JPH0565885A - 容積型流体機械 - Google Patents

容積型流体機械

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Publication number
JPH0565885A
JPH0565885A JP22427091A JP22427091A JPH0565885A JP H0565885 A JPH0565885 A JP H0565885A JP 22427091 A JP22427091 A JP 22427091A JP 22427091 A JP22427091 A JP 22427091A JP H0565885 A JPH0565885 A JP H0565885A
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JP
Japan
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rotor
cylinder
chamber
cylinder chamber
rotor body
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Withdrawn
Application number
JP22427091A
Other languages
English (en)
Inventor
Shigeki Hagiwara
茂喜 萩原
Hiromichi Ueno
広道 上野
Kenichi Saito
健一 斉藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daikin Industries Ltd
Original Assignee
Daikin Industries Ltd
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Publication date
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Publication of JPH0565885A publication Critical patent/JPH0565885A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】ブレードの摺動損失を小さし且つ流体の漏れ通
路を少なくして効率を向上させる。 【構成】シリンダ室(21)を有するシリンダ(2)
と、該シリンダ室(21)に収納されるロータ本体
(4)及び該ロータ本体(4)に一体形成されてシリン
ダ室(21)を密閉するプレートを備えたロータ(3)
とが設けられている。そして、該ロータ(3)の中心よ
り軸心が偏心して上記プレートにクランク軸が連結され
ている。更に、上記ロータ本体(4)より出没し、先端
が上記シリンダ室(21)の周面に摺接するブレード
(31a),(31b)と、上記クランク軸の回転によ
るロータ(3)の公転方向と反対方向にロータ本体
(4)をシリンダ室(21)の周面に転がり自転させる
ロータ自転手段とが設けられている。加えて、上記ロー
タ本体(4)には、ロータ(3)の端面とロータ本体
(4)の周面とに開口する低圧室(42)及び高圧室
(43a),(43b)が形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、圧縮機などに適用され
る容積型流体機械に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より一般に、容積型流体機械として
の圧縮機には、スライディングベーン式圧縮機やローリ
ングピストン式圧縮機などが知られている。
【0003】このスライディングベーン式圧縮機は、図
14,16に示すように、シリンダ(a)内に形成され
た真円形又は楕円形のシリンダ室(b)にロータ(c)
が収納され、該ロータ(c)に複数のベーン(d)が設
けられると共に、上記シリンダ室(b)における各ベー
ン(d)間に圧縮室(e)が形成されて成り、上記ロー
タ(c)の回転によって圧縮室(e)を収縮し、吸入口
(f)より吸込んだ流体を圧縮して吐出口(g)より吐
出するようにしている。
【0004】また、上記ローリングピストン式圧縮機
は、図17に示すように、シリンダ(h)内に形成され
