JPH0564983A - 熱転写記録媒体 - Google Patents

熱転写記録媒体

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JPH0564983A
JPH0564983A JP3151608A JP15160891A JPH0564983A JP H0564983 A JPH0564983 A JP H0564983A JP 3151608 A JP3151608 A JP 3151608A JP 15160891 A JP15160891 A JP 15160891A JP H0564983 A JPH0564983 A JP H0564983A
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JP
Japan
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ink
thermal transfer
ink layer
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transfer recording
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JP3151608A
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English (en)
Inventor
Keiichi Shiokawa
恵一 塩川
Yoji Ide
洋司 井手
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 繰り返し熱転写印字をしても濃度が高く、地
汚れやゴーストのない画像が形成でき、更に、ラインサ
ーマルヘッドを用いても繰り返し印字をしたときにイン
ク層の全転写を起さない熱転写記録媒体を提供するこ
と。 【構成】 粗いスポンジ層6にインク8を含浸させた第
1インク層3と細いスポンジ層10にインク12を含浸
させた表面の第2インク層4からなり、第2インク層4
の表面が離型作用を有し、かつ、その表面の動摩擦係数
が0.3以下である熱転写記録媒体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は多数回記録可能な熱転写
記録媒体、特に、多数回記録しても画像濃度を維持する
だけではなく、地汚れ、ゴーストが発生せず、記録媒体
自身の強度も大きい熱転写記録媒体を提供しようとする
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来よりプリンター、ファクシミリ等の
記録装置において熱転写を利用したものは、記録装置の
小型化、低価格化、保守の低減が図れるものとして広く
普及している。熱転写記録装置に用いられる熱転写記録
媒体は支持体上に熱転写性インク層(熱溶融性インク
層)が単に設けられているものが一般的であり、従っ
て、1回の使用でインク層の加熱部分が全て転写して繰
り返し使用ができないためにランニングコストの点で問
題があった。そこで、繰り返し使用可能な熱転写記録媒
体の出現が求められ、現在までに、各種の熱転写記録媒
体が提案されてきた。その幾つかを挙げると、(1)特
開昭54−68253号公報、特開昭55−10557
9号公報などに開示されているような、支持体上に微細
な硬質インク層を設け、少しずつ熱溶融性インクが浸み
出るようにしたもの、(2)特開昭58−212993
号公報に開示されているような、支持体上のインク層の
上に多孔質膜を設け、インク流出量を制御したもの、さ
らに(3)特開昭60−127191号公報、特開昭6
0−127192号公報などに開示されているような、
複数の接着層を介して複数のインク層を設け少しずつイ
ンク層をはがして転写させるもの等が提案されている。
【0003】しかしながら、前記(1)の熱転写記録媒
体は繰り返し使用に伴いインク浸出が困難となり印字濃
度が徐々に低下するという欠点がある。前記(2)の熱
転写記録媒体は印字濃度を高めるために多孔質膜の孔径
を大きくすると機械的強度が低下し、インク層の剥がれ
が生じるという欠点がある。前記(3)の熱転写記録媒
体は印字ごとに熱溶融性インクの転写量が一定しないと
