臓のDNAアーゼIは膵臓にRNAアーゼが多く含まれるため、そこからメッセンジャーRNAを入手するのが難しく、アミノ酸配列をもとにDNAアーゼI遺伝子がオリゴヌクレオチドから合成された例がある(ザ ジャーナル オブ バイオロジカル ケミストリー、265巻、21889から21895頁、1990年(The Journal of Biological Chemistry, 265: 21889-21895, 1990))。この場合は塩基配列内部に存在する制限酵素部位を利用せず、約800塩基対が作製されるまで、プラスミドベクターにクローニングしていない、そのため作製途中では塩基配列の誤りを知ることができない。この方法ではオリゴヌクレオチドから50塩基対程度のDNA鎖を作製しこれらをT4リガーゼで結合させてから、ポリアクリルアミドゲル電気泳動にて分離精製し、純度の高いDNA鎖を用いているが、DNAアーゼI遺伝子を作製し終わってから、プラスミドベクターにクローニングをし、塩基配列の誤りが発見され、内部の制限酵素部位を利用し、約50塩基対の塩基配列を切り出し、これを正しいDNA鎖に置き換える方法で塩基配列の修正を余儀なくされている。
【0007】
更に、近年ではポリメラーゼ連鎖反応によって、DNA鎖を連結させる方法で遺伝子作製を行う例があり、従来法より繁雑さに関しては改善されている。しかしながら、塩基配列上に生じた誤りについては前記従来方法と同じ問題が残されている。また、リガーゼ連鎖反応といわれる方法でDNA鎖を連結させる手法も行われている(バイオケミストリーバイオフジックスリサーチコミュニケーション、248巻、200から203頁、1998年(Biochem Biophys Res Commun 248: 200-203, 1998))。この方法は、DNA鎖を連結する精度が上がり、副産物の精製は少ないが、最初に用いる化学合成DNA鎖の誤りについて、作製途中で誤りを検出し、修正する問題点は残る。
【0008】
また、遺伝子作製に用いる化学合成DNAにある誤りを回避し、化学合成したDNAを連結したDNA鎖の純度が高くするためには、プラスミドベクター等にクローニングすることが必要である。これには使用できる制限酵素切断部位が目的の遺伝子内部にあり、それと同じ制限酵素切断部位でクローニングできるベクターを用意することになる。しかしながら使用できる制限酵素切断部位が目的の遺伝子内部になければできない。
【0009】
本発明は上述の如き課題を解決しようとするものであって、遺伝子をコードする等、産業上有用なDNA鎖の連結方法に於いて、用いる化学合成DNA鎖の誤り、及び連結反応にしたがってDNA鎖の純度が低下することを回避し、DNA鎖の連結を容易に行うことを可能とするようなDNA鎖の連結方法、クローニングベクター、及びDNAのクローニング方法を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上述の如き課題を解決するため、第1発明は、 DNAをクローニングするクローニングベクターであり、このベクターのクローニング部位となる一つの平滑末端を生じる制限酵素(この酵素を酵素Aとする)の認識部位を中心として、認識塩基配列とは異なる切断部位を持つ制限酵素(この酵素を酵素Bとする)の認識部位を、上記酵素Aの制限酵素認識部位と一部重複または重複せずに、対称に配置した配列を含み、上記酵素Bで消化時に、挿入されたDNA鎖とベクターの境界または挿入されたDNA鎖内部の両端を切断することにより結合可能な粘着末端を持つDNA断片を生じせしめる、上記配列がggtctcgcgagacc(配列表の配列番号1)又はgaagacccgggtcttc(配列表の配列番号2)のクローニングベクターである。
【0011】
また、第2発明は、クローニング部位となる一つの平滑末端を生じる制限酵素(この酵素を酵素Aとする)の認識部位を中心として、認識塩基配列とは異なる切断部位を持つ制限酵素(この酵素を酵素Bとする)の認識部位を、上記酵素Aの制限酵素認識部位と一部重複または重複せずに、対称に配置した配列を含み、その配列がggtctcgcgagacc(配列表の配列番号1)又はgaagacccgggtcttc(配列表の配列番号2)であって、上記酵素Bで消化時に、挿入されたDNA鎖とベクターの境界または挿入されたDNA鎖内部の両端を切断することにより結合可能な粘着末端を持つDNA断片を生じせしめるクローニングベクターのクローニング部位に、DNA鎖を挿入し、上記酵素Bで切断することにより、切断したDNA断片に予め設定した特異的な粘着末端を付与せしめ、この操作で得られた特異的な粘着末端を持つDNA断片を複数個結合する事を特徴とするDNA鎖の連結方法である。
【0012】
【発明の実施の形態】
本願の第1発明において、あらかじめ設定した特異的な粘着末端を生じせしめるためのクローニングベクターは、クローニング部位となる一つの平滑末端を生じる制限酵素(この酵素を酵素Aとする)の認識部位を中心として、認識塩基配列とは異なる切断部位を持つ制限酵素(この酵素を酵素Bとする)の認識部位を対象に配置した配列を含み、上記酵素Bで切断時に、挿入されたDNA鎖とベクターの境界または挿入されたDNA鎖内部の両端を切ることにより、結合可能な粘着末端を持つDNA断片を生じるものである。そして、その配列は、ggtctcgcgagacc(配列表の配列番号1)又はgaagacccgggtcttc(配列表の配列番号2)である。尚、酵素Aと酵素Bの認識塩基配列は塩基配列上、図2に示す如く一部重複していても良いし、重複していなくても良い。このようなクローニングベクターを用いることにより、DNA鎖の連結やDNAのクローニングを効率的に行うことができる。
【0013】
また、第2発明のDNA鎖の連結方法では、上記第1発明のクローニングベクターにDNA鎖をクローニングする段階(図1−あ)、認識塩基配列とは異なる切断部位を持つ制限酵素(上記酵素B)にて、ベクターと挿入DNA鎖の境界または挿入DNA鎖内部を切断し、あらかじめ設定した特異的な粘着末端を生じせしめる段階(図1−い)、得られた特異的な粘着末端を持つDNA鎖を連結する段階(図1−う)によって目的の遺伝子作製を行う。
【0014】
また、上記第1発明及び第2発明に基づくDNAのクローニング方法では、DNA鎖を上記第1発明のクローニングベクターにクローニングする段階(図1−あ)、認識塩基配列とは異なる切断部位を持つ制限酵素(上記酵素B)にて、ベクターと挿入DNA鎖の境界または挿入DNA鎖内部を切断し、あらかじめ設定した特異的な粘着末端を生じせしめる段階(図1−い)、得られた特異的な粘着末端を持つDNA鎖を連結する段階(図1−う)、連結したDNA鎖の両端の特異的な粘着末端に相補する粘着末端を持つベクターで再クローニングする段階(図1−え)によって目的の遺伝子作製を行う。
【0015】
また、前記酵素Bはクローニング部位となる制限酵素切断部位に挿入配列があった場合、ベクターと挿入DNA鎖の境界または挿入DNA鎖内部を切断するものである。このような制限酵素の例としては、Bbv I、BciV I、Bmr I、Bpm I、Bsa I、BseR I、Bsg I、BsmA I、BsnB I、BsnF I、BspM I、BsrD I、Bts I、Bbs I、Ear I、Eci I、Fok I、Hga I、Hph I I、MboII、Ple I、Sap I、SfaN I、BstF5 I、Fau I等があるが、認識塩基配列および粘着末端の一本鎖部分が長い、Bbs I、Bsa I、BspM Iが好ましい。両側に配置された酵素Bの切断部位がBsa Iのものである場合はクローニング部位となる制限酵素(上記酵素A)の切断部位はNru Iのものが好ましく、Bbs Iの場合は、Sma Iのものが好ましい。
