JPH0565601A - 高強度、高疲労強度オーステナイト系ステンレス鋼およびその製造方法 - Google Patents
高強度、高疲労強度オーステナイト系ステンレス鋼およびその製造方法Info
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- JPH0565601A JPH0565601A JP25053891A JP25053891A JPH0565601A JP H0565601 A JPH0565601 A JP H0565601A JP 25053891 A JP25053891 A JP 25053891A JP 25053891 A JP25053891 A JP 25053891A JP H0565601 A JPH0565601 A JP H0565601A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 オーステナイト系ステンレス鋼の耐食性と析
出硬化型ステンレス鋼の高強度、高疲労強度を兼備した
材料の提供。 【構成】 特定組成のオーステナイトステンレス鋼を加
工終了温度 1000℃以下とし、扁平未再結晶粒組織とす
ることにより、高強度、高疲労強度を達成する。
出硬化型ステンレス鋼の高強度、高疲労強度を兼備した
材料の提供。 【構成】 特定組成のオーステナイトステンレス鋼を加
工終了温度 1000℃以下とし、扁平未再結晶粒組織とす
ることにより、高強度、高疲労強度を達成する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、特定成分範囲のオース
テナイト系ステンレス鋼が持つ優れた耐食性に加えて、
常温での強度および疲れ限度を著しく改善したオーステ
ナイト系ステンレス鋼およびその製造方法に関するもの
である。
テナイト系ステンレス鋼が持つ優れた耐食性に加えて、
常温での強度および疲れ限度を著しく改善したオーステ
ナイト系ステンレス鋼およびその製造方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】特公昭50−24886号開示の合金の
鋼(以下A鋼と記す)は、一般のオーステナイト系ステ
ンレス鋼と同様に、通常、熱間圧延、または熱間鍛造後
に固溶化熱処理を施した状態で使用されるオーステナイ
ト系ステンレス鋼であり、従来はこの固溶化熱処理状態
で得られる強度および耐食性をもって、主として原子力
関連の部品に使用されてきた。しかし、最近、本合金の
持つ優れた耐食性に加えて、常温での強度および疲れ限
度を改善した材料の提供が望まれるようになった。
鋼(以下A鋼と記す)は、一般のオーステナイト系ステ
ンレス鋼と同様に、通常、熱間圧延、または熱間鍛造後
に固溶化熱処理を施した状態で使用されるオーステナイ
ト系ステンレス鋼であり、従来はこの固溶化熱処理状態
で得られる強度および耐食性をもって、主として原子力
関連の部品に使用されてきた。しかし、最近、本合金の
持つ優れた耐食性に加えて、常温での強度および疲れ限
度を改善した材料の提供が望まれるようになった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記A鋼は、耐食性は
優れているものの、固溶化熱処理状態では高々490〜520
N/mm2(≒50〜53kgf/mm2)の0.2%耐力しか有せず、さらに
大気中での107回回転曲げ疲れ限度(σwb)も高々200N/mm
2(以上≒20.4kgf/mm2)である。このため、高強度、高疲
れ限度が要求される部品には、耐食性はA鋼より劣るに
も係らず、JISG4303で規定されるSUS630等を使用
せざるを得ない状況であった。本発明は、SUS630
より高い耐食性を有するA鋼において、SUS630の
H1150処理(固溶化熱処理 1020〜1060℃急冷+析
