JPH0568299B2 - - Google Patents

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JPH0568299B2
JPH0568299B2 JP60145861A JP14586185A JPH0568299B2 JP H0568299 B2 JPH0568299 B2 JP H0568299B2 JP 60145861 A JP60145861 A JP 60145861A JP 14586185 A JP14586185 A JP 14586185A JP H0568299 B2 JPH0568299 B2 JP H0568299B2
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acid
capsule
capsules
wall
pectin
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Hideyuki Takahashi
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01JCHEMICAL OR PHYSICAL PROCESSES, e.g. CATALYSIS OR COLLOID CHEMISTRY; THEIR RELEVANT APPARATUS
    • B01J13/00Colloid chemistry, e.g. the production of colloidal materials or their solutions, not otherwise provided for; Making microcapsules or microballoons
    • B01J13/02Making microcapsules or microballoons
    • B01J13/06Making microcapsules or microballoons by phase separation
    • B01J13/08Simple coacervation, i.e. addition of highly hydrophilic material

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Dispersion Chemistry (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Seasonings (AREA)
  • Formation And Processing Of Food Products (AREA)
  • Manufacturing Of Micro-Capsules (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は電解質を添加する単純コアセルベーシ
ヨンによりマイクロカプセルの製造方法に関す
る。
従来の技術 マイクロカプセルは、液体、気体を固体として
取扱える、互いに反応しやすい物質を隔離でき
る、周囲の環境より保護できる、芯物質の放出条
件を制御できるなどの優れた機能を有している。
このようなマイクロカプセルの製造方法としては
種々のものが知られているが、高分子物質の液体
−液体相分離を利用してマイクロカプセルを製造
する方法(コアセルベーシヨン)は被覆率が高
く、徴密な被膜を有する優れたカプセルを効率的
に製造することができるので、工業的に有用な製
造方法である。
コアセルベーシヨン法には、単純コアセルベー
シヨンの他にも種々の方法があり、たとえば、ゼ
ラチンを壁膜物質とするマイクロカプセルは、ポ
リアニオンコロイドとのコンプレツクス形成を利
用したコンプレツクスコアセルベーシヨン法によ
り一般的に製造されている。コンプレツクスコア
セルベーシヨン法は、操作が簡単で工業的にも有
用な方法であるが、電解質が共存するとコンプレ
ツクス形成が阻害されるためカプセルの形成が困