【0016】
例えば、Bsa IとNru Iを選んだ場合、クローニング部位の周辺の塩基配列は、ggtctcg cgagacc(配列表の配列番号1)となる。この場合、Bsa Iの認識部位は、アンダーラインで示すggtctcとgagaccである。Nru Iの認識部位はtcg cgaであり、その切断部位を空欄で表している。
【0017】
また、Bbs IとSma Iを選んだ場合、クローニング部位の周辺の塩基配列は、gaagaccc gggtcttc(配列表の配列番号2)となる。この場合、Bbs Iの認識部位は、アンダーラインで示すgaagacとgtcttcである。Sma Iの認識部位はccc gggであり、その切断部位を空欄で表している。
【0018】
次に、図1−うで示す第2発明のDNA鎖の連結方法について説明する。第1発明の粘着末端を生じるクローニングベクターに、作成目的の遺伝子Gを構成するDNA鎖、X、Z、Vをクローニングする。このとき、クローニングされたDNA鎖が切り出されたときに削られる塩基については重複させる。具体的には、Bsa IとNru Iの組み合わせのベクターを用いた場合(この場合、図1のRRRRRNはggtctcgとなる)、X、Z、VのDNA鎖がこの順で、結合する場合(X鎖側を上流、V鎖側を下流とする)、X鎖の下流とZ鎖の上流側のそれぞれ4塩基対が重複するように選ぶ。Gを、X、Z、Vの3つの連続するDNA鎖によって作製する場合、それぞれをあらかじめ上記酵素Aで切断した第1発明の結合粘着末端付与ベクターにクローニングし、上記酵素Bにより切断するとX、Z、VのDNA鎖の両端はこの順で結合するための粘着末端をもって切り出され、特異的な粘着末端によって結合する。
【0019】
また、連結したDNA鎖を再クローニングする場合には、第1発明の結合粘着末端付与ベクター(クローニングベクター)を用いている。このベクターの、クローニング部位となる一つの平滑末端を生じる制限酵素(この酵素を酵素Aとする)の認識部位を中心として、認識塩基配列とは異なる切断部位を持つ制限酵素(この酵素を酵素Bとする)の認識部位を対象に配置したベクターのクローニング部位に、連結したDNA鎖の末端部分の配列を両端部分に持つDNA鎖をクローニングし、上記酵素Bで切断時に、連結したDNA鎖の末端部分の配列に相補的となる粘着末端を生じるようにする(図3)。このベクターにより連結したDNAを効率良く再クローニングして、分子量の大きな遺伝子を作製することができる(図1−え)。
【0020】
また、上記(図1−あ〜え)の操作を繰り返すことにより、複数個のDNA断片を結合させたDNA鎖を、更に複数個結合させることができ、長鎖DNA合成を効率良く行うことができる。
【0021】
【実施例】
以下、本発明を実施例により詳細に説明する。第1、第2実施例はクローニングベクターで、その作製手順を示している。第3実施例は、第1実施例のクローニングベクターを用いたDNA鎖の連結方法及びDNAのクローニング方法である。第4実施例は、第2実施例のクローニングベクターを用いたDNA鎖の連結方法及びDNAのクローニング方法である。
【0022】
第1実施例(クローニングベクター:BBSプラスミドの作製)
プラスミドpUC19(5.0μg)を2つの制限酵素、HindIIIとEcoRIにより消化した後、この消化物を0.7%のアガロースゲル電気泳動に供与した。電気泳動後、アガロースゲルを10μg/mlのエチジュウムブロマイド水溶液に2時間浸したのち、アガロースゲルをDNA用紫外線照射機上に置き、紫外線を照射し、オレンジ色に光る約2.7 kbのDNAのバンドをカミソリで切り出し、Qiaquick Gel Extraction Kit(株式会社キアゲン製)にて精製し、50μlの10mMトリス塩酸(pH8.0)に溶解し、HindIIIおよびEcoRI切断pUC19として保存した。
【0023】
一方、以下に示した配列からなる2種類のDNA鎖をDNA合成機により作製し、それぞれのDNA鎖を100pmol取り、2μlの0.1M MgCl2を含む0.66M Tris-Cl(pH7.6)、10ユニットのT4ポリヌクレオチドキナーゼ、20nmolのATPを加えた、計20μlの反応液中で37℃、1時間反応させ、DNA鎖の5’側をリン酸化した。その後この反応液を5分間65℃にしたのち、室温に30分間放置した。
5’agcttgaagacccgggtcttctcg 3’(配列表の配列番号3)
5’aattcgagaagacccgggtcttca 3’(配列表の配列番号4)
【0024】
上記DNA鎖が混合された反応液9μlとHindIIIおよびEcoRI切断pUC19を1μl混合し、これに試薬Ligation High(東洋紡績株式会社製)10μlと混ぜ、16℃で15時間、反応させた。コンピテントセル、XL1-Blue大腸菌100μlを1.5ml容積のチューブに用意し、これに20倍希釈した2‐メルカプトエタノールを3.5μl加え、10分間、氷上で時々振り、前述の16℃で反応させたDNA溶液を2μl加え、30分間、氷上で放置後、42℃に保温した恒温漕に45秒漬け、直ぐに氷上へもどし、900μlのLB(1%bacto-tryptone、0.5%bacto-yeasr extract、1%塩化ナトリウム)を加え、37℃で1時間培養し、これを50μg/mlのアンピシリンを含むLB寒天プレートに接種し、37℃で18時間、保温した。生じた大腸菌コロニー数個を50μg/mlのアンピシリンを含む3mlのLB培地に接種し、37℃で18時間、培養し、この培養液を、9,000rpmで5分間遠心分離し、沈殿させ、菌体を回収した。この菌体からQiagen Plasmid Purification Kit(株式会社キアゲン製)によりプラスミドを調製した。
【0025】
上記で得られたプラスミドについてABI PRISM Genetic Analyzer(アプライドバイオシステムジャパン株式会社製)によりその塩基配列を調べ、pUC19ベクターのHindIIIおよびEcoRI切断部位に正しくDNA鎖が挿入された配列、つまり、pUC19ベクターのHindIII部位とEcoRI部位の塩基配列が以下のような配列を持つプラスミドを選んだ。この選択されたプラスミドを、BBSプラスミドとする。また、アンダーライン部分は、HindIII制限酵素の認識部位(aagctt)及びEcoRI制限酵素の認識部位(gaattc)を示している。
5’aagcttgaagacccgggtcttctcgaattc 3’(配列表の配列番号5)
【0026】
次に、上記で選んだBBSプラスミド(5.0μg)を、制限酵素、Sma Iにより消化した後、前述のようにアガロースゲル電気泳動に供与し、精製し、最終的に50μlのTE緩衝液に溶解して保存した。
【0027】
第2実施例(クローニングベクター:BSAプラスミドの作製)