出硬化熱処理 610〜630℃空冷)並みの強度と、優れた疲
れ限度を有する材料を提供しようとするものである。
優れているものの、固溶化熱処理状態では高々490〜520
N/mm2(≒50〜53kgf/mm2)の0.2%耐力しか有せず、さらに
大気中での107回回転曲げ疲れ限度(σwb)も高々200N/mm
2(以上≒20.4kgf/mm2)である。このため、高強度、高疲
れ限度が要求される部品には、耐食性はA鋼より劣るに
も係らず、JISG4303で規定されるSUS630等を使用
せざるを得ない状況であった。本発明は、SUS630
より高い耐食性を有するA鋼において、SUS630の
H1150処理(固溶化熱処理 1020〜1060℃急冷+析
出硬化熱処理 610〜630℃空冷)並みの強度と、優れた疲
れ限度を有する材料を提供しようとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、0.2%耐力σ
0.2が高々 490〜520N/mm2、大気中の107回回転曲げ疲れ
限度(σwb)も高々200N/mm2の材料を、さらに高強度化、
高疲れ限度化するために、材料の塑性加工条件と、これ
によるミクロ組織、強度および疲れ限度の関係について
種々実験、考察を行なった。その結果、特定条件の塑性
加工ままの状態で結晶粒が材料の長手方向に伸びた扁平
状の未再結晶粒を有する組織とすることができ、これに
より前記A鋼の成分範囲内において、0.2%耐力σ0.2が5
40N/mm2(≒55kgf/mm2)以上、大気中の107回回転曲げ疲
れ限度(σwb)が340N/mm2(≒35kgf/mm2)以上の特性が得
られることを新規に見出した。すなわち、本発明の第1
発明は、重量比で、C 0.08%以下、Si 0.7%以下、Mn
4%以上6%未満、Ni 6〜17%、Cr 20〜25%、Mo 0.5〜4%
とNb 0.1〜0.7%の1種または2種、V 0.05〜0.5%、N
0.15〜0.5%を含有し、残部が実質的にFeからなるオー
ステナイト系ステンレス鋼において、0.2%耐力σ0.2が5
40N/mm2(≒55kgf/mm2)以上でかつ大気中の107回回転曲
げ疲れ限度(σwb)が340N/mm2(≒35kgf/mm2)以上である
ことを特徴とする高強度、高疲労強度オーステナイト系
ステンレス鋼、第2発明は、ミクロ組織において、扁平
未再結晶粒を有し、0.2%耐力σ0.2が540N/mm2以上でか
つ大気中の107回回転曲げ疲れ限度が340N/mm2以上であ
ることを特徴とする高強度、高疲労強度オーステナイト
系ステンレス鋼、ならびに第3発明は、第1発明の組成
の鋼の製造方法であって、加工終了温度 1000℃以下の
塑性加工を施すことを特徴とする高強度、高疲労強度オ
ーステナイト系ステンレス鋼の製造方法である。そして
第3発明において、望ましくは加熱温度 950〜1200℃の
固溶化熱処理を施した後、塑性加工が温間加工であると
するものである。
0.2が高々 490〜520N/mm2、大気中の107回回転曲げ疲れ
限度(σwb)も高々200N/mm2の材料を、さらに高強度化、
高疲れ限度化するために、材料の塑性加工条件と、これ
によるミクロ組織、強度および疲れ限度の関係について
種々実験、考察を行なった。その結果、特定条件の塑性
加工ままの状態で結晶粒が材料の長手方向に伸びた扁平
状の未再結晶粒を有する組織とすることができ、これに
より前記A鋼の成分範囲内において、0.2%耐力σ0.2が5
40N/mm2(≒55kgf/mm2)以上、大気中の107回回転曲げ疲
れ限度(σwb)が340N/mm2(≒35kgf/mm2)以上の特性が得
られることを新規に見出した。すなわち、本発明の第1
発明は、重量比で、C 0.08%以下、Si 0.7%以下、Mn
4%以上6%未満、Ni 6〜17%、Cr 20〜25%、Mo 0.5〜4%