難となる。そこで、微量でもイオンを遊離するよ
うな物質、たとえば、酸性染料の金属レーキ、弱
アニオンまたは弱カチオンの生理活性物質、不純
物として電解質を含有する物質などのカプセル化
には不適である。さらに、コンプレツクスコアセ
ルベーシヨン法はPHを変化させることによりカプ
セル化を行うので、特定のPHにおいてのみ安定な
芯物質(特に中性やアルカリ性で安定なもの)の
カプセル化には不適である。また、得られるカプ
セル膜中の水分含量が80〜90%と高いため膜が軟
らかくて付着性も強く、カプセル膜を化学的に硬
化しないでカプセルを分離、乾燥することが困難
であつた。
電解質添加による単純コアセルベーシヨン法
は、このような欠点を解決しうる方法と考えられ
るが、親水性をもつような芯物質ではカプセル壁
の形成が不十分であり、また、十分にカプセル壁
が形成されるような芯物質でもカプセル製造過程
で凝集が起こりやすく、良好なカプセルが得られ
ないという問題があつた。
たとえば、ポリビニルアルコールを壁膜物質と
するマイクロカプセルをこの方法で製造しようと
しても、カプセル形成に要求される物理的性質を
そなえた分離相を生成させることが困難で、分離
相がカプセル芯物質を包囲しなかつたり、カプセ
ルを形成した場合でもカプセルが凝集して粗大塊
となつてしまつた。
このような事情から、先に特公昭47−51714号
公報では、ポリビニルアルコールとポリヒドロキ
シ芳香族物質との複雑な結合体を壁物質として単
純コアセルベーシヨン法によりマイクロカプセル
化を行う方法が提案されている。しかしながら、
ポリヒドロキシ芳香族物質は還元性があり、ま
た、金属、アミノ基、水酸基、アルデヒド基をも
つ化合物と結合や反応しやすい性質をもつなど化
学的な活性が強いため、カプセル芯物質の種類に
よつては芯物質の変質や劣化をきたすことがあ
り、好ましくない。また、ポリヒドロキシ芳香族
物質が存在するために、空気、光、金属イオンな
どによりカプセルが変色するという問題もあつ
た。
発明の目的 本発明は、芯物質が親水性であるか否かを問わ
ず、凝集を起こすことなく安定に、単純コアセル
ベーシヨンにより、マイクロカプセルを製造する
方法を提供するものである。
発明の構成 本発明のマイクロカプセルの製造方法は、壁膜
物質としての高分子物質を含む水溶液に、実質的
に水に不溶性のカプセル芯物質を分散させるとと
もに電解質を添加し、単純コアセルベーシヨン法
によりマイクロカプセルを製造する方法におい
て、前記水溶液中に、マメ科の植物種子から得た
多糖類物質およびペクチンを壁膜物質とともに含
有せしめることを特徴とする。
以下、本発明についてさらに詳細に説明する。
壁膜物質としては、水溶性で電解質の添加によ
り相分離し、カプセル芯物質を囲む分離相を形成
するものが用いられ、ポリビニルアルコール、ゼ
ラチン、カゼイン、アルカリ金属塩、硫酸化セル
ロース、水溶性ナイロンなどが例示される。この
中でも特に好ましい壁膜物質として、ポリビニル
アルコール、ゼラチン、水溶性ナイロンが挙げら
れる。
ポリビニルアルコールとしては、重合体中の50
重量%がビニルアルコール成分からなつているも
のが用いられる。重合体のすべてがビニルアルコ
ール単位から構成されている重合体(ホモポリマ
ー)の他、ビニルアルコール成分が50重量%以上
で、ビニルアセテート、ビニルプロピオネート、
ビニルブチレートなどの他の構成単位を含有する
重合体、およびこれら重合体のアニオン変性体ま
たはカチオン変性体も、本発明でいうポリビニル
アルコールに含まれる。
ポリビニルアルコールは、通常ポリビニルアセ
テートの加水分解生成物として入手することがで
き、好ましくは、加水分解率70〜100モル%のも
のである。また、加水分解率の異なる2種以上の
ポリビニルアルコールを混合して用いることもで
きる。
ゼラチンとしては、アルカリ法ゼラチン、酸処
理ゼラチンなどが例示できる。
また、水溶性ナイロンは、水やアルコールに対
する溶解性を付与した変性ポリアミドで、たとえ
ば、市販品として東レ株式会社のAQナイロンが
ある。