いう欠点がある。
【0004】また、従来の技術では図2に示すような初
回に印字した画像パターン11が、毛羽立つので図2に
示すように2回目以降の印字において受容紙に当接され
ると、その初回画像部が薄く感圧転写し(12の部
分)、(この現象を地汚れ、ゴーストと呼ぶ)画像を汚
したり、不鮮明になるという欠点をも有していた。この
対策の公知例として特開昭63−268693号公報に
開示されるような、多孔質構造の表面が受容体に対し剥
離可能に接着しうるようにすることで初回画像パターン
部表面から転写性の固形インクを除去せしめるという例
が提案されている。しかしながらファクシミリ、バーコ
ードプリンター等の記録装置に用いられるラインサーマ
ルヘッドのように熱転写記録媒体と受容紙=転写紙(被
記録紙)との加熱後の剥離時間が長いものにおいてはイ
ンク層の剥がれが生じたり、完全に固化した転写インク
の内部で凝集破壊が発生し、結果的には図2、図3の1
1のインク毛羽立ち部を残すため、地汚れゴーストが完
全には解消されないという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、繰り
返し熱転写印字を行っても高印字濃度を維持し、地汚れ
ゴーストの発生のない画像を提供するものである。本発
明の他の目的はラインサーマルヘッドを用いた場合の繰
り返し印字でのインク層全転写を防止し、高画質の繰り
返し印字を可能とする熱転写記録媒体を提供するもので
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明の構成は、特許請求の範囲に記載のとおりの熱
転写記録媒体である。すなわち、本発明は支持体上に熱
溶融性インク層を設けた熱転写記録媒体において、この
インク層が粗い分枝状樹脂及び熱溶融性インクを主成分
とした第1インク層と、微細多孔質樹脂及び熱溶融性イ
ンクを主成分とした第2インク層との積層からなり、こ
れら分枝状樹脂と微細多孔質樹脂とは部分的に連絡して
おり、第2インク層表面が離型作用を持ち、第2インク
層表面の動摩擦係数が0.30以下であることを特徴と
している。
【0007】本発明者らは多数回使用の熱転写記録媒体
について多方面からの検討を行った結果、一般にライン
型サーマルヘッドと熱転写記録媒体を用いて繰り返し熱
転写がなされる場合、サーマルヘッドでの熱印字後の熱
転写記録媒体−受容紙間の剥離のタイミングが遅いため
図2、図3で示すように転写インク4の内部で凝集破壊
が発生し、熱印加部に毛羽立ち面11が発生し、2回目
以降この面11が受容紙と当接されるとあたかも感圧転
写が起きたようになり、地汚れ、ゴースト13が発生す
る。
【0008】また、更に図4に示したような力(剥離強
度)のバランスが成立ちやすくなっていることを確かめ
た。即ち、F1を熱溶融性インク22と受容紙20との
引っ張り強度、F2を熱溶融性インク22と樹脂マトリ
クス21との引っ張り強度、F3を支持体1と樹脂マト
リクス21/熱溶融性インク2との剥離強度とすると、 F1>F2≧F3 の関係式が成立ちやすくなっている。このため、従来の
熱転写記録媒体では熱溶融性インクの全転写現象が生
じ、繰り返しの印字操作を行うことは実質上困難であ
る。
【0009】そこで、本発明者らは更に検討を進め、前
記力のバランスが F1>F2、かつ、F3>F2 となる条件が成立つように熱転写記録媒体に工夫を凝ら
し、あるいは転写インクの剥離が必ずインク層表面で起
こり毛羽立ち面ができないよう熱転写記録媒体に工夫を
凝らしておけば、先の課題が達成しうることを確かめ
た。そして、本発明においてその課題の達成は、基本的
には熱転写インク層の表面に離型性を持たせF1を減少
させることによりなされる。またこのときインク層表面
の動摩擦係数は0.30以下であればより効果的になさ
れる。
【0010】こうした傾向は、樹脂マトリクスに代え
て、粗い分枝状樹脂や微細多孔性樹脂が用いられたとき
にも一層良好に認められ、更に、後者の微細多孔性樹脂
の使用であれば顕著に繰り返し印字性を示すものとな
る。
【0011】樹脂マトリクス、粗い分枝状樹脂及び/又
は微細多孔質樹脂(以降「樹脂マトリクス等」と称する
ことがある)に熱溶融性インクとの離型作用を示すサイ
トを化合させることにより、或いは、熱溶融性インクに