たシリンダ室(i)にロータ(j)が偏心して収納され
る一方、該シリンダ(h)にベーン(k)が上記ロータ
(j)に接して設けられ、上記シリンダ(h)とロータ
(j)との接触点とベーン(k)との間に圧縮室(l)
が形成形成されて成り、上記ロータ(j)の回転によっ
て圧縮室(l)を収縮し、吸入口(m)より吸込んだ流
体を圧縮して吐出口(n)より吐出するようにしてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たスライディングベーン式圧縮機においては、ロータ
(c)の自転運動に伴って圧縮室(e)を収縮させてい
るので、各圧縮室(e)はロータ(c)の一回転又は半
回転で1圧縮行程を行うことになり、各ベーン(d)の
シリンダ(a)内周面に対する摺接速度が大きく、摺動
抵抗が大きくなり、磨耗が大きく、しかも、騒音が大き
くなるという問題があった。
【0006】また、上記ロータ(c)がシリンダ(a)
内に独立して収納されているので、図14の横断面図で
ある図15に示すように、ロータ(c)の上下両面とシ
リンダ(a)の上下両面との間に隙間CRが生じ、該隙間
CRが流体の漏れ通路となり、圧縮効率が悪いという問題
があった。
【0007】また、上記ロータリピストン式圧縮機にお
いては、上記スライディングベーン式圧縮機と同様に、
ロータ(j)がシリンダ(h)内に独立して収納されて
いるので、図18に示すように、ロータ(j)の上下両
面とシリンダ(h)との間に隙間CRが生じるほか、ロー
タ(j)とシリンダ(h)との周面間の接触点p(コン
タクト・ポイント)に隙間CPが生じ、該両隙間CR,CPが
流体の漏れ通路となり、圧縮効率が悪いという問題があ
った。
【0008】また、上記ロータリピストン圧縮機におい
ては、ロータ(j)の内部が高圧になるので、圧縮室
(l)からロータ(j)の内部に向って半径方向に上記
隙間CRが流体の漏れ通路になることから、更に圧縮効率
が低下するという問題があった。その上、ロータ(j)
及びシリンダ(h)の周面間の接触点pの漏れを防止す
るようにロータ(j)をシリンダ(h)に押圧させる
と、摺動速度が大きく、損失が大きいという問題があっ
た。
【0009】本発明は、斯かる点に鑑みてなされたもの
で、ブレードとシリンダとの摺動損失を小さくすると共
に、流体の漏れ通路を少なくして効率を向上させるよう
にすることを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明が講じた手段は、ロータをシリンダに対し
て公転させつつ転がり自転させるようにしたものであ
る。
【0011】具体的に、図1に示すように、請求項1に
係る発明が講じた手段は、先ず、ケーシング(11)内
に固着され、シリンダ室(21)が一端面に開口して形
成されたシリンダ(2)と、該シリンダ室(21)より
小径に形成されて該シリンダ室(21)に収納されるロ
ータ本体(4)と該ロータ本体(4)に連続して形成さ
れ且つ上記シリンダ(2)の端面に接して上記シリンダ
室(21)を密閉するプレート(5)とを備えたロータ
(3)とが設けられている。そして、該ロータ本体
(4)の周面と上記シリンダ室(21)の周面とが一部
で接触するように上記ロータ(3)の中心より軸心が偏
心して上記プレート(5)に連結されたクランク軸(1
5)が設けられている。更に、上記ロータ本体(4)の
周面より出没自在に該ロータ本体(4)に設けられ、先
端が上記シリンダ室(21)の内周面に摺接して上記ロ
ータ本体(4)の周面とシリンダ室(21)の周面との
間に作動室(32a),(32b)を形成する複数枚の
ブレード(31a),(31b)と、上記クランク軸
(15)の回転によるロータ(3)の公転方向に対して
反対方向に該ロータ(3)が自転するようにロータ本体
(4)をシリンダ室(21)の周面に転がり接触させる
ロータ自転手段(6)とが設けられている。加えて、上
記ロータ本体(4)に形成され、ロータ(3)の一端面
に開口して低圧流体が流入する低圧室(42)と、上記
ロータ本体(4)に形成され、ロータ(3)の他端面に
開口して高圧流体が流入する高圧室(43a),(43
b)と、上記低圧室(42)及び高圧室(43a),
(43b)に連通して上記ロータ本体(4)の周面に開
口する低圧ポート(44)及び高圧ポート(45)と、
上記高圧ポート(45)を開閉する開閉弁(7)とが設
けられた構成としている。