マメ科の植物種子から得た多糖類物質として
は、グアーガム、ローカストビーンガム、タマリ
ンドガム、タラガム(スピノガム)などがあり、
この中でもグアーガムが好ましく、高度精製品が
よい。これらは抽出により得ることができ、粘液
質物質の形をとるものが多い。グアーガムは、マ
メ科の植物グアー(guar)、シアモシス テトラ
ゴ ノラブス(Cyamopsis tetrago nolabus)を
代表とする植物の種子の胚乳部分に含有される粘
度質物質である。ローカストビーンガムは、マメ
科の植物のイナゴマメ(locust bean)やカロブ
(carob)などセラトニア シラキユア
(Ceratonia siliqua)を代表とする植物の種子に
約30%含まれる粘液性物質であるガラクトマンナ
ン(カロバン、caroban)である。
また、タマリンドガムは、マメ科の植物である
タマリンダス インデカ(Tamarindus indica)
を代表とする植物の種子の胚乳部に含有される粘
液質多糖類物質であり、タラガム(スピノガム)
はセサルピニア スピノーザ(caesalpinia
spinosa)を代表とする植物の種子の胚乳部を粉
末化したものである。
これらの粘質多糖類は、コアセルベートの芯物
質表面への堆積を助け、カプセルの壁膜形成を促
進する。この結果、今まで壁膜形成が困難であつ
た親水性を有する芯物質のカプセル化が可能にな
つた。
ペクチンは、果実、野菜など植物体の細胞構成
成分として広く存在し、なかでも柑橘類の果皮、
リンゴ等に多く含有されており、工業的には柑橘
類の果皮やリンゴから抽出される。また、バラ科
の植物であるシドニア オブロニギア(Cydonia
oblonga)を代表とする植物の果肉に含まれるペ
クチン質であるクインスシードガム(マルメロ)
も使用することができる。特に、レモンペクチ
ン、リンゴペクチンが好ましい。
ペクチンは、カプセルの凝集を防止する。特に
カプセルの壁膜が厚くなると、著しく凝集する傾
向があるが、このような場合にもペクチンにより
凝集が有効に防止され、厚い壁膜のカプセルの形
成が可能となる。
カプセル芯物質としては、その用途に応じて水
に実質的に不溶性の固体または液体が適宜用いら
れ、本発明によれば、親水性物質を容易にカプセ
ル化することができる。
電解質としては、一般の無機および有機の電解
質が、単独または2種以上混合して用いられる。
無機電解質としては、酸、アルカリおよび両者
の塩、たとえば、硫酸、亜硫酸、塩酸、過塩素
酸、次亜塩素酸、リン酸、メタリン酸、ホウ酸、
ヨウ素酸、過ヨウ素酸、炭酸、バナジン酸、タン
グステン酸、ケイ酸、硝酸、亜硝酸、フツ化水素
酸、臭素酸などの無機酸の水溶性金属塩およびア
ンモニウム塩などが例示される。
また、有機電解質としては、有機酸および有機
酸の水溶性金属塩またはアンモニウム塩、アミノ
酸および水溶性金属塩、キレート剤、第4級アン
モニウム塩が挙げられる。
使用する壁膜物質によつて好適な電解質が異な
り、たとえば、ポリビニルアルコールを用いる場
合は、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸マグ
ネシウム、硫酸アルミニウム、硫酸アンモニウム
などの硫酸塩;塩化ナトリウム、塩化カリウム、
塩化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化アンモ
ニウムなどの塩化物;リン酸水素2カリウム、リ
ン酸2水素カリウム、リン酸水素2ナトリウム、
リン酸2水素ナトリウムなどのリン酸塩;炭酸ナ
トリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウ
ムなどの炭酸塩が好ましい。
壁膜物質としてゼラチンを用いる場合は、硫酸
塩、塩化物、リン酸塩、炭酸塩;酢酸、乳酸、ク
エン酸、フマル酸、リンゴ酸、酒石酸、コハク酸
等の有機酸塩;グリシン、グルタミン酸、イノシ
ン酸、アスパラギン酸、アルギニン、アラニン、
チアニン、ウリジル酸、グアニル酸、シチジル
酸、リボヌクレオタイド等のアミノ酸およびアミ