樹脂マトリクス、粗い分枝状微細及び/又は微細多孔質
樹脂との離型作用を示す物質を配合しておくことによ
り、本発明の効果(良好な繰り返し印字性など)はさら
に増大する。
【0012】ここで、好適に用いられる離型作用をイン
ク層表面に付与する成分としては、変性シリコーン樹
脂、シリコーン樹脂、変性フッ素樹脂等の低表面エネル
ギー物質を単独もしくは2種以上の混合で用いる。もし
くは適当なマトリクス形成樹脂等(樹脂マトリクス等)
に上記低表面エネルギーとなる物質をブレンドしても良
い。熱溶融性インクとの親和性、機械的強度を考慮する
と、後者の方は特に好ましい。
【0013】変性シリコーン樹脂や変性フッ素樹脂とし
ては、密着性アップ、機械的強度アップ、他のマトリク
ス形成樹脂との親和性を高める目的で種々のものが用い
られる。変性方法としては、従来公知のアクリル変性、
ウレタン変性、アルキッド変性、エポキシ変性等々が用
いられる。低表面エネルギーを示すポリオルガノシロキ
サン部やジ、トリ、テトラ又はフッ化エチレン部がそれ
らの樹脂とでブロック状もしくはグラフト状に結合され
てなる。マトリクス形成樹脂等と任意の添加量でブレン
ドしたときは、それらの低表面エネルギーを示すサイト
(部位)は樹脂マトリクス等の受容紙面側の表面に配向
される。
【0014】ただし、もっとも望ましい離型性サイトを
有する物質としては、ポリオルガノジメチルシロキサン
からなるシリコーンオイルやシリコーンワックスの末端
にエポキシ基、カルボン酸、アミン、アジリジン、イソ
シアナート等を有するものが挙げられる。
【0015】マトリクス形成樹脂等としては、ガラス転
移点が熱溶融性インクの融点より高い各種樹脂を用いる
のが望ましい。例えば、塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−
酢酸ビニル共重合体、ポリエステル樹脂、エポキシ樹
脂、ポリカーボネート樹脂、フェノール樹脂、アクリル
樹脂、ウレタン樹脂、ポリイミド樹脂等が挙げられる。
特に樹脂として部分ケン化した塩化ビニル−酢酸ビニル
共重合体、マレイン酸含有塩化ビニル−酢酸ビニル共重
合体が支持体との密着性、柔軟性、膜の強度、ガラス転
移点の点で好ましい。
【0016】これらの樹脂マトリクス等の表面へ離型作
用を付与する低表面エネルギー物質の添加量は、熱溶融
性インク内の凝集力の大小によって任意に設定される。
【0017】ここで具体的な離型性サイトを有する樹脂
の調製例を挙げる。
【0018】(調製例)メチルエチルケトン/トルエン
混合溶媒下に、マレイン酸を2重量%含有する塩化ビニ
ル−酢酸ビニル共重合体(平均分子量8000、ガラス
転移点70℃、UCC社製VMCA)に片末端にエポキ
シ基を有するポリオルガノジメチルシロキサンオイル
(エポキシ当量350、粘度30cst、信越化学社製
X−22−3437)を理論当量混合し、反応を完結さ
せて離型性サイトを有する樹脂を得た。
【0019】一方、好適に用いられる離型作用を有する
熱溶融性インク(樹脂マトリクス等に対して離型作用を
有する熱溶融性インク成分)しては、熱溶融性インクに
変性シリコーンオイル、変性シリコーンワックス、変性
フッ素ワックスなどの低表面エネルギービヒクル(離型
性ビヒクル)を単独もしくは2種以上混合して得ること
ができる。また、適当なビヒクルに前記の低表面エネル
ギーとなる物質をブレンドしてもかまわない。熱溶融性
インクとしての着色材分散性、熱特性を考慮すると後者
の方が好ましい。
【0020】変性シリコーンワックスや変性シリコーン
オイルとしては、熱溶融性インクとしての特性を満足し
得るものとして種々のものが用いられる。変性基として
は他ビヒクルとの相溶性を向上せしめるものが好まし
い。例えばアルコール変性、ポリエーテル変性、オレフ
ィン変性、アミノ変性、アミド変性、カルボキシル変
性、脂肪酸変性、カルナバ変性等々が導入される。熱溶
融性インクビヒクルとして単独で用いられる場合は40
〜110℃の融点を示すものが好ましい。
【0021】図1に本発明にかかる熱転写記録媒体の構
成例の一部を略示する断面を示す。支持体1は耐熱保護
層5を設けたものを用いる。又、場合によっては支持体
1として図中2で示す接着層を予め設けた支持体1+2
を用いることもできる。その上に粗い分枝状樹脂構造6
中に熱溶融性インク8を含有してなる。更に表面部分に
