JPH0566187A - 製品の磨耗状態の評価方法 - Google Patents

製品の磨耗状態の評価方法

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JPH0566187A
JPH0566187A JP2545892A JP2545892A JPH0566187A JP H0566187 A JPH0566187 A JP H0566187A JP 2545892 A JP2545892 A JP 2545892A JP 2545892 A JP2545892 A JP 2545892A JP H0566187 A JPH0566187 A JP H0566187A
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JP2545892A
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Jesse N Matossian
ジエシー・エヌ・マトシアン
Paul H Mikkola
ポール・エイチ・ミツコラ
John L Bartelt
ジヨン・エル・バーテルト
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    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N3/00Investigating strength properties of solid materials by application of mechanical stress
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Abstract

(57)【要約】 【目的】短時間、低価格で行われ、既知の方法よりも実
用的に磨耗を評価できる方法を提供することである。 【構成】ダイビード30は、金属もしくは非金属の基板
32の表面周辺部中に、ネオン、窒素、チタニウム、炭
素、酸素を予め選定された深さにまでイオンを注入し、
処理層34を形成することにより形成されている。この
処理層は、非処理層と異なるろカラーを有するようにな
り、磨耗が上記選定された深さ以上に進行したときに、
もとのカラーになり、磨耗の程度が評価できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、製品の磨耗、道具を製
造するのに使用するような製品、そして特に器具を使用
しないで製品の磨耗状態を評価する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】多くの金属製品が、成型のための器具を
使用する金属製造技術により、最終製品並びにサイズに
形成されている。このような技術の1つで、薄い金属製
品が金型ダイを使用して、シートもしくはコイル片形状
の金属ワークピースから形成されている。このようなダ
イは、ワークピースを、これの中間もしくは最終製品に
形成するようにあらかじめ成型された他の部材より形成
されている。シート状のワークピースは、通常、シート
を雄型を用いて雌型に押付けることにより形成されてい
る。
【0003】ダイを形成する操作には、多量の金属ワー
クピースを使用して同様の製品を生産する工程が含まれ
ている。例えば、ほとんどの自動車はメタリックボデー
パネルを持っている。これらパネルを製造するために、
平坦な金属シートが、スターテングシートを雌型状に置
き、適当な形状の雄型でこのシートを雌型中に押圧する
ことにより形成されている。得られた部品はボテーパネ
ルの複雑な形状を有する。
【0004】ダイのような器具の使用寿命は、通常、器
具のデメンション、かくして成型部品のデメンションを
変化させるような磨耗により制限される。各部品が成型
されるごとに、シート状ワークピースと器具との間の摩
擦接触により、器具から少量の材料が削り取られてい
る。この結果、器具は、成型製品が標準仕様に合わなく
なるようなデメンションに変化してしまう。この時点