とNb 0.1〜0.7%の1種または2種、V 0.05〜0.5%、N
0.15〜0.5%を含有し、残部が実質的にFeからなるオー
ステナイト系ステンレス鋼において、0.2%耐力σ0.2が5
40N/mm2(≒55kgf/mm2)以上でかつ大気中の107回回転曲
げ疲れ限度(σwb)が340N/mm2(≒35kgf/mm2)以上である
ことを特徴とする高強度、高疲労強度オーステナイト系
ステンレス鋼、第2発明は、ミクロ組織において、扁平
未再結晶粒を有し、0.2%耐力σ0.2が540N/mm2以上でか
つ大気中の107回回転曲げ疲れ限度が340N/mm2以上であ
ることを特徴とする高強度、高疲労強度オーステナイト
系ステンレス鋼、ならびに第3発明は、第1発明の組成
の鋼の製造方法であって、加工終了温度 1000℃以下の
塑性加工を施すことを特徴とする高強度、高疲労強度オ
ーステナイト系ステンレス鋼の製造方法である。そして
第3発明において、望ましくは加熱温度 950〜1200℃の
固溶化熱処理を施した後、塑性加工が温間加工であると
するものである。
【0005】
【作用】本発明において、扁平な未再結晶粒組織は、A
鋼またはこれに類似の鋼について、0.2%耐力σ0.2を540
N/mm2以上とし、107回回転曲げ疲れ限度(σwb)を340N/m
m2以上とするために不可欠の要件である。等軸的な再結
晶組織では、この強度、疲れ限度を得ることはできな
い。この扁平未再結晶粒を有する組織を得る手段とし
て、加工終了温度を1000℃以下の塑性加工が適当であ
り、かつこの塑性加工後に一般的に行なわれる固溶化熱
処理は行なわれないことが必要である。塑性加工が1000
℃を越える高温で行なわれると、この塑性加工中または
その後に再結晶が生じ、固溶化熱処理を施した場合と同
様に、組織が等方的となり、高強度、高疲れ限度の特性
は得られない。このため、塑性加工の終了温度は1000℃
以下とした。また、本願の製造方法の発明においては、
通常の熱間加工後に行なう固溶化熱処理を施さないた
め、非常に厳しい耐食性が要求される場合には、塑性加
工に先立って、ビレットに950〜1200℃の固溶化熱処理
を施すことが望ましい。このような固溶化熱処理を行な
った場合でも、最終の塑性加工終了温度が1000℃以下で
あればよい。本発明における塑性加工量は、鍛造比で1.
2以上とするのが望ましい。この比が低いと、高い疲れ
限度を得るために必要な扁平未再結晶粒の生成が不十分
となるからである。なお、本発明の組成範囲の規定は、
前述の特公昭50−24886号と同一とした。また、
σ0.2およびσwbの値は、前記公知のA鋼では達成でき
ず、かつ本発明により、A鋼の成分範囲内で達成し得る
値として勘案特定したものである。
鋼またはこれに類似の鋼について、0.2%耐力σ0.2を540
N/mm2以上とし、107回回転曲げ疲れ限度(σwb)を340N/m
m2以上とするために不可欠の要件である。等軸的な再結
晶組織では、この強度、疲れ限度を得ることはできな
い。この扁平未再結晶粒を有する組織を得る手段とし
て、加工終了温度を1000℃以下の塑性加工が適当であ
り、かつこの塑性加工後に一般的に行なわれる固溶化熱
処理は行なわれないことが必要である。塑性加工が1000
℃を越える高温で行なわれると、この塑性加工中または
その後に再結晶が生じ、固溶化熱処理を施した場合と同
様に、組織が等方的となり、高強度、高疲れ限度の特性
は得られない。このため、塑性加工の終了温度は1000℃
以下とした。また、本願の製造方法の発明においては、
通常の熱間加工後に行なう固溶化熱処理を施さないた
め、非常に厳しい耐食性が要求される場合には、塑性加
工に先立って、ビレットに950〜1200℃の固溶化熱処理
を施すことが望ましい。このような固溶化熱処理を行な
った場合でも、最終の塑性加工終了温度が1000℃以下で
あればよい。本発明における塑性加工量は、鍛造比で1.
2以上とするのが望ましい。この比が低いと、高い疲れ
限度を得るために必要な扁平未再結晶粒の生成が不十分
となるからである。なお、本発明の組成範囲の規定は、
前述の特公昭50−24886号と同一とした。また、
σ0.2およびσwbの値は、前記公知のA鋼では達成でき
ず、かつ本発明により、A鋼の成分範囲内で達成し得る
値として勘案特定したものである。
【0006】
【実施例】以下、本発明の第1実施例に基づいて本発明
を説明する。表1に示す化学成分のビレットを電気炉溶
解−分塊圧延によって得た。このビレットから、表2に
示すように、そのままで、加工終了温度を950℃、1000
℃および1050℃とする温間加工を施すもの(No.1,2,
3)、このビレットを1050℃固溶化熱処理後、加工終了温
度を1000℃とする温間加工を施すもの(No.4)および前
記No.2と同様の加工終了温度1000℃とした後1050℃固
溶化熱処理したもの(No.5)の各供試材を準備した。ま
た、SUS630材に1040℃油冷後620℃空冷の熱処理
を施したものも供試材とした。各供試材から、引張り試
験片、ミクロ検鏡試料、塩水噴霧発錆試験片を削り出
し、それぞれの試験を行なった。この結果を表2にまと
めて示す。(塩水噴霧発錆試験の条件は表中に明示)。
また図1は、表2のNo.2のミクロ組織写真(×400)であ
り、本発明の扁平な未再結晶の結晶粒組織の例を示すも
のである。
を説明する。表1に示す化学成分のビレットを電気炉溶
解−分塊圧延によって得た。このビレットから、表2に
示すように、そのままで、加工終了温度を950℃、1000
℃および1050℃とする温間加工を施すもの(No.1,2,
3)、このビレットを1050℃固溶化熱処理後、加工終了温
度を1000℃とする温間加工を施すもの(No.4)および前
記No.2と同様の加工終了温度1000℃とした後1050℃固
溶化熱処理したもの(No.5)の各供試材を準備した。ま
た、SUS630材に1040℃油冷後620℃空冷の熱処理
を施したものも供試材とした。各供試材から、引張り試
験片、ミクロ検鏡試料、塩水噴霧発錆試験片を削り出
し、それぞれの試験を行なった。この結果を表2にまと
めて示す。(塩水噴霧発錆試験の条件は表中に明示)。
また図1は、表2のNo.2のミクロ組織写真(×400)であ
り、本発明の扁平な未再結晶の結晶粒組織の例を示すも
のである。
【0007】
【表1】
【0008】
【表2】
【0009】表1から次のことがわかる。本発明の製造
方法によるNo.1,2および4は、ミクロ組織が扁平未再結
晶組織であり、それぞれ930N/mm2以上の0.2%耐力と、10
20N/mm2内外の引張り強さを示し、これらはいずれも比
較方法や従来方法のそれらに対し格段に高く、また、従
来材料に比しても高いものである。これに対し加工終了
温度を1050℃としたもの(比較方法No.3)および加工終
了後、固溶化処理を施したもの(従来方法No.5)は、ミ
クロ組織が再結晶粒組織で等方的であり、0.2%耐力、引
張り強さとも本発明材に比し、大幅に低く比較材料に対
しても低い。上記No.1〜No.5は、いずれも塩水噴霧発
錆試験で発生がなく、十分な耐食性を有する。これに対
して、No.6(SUS630)は、組織が再結晶組織であり、0.2
%耐力、引張り強さとも本発明材には及ばないまでも高
い値を有するが、塩水噴霧発錆試験で若干の発錆があ
り、耐食性が不十分であることがわかる。
方法によるNo.1,2および4は、ミクロ組織が扁平未再結
晶組織であり、それぞれ930N/mm2以上の0.2%耐力と、10
20N/mm2内外の引張り強さを示し、これらはいずれも比
較方法や従来方法のそれらに対し格段に高く、また、従
来材料に比しても高いものである。これに対し加工終了
温度を1050℃としたもの(比較方法No.3)および加工終
了後、固溶化処理を施したもの(従来方法No.5)は、ミ
クロ組織が再結晶粒組織で等方的であり、0.2%耐力、引
張り強さとも本発明材に比し、大幅に低く比較材料に対
しても低い。上記No.1〜No.5は、いずれも塩水噴霧発
錆試験で発生がなく、十分な耐食性を有する。これに対
して、No.6(SUS630)は、組織が再結晶組織であり、0.2
%耐力、引張り強さとも本発明材には及ばないまでも高
い値を有するが、塩水噴霧発錆試験で若干の発錆があ
り、耐食性が不十分であることがわかる。
【0010】さらに、これらの各供試材から回転曲げ疲
れ限度試験片を削り出し、それぞれテストを行なった。
この結果を図2に示す。ここで横軸は、繰返し数(対
数)、縦軸は回転曲げ疲れ限度σwbであり、試料No.は
表1に準ずる。塑性加工後、固溶化熱処理を施したもの
(No.5)および1050℃で塑性加工を終了した材料(No.3)
は、107回疲れ限度が高々30kgf/mm2(294N/mm2)であるの
に対し、本発明材である塑性加工終了温度 1000℃(No.
2)の材料は、σwbが40kgf/mm2(390/mm2)以上にも達す
る。同様に1050℃の固溶化熱処理後、塑性加工を1000℃
で完了した材料(No.4)についても回転曲げ疲れ限度σw
bが上記のNo.2と同程度に著しく改善されることがわか
る。以上述べたように、常温での強度、疲れ限度を改善
するためには、ビレットの熱履歴によらず、最終の塑性
加工によって扁平な未再結晶粒を形成させることが必要
である。
れ限度試験片を削り出し、それぞれテストを行なった。
この結果を図2に示す。ここで横軸は、繰返し数(対
数)、縦軸は回転曲げ疲れ限度σwbであり、試料No.は
表1に準ずる。塑性加工後、固溶化熱処理を施したもの
(No.5)および1050℃で塑性加工を終了した材料(No.3)
は、107回疲れ限度が高々30kgf/mm2(294N/mm2)であるの
に対し、本発明材である塑性加工終了温度 1000℃(No.
2)の材料は、σwbが40kgf/mm2(390/mm2)以上にも達す
る。同様に1050℃の固溶化熱処理後、塑性加工を1000℃
で完了した材料(No.4)についても回転曲げ疲れ限度σw
bが上記のNo.2と同程度に著しく改善されることがわか
る。以上述べたように、常温での強度、疲れ限度を改善
するためには、ビレットの熱履歴によらず、最終の塑性
加工によって扁平な未再結晶粒を形成させることが必要
である。
【0011】
【発明の効果】本発明によれば、前述した組成加工条件
で加工を行なうことにより、扁平未再結晶粒組織を得る
ことができ、従来材に比べて0.2%耐力、引張強さ、疲れ
限度が大幅に改善され、これはSUS630のそれに匹
敵するものである。一方耐食性においては、従来方法に
比し遜色がない。したがって、本発明材料は析出硬化系
ステンレス鋼の高い強度とA鋼の高い耐食性を兼備した
ステンレス鋼であり、原子力関係の他、高い強度や疲労
強度および良好な耐食性を要求される部材に用いれば、
信頼性を大幅に向上でき、工業上顕著な効果を有する。
で加工を行なうことにより、扁平未再結晶粒組織を得る
ことができ、従来材に比べて0.2%耐力、引張強さ、疲れ
限度が大幅に改善され、これはSUS630のそれに匹
敵するものである。一方耐食性においては、従来方法に
比し遜色がない。したがって、本発明材料は析出硬化系
ステンレス鋼の高い強度とA鋼の高い耐食性を兼備した
ステンレス鋼であり、原子力関係の他、高い強度や疲労
強度および良好な耐食性を要求される部材に用いれば、
信頼性を大幅に向上でき、工業上顕著な効果を有する。
【図1】本発明による扁平未再結晶組織を示す金属ミク
ロ組織写真である。
ロ組織写真である。
【図2】本発明方法、比較方法による材料、および従来
材の疲れ限度試験結果を示す図である。
材の疲れ限度試験結果を示す図である。
Claims (4)
- 【請求項1】 重量比で、C 0.08%以下、Si 0.7%以
下、Mn 4%以上6%未満、Ni 6〜17%、Cr 20〜25%、Mo
0.5〜4%とNb 0.1〜0.7%の1種または2種、V 0.05〜
0.5%、N 0.15〜0.5%を含有し、残部が実質的にFeから
なるオーステナイト系ステンレス鋼において、0.2%耐力
が540N/mm2以上でかつ大気中の107回回転曲げ疲れ限度
が340N/mm2以上であることを特徴とする高強度、高疲労
強度オーステナイト系ステンレス鋼。 - 【請求項2】 ミクロ組織において、扁平未再結晶粒を
有し、0.2%耐力が540N/mm2以上でかつ大気中の107回回
転曲げ疲れ限度が340N/mm2以上であることを特徴とする
高強度、高疲労強度オーステナイト系ステンレス鋼。 - 【請求項3】 重量比で、C 0.08%以下、Si 0.7%以
下、Mn 4%以上6%未満、Ni 6〜17%、Cr 20〜25%、Mo
0.5〜4%とNb 0.1〜0.7%の1種または2種、V 0.05〜
0.5%、N 0.15〜0.5%を含有し、残部が実質的にFeから
なるオーステナイト系ステンレス鋼の製造方法であっ
て、加工終了温度 1000℃以下の塑性加工を施すことを
特徴とする高強度、高疲労強度オーステナイト系ステン
レス鋼の製造方法。 - 【請求項4】 加熱温度 950〜1200℃の固溶化熱処理を
施した後、塑性加工が温間加工であることを特徴とする
請求項3に記載の高強度、高疲労強度オーステナイト系
ステンレス鋼の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25053891A JPH0565601A (ja) | 1991-09-03 | 1991-09-03 | 高強度、高疲労強度オーステナイト系ステンレス鋼およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25053891A JPH0565601A (ja) | 1991-09-03 | 1991-09-03 | 高強度、高疲労強度オーステナイト系ステンレス鋼およびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0565601A true JPH0565601A (ja) | 1993-03-19 |
Family
ID=17209398
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP25053891A Pending JPH0565601A (ja) | 1991-09-03 | 1991-09-03 | 高強度、高疲労強度オーステナイト系ステンレス鋼およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0565601A (ja) |
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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US7749431B2 (en) | 2003-03-20 | 2010-07-06 | Sumitomo Metal Industries, Ltd. | Stainless steel for high-pressure hydrogen gas |
JP2014047420A (ja) * | 2012-09-04 | 2014-03-17 | Nippon Steel & Sumitomo Metal | 原子炉用オーステナイト系ステンレス鋼 |
US8696835B2 (en) | 2003-06-10 | 2014-04-15 | Nippon Steel & Sumitomo Metal Corporation | Austenitic stainless steel for hydrogen gas and a method for its manufacture |
JP2016094660A (ja) * | 2014-11-06 | 2016-05-26 | 新日鐵住金株式会社 | 溶接継手の製造方法 |
EP3441495A4 (en) * | 2016-04-07 | 2019-11-20 | Nippon Steel Corporation | AUSTENITIC STAINLESS STEEL MATERIAL |
CN113136533A (zh) * | 2021-04-15 | 2021-07-20 | 鞍钢股份有限公司 | 一种低温用奥氏体不锈钢及其制造方法 |
EP4279628A1 (en) * | 2022-05-10 | 2023-11-22 | Daido Steel Co., Ltd. | Non-magnetic austenitic stainless steel material and production method therefor |
-
1991
- 1991-09-03 JP JP25053891A patent/JPH0565601A/ja active Pending
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