は微細多孔質樹脂構造10が設けられ、粗い分枝状樹脂
構造6によって支持体1又は1+2と連結されている。
この多孔質樹脂構造10中には支持体側部分に含まれる
熱溶融インクと同一又は異なった熱溶融性インク12を
保持してなる。
【0022】これらの具体的調製方法について述べる。
【0023】上記の構成を達成するために分枝状樹脂構
造をとる樹脂と熱溶融性インクをゲル化させたインクを
混合塗布、乾燥することにより得られる。更に発泡剤を
含有させ塗布乾燥後に発泡させることでより理想に近い
粗い分枝状樹脂構造が形成できる。
【0024】更に表面部分を形成するには、好ましくは
支持体側部分を形成した後積層塗布することによって容
易に形成できる。微細多孔質樹脂とその樹脂とゲル化又
は不混和性を呈する熱溶融性インクと任意の割合で混合
後塗布乾燥して得られる。
【0025】しかる後に表面部分と支持体の連結は表面
部分を形成後、分枝状樹脂の軟化温度近くまで層を昇温
させて得られる。
【0026】本発明に用いられる支持体1は従来より公
知の耐熱性を有する材料、例えばポリエステル、ポリカ
ーボネート、トリアセチルセルロース、ナイロン、ポリ
イミド等のプラスチックフィルム、セロハン、硫酸紙、
コンデンサー紙等が使用できる。基材の厚さは熱感度、
機械的強度を考慮して2〜15μm程度であることが望
ましい。又、耐熱性基材のサーマルヘッドと接触する表
面にシリコーン樹脂、フッ素樹脂、ポリイミド樹脂、エ
ポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ニトロセ
ルロース等からなる耐熱保護層5を設けることにより基
材の耐熱性を更に向上せしめることもできる。
【0027】本発明のインク備蓄層である支持体側部分
3(以下第1インク層と称す)及びインク転写制御を行
う表面側部分4(以下第2インク層と称する。)中に保
持される熱溶融性インクは着色剤とベヒクル成分より構
成される。
【0028】着色剤は従来より公知の顔料及び染料の中
から適宜選択できるが、顔料としてはカーボンブラッ
ク、フタロシアニン系顔料が好ましく用いられ、又、染
料として直接染料、酸性染料、塩基性染料、分散性染
料、油溶性染料等が好適に用いられる。
【0029】ベヒクル成分としてミツロウ、カルナバワ
ックス、鯨ロウ、木ロウ、キャンデリラワックス、ヌカ
ロウ、モンタンワックス等の天然ワックス、パラフィン
ワックス、マイクロクリスタリンワックス、酸化ワック
ス、オゾケライト、セレシン、エステルワックス等が挙
げられる。他にマルガリン酸、ラウリン酸、ミリスチン
酸、パルミチン酸、ステアリン酸、フロメン酸、ベヘニ
ン酸等の高級脂肪酸、ステアリルアルコール、ベヘニル
アルコール等の高級アルコール、ソルビタンの脂肪酸エ
ステル等のエステル類、ステアリンアミド、オレインア
ミド等のアミド類が挙げられる。
【0030】熱溶融性ゲル化インクはソルベント分散方
法によるもの、ホットメルト分散方法によるもの、イン
クのゲル化剤によるものに大別され、任意に選択して用
いられる。
【0031】まずソルベント分散方法による場合はイン
ク組成物を適当な溶媒下、高温雰囲気において分散を行
い、室温へ冷却することにより得られる。具体的には2
5〜40℃の分散温度範囲であることが望ましい。25
℃以下ではゲル化の効果は得られず転写能力は向上せ
ず、又、40℃以上では安全性の面から好ましくない。
又、冷却は室温下での放置により行われる。
【0032】又、インクのゲル化はグリセリン脂肪酸エ
ステル類のような適当なゲル化剤を添加せしめることに
よって行ってもよい。この際ゲル化剤の添加量は熱溶融
性インクの固形分総量に対し5〜50重量%の範囲とな
ることが望ましい。
【0033】又、ホットメルト分散方法による場合は、
例えばロールミル、サンドミル、アトライター等によっ
て高温雰囲気下で分散するが、サンドミルを用いた分散
方法がより均一に分散され好ましい。具体的には上記の
着色剤とベヒクル成分を混合後、ベヒクル成分の溶融温
度より10〜20℃高く設定されたベッセル中で高シェ
ア下で分散する。任意の時間分散後、室温で放冷するか
あるいは溶融下適当な希釈溶剤及び任意のベヒクル成分
を添加後、25〜35℃で再分散し、室温で放冷するこ
とによって熱溶融性ゲル化インクを調製する。
