JPH0566529U - サーモパイル - Google Patents
サーモパイルInfo
- Publication number
- JPH0566529U JPH0566529U JP1431992U JP1431992U JPH0566529U JP H0566529 U JPH0566529 U JP H0566529U JP 1431992 U JP1431992 U JP 1431992U JP 1431992 U JP1431992 U JP 1431992U JP H0566529 U JPH0566529 U JP H0566529U
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- JP
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- diaphragm
- substrate
- thermopile
- heat sink
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- Measuring Temperature Or Quantity Of Heat (AREA)
- Photometry And Measurement Of Optical Pulse Characteristics (AREA)
- Radiation Pyrometers (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】温度変化、圧力変化にともなうダイアフラムの
歪や破壊等を回避し、常に安定した出力を得ると共に、
強度的にも従来に勝るサーモパイルを提供する。 【構成】基板のほぼ中央部の絶縁性被膜を基板表面から
浮かせることでダイアフラムを構成し、そのダイアフラ
ムには両面に通ずるスルーホールを設けた。 【効果】ダイアフラム下の空洞部ではスルーホールを通
して外気が常に出入りできるため、温度変化や真空封止
においても圧力の影響がなくダイアフラムに歪がかから
ない。また、基板を加工しないためダイアフラムを大型
化しても強度が大きく、ヒートシンクも充分機能でき
る。これらから従来より高出力で信頼性のあるサーモパ
イルが得られる。
歪や破壊等を回避し、常に安定した出力を得ると共に、
強度的にも従来に勝るサーモパイルを提供する。 【構成】基板のほぼ中央部の絶縁性被膜を基板表面から
浮かせることでダイアフラムを構成し、そのダイアフラ
ムには両面に通ずるスルーホールを設けた。 【効果】ダイアフラム下の空洞部ではスルーホールを通
して外気が常に出入りできるため、温度変化や真空封止
においても圧力の影響がなくダイアフラムに歪がかから
ない。また、基板を加工しないためダイアフラムを大型
化しても強度が大きく、ヒートシンクも充分機能でき
る。これらから従来より高出力で信頼性のあるサーモパ
イルが得られる。
Description
【0001】
本考案は赤外線検出素子として働くダイアフラム型サーモパイルに関し、特に ダイアフラムとそれを保持する基板の構造に関する。
【0002】
従来のダイアフラム型サーモパイルの構造について図4を用いて説明する。ヒ ートシンク22となる熱伝導率の大きい基板1のほぼ中央にピット30が設けら れ、全体を覆うように熱伝導率の小さなダイアフラム21が張られている。この 従来にみられるダイアフラムの構造は、たとえば特開昭53−48791あるい は特開昭54−12578に記載されている。そしてダイアフラム21上に温接 点41が、ヒートシンク22上に冷接点42が位置するように熱電対4が多数配 置されている。基板1には一般的にシリコンウエハー等が用いられ、ダイアフラ ム21としてはSiO2 膜あるいはSi3 N4 膜が用いられる。
【0003】 このサーモパイルは、放射温度計などの赤外線検出用センサとして利用する時 には、ハーメチックシール用のステム等の基台8の上にマウントされる。この場 合、サーモパイル本体と基台8の温度ができるだけ同温度になるよう、熱伝導性 の良い金属ペースト等の接着剤7を用いて基板1と基台8とが密着した状態にす る。これにより、従来サーモパイルのピット30部はダイアフラム21と基台8 に挟まれて、密閉状態となる。そのため、温度変化によってピット30内の圧力 が変化するとダイアフラム21に歪を与え、出力特性に大きな影響を及ぼし、あ るいはダイアフラム21が破損するという問題があった。また、サーモパイルの 出力はダイアフラム21の大きさに左右され、できる限りダイアフラム21の大 きさは大きな方がよい。しかし従来の構造では、ダイアフラム21を大きくする とマウント時に基台8に接する面積が非常に小さくなり、ヒートシンク22の性 能が充分に保てなる。また機械的強度も弱くなり壊れ易いなどの問題がある。
【0004】 また、サーモパイルを真空中で用いると、空気中と比べて数倍出力が向上する ことが知られていが、その理由は、温接点41から空気を介しての熱の散逸が抑 えられるためである。そこで、サーモパイルを真空封止してセンサとして用いる ことは高出力を得るための重要な方法と考えられる。ところが、従来のサーモパ イルにおいては、上述のようにピット30内部はマウント時に密閉された構造に なっている。マウント作業は一般に大気圧において行うため、密閉されたピット 30内部は大気圧で保持され、真空封止すると圧力差によりダイアフラム21が 破損する。