で、器具は破棄されるか再生される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】器具の磨耗状態の評価
は、通常、成型部品もしくは器具を定期的に検査するこ
とにより、果たされている。成型部品を全て検査するこ
と並びに/もしくは各部品が形成された後に器具を検査
することは、これら検査が製造時間を非常に長くしてし
まうので一般的ではない。例えば、10平方フイートの
オダーの表面領域を有する成型された自動車のボデーパ
ネルがダイにより成型される場合、部品がプレス成型さ
れるごとに、各部品のデメンションが誤差範囲内にある
か否かをチエックするために数百のデメンション検査が
必要となる。同様に、ダイが誤差範囲内にあるかとダイ
をチェックするために数百のデメンション検査が必要と
なる。
【0006】部品並びに/もしくは器具のデメンション
を定期的にチェックするような他の方法も通常行われて
いる。この場合、例えば、1つの部品の1回の検査で全
てのデメンションが誤差範囲内にあれば、次に製品もし
くは器具が再度検査されるまでに1万個前後の部品が製
造されてしまう。この結果、次の検査で、許容できない
デメンションの変化があれば、製造された部品を個々に
検査し、誤差範囲に内ものは破棄しなければならない。
従って、この方法では、前の検査の直後に誤差外のもの
が生じたときには、多数の物品を破棄しなければならな
い。
【0007】器具自体が検査される場合には、検査工程
に時間がかかり、かつ複雑となる。代表的には、デメン
ションはマイクロメータもしくは自動座標測定器により
検査されている。例えば、時間に関しては、自動車のエ
ンジンマニホールドの器具セットのデメンションの全て
を検査するためには約6時間を要する。この検査が1
0,000個の部品が製造されるごとに行われるように
設定されている。これら検査から、磨耗のデメンション
並びにパターンの維持が評価されている。そしてデメン
ションが誤差範囲内になくなると、器具は破棄もしくは
再生される。
【0008】器具の磨耗の評価をするより良い方法が必
要とされている。好ましくは、このような方法は、短時
間、低価格で行われ、既知の方法よりも実用的なものが
望ましい。本発明はこの要望を充分に満たし、かつ他の
関連した効果も有する。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、見ることによ
り物品の磨耗状態を測定する方法を提供する。このよう
な物品は、器具、器具により形成された物、並びにこれ
以外の磨耗される全ての物を含むことができる。物品の
磨耗状態の評価は、特別な測定を必要としないで、物品
の迅速な視覚走査で行われ得る。
【0010】本発明に係わる選定された物品の磨耗状態
の評価方法は、選定された物品の形状で、披処理機能面
を有する基板を準備する工程と、この基板の前記披処理
機能面の一部を、前記予め選定された量よりも多く磨耗
した後の処理面の見掛けを、予め選定された量よりも少
なく磨耗した処理面の見掛けと異とならせると共に、処
理面の耐磨耗性を非処理面よりも向上させるように、処
理する工程と、物品の処理面を表面の磨耗にさらす状態
にする工程と、予め選択された深さよりも多く磨耗した
表示に見掛けが変化したかどうかを決定するために磨耗
面を観察する工程とを具備する。
【0011】本発明の適用においては、物品の基板は最
終の形状でデメンションをほぼ有するように形成され
る。表面は、これが予め選定された量磨耗されたとき見
掛けが変化するように処理される。好ましくは、ネオ
ン、窒素、チタン、炭素、もしくは酸素のようなイオン
が、物品の表面中に予め選定された深さまでイオン注入
される。イオンは物品の面を注入深さまで視覚上のカラ
ーを変える。例えば、チタンと窒素とを物品の表面中に
注入すると、結果として得られる窒化チタンは、夫々の
注入深さまでゴールド色(金色)を有する。0.2ミク
ロンの深さまでのイオン注入は、この深さもしくはこれ
以下の深さまで物質が除去されてもゴルード色を面が有
するようにする。一方、この選択された深さ以上まで除