【0012】また、請求項2に係る発明が講じた手段
は、上記請求項1記載の発明において、高圧室(43
a),(43b)は、ロータ(3)が高圧流体によって
シリンダ(2)に押圧されるように該ロータ(3)のプ
レート(5)の背面側に開口した構成としている。
【0013】また、請求項3に係る発明が講じた手段
は、上記請求項1又は2記載の発明において、ロータ
(3)のプレート(5)には、背面側に断熱空間(8
1)が形成された構成としている。
【0014】
【作用】上記の構成により、請求項1に係る発明では、
まず、クランク軸(15)を回転すると、ロータ(3)
は、シリンダ(2)に対してクランク軸(15)の回転
方向に公転することになる。更に、上記ロータ(3)
は、公転に伴ってロータ自転手段(6)によりシリンダ
(2)に押付けられるので、該シリンダ(2)に対して
転がり接触して、公転方向とは反対方向に自転すること
になる。
【0015】そこで、上記クランク軸(15)が回転す
ると、ロータ(3)の公転と自転とが進み、例えば、低
圧ポート(44)が閉鎖されて1つの作動室(32a)
が密閉された後、ロータ(3)の公転と自転とにより順
次ロータ本体(4)とシリンダ(2)との接触点が公転
方向に移動し、上記1つの作動室(32a)の容積が収
縮することになる。そして、該作動室(32a)内の流
体が圧縮され、該流体圧力が所定圧力になると、開閉弁
(7)が開動して上記作動室(32a)内の高圧流体が
高圧室(43a)に流入し、高圧口よりケーシング(1
1)内に吐出される。
【0016】その後、更にロータ(3)の公転と自転と
が進むと、隣接する作動室(32b)が密閉され、上記
作動室(32a)と同様に容積が収縮して低圧流体が圧
縮される。この動作を繰返して順次流体が圧縮されるこ
とになる。
【0017】また、請求項2に係る発明では、上記ケー
シング(11)内に吐出した高圧流体はプレート(5)
の背面に作用し、ロータ(3)をシリンダ(2)に押圧
することになる。
【0018】また、請求項3に係る発明では、該高圧流
体の熱は断熱空間(81)により遮断され、各作動室
(32a),(32b)への熱伝達を防止している。
【0019】
【発明の効果】従って、請求項1に係る発明によれば、
ロータ(3)をシリンダ(2)に対して公転させると共
に、自転させて作動室(32a),(32b)を容積変
化させるようにしたために、上記シリンダ(2)に対す
るブレード(31a),(31b)の相対移動を小さく
することができるので、上記ブレード(31a),(3
1b)のシリンダ(2)に対する摺接速度を小さくする
ことができ、摺動抵抗を小さくすることができる。この
結果、上記ブレード(31a),(31b)の磨耗を低
減することができると共に、騒音の低減を図ることがで
きることから、信頼性の向上を図ることができる。
【0020】また、上記シリンダ室(21)を密閉する
プレート(5)とロータ本体(4)とを一体形成してい
るので、該ロータ本体(4)の一端面とシリンダ(2)
との間隙のみが流体の漏れ通路となり、従来に比して流
体の漏れ通路を少なくすることができる。この結果、圧
縮などの効率を向上させることができる。
【0021】また、上記シリンダ室(21)の径とロー
タ本体(4)の径とによって1公転に対する圧縮行程等
の回数を定めることができるので、作動速度を容易に特
定することができ、加熱及び流体漏れなどを容易に制御
することができる。
【0022】また、請求項2に係る発明によれば、高圧
流体によってロータ(3)をシリンダ(2)に押圧する
ことができるので、ロータ(3)の支持機構を簡素にす
ることができると共に、シリンダ(2)とロータ(3)
との間の流体漏れを確実に低減することができる。
【0023】また、請求項2に係る発明によれば、上記
プレート(5)の背面に断熱空間(81)を形成してい
るので、各作動室(32a),(32b)への熱伝達を
確実に防止することができ、該作動室(32a),(3
2b)内の流体の加熱を防止することができことから、
圧縮などの効率をより向上させることができる。
【0024】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細
に説明する。
【0025】図1に示すように、(1)は冷凍装置など
に適用される容積型流体機械としての圧縮機であって、
ケーシング(11)内に駆動モータ(12)と圧縮機構