【0034】更に上記樹脂構造形成を容易とする発泡剤
は加熱時に分解し、層全体に孔を形成するアゾ化合物等
が好ましく、例えばアゾジカルボンアミド、アゾビスイ
ソブチルニトリル、アゾシクロヘキシルニトリル、ジア
ゾアミノベンゼン、バリウムジアゾカルボキシレート等
が挙げられる。又、発泡剤の発泡温度、発泡効率を制御
するために酸化亜鉛、各種ステアリン酸塩、パルミチン
酸塩等の発泡助剤及びDOP等の可塑剤を添加してもよ
い。発泡剤の量は特に限定されないが、第1インク層及
び第2インク層中の樹脂マトリクス及び熱溶融性ゲル化
インクの固形分総量に対し5〜30%添加されることが
望ましい。発泡剤の含有率が上記範囲より少なければ転
写能力を上げるのに必要な孔が充分に得られず、逆に多
ければ機械的強度の低下を招き好ましくない。
【0035】又、本発明の第1インク層と第2インク層
は、上記の発泡剤を使用する方法と共に分枝状及び微細
多孔質を構成する樹脂と熱溶融性ゲル化インクを高揮発
性溶剤と低揮発性溶剤との混合溶媒に溶解させ、乾燥に
より樹脂多孔質体を形成せしめる方法と併用することも
可能である。
【0036】本発明の第1インク層3の厚さは、印字回
数の大小に応じて適宜設定され得るものであるが、3〜
15μmとすることで熱感度、繰り返し印字性に優れた
ものにできる。又、第2インク層4の厚さはその特性か
ら薄くすることが好ましく1〜5μmとするのがよい。
【0037】本発明は更に熱転写記録媒体の接着層 2を
設けてもよい。接着層2は、上記の第1インク層3をよ
り強固に基材上に保持する働きを持つ。接着層を構成す
るものとして具体的にはエチレン−酢酸ビニル共重合
体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アク
リレート共重合体、ポリエチレン、ポリアミド、ポリエ
ステル、石油樹脂、ナイロン等であり、これらの中から
1種あるいは2種以上を組合わせて使用すればよい。厚
さは0.2〜2.0μmとすることが接着性、熱感度の
面から好ましい。
【0038】
【実施例】次に実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明
する。なお、実施例に記載の各成分の量(部)は重量部
である。
【0039】実施例1 [熱溶融性ゲル化インクの作製] カーボンブラック 15部 キャンデリラワックス 60部 酸化ポリエチレンワックス 23部 テルペン樹脂(分散剤) 2部 上記成分をサンドミルベッセルに充填後、110℃下で
分散を行い均一インクとした。その後系を65℃とし、
低融点油溶性染料ベンゾールブラック10部及びメチル
エチルケトン/トルエン(2/1比)675部を添加
し、32℃において再分散を行った。分散後室温で放冷
することによって熱溶融性ゲル化インクを得た。このイ
ンクを用い、下記それぞれのインク層塗液を調製し、各
インク層を作製した。
【0040】 [第1インク層の作製] 熱溶融性ゲル化インク 10部 塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体のメチルエチルケトン/トルエン(2/1 比)の20%溶液 3部 アゾビスイソブチロニトリル 0.1部 上記成分を混合後、厚さ4.5μmのPETフィルムの
片面に耐熱処理を施した基材上に膜厚8μmになるよう
に塗布し75℃で乾燥させて第1インク層を作製した。
【0041】[第2インク層の作製]熱溶融性ゲル化イ
ンク10部に対し、アクリル変性シリコーン樹脂(ポリ
オルガノシロキサン(n≒180〜200)をアクリル
ビニルモノマーにグラフトし、MMAと共重合せしめた
樹脂であって、平均分子量約40,000のもの)5部
と塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体95部のメチルエチ
ルケトン−トルエン(トルエン2%)混合溶媒の20%
溶液5部を混合後、第1インク層上に膜厚2μmとなる
ように塗布後110℃にて乾燥させて熱転写記録媒体を
得た。
【0042】又、本熱転写記録媒体のインク層表面の動
摩擦係数をHEIDON表面性測定機タイプ4Sで測定
(ボール圧子使用)したところ0.18であった。
【0043】実施例2 アクリル変性シリコーン樹脂を下記に代えた以外は実施