去されたときには表面は通常の色となる。評価者もしく
は作業者は0.2ミクロン以上の磨耗(損傷も含む)が
表面に生じた箇所を、0.2ミクロン以下のゴールド色
の視野表示磨耗内に通常の材料のカラーをサーチするこ
とにより、決定することができる。
【0012】重要な、そして好ましい状態は、処理表面
の耐磨耗性が処理していない表面よりも低下しないこと
である。そうでなければ、磨耗測定技術が表面の耐磨耗
性を減じてしまうことになる。しかし、注入もしくは他
の方法により特別の物質を導入することにより、多くの
場合、窒化チタンの場合と同様に、表面を硬化させるこ
とができる。
【0013】前記処理は、直接イオン注入を使用するこ
とにより直接物品の基板になされるか、最初に基板上に
コーテングを設け、このコーテングをイオン注入により
処理することにより行われ得る。カラーを変化させる
は、この技術により磨耗を検出するのに好ましい方法で
あるが、反射状態の変化等他の方法によっても本目的は
達成され得る。
【0014】好ましいイオン注入技術が使用されたとき
に、この技術は、イオン注入の予め選定された深さが深
さまでの範囲で精度良く制御され得るという重要な効果
を沿うかを奏する。かくして、例えば、一領域中にイオ
ンを0.02ミクロンの深さまで注入し、他の領域中に
イオンを0.2ミクロンの深さまで注入して、器具が不
使用と判断される前にデメンションの許容される種々の
変化を得ることができる。イオン注入された表面層を薄
くすることにより、磨耗表示が現れる前に最少量の物質
が除去される効果がある。
【0015】イオン注入を使用する他の重要な効果は、
注入される物品の温度がほぼ周囲温度に維持できるとい
うことである。もし、器具が沈着のために加熱されそし
て冷却されると、歪みや反りの弛緩により器具に誤差が
生じる。このような問題が、周囲温度近くの物品基板を
使用したイオン注入では防止できる。かくして、表面処
理の前に器具を最終の形状並びにデメンションで準備
し、表面処理をし、そして器具を他の機械的処理をしな
くても使用状態にもたらすことができる。機械的処理で
最終表面を形成することは、磨耗面から金属を除去する
ことになるので、好ましくない場合もある。
【0016】さらに他の効果は、物品のデメンションが
イオン注入処理によって変化しないことである。イオン
注入において、注入層は物質の表面の下に位置する。し
たがって、これは、メッキ、化学的蒸着並びに物理的蒸
着のように、外面上に重なるような層を形成するもので
はない。本発明のイオン注入技術は、処理される物品
を、イオン注入処理により生じた表面イオン注入変化を
補うためにあらかじめ機械的処理する必要がない、重要
な効果を有する。
【0017】本発明の他の態様並びに効果は、以下に添
付図面を参照して説明することにより明らかであろう。
【0018】
【実施例】多くの製品が鍛造、キャステング、モール
ド、プレスもしくはスタンピング技術により成型され
る。成型された製品、並びにこれら製品を成型するため
に使用される器具は、金属もしくは非金属製である。本
発明の好ましい実施例は、成型製品の表面(もしくは表
面の一部)、もしくは製品を最終形状に成型するために
使用される器具の表面の磨耗状態を評価するためにイオ
ン注入を使用することに関する。この実施例では、主と
して器具の磨耗状態、そして、特に、金属製品を成型す
るために使用されるダイの磨耗状態の評価について説明
しているが、本発明はこれに限定されるものではない。
本発明の思想は、磨耗が生じるような全ての場合、例え
ば、非金属製品の成型、並びに鋳造パターン、鋳造コア
ーボックス、機械工具、切削工具、金属ワーキングパン
チ等の他の器具からの形成の場合に広く適用可能であ
る。ここで、“製品”と言う用語は、成型された材料の
ピース、並びにこのピースを形成するのに使用される器
具に限定されるものでは無い。“イオン注入”は、直接
イオン注入と、予め沈着されたコーテングとの混合イオ
ンビームを使用した方法も含む。
【0019】本発明の好ましい実施例においては、製造
器具の磨耗状態の評価方法は、製造器具の形状で、披処