(13)とがそれぞれ収納されて構成されている。
【0026】該ケーシング(11)は、円筒状の密閉ド
ームに形成され、ほぼ中央部にフレーム(14)が固着
されており、該フレーム(14)の下方に上記駆動モー
タ(12)が、上方に圧縮機構(13)がそれぞれ収納
されている。そして、該フレーム(14)には、中央部
に軸孔(14a)が穿設されると共に、側部にフレーム
(14)の上方と下方とを連通する貫通口(14b)が
穿設されている。
【0027】上記駆動モータ(12)は、フレーム(1
4)に固定支持されたステータ(12a)と、該ステー
タ(12a)に嵌挿されたロータ(12b)とを備えて
なり、該ロータ(12b)にクランク軸(15)が嵌合
されている。そして、該クランク軸(15)は上端部が
上記フレーム(14)の軸孔(14a)に嵌合されて該
フレーム(14)に支持されている。
【0028】上記圧縮機構(13)は、本発明の最も特
徴とするところであり、図2に示すように、ケーシング
(11)に固定されたシリンダ(2)と、上記クランク
軸(15)に連結されたロータ(3)とを備え、上記ケ
ーシング(11)内は該圧縮機構(13)の上方が低圧
空間(11a)に、下方が高圧空間(11b)に区画形
成され、該低圧空間(11a)に連通して吸入管(1
6)が、高圧空間(11b)に連通して吐出管(17)
がそれぞれ上記ケーシング(11)の上部と側部とに連
設されている。
【0029】該シリンダ(2)は、ほぼ円盤上の平板に
形成されると共に、中央部にシリンダ室(21)が形成
されており、該シリンダ(2)の外周面がケーシング
(11)に密接されて上記低圧空間(11a)が該ケー
シング(11)におけるシリンダ(2)の上方に形成さ
れている。そして、上記シリンダ(2)室は、シリンダ
(2)の下面に開口して真円状の空間に形成され、該シ
リンダ室(21)と上記低圧空間(11a)とを連通す
る低圧口(22)が上記シリンダ(2)の中央部に穿設
されている。
【0030】一方、上記ロータ(3)は、ロータ本体
(4)がプレート(5)の上面に一体に形成されて成
り、該ロータ本体(4)は、上記シリンダ室(21)よ
り小径の円盤状に形成されると共に、高さが上記シリン
ダ室(21)の高さと同一又は微小間隙(10μm)を
存するように僅かに小さくに形成され、上記シリンダ室
(21)内に収納されている。
【0031】上記プレート(5)は、上記シリンダ室
(21)より大径に形成された円盤状の平板に形成さ
れ、上面には上記シリンダ(2)におけるシリンダ室
(21)の外周縁が摺動自在に密接して該シリンダ室
(21)を密閉しており、上記高圧空間(11b)がケ
ーシング(11)内におけるプレート(5)の下方及び
シリンダ(2)の外周縁の下方に形成されている。更
に、上記プレート(5)の背面にはロータ軸(51)が
下方に突出して形成されており、該ロータ軸(51)
は、ロータ(3)の中心上に位置し、該ロータ(3)を
図2の矢符A方向に自転させるロータ自転機構(6)を
介して上記クランク軸(15)に連結されている。そし
て、上記ロータ軸(51)の中心であるロータ中心O1は
クランク軸(15)の中心であるクランク軸心O2より偏
心して上記ロータ(3)が配置されており、上記ロータ
本体(4)の周面とシリンダ室(21)の周面とが一部
で接触し、上記クランク軸(15)の回転によってロー
タ(3)が図2の矢符B方向に公転するようになってい
る。
【0032】更に、上記ロータ本体(4)には、2枚の
第1ブレード(31a)及び第2ブレード(31b)を
収納する2つのブレード溝(41),(41)が形成さ
れている。該2つのブレード溝(41),(41)は、
点対称位置に平行に形成されると共に、ロータ本体
(4)の周面に開口し、上記ロータ中心O1に向う求心方
向に対して所定角度を有するように内端が該求心方向よ
り変位している。そして、上記各ブレード(31a),
(31b)は、ブレード溝(41),(41)に出没自
在に挿入されると共に、図示しないが、該各ブレード
(31a),(31b)の背面に上記高圧空間(11
b)からの高圧又はスプリングのばね力が作用し、先端
がシリンダ室(21)の周面に圧接しており、上記シリ
ンダ室(21)の周面とロータ本体(4)の周面との空
間において、ロータ本体(4)とシリンダ(2)とが接
触する接触点Pと両ブレード(31a),(31b)と
によって第1作動室(32a)と第2作動室(32a)