1.プラスミドpUC19のBsa I部位の改変
プラスミドpUC19(5.0μg)を2つの制限酵素、Bpm IとEam1105 Iにより消化した後、この消化物を0.7%のアガロースゲル電気泳動に供与し、約2.7kbのDNAをアガロースゲルから得、Qiaquick Gel Extraction Kitにて精製し、50μlの10mMトリス塩酸(pH8.0)に溶解し、Bpm IとEam1105 I切断pUC19として保存した。
【0028】
一方、以下の配列からなるDNA鎖をDNA合成機により作製した。このDNA鎖はプラスミドpUC19に内在するBsa I部位ggtctcがggtcgcに変更されたものである(アンダーラインで示す如くtがgに変更)。それぞれの鎖を300pmolと、4μlの0.1M酢酸マグネシュウム、0.66M酢酸カリウム、5mMDDT、0.1%BSA(牛血清アルブミン)を含む0.33MTris-酢酸(pH7.9)緩衝液、4ユニットのT4ポリメラーゼ、それぞれ5nmolのdATP、dGTP、dTTP、dCTPを加えた、計40μlの反応液中で37℃、20分間反応させ、続いて、65℃で30分間処理した。また、以下の配列はアンダーライン部分が相補的な配列となっている。
5’taaatctggagccggtgagcgtgggtcgcgcggtatcattgcagcactggggccagatggtaagccctcccgtatcg 3’(5'側から28番目のtがgに変更)(配列表の配列番号6)
5’tgcctgactccccgtcgtgtagataactacgatacgggagggcttaccatctggccccagtgctgcaatgataccgc 3’(配列表の配列番号7)
【0029】
上記40μlのDNA溶液に4μlの3M酢酸ナトリウム(pH7.0)を加えた後、終濃度70%になるようにエチルアルコールを加え、マイナス80℃冷凍庫で凍らせた。20分後、冷凍庫から取り出し、15,000rpmで10分間遠心分離し、沈殿をロータリーエパポレターにて乾燥させた。乾燥した沈殿を30μlの10mMトリス塩酸(pH8.0)に溶解し、これをBpm IとEam1105 Iにより消化し、フェノール/クロロホルム抽出後、3M酢酸ナトリウム(pH7.0)を加え、前述のようにエタノール沈殿をし、30μlの10mMトリス塩酸(pH8.0)に溶解した(これをDNA鎖BPEAとする)。
【0030】
次に、Bpm IとEam1105 I切断pUC19を1μl、上記で作製したDNA鎖BPEAを4μl、を混合し、これに5μlの試薬Ligation Highを混ぜ、16℃で15時間、反応させ、これを用いてXL1-Blue大腸菌を形質転換させ、50μg/mlのアンピシリンを含むLB寒天プレートに接種した。生じた大腸菌コロニー数個をアンピシリンを含むLB培地にて培養し、この菌体からQiagen Plasmid Purification Kitによりプラスミドを調製した。得られたプラスミドについてABI PRISM Genetic Analyzerによりその塩基配列を調べ、Bsa I部位がggtcgcに改変されているプラスミドを選びこれをBPEAプラスミドとした。
【0031】
2.クローニング部位の付加
1.で作製したBPEAプラスミドを2つの制限酵素、HindIIIとEcoRIにより消化した後、この消化物を0.7%のアガロースゲル電気泳動に供与し、約2.7kbのDNAをアガロースゲルから得、Qiaquick Gel Extraction Kitにて精製し、50μlの10mMトリス塩酸(pH8.0)に溶解し、HindIIIとEcoRI切断BPEAプラスミドとして保存した。
【0032】
一方、以下の配列からなる2種類のDNA鎖をDNA合成機により作製し、それぞれの鎖を100pmol取り、2μlの0.1M MgCl2を含む0.66M Tris-Cl(pH7.6)、10ユニットのT4ポリヌクレオチドキナーゼ、20nmolのATPを加えた、計20μlの反応液中で37℃、1時間反応させ、DNA鎖の5’側をリン酸化した。その後この反応液を5分間65℃にしたのち、室温に30分間放置した。
5’agcttgggtctcgcgagaccctcg 3’(配列表の配列番号8)
5’aattcgagggtctcgcgagaccca 3’(配列表の配列番号9)
【0033】
上記二種類のDNA鎖が混合された反応液4μlと前述の10mMトリス塩酸に溶かしたHindIIIおよびEcoRI切断BPEAプラスミドを乾燥した沈殿を1μlを混合し、これに5μlの試薬Ligation Highと混ぜ、16℃で15時間、反応させ、これを用いてXL1-Blue大腸菌を形質転換させ、50μg/mlのアンピシリンを含むLB寒天プレートに接種した。生じた大腸菌コロニー数個をアンピシリンを含むLB培地にて培養し、この菌体からQiagen Plasmid Purification Kitによりプラスミドを調製した。得られたプラスミドについてABI PRISM Genetic Analyzerによりその塩基配列を調べ、BPEAプラスミドのHindIIIおよびEcoRI切断部位に正しくDNA鎖が挿入された配列、つまり、BPEAプラスミドのHindIII部位とEcoRI部位の塩基配列が以下のようになるプラスミドを選んだ(これをBSAプラスミドとする)。
5’aagcttgggtctcgcgagaccctcgaattc 3’(配列表の配列番号10)
上記において、アンダーライン部分はHindIII制限酵素認識部位(aagctt)及びEcoRI制限酵素認識部位(gaattc)である。
【0034】
上記で選んだプラスミド(5.0μg)は、制限酵素、Nru Iにより消化した後、前述のようにアガロースゲル電気泳動に供与し、精製し、最終的に50μlのTE緩衝液に溶解して保存した。
【0035】
第3実施例
1.DNA鎖の設計
まず、配列表の配列番号11にヒトHsp10の塩基配列を示す。このヒトHsp10タンパク質翻訳領域は、1番目のaから306番目のcまででコードされる。また、1番目からのagtは開始コドンであり、307番目からのtgaは終止コドンである。この配列番号11に示すヒトHsp10の塩基配列をもとに、ヒトHsp10をコードする遺伝子の蛋白質翻訳開始コドン(配列番号11の1番目からのatg)から始めるセンス鎖の配列の一部である配列表の配列番号12〜15の4つの単鎖DNA(S1,S2,S3,S4とする)と、配列番号16〜19(A1,A2,A3,A4とする)のヒトHsp10をコードする遺伝子のアンチセンス鎖の一部である4つの単鎖DNA、計8つをDNA合成機により作製した。配列番号12のS1鎖の3’側の20塩基と配列番号16のA1鎖の3’側20塩基は相補的な配列となっている。また、配列表13のS2鎖と配列番号17のA2鎖、配列番号14のS3鎖と配列番号18のA3鎖、配列番号15のS4鎖と配列番号19のA4鎖についても同様に、対となるセンス鎖の3’側とアンチセンス鎖の3’側の20塩基が相補的な配列となっている。
【0036】
2.二重鎖DNAのBBSプラスミドへのクローニング