理機能面を有する基板を準備する工程と、この基板の前
記披処理機能面の一部中に基板の表面下の予め選定され
た深さにまでイオンを注入し、前記予め選定された深さ
よりも浅く磨耗により除去されたイオン注入領域の見掛
けを、予め選定された深さよりも深い処理面の見掛けと
異とならせると共に、処理面の耐磨耗性を非処理面より
も向上させる工程と、器具の処理面を表面の磨耗にさら
す状態にする工程と、予め選択された深さよりも深く磨
耗した表示に見掛けが変化したかどうかを決定するため
に磨耗面を観察する工程とを具備する。
【0020】図1は、薄いシート状のワークピース26
の成型の途中での、雄型22と雌型24とを有するダイ
セット20を示す。この雌型24はワークピース26の
最終所望形状のダイ面28を有する。また、雄型22
は、ワークピース26がダイにより規定された最終所望
形状になるまで、ワークピース26を雌型24中に押圧
するように対応した形状となっている。
【0021】摩擦による磨耗は、ワークピース26と接
触する雄型22,雌型24の全ての面で生じる。これら
の面にはこの摩擦を小さくするために潤滑剤が、代表的
には付加されるが、磨耗は生じる。ワークピースを連続
して多数成型すると、最終製品が所定の誤差範囲に入ら
なくなるようにかなりの磨耗が生じる。かくして、ダイ
は再生もしくは破棄され、いずれの場合でも高価とな
る。
【0022】図1並びにダイ成型経験から理解できるよ
うに、磨耗損害が最大に発生するのは、代表的に、ワー
クピースがこれを介して雌型24に入るダイビード30
の所でである。結合力と摩擦力との組み合わせは、ダイ
ビード30の所で最も激しい磨耗力を生じさせる。かく
して、本発明は、雄型22並びに雌型24の他の領域に
も利用できるが、ダイビード30の保護に関連して有効
に利用され得る。
【0023】図2は、排気されるダイの一部として、湾
曲したダイビード30を拡大して示す。本発明の最初の
工程として、ダイビード30並びに雄型22並びに雌型
24の他の部分は成型作用のために最終形状並びにサイ
ズに仕上げられている。方法の最初で、ダイを最終形状
にする機能は、次の2つの理由で重要である。第1に、
本発明を確立されたダイ構造と関連して使用できるよう
にすることである。本発明の磨耗状態の評価方法はダイ
の再設計を必要としない。第2に、ダイを使用できるよ
うにする前に、高価な後処理である機械的処理を必要と
しないことである。イオン注入等による処理の後のダイ
表面の最終の機械的処理は、薄い処理領域を破損してし
まうので行われない。
【0024】ダイビード30は、ダイ材料で形成された
基板32を有する。この基板は金属もしくは非金属で形
成され得る。この基板32の所に処理層34が形成され
ている。この処理層は、好ましくは、基板の表面中にイ
オンを注入することにより形成される。最も好ましい形
態では、ネオン(Ne)、窒素(Nもしくは
)、チタニウム(Ti)、炭素(C)、酸素
(O )イオンが、既知のイオン注入方法により表面
中に注入される。使用され得るイオン注入技術は、米国
特許3,900,636号に開示されているような直接
的加速注入や、米国特許4,764,394号に開示さ
れているようなプラズマ源イオン注入である。処理の結
果、上面38は磨耗外周にさらされる。
【0025】イオン注入のエネルギーは所定の注入深さ
36を得るように選定されている。しかし、20〜30
0千エレクトロンボルト(KeV)の範囲のエネルギー
が代表的である。イオン注入の特徴は、注入深さが選定
されたイオン並びに基板に対して、使用されるエネルギ
ーに依存している、ことである。最高注入深さは、いく
つかの例では既知であり、もしくは、夫々異なるエネル
ギーでの注入処理をしAuger,SIMS,並びにD
EKTAK技術により最大注入深さを決定することによ
り新しい材料に対して決定され得る。結果のグラフは、
特別な材料において、特別な所定の最大注入深さにとっ
て必要なエネルギーに対して、迅速な参照源を与える。
総照射量は、注入された物質と注入されていない物質と
