JPH0567369B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 発明の技術分野 本発明は、組付部品相互のはめ合い公差の小さ
い、例えば自動車のエンジンのロツカアームとロ
ツカカムとの間に介在されるリフターおよびリフ
ターガイドなどの自動組み込みおよび搬送を行う
装置に関する。

従来技術 近年、ロツカアームとロツカカムとの直接摺動
による摩耗を防ぐため、両者間にリフターを介在
させるエンジンヘツドが知られている。このリフ
ターは、リフターガイドに挿入され、ロツカシヤ
フトとロツカカム間に配置されている。

一般に、リフターとリフターガイドとのはめ合
い公差は非常に厳しく、リフターをリフターガイ
ドに挿入する際には、リフターを回しながら押し
上げなければ両者のはめ合いを行うことができな
い。特に、リフターをエンジンヘツドに使用する
場合には、挿入方向が垂直でなく、所定角度で傾
いているため、この傾いた状態でリフターをリフ
ターガイドに挿入するというさらに一層の困難が
あり、このためこれら両者の組み込みに対しては
手作業によるか、また自動組立を行う場合には、
極めて複雑なジグを必要とする等の困難があつ
た。

発明の目的 したがつて、本発明の目的は、第１物品として
の前記リフターガイドと第２物品としてのリフタ
ーとのはめ合い作業を自動化し、このはめ合い工
程をエンジンの自動組立ライン中に組み込めるよ
うにすることである。

発明の概要 そこで本発明は、位置決め状態で保持されたリ
フターガイドの下方位置に、リフターをリフター
ガイドの挿通孔と同軸上に載置し、リフターガイ
ドの挿通孔の出口側からこの挿通孔内に案内ロツ
ドを予め挿通しておき、リフターの下端側から挿
入ピンによりリフターを押し上げるとき、上記ガ
イドピンを後退させることにより、リフターを位
置決め状態で挿通孔の内部に抑え入れ、これらリ
フターガイドに対して複数のリフターを自動的に
組み込めるようにしている。

発明の構成 以下、本発明の構成を図面に示す一実施例に基
づいて具体的に説明する。

本発明の組み込み搬送装置１は、第１図および
第２図に示すように、リフターガイド２の複数の
挿入孔３にリフター４を組み込むためのものであ
り、主要部として搬送体５を備えている。この搬
送体５は、リフターガイド２の挿入孔３にリフタ
ー４を挿入した後、組み合わせ状態のリフターガ
イド２およびリフター４をゲートモーシヨンによ
りシリンダヘツド６の位置まで移動させ、そこに
組み込む。

この搬送体５は、リフターガイド２を保持する
ために、一対の把持爪７を備えている。この把持
爪７は、水平方向の支持軸８によつて回動自在に
支持されており、図示しない駆動源によつて開閉
動作を行い、リフターガイド２を水平な状態で保
持する。またこの搬送体５は、リフターガイド２
の挿入孔３の中心線上で、上下の軸受１０によつ
て、複数の案内ロツド９を挿入孔３と同じ傾きで
摺動自在に保持している。この案内ロツド９の下
端部分は、リフター４の上端面の中心位置に形成
された突起４ａに、はまりあう位置決め用の窪み
９ａを形成している。なお、第２図では、複数化
を避けるために、他の案内ロツド９は、その中心
線によつて示されている。この案内ロツド９は、
駆動レバー１１の先端に係り合つており、駆動軸
１２の回転運動によつて、挿入孔３の内部に入り
込む大きさに設定されている。

また、搬送体５は、第２図および第３図に示す
ように、水平方向のクランプ軸１３を摺動自在に
保持している。そして、このクランプ軸１３は、
スプリング１６によつて図示矢印方向に付勢され
たスリーブ１７のピン１４によりクランプ手段と
してのクランプ片１５を回動自在に支持してい
る。このクランプ軸１３は、図示しないシリンダ
などによつて駆動される。なお、上記搬送体５に
は、リフターガイド２の孔にはまり合い、それを
位置決めするためのロケートピン１８および組み
合わせ状態のリフターガイド２およびリフター４
をシリンダヘツド６に組み込むとき、ロケート孔
５０にはまり、これらを位置合わせするためのロ
ケートピン１９を備えている。