上記S1鎖およびその対となるA1鎖を300pmolと、4μlの0.1M酢酸マグネシュウム、0.66M酢酸カリウム、5mMDDT、0.1% BSA(牛血清アルブミン)を含む0.33M Tris-酢酸(pH7.9)緩衝液、4ユニットのT4ポリメラーゼ、それぞれ5nmolのdATP、dGTP、dTTP、dCTPを加えた、計40μlの反応液中で37℃、20分間反応させ、続いて、65℃で30分間処理した。この40μlのDNA溶液に4μlの3M酢酸ナトリウム(pH7.0)を加えた後、終濃度70%になるようにエチルアルコールを加え、マイナス80℃冷凍庫で凍らせた。20分後、冷凍庫から取り出し、15,000rpmで10分間遠心分離し、沈殿をロータリーエパポレターにて乾燥させた。
【0037】
次に、乾燥した沈殿を30μlのTE緩衝液に溶解した。このうち10μlをとり、これに2μlの0.1M MgCl2を含む0.66M Tris-Cl(pH7.6)、10ユニットのT4ポリヌクレオチドキナーゼ、20nmolのATPを加え、純水で計20μlにし、37℃、1時間反応させ、DNA鎖の5’側をリン酸化した。このリン酸化されたDNA溶液9μlと第1実施例で作成したSma Iにより消化済みBBSプラスミドを1μlを混合し、これにライゲーション試薬DNA Ligation kit I液を10μl加え、16℃で1時間、反応させた。
【0038】
コンピテントセル、XL1-Blue大腸菌100μlを1.5ml容積のチューブに用意し、これに20倍希釈した2‐メルカプトエタノールを3.5μl加え、10分間、氷上で時々振り、16℃で反応させた反応混液を5μl加え、30分間、氷上で放置後、42℃に保温した恒温漕に45秒漬け、直ぐに氷上へもどし、900μlのLBを加え、37℃で1時間培養した。50μg/mlのアンピシリンを含むLB寒天プレート(直径8.5cm、寒天培地量25ml)に100mM IPTGを50μl、20mg/ml X-Gal(5-ブロモ-4-クロロ-3-Iインドリル-b-D-ガラクトシド、ジメチルホルムアミドに溶解)を塗布し、これに前述の菌液を接種し、37℃で18時間、保温した。生じた大腸菌コロニーの内、白いコロニー数個を50μg/mlのアンピシリンを含む3mlのLB培地に接種し、37℃で18時間、培養し、この培養液を、9,000rpmで5分間遠心分離し、沈殿させ、菌体を回収した。この菌体からQiagen Plasmid Purification Kitによりプラスミドを調製した。
【0039】
上記で得られたプラスミドについてABI PRISM Genetic Analyzer(アプライドバイオシステムジャパン株式会社製)によりその塩基配列を調べ、BBSプラスミドのSma I切断部位に正しくDNA鎖が挿入された配列、つまり、アンダーラインで示すBbs I制限酵素認識部位(5’側のgaagacと3’側のgtcttc)に囲まれた配列が以下のようになるものを選び、プラスミドH10-1とした。また、下記において、ベクターと挿入DNAと境界を空欄で示している。
S1鎖とA1鎖を用いて作製された配列(配列表の配列番号20)
5’gaagaccc atggcaggacaagcgtttagaaagtttcttccactctttgaccgagtattggttgaaaggagtgctgctgaaactgtaaccaaaggaggcattatgctt gggtcttc 3’
【0040】
同様にS2鎖とA2鎖、S3鎖とA3鎖、S4鎖とA4鎖からなる二重鎖DNAもBBSプラスミドにクローニングし、Sma I切断部位に正しくDNA鎖が挿入された配列を持つプラスミド、それぞれ、プラスミドH10-2、H10-3、H10-4を選んだ。このときのBbs I制限酵素切断部位(アンダーラインで示す5’側のgaagacと3’側のgtcttc)に囲まれた塩基配列は、以下の通りである。また、下記においてベクターと挿入DNAとの境界を空欄で示した。
【0041】
S2鎖とA2鎖を用いて作製された配列(配列表の配列番号21)
5’gaagaccc gcttccagaaaaatctcaaggaaaagtattgcaagcaacagtagtcgctgttggatcgggttctaaaggaaagg gtggagagattcaaccagtt gggtcttc 3’
S3鎖とA3鎖を用いて作製された配列(配列表の配列番号22)
5’gaagaccc agttagcgtgaaagttggagataaagttcttctcccagaatatggaggcaccaaagtagttctagatgacaagg attatttcctatttagaga gggtcttc 3’
S4鎖とA4鎖を用いて作製された配列(配列表の配列番号23)
5’gaagaccc gagatggtgacattcttggaaagtacgtagactgaaataagtcactattgaaatggcatcaacatgatgctgcccattccactgaagttctga gggtcttc 3’
【0042】
3.DNA断片の切りだし
プラスミドH10-1、40μgを20units/μlの制限酵素Bbs Iを含む、10mM Tris-HCl(pH7.9)、10mM MgCl2、50mM NaCl、1mM DTT(dithiothreitol)の緩衝液中、37℃で一夜反応させ、消化した。消化プラスミドDNAは0.7%のアガロースゲル電気泳動に供与した。分離した約100bpのDNAのバンドをカミソリで切り出し、Qiaquick Gel Extraction Kitにて精製し、30μlのTE緩衝液に溶解し、H10-1断片として保存した。同様にプラスミドH10-2、H10-3、H10-4からH10-2、H10-3、H10-4断片を調製した。
【0043】
4.DNA断片の連結
調製したH10-1断片とH10-2断片をそれぞれ6μlずつと、ライゲーション試薬DNA Ligation kit I液(宝酒造株式会社製)を6μl加え、室温で2時間、反応させ、これを混合液1とした。調製したH10-3断片とH10-4断片も同様にライゲーションさせ、混合液2とした。次に混合液1と2をそれぞれ6μlずつと、ライゲーション試薬DNA Ligation kit I液を6μl加え、室温で2時間30分反応させた。これを混合液3とした。
【0044】
5.再クローニング用プラスミドベクターの作製
混合液3中の約400bpのDNA鎖を再クローニングするために、以下の2種類の化学合成DNA鎖を用い、BBSプラスミドから後述のBBTプラスミドを作製した。
5’atggcaggatcctgaagttctga 3’(配列表の配列番号24)
5’tcagaacttcaggatcctgccat 5’(配列表の配列番号25)
【0045】
上記の23塩基よりなる2種類のDNA鎖をDNA合成機により作製し、それぞれのDNA鎖を100pmolと、2μlの0.1M MgCl2を含む0.66M Tris-Cl (pH7.6)、10ユニットのT4ポリヌクレオチドキナーゼ、20nmolのATPを加え、純水で計20μlにし、37℃で1時間反応させ、DNA鎖の5’側をリン酸化した。その後、この反応液を65℃で5分間加熱した後、室温に30分放置した。このリン酸化されたDNA溶液4μlと実施例1で作成したBBSプラスミド(Sma Iにより消化済み)を1μlを混合し、これにライゲーション試薬DNA Ligation kit I液を5μl加え、16℃で2時間、反応させた。
【0046】