で充分な視覚上のコントラストを達成するように必要に
応じて変化され得るが、1平方センチメートル当り約1
16〜1018の範囲が代表的である。注入イオンと
基板とのいかなる組み合わせに対して、必要な総照射量
は、ウエル描画コントラストを得れるように最小照射量
を決定するために、結果として生じる資料を測定するこ
とにより、予め決定される。
【0026】上述したように、イオン注入の特徴は、注
入された層が薄く、かつ注入された試料の深さ分布で規
定される相対的ウエルであるということである。薄い層
を規定いる機能は、約1ミクロンよりも少ない所定量よ
り超過して磨耗の量的検証を果たすので、重要である。
代表的注入方法に対して、注入された量のプロフイール
はガウス分布となる。100 KeVの注入エネギーを
使用した上記方法において、物質中でのピーク透過は、
0.06〜0.07ミクロンの半幅広がりで0.2〜
0.3のオーダである。
【0027】示したように、種々のイオンが、イオンと
基板との組合わせが処理領域で次の3つの条件を満たせ
ば、使用可能である。第1は、イオンが基板材に所望の
深さまで注入可能なことである。注入の最大深さは磨耗
に対して予め選定された深さである。第2は、イオン注
入された領域が下の基板材に対して充分な視覚コンスト
ラストを有し、これら両異なる領域が視覚で識別できる
ことである。このコントラストは、イオン注入された領
域がイオン注入されない領域と異なる色となるので、
“カラー”として記載する。このコンストラストは、磨
耗の後では反射もしくは艶のような他の視覚特性で、ま
た見られ得る。第3は、基板のイオン注入された領域が
イオン注入されていない基板と比較して少なくとも耐磨
耗性を有することである。もし、基板のイオン注入され
た領域がイオン注入されていない基板とよりも耐磨耗性
が低ければ、本技術思想に反するからである。比較的軟
質の領域は早く磨耗してしまい、器具をことなるデメン
ションにし次の磨耗状態の評価に対して機能しなくな
る。
【0028】処理工程を果たすのに使用され得るイオン
と基板との例を次の表に記す。
【0029】 基板 注入イオン 表面カラー 金属もしくは非金属 TiとN ゴールド チタニウム N ゴールド チタニウム O ブルー エポキシ Ne イエロー、ブラック ブラウン ステンレス O レッド 鉄 ステンレス C ダークグレイ 鉄 基板へのイオン注入は、腐食や耐磨耗性を改良するため
に使用することは知られている。また、イオン注入方法
はイオン注入された表面を色付けることも認識されてい
る。例えば、“Coloring of Iron S
urfaceControlled by Ti−O
Double−Ion Implantation
s”,by Yoshio Okabe et a
l.,Nuclear Instruments an
d Methods inPhysics Resea
rch,Vol.B7/8,Pages 184−18
7(1985)に記載されている。しかし、耐磨耗の検
査のためにこれらの現象を利用することは知られていな
い。
【0030】イオン注入によるような磨耗の検査処理の
後、器具もしくは他の製品は、好ましくは表面のたの機
械的処理や変更をしないで、使用される。イオン注入処
理はこの目的のためには、イオン注入処理の間は基板は
周囲温度に維持され得るので、特に好ましい。化学的蒸
着、プラズマ活性化化学的蒸着、物理的蒸着並びに電気
的沈着のような他の処理は、スペーシスを基板表面上に
沈着するため並びに/もしくは沈着されたスペーシスを
基板表面中に拡散するために基板を、通常は加熱しなけ
ればならない。器具を加熱すると、予め生じたストレス
の弛緩、並びに加熱や冷却の間の熱膨脹勾配により、器
具に軟化や歪みが生じる。一方、イオン注入において
は、イオン注入の間基板温度は摂氏50度以下に維持さ
れ得るので、処理の間に器具に歪みがほとんどもしくは
全く生じない。
【0031】使用の間、器具は、単純摩擦、粒子衝突破
壊、摩擦による加熱並びに冷却、磨耗状態での腐食等、
種々の磨耗状態にさらされる。本発明では、この操作を