【0005】
そこで本考案の目的は、上記の問題点を解決し、外気の温度変化が大きい場合 あるいは真空封止を行う場合においても、ダイアフラムが変形等を起こさず、常 に安定した出力が得られ、ヒートシンクの性能も良好で機械強度も大きなサーモ パイルを提供することである。
【0006】
上記目的を達成するために本考案においては、絶縁性被膜が形成されたヒート シンクとなる基板のほぼ中央に、基板と絶縁性被膜を空間的に分離するように空 洞部を設け、空洞部上の絶縁性被膜をダイアフラムとし、前記基板と接している 部分の絶縁性被膜をヒートシンクとし、ダイアフラム上に温接点、ヒートシンク 上に冷接点を有する多数の熱電対を配置し、前記ダイアフラム部には少なくとも 1か所のスルーホールを形成し、このスルーホールを介して前記空洞部が外気と 導通できるようにした。
【0007】
本考案によれば、ダイアフラムを形成するための空洞部は常時外気と導通して 等圧状態になっているため、温度変化によるダイアフラムへの影響はなく、さら に真空封止も可能であるから高出力化にも対応でき、さらに基板にはピットが形 成されていないため、強度あるいはヒートシンクの性能に関しても信頼性がある サーモパイルが提供できる。
【0008】
まず本考案のサーモパイルの構造について図1および図2を用いて説明する。 なお図1は本考案のサーモパイルの断面図であり、図2はその平面図である。
【0009】 表面が平滑で熱伝導性の良好な基板1、たとえばSiウエハー上に絶縁性被膜 2が成膜されている。基板1のほぼ中央部においては、絶縁性被膜2は浮き上が り空間的に基板1と分離されて、空洞部3を構成している。空洞部3に相当する 場所の絶縁性被膜2はダイアフラム21となり、また基板1と接している部分で はヒートシンク22となっている。絶縁性被膜2の上にはダイアフラム21上に 温接点41、ヒートシンク22上に冷接点42となるように、熱電対4が多数形 成されている。また熱電対4の端部には引き出し電極6が形成されている。
【0010】 ここで、ダイアフラム21にはスルーホール5が開けられている。スルーホー ル5は空洞部3にまで達しているため、空洞部3は密閉されておらず、常に外気 の出入りが可能になっている。ところで、熱電対4は図2のようなパターンとな っており、ダイアフラム21すべての場所は使わず、4箇所のエッジ23近辺に は形成されていない。それは、エッジ23のかなり近くでは熱電対4の温接点4 1と冷接点42の距離が近くなりすぎ1対当たりの出力は非常に減少し、もはや 作製しても全体の出力向上にはほとんど寄与しなくなるからである。ただし中心 部は反対に出力向上を考慮して利用する場合もある。そこで、本考案においては この4箇所のエッジ23近傍にスルーホール5を形成した。ただし図2において は4個のスルーホール5が形成してあるが、最低1個有れば良い。
【0011】 次に本考案のサーモパイルの作製法について図3を用いて説明する。まず図3 (a)に示すようにシリコンウエハーからなる基板1上にアルミ膜を成膜する。 アルミ膜はフォトエッチング技術により目的形状にパターン化され、犠牲層31 となる。この犠牲層31は、後に溶解して取り去り空洞部3を作り上げるためそ の名前としたが、それ故パターン形状は目的とする空洞部3の形状に等しい。つ づいて図3(b)に示すように基板1全面にSiO2 膜あるいはSi3 N4 膜か らなる絶縁性被膜2を形成する。絶縁性被膜2の上には金膜を成膜およびパター ニングし引き出し電極を形成した後(図示せず)、ビスマスおよびアンチモンを 成膜しパターニングすることで図3(c)に示すように熱電対4を作製する。こ れにつづき熱電対4が形成されていない場所で、かつ犠牲層31の上に成膜され た絶縁性被膜2をフツ 酸系のエッチャントでエッチングしスルーホール5を形成 し、最後に形成したスルーホール5を利用して犠牲層31であるアルミ膜を燐酸 −硝酸系のエッチャントにより溶解する。燐酸−硝酸系のエッチャントはアルミ を溶解するが、Si3 N4 膜あるいはSiO2 膜またシリコンウエハーそれぞれ をほとんど溶解しない。そのため、犠牲層31以外の部分はその前の形状を残し 、図1に示すような犠牲層31が存在した空間が空洞部3となったサーモパイル が作製される。このスルーホール5は空洞部3の内部と外気とを導通する通気孔 として機能する。
【0012】 実施例におけるサーモパイルの赤外線吸収はその構造から熱電対4あるいはダ イアフラム21が直接行うこととなる。しかし、出力向上のためにダイアフラム 21上に金黒等の黒体を形成し、赤外線吸収効率を高めることも可能である。
【0013】 また実施例においては、基板1にシリコンウエハーを用いたが、熱伝導性が良 く表面が平滑なら、他の金属製基板を用いてもかまわない。また絶縁性被膜2も Ta2 O5 やAl2 O3 など他の酸化物膜あるいは有機物被膜も用いることがで きる。さらに犠牲層31は、アルミの他に銅や鉄、その他のエッチングしやすい 金属なら何でも良く、また、フォトレジスト等も用いることができる。ただしこ れら基板1、絶縁性被膜2および犠牲層31の材料を選択する場合、犠牲層31 をエッチングするとき、犠牲層31のエッチング速度に比較して基板1と絶縁性 被膜2のエッチング速度が非常に小さくなるような組み合わせを選ぶ必要がある 。