コンピテントセル、XL1-Blue大腸菌100μlを1.5ml容積のチューブに用意し、これに20倍希釈した2‐メルカプトエタノールを3.5μl加え、10分間、氷上で時々振り、16℃で反応させた反応混液を5μl加え、30分間、氷上で放置後、42℃に保温した恒温漕に45秒漬け、直ぐに氷上へもどし、900μlのLBを加え、37℃で1時間培養した。50μg/mlのアンピシリンを含むLB寒天プレート(直径8.5cm、寒天培地量25ml)に100mM IPTGを50μl、20mg/ml X-Galを塗布し、これに前述の菌液を接種し、37℃で18時間、保温した。生じた大腸菌コロニーの内、白いコロニー数個を50μg/mlのアンピシリンを含む3mlのLB培地に接種し、37℃で18時間、培養し、この培養液を、9,000rpmで5分間遠心分離し、沈殿させ、菌体を回収した。この菌体からQiagen Plasmid Purification Kitによりプラスミドを調製した。
【0047】
上記で得られたプラスミドについてABI PRISM Genetic Analyzerによりその塩基配列を調べ、BBSプラスミドのSma I切断部位に正しくDNA鎖が挿入された配列、つまり、アンダーラインで示すBbs I制限酵素切断部位(5’側のgaagacと3’側のgtcttc)に囲まれた配列が以下のようになるものを選び、このプラスミドをBBTプラスミドとした。また、ベクターと挿入DNAと境界は空欄で示している。
5’gaagaccc atggcaggatcctgaagttctga gggtcttc 3’(配列表の配列番号26)
【0048】
次に、上記BBTプラスミド、5.0μgを制限酵素Bbs Iにより消化した後、アガロースゲル電気泳動により分離・精製し、50μlTE緩衝液に溶解した。BBTプラスミドは、アンダーラインで示すBbs I制限酵素切断部位(5’側のgaagacと3’側のgtcttc)に囲まれた配列が以下のように切断され、突出末端が生じている。尚、下記反応の詳細は、図3を参照されたい。
5’ gaagaccc(切断)ctgagggtcttc 3’
3’ cttctgggtacc(切断)cccagaag 5’
【0049】
6.連結DNAの再クローニング
作製したBBTプラスミド(Bbs Iにより消化済み)を1μl、4つのDNA断片を連結させた混合液3を4μl、これにライゲーション試薬DNA Ligation kit I液を5μl加え、16℃で2時間、反応させた。この反応液にてXL1-Blue大腸菌100μlを形質転換させ、アンピシリンを含むLB寒天プレートにコロニーを生じせしめ、このコロニーの内、10個を任意に選び、50μg/mlのアンピシリンを含む3mlのLB培地に接種し、37℃で18時間、培養し、この培養液からプラスミドを調製した。得られたプラスミドについてABI PRISM Genetic Analyzerによりその塩基配列を調べたところ、全てのプラスミドが配列表の配列番号27に示すように、Bbs I制限酵素部位(配列番号27の5’側のgaagacと3’側のgtcttc)に囲まれた配列に、Hsp10の遺伝子配列を持つものであった。
【0050】
また、本実施例においてDNA鎖を連結した産物を、アガロースゲル電気泳動により分析したものを図4に示した。レーン1は、分子量マーカで、ラムダファージDNAを制限酵素EcoT14で消化したものである。レーン2も、分子量マーカで、図4に示すバンドの上から、700、525、500、400、300、200、100、50塩基対のDNAを示す。また、レーン3は、S1鎖及びA1鎖から成るDNA断片、H10-1である。また、レーン4は、H10-1断片と、S2鎖及びA2鎖から成るH10-2断片をライゲーションした混合液1で、レーン5は、S3鎖及びA3鎖から成るH10-3断片と、S4鎖及びA4鎖から成るH10-4片をライゲーションした混合液2である。また、レーン6は、混合液2とH10-1断片をライゲーションしたもので、レーン7は、混合液1と混合液2をライゲーションした混合液3である。この分析結果によれば、各DNA断片が効率よく結合され、H10-1、H10-2、H10-3、H10-4断片の4断片の連結でも副産物が少なく、効率良く連結されていることがわかる。
【0051】
第4実施例
1.DNA鎖の設計
ヒトHsp70遺伝子のDNAプローブを作製するために、配列表の配列番号28に示すヒトHsp70遺伝子塩基配列をもとに配列表の配列番号29〜31に示すセンス鎖、S21、S22、S23及び配列番号32〜34に示すアンチセンス鎖、A21、A22、A23をDNA合成機により作製した。尚、ヒトHsp70のタンパク質翻訳領域は、1番目からのatgの開始コドンから始まるものである。また、配列番号28に示す塩基配列は、ヒトHsp70蛋白質のN末から100アミノ酸残基をコードする配列である。
【0052】
2.二重鎖DNAのBSAプラスミドへのクローニング
S21鎖およびその対となるA21鎖を300pmolと、4μlの0.1M酢酸マグネシュウム、0.66M酢酸カリウム、5mMDDT、0.1%BSA(牛血清アルブミン)を含む0.33M Tris-酢酸(pH7.9)緩衝液、4ユニットのT4ポリメラーゼ、それぞれ5nmolのdATP、dGTP、dTTP、dCTPを加えた、計40μlの反応液中で37℃、20分間反応させ、続いて、65℃で30分間処理した。この40μlのDNA溶液をエタノール沈殿させ、この沈殿を30μlのTE緩衝液に溶解した。
【0053】
このうち10μlをとり、これに2μlの0.1M MgCl2を含む0.66M Tris-Cl(pH7.6)、10ユニットのT4ポリヌクレオチドキナーゼ、20nmolのATPを加え、純水で計20μlにし、37℃で1時間反応させ、DNA鎖の5’側をリン酸化した。このリン酸化されたDNA溶液9μlと第2実施例で作製したNru Iにより消化済みBSAプラスミドを1μl混合し、ライゲーションさせ、これを用いてXL1-Blue大腸菌を形質転換させ、この菌液を、アンピシリン、IPTG、X-Galを含むLB寒天プレートに接種し、生じた大腸菌コロニーの内、白いコロニー数個を、培養し、この菌体からプラスミドを調製した。
【0054】
上記で得られたプラスミドについてABI PRISM Genetic Analyzerによりその塩基配列を調べ、BSAプラスミドのNru I切断部位に正しくDNA鎖が挿入された配列、つまり、アンダーラインで示すBsa I制限酵素認識部位(5’側のggtctcと3’側のgagacc)に囲まれた塩基配列が以下のようになるものを選び、プラスミドH70-P1とした。ベクターと挿入DNAと境界は空欄で示している。
プラスミドH70-P1
S21鎖とA21鎖を用いて作製された配列(配列表の配列番号35)
5’ggtctcg atggccaaagccgcggcgatcggcatcgacctgggcaccacctactcctgcgtgggggtgttccaacacggcaaggtggagatcatcgccaacg cgagaccctcg 3’
【0055】
同様にS22鎖とA22鎖、S23鎖とA23鎖からなる二重鎖DNAもBSAプラスミドにクローニングし、Nru I切断部位に正しくDNA鎖が挿入された配列を持つプラスミド、プラスミドH70-P2、H70-P3をそれぞれ選んだ。このときのBsa I制限酵素切断部位(アンダーラインで示す5’側のggtctcと3’側のgagacc)に囲まれた塩基配列は以下の通りである。