例1とまったく同様にして図1に示したタイプの熱転写
記録媒体をつくった。
【0044】アクリル変性フッ素樹脂(ポリテトラフル
オロエチレン(n≒15〜20)をアクリルビニルモノ
マーにグラフトし、MMAと共重合せしめた樹脂であっ
て、平均分子量約35,000のもの)この熱転写記録
媒体インク層表面の動摩擦係数は0.15であった。
【0045】実施例3 実施例1の第2インク層の樹脂成分として前記調製例で
得られた離型サイドを化合させた塩化ビニル・酢酸ビニ
ル共重合体とした以外は実施例1同様に熱転写記録媒体
を得た。この熱転写記録媒体の動摩擦係数は0.20で
あった。
【0046】比較例1 実施例1における樹脂多孔質成分を塩化ビニル−酢酸ビ
ニル共重合体に代えた他は、同様にして調製し、比較の
熱転写記録媒体をつくった。
【0047】この熱転写記録媒体のインク層表面の動摩
擦係数は0.32であった。
【0048】これらの5種の熱転写記録媒体をラインプ
リンターに装着し、熱転写記録媒体の同じ位置を下記の
条件で10回繰り返し印字して、4回までの各回の画像
濃度をマクベス社製反射濃度計(RD914)で測定し
た。
【0049】[印字条件] サーマルヘッド:ライン薄膜ヘッドタイプ プラテン圧:330gf/cm 熱転写記録媒体の剥離角:45°(被転写紙に対し) 印加エネルギー:20mJ/mm2 印字速度:4インチ/sec 被転写紙:上質紙(ベック平滑度450sec) 測定結果は表1に示したとおりであった。
【0050】
【表1】 表1に示すように実施例1〜3では10回印字において
もインク層全転写は発生せず、かつ地汚れ、ゴーストも
なかった。一方、比較例では画像濃度は維持しているも
のの10回印字までに全転写が発生し、また地汚れ、ゴ
ーストが観察された。
【0051】
【発明の効果】以上説明したように本発明はインク層表
面に離型性を付与することで受容紙との接着力が低下し
全転写のない画像が得られ、かつインク転写が内部で凝
集破壊することなくインク層表面で行われるため、地汚
れ、ゴーストのない画像が得られる。
【0052】更にインク層表面の動摩擦係数を0.30
以下にすることで、上記効果をさらに高めることがで
き、良好な繰り返し印字画像が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の熱転写記録媒体の構造を示す断面の模
式図、
【図2】
【図3】従来の熱転写記録媒体を用いたときの地汚れ、
ゴーストの発生原理を示す説明図、
【図4】本発明の熱転写記録媒体の作用の説明図であ
る。
【符号の説明】
1 支持体 2 接着層(支持体に含む) 3 第1インク層 4 第2インク層 5 耐熱保護層 6 粗い分枝状樹脂構造(マトリックス) 8,12 熱溶融性インク 10 微細多孔質樹脂構造 11 初回印字像 12 転写インク 13 感圧転写部(地汚れ、ゴースト) 20 受容紙

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に熱転写インク層を設けてなる
    熱転写記録媒体において、該インク層が粗い分枝状樹脂
    構造と熱溶融性インクから主としてなる支持体側部分で
    ある第1インク層と、微細多孔質樹脂構造と熱溶融性イ
    ンクから主としてなる表面部分である第2インク層とか
    らなり、該分枝状樹脂構造が部分的に微細多孔質樹脂構
    造及び支持体と連結している熱転写記録媒体であって、
    第2インク層表面が離型作用を有し、かつ、このインク
    層表面の動摩擦係数が0.30以下であることを特徴と
    する熱転写記録媒体。
  2. 【請求項2】 支持体上に熱転写インク層を設けてなる
    熱転写記録媒体において、粗い分枝状構造と熱溶融性イ
    ンクから主としてなる第1インク層、微細多孔質樹脂構
    造と熱溶融性インクから主としてなる第2インク層を順
    次設けてなり、この分枝状樹脂構造が部分的に微細多孔
    質樹脂構造及び支持体と連結している熱転写記録媒体で
    あって、第2インク層表面が離型作用を有し、かつ該イ
    ンク層表面の動摩擦係数が0.30以下であることを特
    徴とする熱転写記録媒体。
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