とが区画形成されている。
【0033】上記ロータ本体(4)には、1つの低圧室
(42)と第1高圧室(43a)及び第2高圧室(43
b)とが形成されており、該低圧室(42)は、ロータ
本体(4)の略中央部に形成され、上面がロータ本体
(4)の上面に開口しており、上記シリンダ(2)の低
圧口(22)が常時連通している。更に、上記低圧室
(42)に連通する2つの低圧ポート(44)がロータ
本体(4)の周面に開口して該ロータ本体(4)に穿設
されており、該各低圧ポート(44)は、上記各ブレー
ド(31a),(31b)の側方であってロータ(3)
の自転方向Aと反対方向側に位置して、低圧流体を各作
動室(32a),(32b)に供給している。
【0034】一方、上記各高圧室(43a),(43
b)は、低圧室(42)などに対して別個独立に区画さ
れてロータ本体(4)内に形成されており、該各高圧室
(43a),(43b)に連通して2つの高圧ポート
(45),(45)がロータ本体(4)の周面に開口し
て該ロータ本体(4)に穿設されており、該各高圧ポー
ト(45),(45)は、上記各ブレード(31a),
(31b)の側方であってロータ(3)の自転方向A側
に位置して、上記各作動室(32a),(32b)内の
高圧流体を各高圧室(43a),(43b)に導いてい
る。更に、上記各高圧室(43a),(43b)に連通
する高圧口(52)が上記プレート(5)の背面に開口
して穿設されており、上記各高圧室(43a),(43
b)内の高圧流体を上記ケーシング(11)内の高圧空
間(11b)に導出している。
【0035】また、上記各高圧室(43a),(43
b)には、開閉弁(7)が設けられると共に、弁押え
(71)が設けられており、該開閉弁(7)は各作動室
(32a),(32b)内が所定圧力になると上記高圧
ポート(45),(45)を開放するようになってい
る。
【0036】また、上記プレート(5)の背面には、断
熱部材(8)が所定間隔を存して取付けられており、該
プレート(5)の背面と断熱部材(8)との間が断熱空
間(81)に形成され、上記高圧空間(11b)におけ
る高圧流体から各作動室(32a),(32b)への熱
伝達を防止するようにしている。
【0037】また、上記ケーシング(11)内の底部に
は潤滑油の油溜め(11c)になっており、該油溜め
(11c)には上記クランク軸(15)の下端部が浸漬
され、図示しないオイルポンプによって軸受け等に潤滑
油が供給されている。
【0038】上記ロータ自転機構(6)は、図11に示
すように、ロータ(3)の公転による回転力を利用して
上記ロータ本体(4)の周面をシリンダ室(21)の周
面に圧接させてロータ(3)をシリンダ(2)に対して
転がり接触させ、ロータ(3)を公転方向Bと反対方向
Aに自転させるロータ自転手段であって、連結リンク
(61)とスイングリンク(62)とを備えたスイング
機構(6a)で構成されている。該連結リンク(61)
は、上記クランク軸(15)の上端に一体に形成されて
おり、該クランク軸(15)のクランク軸心O2を通る直
交線L1上に連結ピン(63)とストップピン(64)と
が両端部に上方に突出形成されている。
【0039】一方、上記スイングリンク(62)は、は
ぼ中央部にロータ軸(51)が回転自在に嵌合するロー
タ孔(65)が穿設されると共に、上記連結ピン(6
3)が回転自在に嵌合する連結孔(66)と、上記スト
ップピン(64)が遊嵌合するストップ孔(67)とが
穿設され、ウエイト(68)が半径方向に延設されて形
成されている。
【0040】そして、上記ロータ自転機構(6)は、図
12に示すように、連結リンク(61)とスイングリン
ク(62)とを組付けた状態において、連結ピン(6
3)の軸心である連結ピン中心O3が、クランク軸心O2と
ロータ中心O1とを通る軸線L2に直交し且つロータ中心O1
を通る直交線L3に対してクランク軸心O2と反対側に位置
し、該軸線L2に対してクランク軸(15)の回転方向B
に進んだ位置に位置するように構成されている。
【0041】そこで、上記ロータ自転機構(6)による
シリンダ(2)に対するロータ(3)の押圧原理につい
て説明する。
【0042】図12に示すように、ロータ(3)が公転
すると、該ロータ(3)は連結ピン(61)を中心に回
動自在であるので、ロータ(3)の遠心力Fcが連結ピン
中心O3に作用し、また、ウエイト(68)の遠心力Fbが
