JPH0566090U - 布帛の処理装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 布帛の駆動ローラへの巻付きを簡単かつ迅速
に検出し、瞬時に布帛の移送を停止できる処理装置の提
供を目的とする。 【構成】 積極回転する駆動ローラ（１）により布帛を
移送する布帛の処理装置において、上記駆動ローラ
（１）よりも下流の従動ガイドローラ（２）に位相差信
号を出力するロータリーエンコーダ（３）を設けると共
に、このロータリーエンコーダ（３）によって出力され
た位相差信号に基づいて上記ガイドローラ（２）の回転
方向を判別する方向判別ユニット（４）と、この方向判
別ユニット（４）によって逆回転と判別された時に上記
駆動ローラ（１）の駆動源（５）を停止する制御装置
（６）を設けたことを特徴とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、布帛に前処理，スチーミング，染色，仕上，改質等の処理を施す 場合に使用する布帛の処理装置に係り、特に、上記のように移送するにあたって 、駆動ローラへの布帛の巻付けを直ちに感知し、処理装置を自動的に停止しうる ようにした布帛の処理装置に関する。

【０００２】 布帛の処理装置においては各種の布帛を移送する際、これらの布帛が駆動ロー ラに巻付くことがある。この様なトラブルを放置しておくと、移送する布帛の品 位が著しく低下すると共に、放置が長時間になると駆動ローラへの巻付きに起因 して機台の損傷を招くことがある。従来、このような布帛の駆動ローラへの巻付 きを検知するには、作業者が監視するか、駆動ローラの近傍に光電スイッチやリ ミットスイッチを設置することにより行なわれてきた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、作業者の監視による方法は非能率的であり、光電スイッチやリ ミットスイッチによる方法は取付けスペースがない場合に取付けができないとい う問題や、設置環境が劣悪な場合にはすぐに故障してしまうという問題があった 。

【０００４】 本考案は上述の問題点に鑑みなされたものであり、布帛の駆動ローラへの巻付 きを簡単かつ迅速に検出し、瞬時に布帛の移送を停止できる処理装置の提供を目 的とするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上述の目的は、積極回転する駆動ローラにより布帛を移送する布帛の処理装置 において、上記駆動ローラよりも下流の従動ガイドローラに位相差信号を出力す るロータリーエンコーダを設けると共に、このロータリーエンコーダによって出 力された位相差信号に基づいて上記ガイドローラの回転方向を判別する方向判別 ユニットと、この方向判別ユニットによって逆回転と判別された時に上記駆動ロ ーラの駆動源を停止する制御装置を設けたことを特徴とする布帛の処理装置によ り達成される。

【０００６】

【作用】

本考案の構成によれば、布帛が正常に移送されている時には、布帛の移送に伴 なってガイドローラが正回転し、それによりロータリーエンコーダも正回転し、 ロータリーエンコーダは正回転の位相差信号を出力するようになる。そしてこの 位相差信号が方向判別ユニットに入力され正回転と判別されると、制御装置より 駆動ローラの駆動源へ停止信号が出力されないため、布帛の移送はそのまま続け られるようになる。

【０００７】 一方、駆動ローラに布帛が巻付くと、布帛が逆方向に移送されるようになり、 布帛の移送に伴なってガイドローラが逆回転し、それによりロータリーエンコー ダも逆回転し、ロータリーエンコーダは逆回転の位相差信号を出力するようにな る。そしてこの位相差信号が方向判別ユニットに入力され逆回転と判別されると 、制御装置より駆動ローラの駆動源へ停止信号が出力され、駆動源が停止するこ とにより布帛の移送が停止されるようになる。

【０００８】

【実施例】

以下、本考案に係る布帛の処理装置の実施例を図面に基づいて説明する。

【０００９】 図３は実施例の装置、即ちパッド・ドライ染色装置の全体を示す側面図であっ て、本装置は拡布状布帛を送り込む入口機構（８）と、前記布帛へ処理液を均一 に付与するパッダー機構（９）と、前記布帛に付与した処理液を乾燥する乾燥機 構（１０）と、布帛を送り出す出口機構（１１）とから構成される。

【００１０】 上記入口機構（８）は布帛（７）の走行路に沿って第１ガイドローラ（１３） ，第２ガイドローラ（１４），布帛（７）の張力を調整するスイーベルテンショ ン（１５），第３ガイドローラ（１６），第４ガイドローラ（１７）を順次配設 した機構となっている。

【００１１】 上記パッダー機構（９）は、上記布帛（７）と処理液（１８）を接触せしめる 機構であり、布帛（７）の走行路に沿って、第５ガイドローラ（１９），処理液 （１８）を貯留し布帛（７）に処理液（１８）を付与する処理液槽（２０）、上 記処理液槽（２０）内に設けられた槽内ローラ（２１）、上記処理液槽（２０） で付与した処理液（１８）を搾液する駆動源としてのモータ（５）で積極回転す る一対の駆動ローラとしての絞りローラ（１），第６ガイドローラ（２），第７ ガイドローラ（２２）を順次配設した機構となっている。