プラスミドH70-P2
S22鎖とA22鎖を用いて作製された配列(配列表の配列番号36)
5’ggtctcg aacgaccagggcaaccgcaccacccccagctacgtggccttcacggacaccgagcggctcatcggggatgcggccaagaaccaggtggcgctgaacccgcagaa cgagacc 3’
プラスミドH70-P3
S23鎖とA23鎖を用いて作製された配列(配列表の配列番号37)
5’ggtctcg agaacaccgtgtttgacgcgaagcggctgatcggccgcaagttcggcgacccggtggtgcagtcggacatgaagcactggcctttccaggtgatcaacgacggagacaag cgagacc 3’
【0056】
3.DNA断片の切りだし
上記2.で作製したプラスミドH70-P1、40μgを20units/μlの制限酵素Bsa Iを含む、50mM Tris-HCl(pH7.9)、10mM MgCl2、100mM NaCl、1 mM DTT (dithiothreitol)の緩衝液中、37℃で一夜反応させ、消化した。消化プラスミドDNAは0.7%のアガロースゲル電気泳動に供与した。分離した約100bpのDNAのバンドを切り出し、Qiaquick Gel Extraction Kitにて精製し、30μlのTE緩衝液に溶解し、H70-P1断片として保存した。同様の方法で、プラスミドH70-P2、H70-P3からH70-P2、H70-P3断片を調製した。
【0057】
4.DNA断片の連結
上記3.で調製したH70-P1断片とH70-P2断片をそれぞれ6μlずつと、ライゲーション試薬DNA Ligation kit I 液(宝酒造株式会社製)を6μl加え、室温で2時間、反応させ、これを混合液P1とした。次に18μlの混合液P1にH70-P3断片とライゲーション試薬DNA Ligation kit I 液を6 μlずつ加え、室温で2時間30分反応させた。これを混合液P2とした。
【0058】
5.再クローニング用プラスミドベクターの作製
以下に記載する22塩基よりなる2種類のDNA鎖をDNA合成機により作製した。
5’atggccaaaggacggagacaag 3’(配列表の配列番号38)
5’cttgtctccgtcctttggccat 3’(配列表の配列番号39)
【0059】
上記のそれぞれのDNA鎖を100pmolと、2μlの0.1M MgCl2を含む0.66M Tris-Cl(pH7.6)、10ユニットのT4ポリヌクレオチドキナーゼ、20nmolのATPを加え、純水で計20μlにし、37℃で1時間反応させ、DNA鎖の5’側をリン酸化した。その後、この反応液を65℃で5分間加熱した後、室温に30分放置した。このリン酸化されたDNA溶液4μlとNru I消化BSAプラスミドを1μlを混合し、これにライゲーション試薬DNA Ligation kit I 液を5μl加え、16℃で2時間、反応させた。これを用い、XL1-Blue大腸菌を形質転換させ、アンピシリン、IPTG、X-Galを含むLB寒天プレートに接種し、37℃で18時間、保温した。生じた大腸菌コロニーの内、白いコロニー数個を培養し、プラスミドを調製した。
【0060】
上記で得られたプラスミドについてABI PRISM Genetic Analyzerによりその塩基配列を調べ、BSAプラスミドのNruI切断部位に正しくDNA鎖が挿入された配列、つまり、アンダーラインで示すBsa I制限酵素切断部位(5’側のggtctcと3’側のgagacc)に囲まれた塩基配列が以下のようになるものを選び、このプラスミドをBSTプラスミドとした。また、ベクターと挿入DNAと境界は空欄で示している。
5’ggtctcg atggccaaaggacggagacaag cgagacc 3’(配列表の配列番号40)
【0061】
次に、上記BSTプラスミド、5.0μgを制限酵素Bsa Iにより消化した後、アガロースゲル電気泳動により分離・精製し、50μlTE緩衝液に溶解した。BSTプラスミドは、アンダーラインで示すBsa I制限酵素切断部位(5’側のggtctcと3’側のgagacc)に囲まれた塩基配列が以下のように切断され、突出末端が生じている。
5’ ggtctcg (切断)caagcgagacc 3’
3’ ccagagctacc (切断)gctctgg 5’
【0062】
6.連結DNAの再クローニング
上記5.で作製したBSTプラスミド(Bsa Iにより消化済み)を1μl、3つのDNA断片を連結させた混合液P2を4μl、これにライゲーション試薬DNA Ligation kit I 液を5μl加え、16℃で2時間、反応させた。この反応液にてXL1-Blue大腸菌を形質転換させ、アンピシリンを含むLB寒天プレートにコロニーを生じせしめ、このコロニーの内、数個を任意に選び、培養し、この培養液からプラスミドを調製した。得られたプラスミドについてABI PRISM Genetic Analyzerによりその塩基配列を調べたところ、全てのプラスミドが配列表の配列番号41に示すように、Bsa I制限酵素部位(配列番号41の5’側のggtctcgと3’側のcaagcgagacc)に囲まれた配列に、配列表の配列番号28に示すヒトHsp70遺伝子、1番目から300番目の配列を持つものであった。
【0063】
【発明の効果】
本発明は上述の如く構成したものであり、DNA断片あるいは化学合成等で作製されるDNA鎖を効率よく連結し、遺伝子をコードするなど、産業上有用なDNA鎖の合成が可能となる。まず、ゲノム、mRNA等、遺伝子ライブラリーのソースがなくても、塩基配列の情報のみで目的の遺伝子を作製することができる。また、入手が困難なタンパク質等でも、塩基配列の情報のみで作製することができるし、塩基配列を発現に適したコドンにすることもできる。また、塩基配列を任意に選択することにより、自然界に存在しない遺伝子を作製することができるとともに、一塩基のみ或いは数塩基のもの等、人工的な変異を任意に作り出すことが可能となる。
【0064】
また、従来はDNA断片を2つずつしか連結できなかったが、本発明のDNA鎖の連結方法では、一度のクローニング操作で3つ以上のDNA断片を連結することができ、形質転換、プラスミド調製のステップを大幅に削減することができ、DNA鎖の作製日数を短縮することができる。また、本発明のクローニングベクターを用いることにより、DNA断片に内在する制限酵素切断部位を利用せずに、DNA断片をベクターにクローニングできる。また、PCRを用いた方法に比べ、塩基配列の誤り、即ち変異が起こる確率が極めて小さいものとなる。また、本願の第1発明及び第2発明に基づいたDNAのクローニング方法では、化学合成DNA鎖の塩基配列の誤りを修正でき、塩基配列の誤りが少なく精度の高いDNAを効率的に得ることができる。
【配列表】
SEQUENCE LISTING
<110> BioDynamics Laboratory, Inc.
<120> Method of DNA construction by DNA binding, Cloning vector, and Method of DNA Cloning.