ロータ中心O1に作用し、この両遠心力を釣合わせる(Fc
=Fb)。一方、上記ロータ中心O1はクランク軸心O2を中
心に回動するので、密閉状の作動室(32a),(32
b)から流体圧の接線方向力Ftと半径方向力Frとが作用
し、上記両遠心力Fc,Fbが釣合っているので、流体圧の
みがロータ(3)に作用し、次式に示すようにロータ
(3)の押圧力Ffがロータ(3)の遠心力Fc方向に作用
することになる。
【0043】Ff=Ft× tanφ−Fr ……(1) φ:連結ピン中心O3とロータ中心O1とを通る軸線L4と接
線方向力Ftとの角度 この押圧力Ffによって上記ロータ(3)がシリンダ
(2)に押圧されることになる。
【0044】次に、上記圧縮機(1)の圧縮動作につい
て図3乃至図10に基づいて説明する。
【0045】まず、駆動モータ(12)を駆動してクラ
ンク軸(15)を回転すると、ロータ(3)は、矢符B
に示すように、シリンダ(2)に対してクランク軸(1
5)の回転方向に公転することになる。更に、上記ロー
タ(3)は、公転に伴ってロータ自転機構(6)により
シリンダ(2)に押付けられるので、該シリンダ(2)
に対して転がり接触して、矢符Aに示すように、公転方
向とは反対方向に自転することになる。
【0046】一方、低圧流体は、吸入管(16)よりケ
ーシング(11)の低圧空間(11a)に導入されてお
り、この低圧流体は低圧空間(11a)から低圧口(2
2)を通り、ロータ本体(4)の低圧室(42)に流入
している。
【0047】そこで、図3に示すように、ロータ本体
(4)とシリンダ(2)との接触点Pが第2ブレード
(31b)に近接した真直右方に位置する状態おいて、
第1ブレード(31a)と第2ブレード(31b)との
間に第1作動室(32a)が、上記接触点Pと第1ブレ
ード(31a)との間に第2作動室(32b)がそれぞ
れ形成され、該各作動室(32a),(32b)が低圧
室(42)に連通して低圧流体が流入している。
【0048】この状態より、クランク軸(15)が回転
すると、図4に示すように、上記ロータ(3)の公転と
自転とが進み、上記ロータ本体(4)とシリンダ(2)
との接触点Pが公転方向Bに移動して、低圧ポート(4
4)が閉鎖され、第1作動室(32a)が密閉されると
共に、第2作動室(32b)の容積は拡張する。
【0049】その後、ロータ(3)の公転と自転とが進
み、図5及び図6に示すように、順次ロータ本体(4)
とシリンダ(2)との接触点Pが公転方向Bに移動する
と、第2作動室(32b)の容積は序々に拡張する一
方、第1作動室(32a)の容積が序々に収縮すること
になる。そして、該第1作動室(32a)内の低圧流体
が圧縮され、該流体圧力が所定圧力になると、開閉弁
(7)が開動して第1作動室(32a)内の高圧流体が
第1高圧室(43a)に流入する。
【0050】この第1高圧室(43a)の高圧流体は、
高圧口(52)よりケーシング(11)内におけるプレ
ート(5)の下方の高圧空間(11b)に流入し、フレ
ーム(14)の貫通口(14b)を通り、吐出管(1
7)よりケーシング(11)外に吐出される。尚、上記
第1作動室(32a)が収縮するに従って新たな第1作
動室(32a)が第2ブレード(31b)と接触点Pと
の間に形成されることになる。
【0051】その後、更にロータ(3)の公転と自転と
が進むと、上記ロータ本体(4)とシリンダ(2)との
接触点Pが公転方向Bに移動して、第2作動室(32
b)が密閉され、図7乃至図10に示すように、第1作
動室(32a)と同様に第2作動室(32b)が序々に
収縮して低圧流体が圧縮され、高圧流体が第2高圧室
(43b)より高圧口(52)を介して高圧空間(11
b)に流出する一方、上記第1作動室(32a)は序々
に拡張することになる。
【0052】この動作を繰返して順次低圧流体が圧縮さ
れることになり、そして、上記高圧空間(11b)内の
高圧流体はプレート(5)の背面に作用し、ロータ
(3)をシリンダ(2)に押圧して、該シリンダ(2)
におけるシリンダ室(21)の下面外周縁にプレート
(5)の上面を密着させる一方、断熱空間(81)によ
り上記高圧空間(11b)の高圧流体から各作動室(3
2a),(32b)への熱伝達が阻止されている。
【0053】そして、この図3乃至図10から明らかな
ように、上記ロータ(3)の公転方向Bに対して反対方
向Aにロータ(3)が自転するので、該公転、つまり、