ノ酸塩が好ましい。
水溶性ナイロンを用いる場合は、硫酸塩、リン
酸塩が好ましい。
本発明では、壁膜物質、マメ科植物種子から得
た多糖類物質およびペクチンを含有する水溶液
に、カプセル芯物質を分散させるとともに、電解
質が添加される。カプセル芯物質を水溶液に分散
させた後にこの分散系に電解質を添加することも
できるし、電解質を添加したのちにカプセル芯物
質を分散させることもできる。
壁膜物質は0.5〜20重量%の濃度で用いるのが
適当であり、好ましくは1〜15重量%である。
マメ科多糖類の水溶液中の濃度は0.01〜5重量
%が適当であり、好ましくは0.1〜3重量%であ
る。この濃度が低すぎると親水性芯物質のカプセ
ル化が困難になり、また、高すぎると水溶液の粘
度が高くなつて、気泡の混入が著しくなる。
ペクチンの濃度は1ppm〜5重量%が適当であ
り、好ましくは3ppm〜2重量%である。この濃
度が低すぎるとカプセルの凝集を十分に防止する
ことができず、一方、高すぎるとカプセル壁膜の
形成を阻害する。
マメ化多糖類は壁膜形成を促進してカプセル壁
膜を厚くし、一方、ペクチンは壁膜形成を抑制す
るとともにカプセルの凝集を防止する働きがある
ので、両者の添加量のバランスも重要である。ペ
クチンと粘質多糖類との比(ペクチン/粘質多糖
類)は、芯物質の物性によつて異なり、芯物質が
疎水的なほど大きくし、逆に親水性なほど小さく
するのがよい。また、この比はペクチンのメトキ
シル基の割合によつても異なる。(ペクチン/粘
質多糖類)比は実験的に容易にに決めることがで
き、およそ1×10-4〜5の範囲である。この比を
調整することにより、カプセルの壁膜の厚みを制
御することもできる。
電解質は農度10〜60重量%の水溶液として添加
するのが好ましい。また、電解質の添加量は、添
加後の電解質濃度が2.0〜20重量%となる範囲が
好ましい。
電解質が添加されると、相分離が起こり、壁膜
物質の水溶液がカプセル芯物質を包囲する分離相
として出現する。この相分離は35〜80℃の温度で
行うのが適当である。
相分離終了後、温度1〜10℃程度に冷却して、
カプセル壁膜をゲル化させる。
必要に応じてさらに電解質を添加し、壁膜を強
固にすることもできる。
得られたカプセルは、遠心分離などにより濃縮
し、さらに乾燥して水に溶解するカプセルとして
利用でき、また、硬化剤により壁膜を硬化させて
水に不溶性のカプセルとして利用することもでき
る。
硬化剤は壁膜物質により適宜選定され、たとえ
ば、ポリビニルアルコールの場合はホウ砂、バナ
ジウムまたはウラニウムの水溶性塩、アルデヒド
類などが、ゼラチンの場合はみようばん、タンニ
ン酸、没食子酸、アルデヒド類などが、水溶性ナ
イロンの場合はエポキシ樹脂、イソシアネート樹
脂、エチレン尿素架橋剤などが用いられる。
カプセルの粒径は、ほぼカプセル芯物質の大き
さにより決まり、たとえば約1〜5000μmの直径
のカプセルが得られる。
発明の効果 本発明によれば、単純コアセルベーシヨンに際
してマメ科の植物種子から得た多糖類物質および
ペクチンを共存せしめることにより、今まで困難
であつた親水性の芯物質のカプセル化が可能とな
り、しかもカプセルの凝集が防止され、壁膜の厚
いカプセルも容易に製造することができる。ま
た、壁膜を硬化せずにカプセルの乾燥品が得られ
るので、水溶性カプセルとして活用することがで
きる。さらに、ペクチンおよびマメ科多糖類物質
が天然物で可食性もあるので、壁膜物質としても
ゼラチンのように可食性のある天然物を用いれ
ば、食品用として好適なマイクロカプセルを得る
ことができる。
実施例 1 ポリビニルアルコール(ケン化度87〜89モル
%、重合度500)5重量%、グアーガム(三栄化
学工業株式会社、ビストツプLH−303)0.6重量
%およびペクチン(レモン)(純正化学株式会社、
カラクトロン酸約60%)0.4重量%を含有する水
溶液400gと、オリーブ油(芯物質)40gとを1
撹拌槽に入れ、撹拌によつてオリーブ油を分散
せしめ、その粒径を800〜1200μmに調整した。