<130> 02Z02P1208
<160> 41
<210> 1
<211> 14
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<221>
<223> Cloning site
<400> 1
ggtctcgcga gacc 14
<210> 2
<211> 16
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Cloning site
<400> 2
gaagacccgg gtcttc 16
<210> 3
<211> 24
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<221>
<223> Cloning site
<400> 3
agcttgaaga cccgggtctt ctcg 24
<210> 4
<211> 24
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<221>
<223> Cloning site
<400> 4
aattcgagaa gacccgggtc ttca 24
<210> 5
<211> 30
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<221>
<223> Cloning site
<400> 5
aagcttgaag acccgggtct tctcgaattc 30
<210> 6
<211> 77
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<221>
<223> derived from pUC19
<400> 6
taaatctgga gccggtgagc gtgggtcgcg cggtatcatt gcagcactgg ggccagatgg 60
taagccctcc cgtatcg 77
<210> 7
<211> 77
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<221>
<223> derived from pUC19
<400> 7
tgcctgactc cccgtcgtgt agataactac gatacgggag ggcttaccat ctggccccag 60
tgctgcaatg ataccgc 77
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<211> 24
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<221>
<223> Cloning site
<400> 8
agcttgggtc tcgcgagacc ctcg 34
<210> 9
<211> 24
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<221>
<223> Cloning site
<400> 9
aattcgaggg tctcgcgaga ccca 34
<210> 10
<211> 30
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<221>
<223> Cloning site
<400> 10
aagcttgggt ctcgcgagac cctcgaattc 30
<210> 11
<211> 420
<212> DNA
<213> Homo sapiens
<220>
<221> CDS
<308> Gene Bank, NM 002157
<400> 11
atggcagga caagcgtttag aaagtttctt ccactctttg accgagtatt ggttgaaagg 60
agtgctgctg aaactgtaac caaaggaggc attatgcttc cagaaaaatc tcaaggaaaa 120
gtattgcaag caacagtagt cgctgttgga tcgggttcta aaggaaaggg tggagagatt 180
caaccagtta gcgtgaaagt tggagataaa gttcttctcc cagaatatgg aggcaccaaa 240
gtagttctag atgacaagga ttatttccta tttagagatg gtgacattct tggaaagtac 300
gtagactgaa ataagtcact attgaaatgg catcaacatg atgctgccca ttccactgaa 360
gttctgaaat ctttcgtcat gtaaataatt tccatatttc tcttttataa taaactaatg 420
<210> 12
<211> 59
<212> DNA
<213> Homo sapience
<220>
<221> CDS
<223> derived from human Hsp10 gene
<308> Gene Bank, NM 002157
<400> 12
atggcaggac aagcgtttag aaagtttctt ccactctttg accgagtatt ggttgaaag 59
<210> 13
<211> 54
<212> DNA
<213> Homo sapience
<220>
<221> CDS
<223> derived from human Hsp10 gene
<308> Gene Bank, NM 002157
<400> 13
gcttccagaa aaatctcaag gaaaagtatt gcaagcaaca gtagtcgctg ttgg 54
<210> 14
<211> 54
<212> DNA
<213> Homo sapience
<220>
<221> CDS
<223> derived from human Hsp10 gene
<308> Gene Bank, NM 002157
<400> 14
agttagcgtg aaagttggag ataaagttct tctcccagaa tatggaggca ccaa 54
<210> 15
<211> 55
<212> DNA
<213> Homo sapience
<220>
<221> CDS
<223> derived from human Hsp10 gene
<308> Gene Bank, NM 002157
<400> 15
gagatggtga cattcttgga aagtacgtag actgaaataa gtcactattg aaatg 55
<210> 16
<211> 60
<212> DNA
<213> Homo sapience
<220>
<221>
<223> derived from human Hsp10 gene, antisense
<308> Gene Bank, NM 002157
<400> 16
aagcataatg cctcctttgg ttacagtttc agcagcactc ctttcaacca atactcggtc 60
<210> 17
<211> 60
<212> DNA
<213> Homo sapience
<220>
<221>
<223> derived from human Hsp10 gene, antisense
<308> Gene Bank, NM 002157
<400> 17
aactggttga atctctccac cctttccttt agaacccgat ccaacagcga ctactgttgc 60
<210> 18
<211> 59
<212> DNA
<213> Homo sapience
<220>
<221>
<223> derived from human Hsp10 gene, antisense
<308> Gene Bank, NM 002157
<400> 18
tctctaaata ggaaataatc cttgtcatct agaactactt tggtgcctcc atattctgg 59
<210> 19
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<212> DNA
<213> Homo sapience
<220>
<221>
<223> derived from human Hsp10 gene, antisense
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<400> 19
tcagaacttc agtggaatgg gcagcatcat gttgatgcca tttcaatagt gacttatt 58
<210> 20
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<213> Homo sapience
<220>
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gaagacccat ggcaggacaa gcgtttagaa agtttcttcc actctttgac cgagtattgg 60
ttgaaaggag tgctgctgaa actgtaacca aaggaggcat tatgcttggg tcttc 115
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gaagacccgc ttccagaaaa atctcaagga aaagtattgc aagcaacagt agtcgctgtt 60
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gaagacccag ttagcgtgaa agttggagat aaagttcttc tcccagaata tggaggcacc 60
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gaagacccat ggcaggacaa gcgtttagaa agtttcttcc actctttgac cgagtattgg 60
ttgaaaggag tgctgctgaa actgtaacca aaggaggcat tatgcttcca gaaaaatctc 120
aaggaaaagt attgcaagca acagtagtcg ctgttggatc gggttctaaa ggaaagggtg 180
gagagattca accagttagc gtgaaagttg gagataaagt tcttctccca gaatatggag 240
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atggccaaag ccgcggcgat cggcatcgac ctgggcacca cctactcctg cgtgggggtg 60
ttccaacacg gcaaggtgga gatcatcgcc aacgaccagg gcaaccgcac cacccccagc 120
tacgtggcct tcacggacac cgagcggctc atcggggatg cggccaagaa ccaggtggcg 180
ctgaacccgc agaacaccgt gtttgacgcg aagcggctga tcggccgcaa gttcggcgac 240
ccggtggtgc agtcggacat gaagcactgg cctttccagg tgatcaacga cggagacaag 300
cccaaggtgc agg 313
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<212> DNA
<213> Homo sapience
<220>
<221> CDS
<223> derived from human Hsp70 gene
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atggccaaag ccgcggcgat cggcatcgac ctgggcacca cctactcctg cgtgggggtg 60