特定の磨耗状況に限定されない効果がある。ここで使用
されているような“磨耗”の唯一の要求は磨耗面から物
質を除去しなければならないことである。
【0032】図3並びに図4は、上述したダイビード3
0のような部材40を、処理された状態(図3)と、こ
の後磨耗にさらされた状態(図4)とで示す。最初の処
理された表面は、図3に示すようにほぼ均一である。磨
耗は、種々の部分的加速要因により、通常は部分的に幾
つか発生し、磨耗による疲労は通常分離された領域に最
初に発生する。磨耗の後、種々の形態の磨耗領域ができ
る。図4に示すようにように、第1の形態の磨耗領域4
2は、磨耗するが、材料が処理領域の所定の深さ36の
下で除去される程度ではない。第2の形態の磨耗領域4
4は、基板材が予め選定された所定の深さ36よりも深
い深さまで除去される以外は、領域42と同じである。
第3の形態の磨耗領域46は、これが深い傷のような高
く方向付けられた原因により生じる以外は領域44と同
じである。
【0033】部材40での磨耗の程度は、視覚的観察に
より素早く評価される。図3に示すような磨耗の前の平
面図の評価において、部材40の表面は影線の無い所で
示す均一な状態を湿す。図4に示すように磨耗の後の平
面図の評価において、予め選定された程度(注入深さ3
6に等しい)よりも少ない程度に磨耗している領域42
は表面の残りと実質的に同じカラーとなる。このカラー
は注入領域を示す。磨耗が予め設定された量よりも大き
い領域44,46で示すような領域は異なるカラーとな
る。このカラーは初めの基板もしくは注入されていない
領域を示す。互いに異なる領域が視覚評価で見られない
場合、磨耗は予め選定された量まで進まず、製品の使用
が続けられる。視覚的評価は、プレス作業者、もしくは
テレビジョンやたの光学装置のようにカラー相違自動検
出スキヤンナーにより迅速に行うことができる。この評
価は、少しのプレスサイクルごとに、プレス作業に重大
に中断をすることなく、安価にできる。例えば、本発明
に係わる器具評価は、、ある従来技術のように10,0
00サイクルごとではなく、10もしくは100プレス
サイクルごとにできる。
【0034】本発明の磨耗状態の評価は、“予め選定さ
れる”磨耗表示深さ並びに位置が所望のものに変えられ
る効果を有する。図5は幾つかの可能な態様を示してい
る。物品50において、領域52は第1の予め設定され
た深さ(もしくは均等な照射量)にイオン注入されてお
り、領域54は第2の予め設定された深さにイオン注入
されており、複数の領域56は部分的にイオン注入され
ており、そして他の複数の領域58は全くイオン注入さ
れていない。この領域52は磨耗がイオン注入領域の第
1の予め選定された深さまで進んだ後は、異なるカラー
となる。また領域54は磨耗がイオン注入領域の第2の
予め選定された深さまで進んだ後は、異なるカラーとな
る。かくして、物品50の異なる複数の領域は許容量に
相当するイオン注入の深さを変えることにより許容量を
越えた磨耗を示すことができるようになる。他の領域の
中でも、イオン注入表示材の領域56のような制限され
た付加小領域は、特に臨界的な位置において、望まし
い。異なる複数の小領域を異なるイオンで、もしくは深
さで注入して形成することにより、磨耗の進行を表示さ
せることができる。
【0035】直接イオン注入もしくは、他の磨耗表示処
理に適さない基板材もあるが、本発明の範囲内の他の方
法は、本技術を使用するのを可能にする。例えば、好ま
しいたんきかんダイ器具材はエポキシ樹脂である。この
エポキシ樹脂はダイ形状に形成され、加熱によりキュア
ーされる。表面を硬化しかつ色つけるようにエポキシ樹
脂の表面中に直接イオンを注入ことは可能であるが、他
の方法を使用することも好ましい。
【0036】この他の方法を図6を参照して説明する。
約0.2ミクロンよりも代表的には薄い厚さのシリコン
含有有機材の薄いコーテング60が基板64の面62上
に設けられている。このコーテングはイオン注入され、
コーテングと基板64とを混合し有機材が最初にシリコ
ンカーバイトであるコーテングに遷移される。コーテン