上記クランク軸(15)の回転に伴うシリンダ(2)に
対するブレード(31a),(31b)の相対移動が少
なくなり、ロータ(3)の1回転(クランク軸(15)
の1回転)に対してブレード(31a),(31b)の
移動角度は50度前後となる。
【0054】また、この圧縮行程の回数は、実施例にお
いて、ロータ(3)のほぼ一回転に対して2行程とした
が、シリンダ室(21)の径とロータ本体(4)の径に
よって定まることになり、例えば、ロータ本体(4)の
径を実施例より小さくすると、1公転に対する圧縮行程
の回数が多くなる。そして、この圧縮行程を算出するこ
とができることから、圧縮速度を定めることができるこ
とになる。
【0055】従って、上記実施例においては、上記ロー
タ(3)をシリンダ(2)に対して公転させると共に、
自転させて各作動室(32a),(32b)を容積変化
させるようにしたために、上記シリンダ(2)に対する
両ブレード(31a),(31b)の相対移動を小さく
することができるので、上記各ブレード(31a),
(31b)のシリンダ(2)に対する摺接速度を小さく
することができ、摺動抵抗を小さくすることができる。
この結果、上記各ブレード(31a),(31b)の磨
耗を低減することができると共に、騒音の低減を図るこ
とができることから、信頼性の向上を図ることができ
る。
【0056】また、上記シリンダ室(21)を密閉する
プレート(5)とロータ本体(4)とを一体形成すると
共に、低圧室(42)と高圧室(43a),(43b)
とを別個独立に形成しているので、上記ロータ本体
(4)の一端面とシリンダ(2)との間隙のみが流体の
漏れ通路となり、従来に比して流体の漏れ通路を少なく
することができる。この結果、圧縮効率を向上させるこ
とができる。
【0057】また、上記シリンダ室(21)の径とロー
タ本体(4)の径とによって1公転に対する圧縮行程の
回数を定めることができるので、圧縮速度を容易に特定
することができ、加熱及び流体漏れなどを容易に制御す
ることができる。
【0058】また、上記高圧空間(11b)の高圧流体
によってロータ(3)をシリンダ(2)に押圧すること
ができるので、ロータ(3)の支持機構を簡素にするこ
とができると共に、シリンダ(2)とロータ(3)との
間の流体漏れを確実に低減することができる。
【0059】また、上記プレート(5)の背面に断熱空
間(81)を形成しているので、各作動室(32a),
(32b)への熱伝達を確実に防止することができ、該
作動室(32a),(32b)内の流体の吸入加熱等を
防止することができことから、圧縮効率をより向上させ
ることができる。
【0060】また、上記ロータ自転機構(6)によりロ
ータの公転に伴ってロータ本体をシリンダに転がり接触
させて自転させるので、機械損失が少なく且つ圧縮動作
を精度よく行なうことができる。
【0061】図13は、ロータ自転機構(6)の他の実
施例を示しており、スイング機構(6a)に加えてギヤ
機構(6b)を設けたものである。該ギヤ機構(6b)
は、上記ロータ(3)におけるプレート(5)の外周端
面に形成された外歯(69a)と、該外歯(69a)に
対応して上記フレーム(14)に形成され、上記外歯
(69a)に噛合する内歯(69b)とより構成されて
いる。そして、上記外歯(69a)と内歯(69b)と
の噛合によってロータ(3)を自転させるようにしてい
る。その際、上記スイング機構(6a)は主としてロー
タ本体(4)とシリンダ(2)とのシール作用を行なう
ことになる。この結果、上記ギヤ機構(6b)によって
ロータ(3)の自転が確実に行われることになる。
【0062】尚、本実施例においては、圧縮機について
説明したが、本発明の容積型流体機械はポンプなどの各
種の流体機械に適用することができる。
【0063】また、上記ブレード(31a),(31
b)及び高圧室(43a),(43b)等の数は実施例
に限られるものではない。
【0064】また、上記ロータ自転機構(6)は、実施
例に限られるものではなく、クランク軸(15)の回転
よりロータ(3)を自転させるものであればよく、例え
ば、上記実施例におけるギヤ機構(6b)のみであって
もよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】圧縮機の縦断面図である。
【図2】圧縮機構の一部省略横断面図である。
【図3】圧縮動作を示す圧縮機構の一部省略横断面図で
ある。