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<212> DNA
<213> Homo sapience
<220>
<221> CDS
<223> derived from human Hsp70 gene
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aacgaccagg gcaaccgcac cacccccagc tacgtggcct tcacggacac cgagcggctc 60
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<212> DNA
<213> Homo sapience
<220>
<221> CDS
<223> derived from human Hsp70 gene
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<400> 31
agaacaccgt gtttgacgcg aagcggctga tcggccgcaa gttcggcgac ccggtggtgc 60
agtcggacat 70
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cgttggcgat gatctccacc ttgccgtgtt ggaacacccc cacgcaggag tagg 54
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<220>
<221>
<223> derived from human Hsp70 gene, antisense
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ttctgcgggt tcagcgccac ctggttcttg gccgcatccc cgatgagccg ctcggtgtcc 60
gtga 64
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<213> Homo sapience
<220>
<221>
<223> derived from human Hsp70 gene, antisense
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<400> 34
cttgtctccg tcgttgatca cctggaaagg ccagtgcttc atgtccgact gcaccaccgg 60
gtcgc 65
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<212> DNA
<213> Homo sapience
<220>
<221> CDS
<223> derived from human Hsp70 gene
<308> Gene Bank, NM 005345
<400> 35
ggtctcgatg gccaaagccg cggcgatcgg catcgacctg ggcaccacct actcctgcgt 60
gggggtgttc caacacggca aggtggagat catcgccaac gcgagaccct cg 112
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<212> DNA
<213> Homo sapience
<220>
<221> CDS
<223> derived from human Hsp70 gene
<308> Gene Bank, NM 005345
<400> 36
ggtctcgaac gaccagggca accgcaccac ccccagctac gtggccttca cggacaccga 60
gcggctcatc ggggatgcgg ccaagaacca ggtggcgctg aacccgcaga acgagacc 118
<210> 37
<211> 124
<212> DNA
<213> Homo sapience
<220>
<221> CDS
<223> derived from human Hsp70 gene
<308> Gene Bank, NM 005345
<400> 37
ggtctcgaga acaccgtgtt tgacgcgaag cggctgatcg gccgcaagtt cggcgacccg 60
gtggtgcagt cggacatgaa gcactggcct ttccaggtga tcaacgacgg agacaagcga 120
gacc 124
<210> 38
<211> 22
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<213> Artificial Sequence
<220>
<221>
<223> derived from human Hsp70 gene
<400> 38
atggccaaag gacggagaca ag 22
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<221>
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cttgtctccg tcctttggcc at 22
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<211> 36
<212> DNA
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<220>
<221>
<223> derived from human Hsp70 gene
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ggtctcgatg gccaaaggac ggagacaagc gagacc 36
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<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<221>
<223> derived from human Hsp70 gene
<400> 41
ggtctcgatg gccaaagccg cggcgatcgg catcgacctg ggcaccacct actcctgcgt 60
gggggtgttc caacacggca aggtggagat catcgccaac gaccagggca accgcaccac 120
ccccagctac gtggccttca cggacaccga gcggctcatc ggggatgcgg ccaagaacca 180
ggtggcgctg aacccgcaga acaccgtgtt tgacgcgaag cggctgatcg gccgcaagtt 240
cggcgacccg gtggtgcagt cggacatgaa gcactggcct ttccaggtga tcaacgacgg 300
agacaagcaa gcgagacc 318
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による、DNA鎖を認識塩基配列とは異なる切断部位を持つ制限酵素部位をクローニング部位の両脇に配置したベクターにクローニングし(図1−あ)、認識塩基配列とは異なる切断部位を持つ制限酵素にてベクターと挿入DNA鎖の境界または挿入DNA鎖内部を切断し特異的な粘着末端を生じせしめ(図1−い)、得られた特異的な粘着末端を持つDNA鎖を連結し(図1−う)、連結したDNA鎖の両端の特異的な粘着末端に相補する粘着末端を持つベクターで再クローニングする方法を示す概念図。図1において、X、Y、W、Z、U、V、E、F、P、Q、N、R、KはDNA鎖の塩基を示す。XとY、WとZ、UとV、EとF、PとQ、RとKは相補的な塩基である。RRRRRRは認識塩基配列とは異なる切断部位を持つ制限酵素の認識配列を示す。5’ RRRRRRN NKKKKKK 3’は、ベクターのクローニング部位である、また、ここでのNとNの間のような空欄はそこでDNA鎖が切られていることを示す。図のX、Y、W、Z、U、V、E、F、P、Q、N、R、Kの個数は一例であり、図1での数に限定されるものではない。図1−いの塩基配列上にかかれた実線は、制限酵素による切断部位を示す。
【図2】 あらかじめ設定した特異的な粘着末端を生じせしめるためのベクターのクローニング部位の配列を示す概念図。図2において、N、R、KはDNA鎖の塩基を示す。RとKは相補的な塩基である。Aで示される領域は平滑末端を生じる制限酵素認識部位、Bで示される領域は認識塩基配列とは異なる切断部位を持つ制限酵素認識部位を示す。5’ RRRRRRN NKKKKKK 3’は、ベクターのクローニング部位である、また、ここでのNとNの間のような空欄はそこでDNA鎖が切られていることを示す。図2のN、R、Kの個数は一例であり、図2での数に限定されるものではない。
【図3】 連結したDNA鎖を再クローニングするベクターの作製法を示す概念図。連結したDNA鎖末端部分の配列を両端部分に持つDNA鎖をクローニングし、認識塩基配列とは異なる切断部位を持つ制限酵素で切断時に、連結したDNA鎖の末端部分の配列に相補的となる粘着末端を生じるようにする。このベクターにより、連結したDNA鎖を再クローニングできる。図において、X、Y、P、Q、E、F、N、R、KはDNA鎖の塩基を示す。XとY、PとQ、EとF、RとKは相補的な塩基である。RRRRRRは認識塩基配列とは異なる切断部位を持つ制限酵素の認識配列を示す。5’ RRRRRRN NKKKKKK 3’は、ベクターのクローニング部位である、また、ここでのNとNの間のような空欄はそこでDNA鎖が切られていることを示す。図3のX、Y、P、Q、E、F、N、R、Kの個数は一例であり、図3での数に限定されるものではない。
【図4】 第3実施例で調製されたDNA断片を用いて、DNA鎖を連結した産物をアガロースゲル電気泳動により分析したもの。各DNA断片が効率よく結合され、H10-1、H10-2、H10-3、H10-4断片の4断片の連結でも副産物が少なく、効率よく連結されていることがわかる。

Claims (2)

  1. DNAをクローニングするクローニングベクターであり、このベクターのクローニング部位となる一つの平滑末端を生じる制限酵素(この酵素を酵素Aとする)の認識部位を中心として、認識塩基配列とは異なる切断部位を持つ制限酵素(この酵素を酵素Bとする)の認識部位を、上記酵素Aの制限酵素認識部位と一部重複または重複せずに、対称に配置した配列を含み、上記酵素Bで消化時に、挿入されたDNA鎖とベクターの境界または挿入されたDNA鎖内部の両端を切断することにより結合可能な粘着末端を持つDNA断片を生じせしめる、上記配列がggtctcgcgagacc(配列表の配列番号1)又はgaagacccgggtcttc(配列表の配列番号2)である事を特徴とするクローニングベクター。
  2. クローニング部位となる一つの平滑末端を生じる制限酵素(この酵素を酵素Aとする)の認識部位を中心として、認識塩基配列とは異なる切断部位を持つ制限酵素(この酵素を酵素Bとする)の認識部位を、上記酵素Aの制限酵素認識部位と一部重複または重複せずに、対称に配置した配列を含み、その配列がggtctcgcgagacc(配列表の配列番号1)又はgaagacccgggtcttc(配列表の配列番号2)であって、上記酵素Bで消化時に、挿入されたDNA鎖とベクターの境界または挿入されたDNA鎖内部の両端を切断することにより結合可能な粘着末端を持つDNA断片を生じせしめるクローニングベクターのクローニング部位に、DNA鎖を挿入し、上記酵素Bで切断することにより、切断したDNA断片に予め設定した特異的な粘着末端を付与せしめ、この操作で得られた特異的な粘着末端を持つDNA断片を複数個結合する事を特徴とするDNA鎖の連結方法。
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