グを設けこの中にイオンを注入してこの構造を変える、
この処理方法は、イオンビーム混合、イオンビーム活性
沈着(IBED)もしくはイオンビーム補助沈着(IB
AD)のように種々の名前がある。
【0037】許容できる有機コーテング材は、予め選択
された磨耗表示深さのために必要な厚さのポリ(ディメ
チルシラン・コ・メチルフェニルシラン)である。イオ
ン注入されたコーテングはブラックもしくはグリーン/
イエロー色であり、一方、この下の基板はグレイであ
る。コーテング60の上面66はここから磨耗が測定さ
れる面になっている。この場合、器具は、コーテング6
0を設けたときに最終のデイメンシュンとなるように、
予めすこし小さくなるように機械的処理がなされてい
る。しかし、ほとんどの場合、コーテング60の厚さは
1ミクロンよりも薄いので、器具は通常の誤差範囲内で
最終サイズになるように機械的に処理され得る。
【0038】表面にコーテングする上記技術、かくして
コーテング中にイオンを注入する技術の変形として、コ
ーテングは金属で形成され得る。例えば、金属面をクロ
ムでコーテングし、このクロムコーテング中に窒素をイ
オン注入すると、ブルー/パープル色のコーテングが得
られる。また、金属面をチタンでコーテングし、このチ
タンコーテング中に窒素をイオン注入すると、ゴールド
色となる。
【0039】以下の例は本発明の態様を説明するための
ものであり、本発明はこれら態様に制限されることはな
い。
【0040】例1 亜鉛をベースとする器具材の2グループの試料を準備し
た。第1のグループはポリ(ディメチルシラン・コ・メ
チルフェニルシラン)をコーテングし、0.2ミクロン
の予め選定された磨耗深さまでネオンイオンをイオン注
入した。第2のグループはコーテングをしないで、0.
2ミクロンの予め選定された磨耗深さまで窒素原子をイ
オン注入した。注入条件は、ネオンイオンでは、270
KeVのエネルギーで1平方センチメータ当たり10
15の照射量であり、また窒素イオンでは、100Ke
Vのエネルギーで1平方センチメータ当たり1018
照射量であった。イオン注入により、表面は、窒素イオ
ンではダークグレイに変化し、ネオンイオンではブラッ
クに変化した。
【0041】これら試料はブロック・オン・リング装置
内で磨耗テストをし評価した。この結果、磨耗の程度は
イオン注入により非常に減少していた。そして、磨耗の
領域は、これら領域の表面のカラーもしくは反射特性が
変化していることにより、容易に視覚で観察できた。ま
た予め選定された0.2ミクロンの深さよりも深く進行
した磨耗の領域は、イオン注入による最初のカラーとは
異なり視覚の評価では明るいシルバー色となった。
【0042】例2 前記例1を、基板をエポキシ樹脂でダイビード形状にし
た以外は繰返した。試料の一方の面をポリ(ディメチル
シラン・コ・メチルフェニルシラン)の厚さ約0.2ミ
クロンの層でコーテングした。そして、表面に約270
KeVのエネルギーで1平方センチメータ当たり4×1
14の照射量でネオンイオンを注入した。この結果、
基板はグレー色であるが、イオン注入された領域はグリ
ーン・イエロー色となった。
【0043】処理した試料と処理しない試料とは金属シ
ートを表面全体に渡っての引抜きにより磨耗テストをし
た。表面磨耗の初期の遅れが、処理していない試料と比
較して、本発明に従ってしょりした試料では観察され
た。予め選定されたコーテングの厚さ全体に渡って磨耗
した領域は、イオン注入領域のグリーン・イエロー色で
はなく基板のグレー色を視覚検査では示した。
【0044】例3 チタンで形成した基板に窒素イオンを注入して、窒化チ
タンを形成することにより表面をゴルード色に変えた。
そして、この試料を上述したように、磨耗評価で使用の
準備をした。
【0045】
【発明の効果】かくして、本発明の方法は、最小のコス
トでダイ器具や他の物品の磨耗状態を評価できる。上記
説明では特定の実施例について説明したが、本発明の趣
旨並びに範囲から離れない範囲で種々の変形が可能であ
る。従って、本発明は請求の範囲により以外は限定され
ることはない。