【００１２】 そして、このパッダー機構（９）には本考案の中核をなす、布帛の駆動ローラ （１）への巻付き検知及び停止機構（１２）が設けられた機構となっている。こ の巻付き検知及び停止機構（１２）は、図１の要部拡大図に示すように、上記第 ６ガイドローラ（２）に設けた位相差信号を出力するインクリメンタル形二相式 ロータリーエンコーダ（３）と、該ロータリーエンコーダ（３）の位相差信号を 入力して上記ガイドローラ（２）の回転方向、即ち正回転が逆回転かを判別する 方向判別ユニット（４）と、この方向判別ユニット（４）によって逆回転と判別 された時に上記絞りローラ（１）のモータ（５）を停止する制御装置（６）とか らなっている。

【００１３】 上記乾燥機構（１０）は布帛（７）の走行路に沿って処理液（１８）のマイグ レーションが生じない程度に急速乾燥する赤外線予備乾燥機（２３），積極回転 する第１フィードローラ（２４），第８ガイドローラ（２５），ホットフルータ イプの本乾燥機（２６）を順次配設した機構となっている。

【００１４】 上記出口機構（１１）は第９ガイドローラ（２７），第１０ガイドローラ（２ ８），第１１ガイドローラ（２９），積極回転する第２フィードローラ（３０） ，第１２ガイドローラ（３１），第１３ガイドローラ（３２），第１４ガイドロ ーラ（３３），第１５ガイドローラ（３４），積極回転する第３フィードローラ （３５），移動式振り落し装置（３６）を順次配設した機構となっている。しか して、上記移動式振り落し装置（３６）は図示しない移動機構により鎖線の位置 に移動するように構成されている。

【００１５】 次に上記の様に構成した布帛の処理装置の作動状態について説明する。

【００１６】 供給側の布積車（３７）に積載されている布帛（７）は入口機構（８）によっ て取り出され、処理液槽（２０）に送られて処理液（１８）を付与され、次いで 絞りローラ（１）によって均一に搾液されたのち、赤外線予備乾燥機（２３）で 予備乾燥され、更に本乾燥機（２６）に送られて本乾燥され、出口機構（１１） の移動式振り落し装置（３６）に送られ、布積車（３８）に振落される。

【００１７】 そして、絞りローラ（１）に布帛（７）の巻付きが発生せず正常に移送されて いる時には、布帛（７）の移送に伴なって第６ガイドローラ（２）が正回転し、 それによりロータリーエンコーダ（３）も正回転し、ロータリーエンコーダ（３ ）は正回転の位相差信号を出力するようになる。そしてこの位相差信号が方向判 別ユニット（４）に入力され正回転と判別されると、制御装置（６）より絞りロ ーラ（１）のモータ（５）への停止信号が出力されないため、布帛（７）の移送 はそのまま続けられるようになる。

【００１８】 一方、絞りローラ（１）に布帛（７）が巻付くと、図２にように布帛（７）が 逆方向に移送されるようになり、布帛（７）の移送に伴なって第６ガイドローラ （２）が逆回転し、それによりロータリーエンコーダ（３）も逆回転し、ロータ リーエンコーダ（３）は逆回転の位相差信号を出力するようになる。そしてこの 位相差信号が方向判別ユニット（４）に入力され逆回転と判別されると、制御装 置（６）より絞りローラ（１）のモータ（５）への停止信号が出力され、モータ （５）が停止することにより布帛（７）の移送が停止されるようになる。

【００１９】 尚、実施例では方向判別ユニット（４）と制御装置（６）を直結する機構とな したが、この間にタイマを入れ、一定時間経過後も逆回転の位相信号が出力され た時のみ制御装置（６）により駆動ローラ（１）の駆動源（５）を停止するよう にし、誤動作をなくすようにしても良いことは云うまでもない。

【００２０】

【考案の効果】

本考案に係る布帛の処理装置は、駆動ローラよりも下流の従動ガイドローラの 回転方向により駆動ローラへの布帛の巻き付きを検知し停止するものであり、（ Ａ）巻付き除去処理時間の減少，故障部品の取替減少による運転効率の上昇、（ Ｂ）機台監視作業の減少による省力、及び無人運転時間の増加等の諸効果を奏し 、冒頭記載の従来技術の欠点を解消することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案実施例の要部拡大側面図である。

【図２】本考案実施例の作動状態を示す要部拡大側面図
である。

【図３】本考案実施例の全体を示す側面図である。

【符号の説明】

１ 駆動ローラ ２ ガイドローラ ３ ロータリーエンコーダ ４ 方向判別ユニット ５ 駆動源 ６ 制御装置

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 積極回転する駆動ローラ（１）により布
   帛を移送する布帛の処理装置において、上記駆動ローラ
   （１）よりも下流の従動ガイドローラ（２）に位相差信
   号を出力するロータリーエンコーダ（３）を設けると共
   に、このロータリーエンコーダ（３）によって出力され
   た位相差信号に基づいて上記ガイドローラ（２）の回転
   方向を判別する方向判別ユニット（４）と、この方向判
   別ユニット（４）によって逆回転と判別された時に上記
   駆動ローラ（１）の駆動源（５）を停止する制御装置
   （６）を設けたことを特徴とする布帛の処理装置。