【図4】図3より45度公転した状態を示す圧縮機構の
一部省略横断面図である。
【図5】図4より45度公転した状態を示す圧縮機構の
一部省略横断面図である。
【図6】図5より45度公転した状態を示す圧縮機構の
一部省略横断面図である。
【図7】図6より45度公転した状態を示す圧縮機構の
一部省略横断面図である。
【図8】図7より45度公転した状態を示す圧縮機構の
一部省略横断面図である。
【図9】図8より45度公転した状態を示す圧縮機構の
一部省略横断面図である。
【図10】図9より45度公転した状態を示す圧縮機構
の一部省略横断面図である。
【図11】ロータ自転機構の分解平面図である。
【図12】ロータ自転機構の作動原理を示す力の作用図
である。
【図13】ロータ自転機構の他の実施例を示す圧縮機の
縦断面図である。
【図14】従来のスライディングベーン式ロータリ圧縮
機の横断面図である。
【図15】従来のスライディングベーン式ロータリ圧縮
機の概略縦断面図である。
【図16】従来の他のスライディングベーン式ロータリ
圧縮機の横断面図である。
【図17】従来のローリングピストン型圧縮機の横断面
図である。
【図18】従来のローリングピストン型圧縮機の概略縦
断面図である。
【符号の説明】
1 圧縮機 2 シリンダ 3 ロータ 4 ロータ本体 5 プレート 6 ロータ自転機構 7 開閉弁 11 ケーシング 13 圧縮機構 15 クランク軸 21 シリンダ室 31a,31b ブレード 32a,32b 作動室 42 低圧室 43a,43b 高圧室 44 低圧ポート 45 高圧ポート 81 断熱空間

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ケーシング(11)内に固着され、シリ
    ンダ室(21)が一端面に開口して形成されたシリンダ
    (2)と、 該シリンダ室(21)より小径に形成されて該シリンダ
    室(21)に収納されるロータ本体(4)と、該ロータ
    本体(4)に連続して形成され且つ上記シリンダ(2)
    の端面に接して上記シリンダ室(21)を密閉するプレ
    ート(5)とを備えたロータ(3)と、 該ロータ本体(4)の周面と上記シリンダ室(21)の
    周面とが一部で接触するように上記ロータ(3)の中心
    より軸心が偏心して上記プレート(5)に連結されたク
    ランク軸(15)と、 上記ロータ本体(4)の周面より出没自在に該ロータ本
    体(4)に設けられ、先端が上記シリンダ室(21)の
    内周面に摺接して上記ロータ本体(4)の周面とシリン
    ダ室(21)の周面との間に作動室(32a),(32
    b)を形成する複数枚のブレード(31a),(31
    b)と、 上記クランク軸(15)の回転によるロータ(3)の公
    転方向に対して反対方向に該ロータ(3)が自転するよ
    うにロータ本体(4)をシリンダ室(21)の周面に転
    がり接触させるロータ自転手段(6)と、 上記ロータ本体(4)に形成され、ロータ(3)の一端
    面に開口して低圧流体が流入する低圧室(42)と、 上記ロータ本体(4)に形成され、ロータ(3)の他端
    面に開口して高圧流体が流入する高圧室(43a),
    (43b)と、 上記低圧室(42)及び高圧室(43a),(43b)
    に連通して上記ロータ本体(4)の周面に開口する低圧
    ポート(44)及び高圧ポート(45)と、 上記高圧ポート(45)を開閉する開閉弁(7)とを備
    えていることを特徴とする容積型流体機械。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の容積型流体機械におい
    て、高圧室(43a),(43b)は、ロータ(3)が
    高圧流体によってシリンダ(2)に押圧されるように該
    ロータ(3)のプレート(5)の背面側に開口している
    ことを特徴とする容積型流体機械。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の容積型流体機械に
    おいて、ロータ(3)のプレート(5)には、背面側に
    断熱空間(81)が形成されていることを特徴とする容
    積型流体機械。
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