JPH0567361U - 塗装用マスキング装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 マスキング材を使用することなくマスキング
を行うことができ、塗装能率の向上と塗装品質の向上が
図れる塗装用マスキング装置を提供する。 【構成】 吹付けガン１によって塗装されるワーク２を
載置保持する筒状のワークシート３と、圧力エアを導通
する流路４ａを有しワークシート３を回転させるスピン
ドル４と、圧力エア源に接続されたエア供給管路５と、
スピンドル４を回転可能にエア供給管路５に接続するロ
ータリージョイント６とを設け、吹付けガン１の作動
中、エア供給管路５、ロータリージョイント６、スピン
ドル４内の流路４ａ及びワークシート３の内部を通じて
ワーク２のマスキング所要部分２ａに所要圧力に調圧さ
れた圧力エアを噴出させるように構成した。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、吹付け塗装時に被塗装部品のマスキングを行なう塗装用マスキング 装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、吹付けガンにより塗料を噴射して被塗装部品の塗装を行なう場合、部品 の塗装部分に隣接する塗装を要しない部分をマスキング材で覆い、その塗装され ない部分への塗料の浸入を防止しながら吹付け塗装を行なっている。

【０００３】 図２は上記のようなマスキング材を使用する従来の方法で吹付け塗装を行なう 装置の一例を示した断面図である。図中１は塗料Ｐを噴射する吹付けガン、２は 塗料Ｐにより塗装される被塗装部品である。図に例示する被塗装部品（以下、ワ ークと称する）２は車両用ボールジョイントであり、スチール材で形成された頂 部に上向きに開口した孔部２ａを有している。３はワーク２を載置保持する筒状 のワークシート、４はワークシート３を垂直軸心の周りに回転させるスピンドル である。

【０００４】 塗装を行なう際には、ワーク２の孔部２ａ内に塗料Ｐが入り込まないように、 ワーク２の頂部にマスキング材１０を装着する。マスキング材１０は磁石１０ａ を埋め込んだもので、その磁力によりワーク２の頂部に前記孔部２ａの開口を覆 うように装着する。次いで、マスキング材１０が装着されたワーク２をワークシ ート３に挿着により載置保持し、スピンドル４の駆動によりワークシート３及び ワーク２を回転させながら、吹付けガン１を作動させて、ワーク２に対する塗料 Ｐの吹付け塗装を行なう。塗装完了後、ワーク２をワークシート３から取り外し 、その後ワーク２からマスキング材１０を取り外す。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】 しかしながら、前記従来のマスキング材を使用する塗装方法においては、ワー クの１個ごとにマスキング材を脱着する必要があり、脱着工数が必要であった。

【０００６】 本考案は前記従来の課題を解決するためになしたもので、マスキング材を使用 することなくマスキングを行うことができ、塗装能率の向上と塗装品質の向上が 図れる塗装用マスキング装置を提供することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

上記の目的を達成するため、本考案の塗装用マスキング装置は、吹付けガンに よる塗装時、圧力エアの吐出によりワークのマスキングを行なうマスキング装置 であって、ワークを載置保持する筒状のワークシートと、前記圧力エアを導通す る流路を有し前記ワークシートを回転させるスピンドルと、圧力エア源に接続さ れたエア供給管路と、前記スピンドルを回転可能に前記エア供給管路に接続する ロータリージョイントとより成り、前記吹付けガンの作動中、前記エア供給管路 、ロータリージョイント、スピンドル内の流路及びワークシートの内部を通じて ワークのマスキング所要部分に所要圧力に調圧された圧力エアを噴出させるよう に構成したものである。

【０００８】

【作用】

以上の構成により、吹付けガンの作動によりワークに塗料を吹き付けている間 中、適度に調圧された圧力エアがワークのマスキング所要部分（例えば孔部分） に噴出されて当該部分への塗料の浸入が防止され、特別のマスキング材の使用を 要しない。

【０００９】

【実施例】

以下、図１に示した実施例により本考案の構成をさらに詳細に説明する。

【００１０】 図１は本考案による塗装用マスキング装置の全体構成を示したもので、前記従 来例と対応する部分については、同一の符号を付してある。

【００１１】 ワーク２を載置保持するワークシート３を回転させるスピンドル４の軸心部は 、圧力エアを導通させる流路４ａが設けられており、圧力エアは図示矢印のよう に流路４ａからワークシート３内に導入され、ワーク２の孔部２ａから吐出され るようになっている。５は図示しない圧力エア源に連結されたエア供給管路で、 このエア供給管路５とスピンドル４とは、スピンドル４がエア供給管路５からの エアを導入して回転可能なように、ロータリージョイント６で連結されている。

【００１２】 エア供給管路５には、圧力調整弁７、電磁弁８及び圧力監視センサー９が設け られている。圧力調整弁７は、圧力エア源１０からのエア圧力をマスキングに適 した所要の圧力に調圧するものである。電磁弁８は、所定の信号により吹付けガ ン１が作動を開始する寸前にエア供給管路５を開き、吹付けガン１の作動完了後 に管路を閉じる。圧力監視センサー９は、エア供給管路５内のエア圧力を監視し 、圧力異常を感知した場合は所要の信号を発して装置を停止させる。

【００１３】 以上のように構成された装置において、圧力調整弁７により所要の圧力に調圧 された圧力エアは、吹付けガン１が作動して塗料Ｐの噴霧が開始される寸前に電 磁弁８が開かれ、エア供給管路５からロータリージョイント６、スピンドル４内 の流路４ａ、ワークシート３の内部に導通し、ワーク２の孔部２ａから噴出する 。このエア噴出は、吹付けガン１により塗料Ｐの噴霧が行なわれている間中続行 し、塗料Ｐの孔部２ａへの浸入を阻止するマスキング作用を行なう。塗装が完了 し吹付けガン１が作動を停止すると、電磁弁８が閉じエアの噴出が停止し、マス キング塗装工程の１サイクルが完了する。

【００１４】

【考案の効果】

以上の通り、本考案のエア式マスキング装置は、吹付けガンの作動中、エア供 給管路、ロータリージョイント、スピンドル内の流路及びワークシートの内部を 通じてワークのマスキング所要部分に所要圧力に調圧された圧力エアを噴出させ 、所要部分への塗料の浸入を阻止するように構成したので、マスキング材の使用 が不要となり、塗装能率の向上が図れる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案による塗装用マスキング装置を示す断面
図である。

【図２】従来の塗装用マスキング装置の一例を示す断面
図である。

【符号の説明】

１ 吹付けガン ２ 被塗装部品（ワーク） ２ａ マスキング所要部分（孔部） ３ ワークシート ４ スピンドル ４ａ 流路 ５ エア供給管路 ６ ロータリージョイント １０ 圧力エア源 Ｐ 塗料

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 吹付けガンによる塗装時、圧力エアの吐
   出により被塗装部品のマスキングを行なうマスキング装
   置であって、被塗装部品を載置保持する筒状のワークシ
   ートと、前記圧力エアを導通する流路を有し前記ワーク
   シートを回転させるスピンドルと、圧力エア源に接続さ
   れたエア供給管路と、前記スピンドルを回転可能に前記
   エア供給管路に接続するロータリージョイントとより成
   り、前記吹付けガンの作動中、前記エア供給管路、ロー
   タリージョイント、スピンドル内の流路及びワークシー
   トの内部を通じて被塗装部品のマスキング所要部分に所
   要圧力に調圧された圧力エアを噴出させるように構成さ
   れたことを特徴とする塗装用マスキング装置。