続いて、温度40℃で25%の塩化ナトリウム水溶
液250gを徐々に添加した。塩化ナトリウム溶液
の添加によりポリビニルアルコール溶液の液体−
液体相分離が起こり、分離相が分散粒子(オリー
ブ油粒子)を包囲して、液体の壁のカプセルを形
成した。
カプセル膜中の水分を減少させて膜を強固にす
るためにさらに塩化ナトリウム75gを添加し、つ
いで、10℃に冷却した。得られたカプセルは水溶
液から分離、乾燥して使用することもできるが、
さらに50重量%グルタルアルデヒド水溶液20mlを
添加後、40℃に昇温して5時間撹拌し、カプセル
壁を化学的に硬化させた。
全工程を通じてカプセルが凝集することなく、
ほぼ球状で壁膜の厚み40〜80μmの良好なカプセ
ルが得られた。
比較例 1 実施例1でグアーガムとペクチン(レモン)を
配合しない以外は実施例1と同様に行なつた。
25%塩化ナトリウム水溶液を徐々に250g添加
後、ポリビニルアルコール溶液の液体−液体相分
離が起こつたが分散粒子(オリーブ油)を被覆せ
ず、カプセルは形成されなかつた。塩化ナトリウ
ム75gをさらに添加すると相分離物の数mm〜数cm
の粗大塊を生成した。
比較例 2 実施例1でペクチン(レモン)を配合しない以
外は実施例1と同様に行つた。
25%塩化ナトリウム水溶液を徐々に添加すると
ポリビニルアルコール水溶液の液体−液体相分離
が起こり、これが芯物質(オリーブ油)を被覆し
て液体壁膜のカプセルを形成したが、25%塩化ナ
トリウム水溶液の添加後カプセルの凝集が起こ
り、凝集物が撹拌羽根や槽壁に付着した。
実施例 2 ゼラチン(酸処理法、等電点8.9)5重量%、
グアーガム(三栄化学工業株式会社、ビストツプ
LH−303)1.0重量%およびペクチン(リンゴ)
(三栄化学工業株式会社、マルピーNL)0.001重
量%を含有する水溶液400gとアリルからし油
(芯物質)30gを1撹拌槽に入れ、撹拌によつ
てアリルからし油を分散せしめ、その粒径を50〜
250μmに調整した。
続いて、温度40℃で30%のリン酸2水素ナトリ
ウム溶液400gを徐々に添加した。リン酸2水素
ナトリウム溶液の添加によりゼラチン溶液の液体
−液体相分離が起こり、分離相が分散粒子(アリ
ルからし油)を包囲して、液体壁のカプセルを形
成した。
続いて10℃に冷却後、カプセル膜中の水分を減
少させて膜を強固にするためにさらにリン酸2水
素ナトリウム170gを添加し、熟成のためにさら
に2時間撹拌を継続した。この様にして直径70〜
300μmで10〜40μmの壁膜を有するアリルからし
油を含有するゼラチン壁膜のマイクロカプセルを
得た。
このカプセルは、カプセル分散液として練りか
らしや練りわさび、ドレツシング等の食品に配合
することもできるし、またカプセルを分離乾燥
後、各種食品に辛味料として配合することもでき
る。この様にして得られたカプセルを口腔内に入
れると速みやかにカプセル壁膜が溶解して、ツー
ンと鼻に抜ける辛味を発生した。
比較例 3 実施例2でグアーガムとペクチン(リンゴ)を
配合しない以外は実施例2と同様に行つた。
30%リン酸2水素ナトリウム水溶液400g添加
後、ゼラチン溶液の液体−液体相分離が起こつた
が、相分離液滴の大部分は芯物質を包囲せずに独
立に分散しており、芯物質はごくわずかの相分離
滴によつて不均一に包囲された。続いて10℃に冷
却し、リン酸2水素ナトリウムを添加するとカプ
セルは変形し、大部分は破壊された。
比較例3に示すように、アリルからし油は親水
性を持つ(水への溶解度0.2%)ので通常の方法
ではカプセル化が困難である。
比較例 4 実施例2でペクチン(リンゴ)を配合しない以
外は実施例2と同様に行つた。
30%リン酸2水素ナトリウム水溶液を徐々に添
加するとゼラチン水溶液の液体−液体相分離が起
こり、これが芯物質(アリルからし油)を被覆し
て液体壁膜のカプセルを形成したが、30%リン酸
2水素ナトリウム水溶液の添加後、カプセルが著
しく凝集し撹拌羽根や槽壁に付着した。
実施例 3 ゼラチン(酸処理法、等電点8.9)4重量%、