一方、リフターガイド２とリフター４との組み
合わせ位置に、載置台２０が設けられている。こ
の載置台２０は、傾きを異にする上面で、複数の
リフター４を保持し、これらを挿入孔３と同じ傾
斜状態に設定する。そしてこの載置台２０のほぼ
中心位置に挿入ピン２１を案内するための案内孔
２２が形成されている。この挿入ピン２１は、複
数のリフター４毎に設けられており、第１図に示
すように、筒体２３の内部で、スプリング２４に
よつて付勢された状態で支持されている。この筒
体２３は、機枠２５に取付けられた上向きのシリ
ンダ２６のピストンロツド２７に取付けられてい
る。なお、この筒体２３は、その上端部分でカム
板２８を保持している。

そして、上記リフター４は、コンベア３４によ
つて、整列状態で載置台２０の近くまで案内さ
れ、一対の位置決め体３１，３２によつて載置台
２０上で位置決めされる。一方の位置決め体３１
は、第４図に示すように、機枠２９に対しスプリ
ング３０によつて付勢された２つの支持ロツド３
３によつて後退可能な状態で支持されており、先
端部分でＶ字状の位置決め溝３５を複数形成して
いる。また他方の位置決め体３２は、回動アーム
３６の先端部分で、２本の支持ロツド３７により
スプリング３８で付勢された状態で支持されてい
る。そしてこの位置決め体３２は、上記位置決め
溝３５と対応する部分で押圧面３９を形成してい
る。

そして、上記回動アーム３６は、第１図に示す
ように、支軸４０により、機枠４１に対し回動自
在に支持されており、この機枠４１に取付けられ
たシリンダ４２のピストンロツド４３の先端に連
結されている。

一方、前記機枠２５は、第５図に示すように、
ブラケツト４４とともに、一対の解放レバー４５
をそれぞれのレバー軸４６により回動自在に支持
している。この解放レバー４５は、解除手段を構
成しており、中間部分に前記カム板２８と対応す
るローラ４７を備えており、また上端部分で、そ
れぞれの位置決め体３１，３２と対応するローラ
４８を回転自在に支持しており、下端部分の付勢
スプリング４９によつて、常にローラ４７，４８
を接近させる方向に付勢されている。

発明の作用 次に、発明の作用を組み込み搬送装置１の一連
の動作とともに説明する。

まず、最初に、搬送体５は、上下方向および水
平方向の運動の組み合わせ、つまりゲートモーシ
ヨンにより、リフターガイド２の供給位置まで移
動し、そこでリフターガイド２を一対の把持爪７
の間で把持し、リフター４の組み込み位置で所定
の高さで待機している。このとき、リフターガイ
ド２は、ロケートピン１８によつて正確に位置決
めされている。

この状態で複数のリフター４は、コンベア３４
の上に乗り、整列状態で、載置台２０の近くまで
運び込まれて来る。このとき、シリンダ４２が動
作し、回動アーム３６を第１図で時計方向に回動
させることにより、引き上げられていた位置決め
体３２の押圧面３９により、案内されてきた複数
のリフター４を載置台２０の所定の位置まで移動
させる。なお、このときリフター４の停止位置
は、載置台２０の上面に形成したストツパ２０ａ
などによつて規制できる。

このようにして、複数のリフター４は、載置台
２０の所定の位置まで移動し、そこで傾きを異に
しながら並べられる。このとき、一対の位置決め
体３１，３２は、位置決め溝３５と押圧面３９と
の間で複数のリフター４を挟み込むことによつ
て、それらの整列方向の間隔を正確に規制し、か
つ位置決め状態で固定する。

その後、駆動軸１２の回転によつて、駆動レバ
ー１１が、第２図で反時計方向に回動するため、
案内ロツド９は、上昇位置から下降し、それぞれ
の挿入孔３の内部を通り、その窪み９ａをリフタ
ー４の突起４ａにはめ込む。これによつて、リフ
ター４の中心線が案内ロツド９の中心線と一致
し、かつ挿入孔３の中心線とも正確に一致する。

その後、挿入ピン２１がシリンダ２６によつて
押し上げられ、リフター４の後端を押し上げるた
め、リフター４は、案内ロツド９と挿入ピン２１
との間に挟まれ、かつ位置決めされながら、挿入
孔３の内部に入り込む。このとき、案内ロツド９
は、挿入孔３の内部から抜ける方向、つまり上昇
方向に移動しながら、リフター４を位置決め状態
で迎え入れる。このように、案内ロツド９が予め
リフター４の挿入すべき挿入孔３の内部にはめ込
まれており、リフター４の中心線を挿入孔３の中
心線に一致させながら迎え入れて行くから、それ
らのはめ合い交差が厳しい場合においても、リフ
ター４の挿入は、すべてについて円滑に行われ
る。

このような挿入過程でも一対の位置決め体３
１，３２が挿入途中のリフター４をスプリング３
０，３８の付勢力によつて軽く挟持している。リ
フター４が半ば挿入されると、そのつば部４ｂが
位置決め体３１，３２に当たるため、それ以上挿
入されなくなる。

しかし、そのときカム板２８がローラ４７の間
に入り込み、一対の解放レバー４５を開く方向に
回動させる。このとき、この解放レバー４５の先
端のローラ４８は、一対の位置決め体３１，３２
をそれぞれのスプリング３０，３８の付勢力に抗
し、開く方向に移動させている。したがつて、複
数のリフター４は、つば部４ｂの存在にもかかわ
らず、引続き挿入孔３の内部に入り込む。なお、
一対の位置決め体３１，３２が解放する時点で
は、リフタ４の一部が挿入孔３の内部に入つてい
るため、位置決め機能は、もはや必要とされな
い。

このようにして、リフター４が挿入孔３の内部
に完全に入り込んだ状態で、クランプ軸１３が矢
印方向に移動するため、クランプ片１５は、スプ
リング１６の弾力を受けながら、一対のリフター
４の間に接し、それらに側方への押圧力を加える
ことにより、挿入孔３の内部で摩擦的に抜け止め
状態とする。このようにして、複数のリフター４
は、リフターガイド２の挿入孔３の内部に挿入さ
れ、組み合わせられる。

その後、搬送体５は、上昇および水平運動を行
うことにより、いわゆるゲートモーシヨンによ
り、組み合わせ状態のリフターガイド２および複
数のリフター４をシリンダヘツド６の位置まで移
動させる。この組付け位置では、ロケートピン１
９が組付け位置のロケート孔５０にはまり合うた
め、組み合わせ状態のリフターガイド２およびリ
フター４は、シリンダヘツド６の組み込み位置に
対し位置決め状態で供給される。

このようにして、組み込み搬送装置１の一連の
動作が完了する。

発明の効果 本発明では、第１物品（リフターガイド）の挿
入孔の内部に予め案内ロツドが挿入されており、
この案内ロツドと挿入ピンとの間で第２物品（リ
フター）が挿入孔の中心線に対し位置決め状態と
なり、しかも案内ロツドおよび挿入ピンがリフタ
ーを挟み込んだ状態でリフターガイドの挿入孔に
移動させ、かつこと過程で挿入孔の内部の案内ロ
ツドがリフターの位置決め状態を維持しながらリ
フターを迎え入れるため、それらのはめ合い交差
が厳しい場合でも、リフターガイドの挿入孔に対
するリフターの組み込みが自動的に行える。した
がつて、シリンダヘツドの部品すなわちリフター
とリフターガイドとの組み込み工程がシリンダの
組立ライン中に組み込め、その作業が自動化でき
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は組み込み搬送装置の全体的な正面図、
第２図は搬送体の一部破断正面図、第３図はクラ
ンプ手段の水平断面図、第４図は一対の位置決め
体の部分の一部破断平面図、第５図は一対の位置
決め体の解放手段を示す正面図である。 １……組み込み搬送装置、２……リフターガイ
ド、３……挿入孔、４……リフター、５……搬送
体、７……把持爪、９……案内ロツド、１３……
クランプ軸、１５……クランプ片、２０……載置
台、２１……挿入ピン、２８……カム板、３１，
３２……位置決め体、４５……解放レバー。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 第１物品を所定の組み込み位置に搬送する搬
   送体と、この搬送体に設けられ第１物品を位置決
   め状態で保持する一対の把持爪と、第１物品の挿
   通孔と同軸上で第２物品を載置する載置台と、第
   ２物品を載置台上で挟み込んで位置決めする一対
   の位置決め体と、載置台上の第２物品を押し上げ
   て第１物品の挿通孔に挿入する挿入ピンと、前記
   第２物品の挿入時に第１物品の挿通孔出口側から
   この挿通孔に挿入され第２物品の頭部に係合し上
   記挿入ピンの動きと同調して第２物品を第１物品
   の挿通孔へ迎え入れる案内ロツドと、第２物品を
   第１物品に挿入するときに一対の位置決め体の挟
   み込みを解除する解除手段と、第１物品に第２物
   品の挿入を完了したときに第１物品に第２物品を
   固定するクランプ手段とを具備することを特徴と
   する組み込み搬送装置。