【0014】
以上の説明により明らかなように本考案のサ−モパイルは温度変化が生じても ダイアフラムには歪の影響がなく常に安定した出力を得ることを可能とし、真空 封止にも問題なく用いることが可能である。さらに、基板にはピットが形成され ていないので強度的な弱点もなくダイアフラムは基板面積に近い大きさまで広げ ることが可能である。また基板の熱容量も充分大きくとれ基台へも密着させられ ることからも、大きな出力を安定して得ることが可能となる。
【図1】本考案のサーモパイルの要部断面図である。
【図2】本考案のサーモパイルの平面図である。
【図3(a)】、
【図3(b)】、
【図3(c)】本考案のサーモパイルの製造工程を示す
要部断面図である。
要部断面図である。
【図4】従来のサーモパイルの要部断面図である。
1 基板 2 絶縁性被膜 21 ダイアフラム 22 ヒートシンク 23 エッジ 3 空洞部 30 ピット 31 犠牲層 4 熱電対 41 温接点 42 冷接点 5 スルーホール 6 引き出し電極 7 接着剤 8 基台
Claims (1)
- 【請求項1】 絶縁性被膜が形成されたヒートシンクと
なる基板のほぼ中央部に、基板と絶縁性被膜を空間的に
分離するように空洞部が設けられており、この空洞部上
方の絶縁性被膜はダイアフラムを形成しており、前記基
板と接している部分の絶縁性被膜はヒートシンクを形成
しており、前記ダイアフラムの上面には温接点を、前記
ヒートシンクの上面に冷接点を有する多数の熱電対が前
記絶縁性被膜の上面に配設されており、前記ダイアフラ
ム部には少なくとも1か所のスルーホールが形成されて
おり、このスルーホールを介して前記空洞部が常時外気
と導通できる状態にあることを特徴とするサーモパイ
ル。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1992014319U JP2582416Y2 (ja) | 1992-02-18 | 1992-02-18 | サーモパイル |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1992014319U JP2582416Y2 (ja) | 1992-02-18 | 1992-02-18 | サーモパイル |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0566529U true JPH0566529U (ja) | 1993-09-03 |
JP2582416Y2 JP2582416Y2 (ja) | 1998-10-08 |
Family
ID=11857768
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1992014319U Expired - Fee Related JP2582416Y2 (ja) | 1992-02-18 | 1992-02-18 | サーモパイル |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2582416Y2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH07134066A (ja) * | 1993-11-10 | 1995-05-23 | Tech Res & Dev Inst Of Japan Def Agency | 赤外線センサとその製造方法 |
JP2008544263A (ja) * | 2005-06-27 | 2008-12-04 | エイチエル−プラナー・テクニク・ゲゼルシヤフト・ミツト・ベシユレンクテル・ハフツング | 電磁波検出用装置及びそのような装置製造のための方法 |
JP5847985B2 (ja) * | 2013-08-09 | 2016-01-27 | Semitec株式会社 | 赤外線温度センサ及び赤外線温度センサを用いた装置 |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH01138429A (ja) * | 1987-07-24 | 1989-05-31 | New Japan Radio Co Ltd | サ−モパイル |
JP3078222U (ja) * | 2000-12-11 | 2001-06-29 | 森▲よう▼ 李 | 浮遊式気体混合盤の安定構造 |
-
1992
- 1992-02-18 JP JP1992014319U patent/JP2582416Y2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPH01138429A (ja) * | 1987-07-24 | 1989-05-31 | New Japan Radio Co Ltd | サ−モパイル |
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Publication number | Publication date |
---|---|
JP2582416Y2 (ja) | 1998-10-08 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |