JPH056524B2

JPH056524B2 -

Info

Publication number: JPH056524B2
Application number: JP59073505A
Authority: JP
Inventors: Yasuteru Eguchi; Hidenori Yorozu
Original assignee: Kao Corp
Current assignee: Kao Corp
Priority date: 1984-04-12
Filing date: 1984-04-12
Publication date: 1993-01-26
Also published as: JPS60215616A

Description

【発明の詳細な説明】

本発明は新規な弱酸性入浴剤、更に詳細には、
炭酸水素ナトリウムと特定の酸を含有し、炭酸ガ
スを浴液中に溶解させた血行促進効果の極めて優
れた弱酸性入浴剤に関する。入浴剤は一般に芒硝、硼砂、イオウ、食塩、炭
酸塩等の無機塩類混合物に香料、着色料、植物エ
キス、有機酸等を配合したもので、浴湯に香り、
色調を与えたり、皮膚面に適度な刺激を与えるこ
とにより血液の循環を活発にし、疲労回復、新陳
代謝を増進させるものである。これらの浴用剤の
中で、炭酸を組合せた発泡性入浴剤があり、これ
は浴湯中に炭酸ガスの気泡を発生させて、リラツ
クス感や爽快感を高め、入浴を楽しくする効果を
有する。しかしながら、従来の発泡性入浴剤は、中性な
いしは弱アルカリ性であつて、発生した炭酸ガス
のほとんど全ては水中に溶解せず、空気中に揮散
してしまうので、この炭酸ガスの気泡は単に感覚
的な機械的作用を奏するのみであつた。そこで、本発明者は、この炭酸ガスを浴液中に
留め、その血行促進効果を期待すべく鋭意研究を
行つた結果、炭酸水素ナトリウムと特定の条件下
で組合せることにより、入浴剤の皮膚血行が促進
され、湯冷めを惹起しない入浴剤が得られること
を見出し、本発明を完成した。すなわち、本発明は、(a)５〜80重量％の炭酸水
素ナトリウム、(b)10〜80重量％の芳香族オキシ酸
もしくはその酸性塩、酸性アミノ酸もしくはその
酸性塩及びピロリドンカルボン酸よりなる群から
選ばれる１種又は２種以上の有機酸、並びに(c)該
酸の0.3〜５重量倍と硫酸塩及び／又は塩化物及
び／又は塩化物を含有し、浴湯に溶解した直後の
PHが４〜７（0.01重量％水溶液）になるようにし
たことを特徴とする弱酸性入浴剤を提供するもの
である。本発明においては、炭酸水素ナトリウムを必須
性成分として含有するが、本発明の効果を損なわ
ない範囲で炭酸ナトリウムやセスキ炭酸ナトリウ
ムを含んでもよい。また、有機酸としては、芳香族オキシ酸もしく
はその酸性塩、酸性アミノ酸もしくはその酸性塩
及びピロリドンカルボン酸よりなる群から選ばれ
る１種又は２種以上が用いられる。ここで芳香族
オキシ酸としては、例えばサリチル酸、没食子
酸、マンデル酸、トロパ酸等が挙げられ、酸性ア
ミノ酸としては、例えばグルタミン酸、アスパラ
ギン酸等が挙げられる。炭酸水素ナトリウムと有機酸との配合量は、入
浴剤を浴湯に加えたとき浴湯が弱酸性を呈するよ
うな比率、すなわち入浴剤が溶解した直後の0.01
重量％水溶液がPH４〜７、特に好ましくはPH6.0
〜6.7になるようにすることが必要である。PHが
４より低いと肌への刺激が強いと共に風呂釜等を
いためる惧れがあり、またPHが７を超えると本発
明の効果が奏されない。本発明の効果は、PHが酸性の場合には炭酸ガス
はCO₂分子として存在して血流促進作用を示す
が、PHがアルカリ性側では炭酸ガスはCO₃ ^2-イオ
ンあるいはHCO₃ ^-イオンとして存在するための
当該効果は全く見られないという原理に基くもの
である。斯かる条件を具備するための炭酸水素ナトリウ
ムと有機酸の配合量は、これらの種類によつて異
なるが、全組成に対し、炭酸水素ナトリムは５〜
80重量％（以下単に％で示す）、特に10〜50％、
有機酸は10〜80％、特に15〜50％が好ましい。また、本発明の弱酸性入浴剤には、上記必須成
分のほかに、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウ
ム、硫酸亜鉛等の硫酸塩あるいは塩化ナトリウム
等の塩化物等を配合することができる。これらの
配合量は有機酸に対し30〜500％、特に50〜300％
が好ましい。更に、本発明入浴剤には、一般に配合されてい
る、香料、色素、あるいはビタミン類、温泉の有
効成分、蛋白分解酵素、海草エキス、アルギン酸
ナトリウム、ラノリン、シリコン、生薬あるいは
その抽出エキス等を配合して、効果を一層高める
ことができる。本発明の弱酸生入浴剤は、粉末、顆粒、結晶、
錠剤等、特に好ましくは錠剤の形にすることがで
き、これらの製剤化のために、必要に応じて賦形
剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤等を添加することも
できる。叙上の如く、本発明の弱酸性入浴剤はPHが人の
肌と大略同一であるので肌に好影響を与える。し
かも浴湯に投ずるとき発生する炭酸ガスは、アル
カリ性ではイオンとして存在するため血流促進効
果はないが、本発明の如く酸性領域ではCO₂分子
として存在して肌の血行を促進する優れた効果を
奏する。次に実施例を挙げて説明する。実施例１第１表に示す組成の入浴剤を調製し、各入浴剤
を0.01％水溶液になるように浴湯に投入し、パネ
ラー30名に１ケ月間常法に従つて使用してもら
い、入浴剤としての評価（総合的な使用感）及び
湯冷めの有無を調べた。

【表】その結果は第２表のとおりである。

【表】実施例２第３表に示す組成の入浴剤を40℃の湯に0.01％
の割合で溶かした溶液中に、一般消費者宅の残り
の行から分離されたH₂S生産菌（硫酸還元菌）約
10³個／ml及びFeSO₄を0.02重量％、亜硫酸ソー
ダ0.04重量％になるように添加した。翌日の無の
臭い、色の変化について観察した。

【表】

Claims

【特許請求の範囲】

１ (a)５〜80重量％の炭酸水素ナトリウム、(b)10
〜80重量％の芳香族オキシ酸もしくはその酸性
塩、酸性アミノ酸もしくはその酸性塩及びピロリ
ドンカルボン酸よりなる群から選ばれる１種又は
２種以上の有機酸、並びに(c)該酸の0.3〜５重量
倍の硫酸塩及び／又は塩化物及び／又は塩化物を
含有し、浴湯に溶解した直後のPHが４〜７（0.01
重量％水溶液）になるようにしたことを特徴とす
る弱酸性入浴剤。