グアーガム(大日本製薬株式会社、グアパツク
PN)0.8重量%およびペクチン(リンゴ)(三栄
化学工業株式会社、マルピーOM)0.01重量%を
含有する水溶液400gと、オレンジ油(芯物質)
40gとを1撹拌槽に入れ、撹拌によつてオレン
ジ油を分散せしめ、その粒径を50〜150μmに調
整した。
続いて、温度40℃で30%クエン酸ナトリウム水
溶液400gを徐々に添加した。液の添加によりゼ
ラチン溶液の液体−液体相分離が起こり、分離相
が分散粒子(オレンジ油粒子)を包囲して、液体
の壁のカプセルを形成した。
10℃に冷却後、カプセル膜中の水分を減少させ
て膜を強固にするためにさらにクエン酸ナトリウ
ム50gを添加し、熟成のため2時間撹拌した。こ
のようにして得られたカプセルを分離して乾燥し
た。このカプセルは食品用に使用できる。
実施例 4 水溶性ナイロン(東レ株式会社、P−70)3重
量%、グアーガム(三栄化学工業株式会社、ビス
トツプLH−303)0.2重量%およびペクチン(リ
ンゴ)(三栄化学工業、マルピーNL)0.005重量
%を含有する水溶液500gと、流動パラフイン
(芯物質)35gとを1撹拌槽に入れ、撹拌によ
つて流動パラフインを分散せしめ、その粒径を50
〜200μmに調整した。
続いて、温度40℃で15%硫酸ナトリウム水溶液
250gを徐々に添加した。硫酸ナトリウム溶液の
添加により水溶性ナイロン溶液の液体−液体相分
離が起こり、分離相が分散粒子(流動パラフイン
粒子)を包囲して、液体の壁のカプセルを形成し
た。
20℃に冷却後、カプセル膜中の水分を減少させ
て膜を強固にするためにさらに硫酸ナトリウム42
gを添加した。このようにして、得られたカプセ
ルは凝集がなく、粒子直径60〜220μm、壁膜厚
み5〜20μmの良好なものであつた。このカプセ
ルはさらにイソシアネート化合物等で硬化しても
よいが、このまま分離乾燥して化粧品等に使うこ
とができる。
比較例 5 実施例4でグアーガムとペクチン(リンゴ)を
配合しない以外は実施例4と同様に行つた。15%
硫酸ナトリウム水溶液250gを添加後、水溶性ナ
イロン溶液の液体−液体相分離が起こり、芯物質
(流動パラフイン)を被覆して液体壁膜のカプセ
ルを形成したが、20℃に冷却して硫酸ナトリウム
42gを添加すると、カプセルが著しく凝集し撹拌
羽根に巻きついた。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 壁膜物質としての高分子物質を含む水溶液
    に、実質的に水に不溶性のカプセル芯物質を分散
    させるとともに電解質を添加し、単純コアセルベ
    ーシヨン法によりマイクロカプセルを製造する方
    法において、前記水溶液中に、マメ科の植物種子
    から得た多糖類物質およびペクチンを壁膜物質と
    ともに含有せしめることを特徴とするマイクロカ
    プセルの製造方法。
JP60145861A 1985-07-04 1985-07-04 マイクロカプセルの製造方法 Granted JPS627440A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP60145861A JPS627440A (ja) 1985-07-04 1985-07-04 マイクロカプセルの製造方法

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JPS627440A JPS627440A (ja) 1987-01-14
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ATE258777T1 (de) * 1999-07-02 2004-02-15 Cognis Iberia Sl Mikrokapseln - ii
CN101678306A (zh) * 2007-05-21 2010-03-24 弗门尼舍有限公司 大型凝聚胶囊

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