【図面の簡単な説明】
【図1】成型中の金属ワーキングダイの雌型/雄型セッ
トの側面図である。
【図2】イオン注入層でのダイビードの一部を拡大して
示す側面図である。
【図3】磨耗前の図2に示すダイビードの平面図であ
る。
【図4】磨耗後の図3に示す領域の平面図である。
【図5】表面全体に渡って処理された基板の平面図であ
る。
【図6】基板のコーテングにイオン注入された状態の図
2と同様の拡大側面図である。
【符号の説明】
22…雌型、24…雄型、26…ワークピース、30…
ダイビード
フロントページの続き (72)発明者 ポール・エイチ・ミツコラ アメリカ合衆国、ミシガン州 48655、セ イント・チヤールス、ダブリユ・ウオルナ ツト 1108 (72)発明者 ジヨン・エル・バーテルト アメリカ合衆国、カリフオルニア州 93012、カマリロ、エヌ・レドンド・アベ ニユー 2868

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 製造器具の形状で、披処理機能面を有す
    る基板を準備する工程と、 この基板の前記披処理機能面の一部中に基板の表面下の
    予め選定された深さにまでイオンを注入し、前記予め選
    定された深さよりも浅く磨耗により除去されたイオン注
    入領域の見掛けを、予め選定された深さよりも深い処理
    面の見掛けと異とならせると共に、処理面の耐磨耗性を
    非処理面よりも向上させる工程と、 器具の処理面を表面の磨耗にさらす状態にする工程と、 予め選択された深さよりも深く磨耗した表示に見掛けが
    変化したかどうかを決定するために磨耗面を観察する工
    程とを具備する製造器具の磨耗状態を評価する方法。
  2. 【請求項2】】 前記処理表面は、注入の後、そしてさ
    らす状態の工程の前に機械的処理されていない請求項1
    に記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記注入されるイオンは、ネオン、窒
    素、チタン、炭素、そして酸素からなるグループから選
    定された請求項1に記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記基板を準備する工程の後で、イオン
    注入する工程の前に、表面が被処理機能面となるコーテ
    ングを前記基板上に設ける工程を具備する請求項1に記
    載の方法。
  5. 【請求項5】 選定された物品の形状で、披処理機能面
    を有する基板を準備する工程と、 この基板の前記披処理機能面の一部を、前記予め選定さ
    れた量よりも多く磨耗した後の処理面の見掛けを、予め
    選定された量よりも少なく磨耗した処理面の見掛けと異
    とならせると共に、処理面の耐磨耗性を非処理面よりも
    向上させるように、処理する工程と、 物品の処理面を表面の磨耗にさらす状態にする工程と、 予め選択された深さよりも多く磨耗した表示に見掛けが
    変化したかどうかを決定するために磨耗面を観察する工
    程とを具備する製造器具の磨耗状態を評価する方法。
  6. 【請求項6】】 前記処理工程は、カラーがわかる面に
    イオンを注入する工程を有する請求項5に記載の方法。
  7. 【請求項7】 前記観察する工程は表面のカラーの変化
    を決定する工程を有する請求項5に記載の方法。
  8. 【請求項8】 前記観察する工程は表面の反射状態の変
    化を決定する工程を有する請求項5に記載の方法。
  9. 【請求項9】 前記処理工程は、ネオン、窒素、チタ
    ン、炭素、そして酸素からなるグループから選定された
    イオンを表面中に注入する工程を有する請求項5に記載
    の方法。
  10. 【請求項10】 前記処理面の耐磨耗性は、処理機能面
    の耐磨耗性よりも高い請求項5に記載の方法。
  11. 【請求項11】 請求項5の方法で評価された物品。
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